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「名前いつの間に例のイケメンとデキてんのよ」
「パードゥン?」
友人からおかしな発言が聞こえた。
おや……通行人名前の様子が…
てって、てって、てって
Bボタンキャンセル連打
パードゥン?もう一回お願いできる?
「だから、いつからイケメンと付き合ってんの?」
「タシハンボンマレジュセヨ?」
「は?何言ってんの?」
「わざわざ携帯でググって変な言葉発するな」
「日本人なら日本語で離せよ」
もう一回お願いしたのに、怒られた。
いや、まじでなんの話?
「学校の裏サイトで話題なってるよ」
「は?」
友人から見せられた画像は隠し撮りで白髪と歩く私の姿。
目元に黒線入れられボロクソ言われてる。
350 通りすがりの猫ちゃん
はい、この女死刑
351 通りすがりの猫ちゃん
シネ。まじシネ。
352 通りすがりの猫ちゃん
あれ?この人……2年の人じゃない?
わりと有名な校長ともののけ姫の人
353 通りすがりの猫ちゃん
あぁ、あれなwww
354 通りすがりの猫ちゃん
この二人デキてんの?
355 通りすがりの猫ちゃん
ただのビッチ
356 通りすがりの猫ちゃん
たいしてかわいくないくせに何だコイツ
357 通りすがりの猫ちゃん
男いないと生きてけない病気かな?
358 通りすがりの猫ちゃん
あぁ、こないだ売店でキレッキレのムーンウォークしてた人か
359 通りすがりの猫ちゃん
ムーンウォークwwwwww
370 通りすがりの猫ちゃん
ブスで頭オカシイって人間か?
などと、諸々書かれている。
「oh……私の風評被害が酷い」
「頭オカシイのは否定しないけど」
「否定してくれ!!」
「あんた気をつけなよ」
「ん?」
「この裏サイト、わりとエグイからさ。
イジメとか普通にされるし」
「えっ、皆私の事イジメるの?」
「友達にやるわけないじゃん」
「忠告までしてやったのに酷い奴」
「おい、イチゴ牛乳買ってこいよ」
「人数分な」
あれ?これイジメじゃね?とか思ったけど
忠告はありがたく受け取った。
受け取ったが、手遅れでした。
「うわぁ………」
「うわっ!!汚っ!!」
「最低だね」
帰るとき、下駄箱がゴミ箱になってました。
ローファーの中にバナナの皮入れた奴誰だよ。
名乗り出ろ。
「帰りどーすんの?」
「上靴で帰る」
「即答!!」
「私、負けない!!」
ってことで、ローファーは先生から袋もらって入れて、友人らと下駄箱掃除した。
うむ、綺麗になった!!
優しい友人らと共に帰宅し、ローファーを洗った。
で、次の日
「oh……」
「うわっ、なにそれ!?」
「画鋲の山だ」
どこから持ってきたのか、画鋲の山。
すごいな、わざわざ買ったの?
塵取りと箒で回収し、学校に寄付した。
学校は沢山画鋲使うじゃん?
そして帰り、手紙が入っていた。
"死ね、ビッチ"
"邪魔しないで"
"悪影響"
などなど……
そんな下駄箱イジメの日々が続いたが、私?
いや、ノーダメージ。
友人らがいるから教室に入って教科書やジャージが悪戯されることはない。
とゆーか、ジャージは幼馴染のロッカーに入れてるからな。
なぜって?私のロッカー遊び道具などなどで入りきらないからさ!!(ドヤァ)
下駄箱onlyなイジメや手紙。
毎回楽しんでる。
「今日なんて書いてた?」
「えーっと
"天罰が下るぞ"」
「あははははっ!!」
「友人よ……私の日々のおちゃめな悪戯は
天罰が下るほどか?」
「むしろ、めげない名前すごいよ。
鋼メンタルですごいよ」
「あ、裏サイトまた書かれてるよ」
悪口のオンパレード。
しかし、まったく心が折れない私の様子に苛立っているらしい。
「そもそも何で私ここまでやられてるんだ?」
「「「「今さらかよ」」」」
「嫉妬じゃない?」
「イケメンくん侍らせて行動したり」
「なんだかんだ、あんた男子と仲良いし」
「バレボのファンクラブとか?」
「は?ファンクラブ?あんの?」
「名前の幼馴染人気じゃん」
「うちの天使にファン……」
「先輩の方ね」
「………え?トサカだぞ?」
「小さい背の先輩とか、結構顔整ってる人いるじゃん」
「???」
本気でわからない、という顔したら頭を叩かれた。
私皆が思ってるほど幼馴染以外とのバレボ仲間とは交流してないぞ。
モヒカンは絶許でたまに弄るけど。
「解せぬ」
「テンプレでいくなら、かっこいい先輩の幼馴染と引っ込み思案な可愛い幼馴染がいて、常に男子と気軽に話して、他校からは超ハイレベルなイケメンが二人も迎えに来る」
「ふむふむ」
「つまり」
「これは」
「「「「万死に値する」」」」
「うぉい!!!」
そんな大罪!?
幼馴染は仕方なくない!?
うちの子可愛いもん!!!!
あと、白髪と前髪………白髪と前髪かぁ。
「白髪と前髪………」
「イケメンだよね」
「うん」
「あの隣歩けるのは余程の自信ありか」
「同じレベルか」
「ただの馬鹿か」
「馬鹿でこっちを見るな」
君達、私のことになると一致団結で酷いね。
流石に心折れちゃうよ。
「まぁ、そのうち呼び出しくるんじゃない? 」
「そしたら……ねぇ?」
「この馬鹿で遊んでいいのはうちらだけだし」
「遊ぶなら、楽しまなきゃ」
友人らが怪しく笑う。
うん、私この人らと友達で良かったわ。
心強すぎる。
そんなこんなで数日後
呼び出されました。
「あんた何なの!?」
「何だかんだと聞かれたら…」
「ふざけんじゃないわよ!!」
何かよくわからんが、一年生?かな?
数人がキャンキャン吠えてる。
んで、中心?にいる可愛い系の子が泣いてる。
うん、誰?
「エミリの好きな人取って!!」
「エミリ、あんたのせいでフラれたんだから!!」
「みんな……もう、いいよ」
うん、誰?
「色々な男に手を出すビッチのくせに!!」
「男なら誰でもいいの?」
「ぐすっ」
盛り上がってるけど……
誰のこと?
「余裕?」
「っていうか、誰にフラれたの?」
「男居すぎてわかりませんって?」
「サイテー」
いや、しらんがな。
君ら落ち着け。
まじ誰の話?
ピーチクパーチク騒いでいる。
うんうん、落ち着け。
まじで誰のこと?
「マサオくんのことだよ!!」
「エミリ、入学からマサオくんが好きだったのに……あんたのせいで!!」
「ホワッツ?MASAO?」
マサオ…マサオ…
すまん。
マスオでぇーっす!!
しかわかんないわ。
ん?いや、待てよ。
「可愛い系の?」
「そーだよ!!2年のマサオ先輩!!」
「私何か関係ある?」
「マサオ先輩、あんたみたいな人じゃないと付き合えないって……っ!!
あんたを忘れられないって!!」
え?
あの迷惑野郎かよ。
スッパリ諦めて関わらないようにしてくれているんじゃなかったのかよ。
「うん、だから?」
「話聞いてた?馬鹿なの?」
「君らのが馬鹿じゃない?
フラれた腹いせに嫌がらせ?」
「文句でもあんの?」
「むしろ何でそんな態度なの?
八つ当たりで情報ネットに流され、ディスられ、悪戯され……私被害者な」
「やられて当たり前じゃん」
「自業自得」
あー、話通じない。
怒ることない私が、おこですよ。
「君らは私への行いを正当化するんだね?」
「なによ」
「てってれー!!ここに、ボイスレコーダーがあります」
「だから?」
「そして……」
携帯で女子達の顔を撮る。
醜く歪んだ顔。
あぁ、やだな。
こんな負にまみれた子達は
アレを生み出すから。
「今、君らの顔も撮った。
今までの悪戯も証拠として残してあるし
君らがたった今認めた音声も残っている」
「それがなに?脅し?」
「未成年がやったことに警察なんて入って来ないでしょ!馬鹿じゃん」
「コレ、顔隠さないでネット流すね。
おめでとう。
君らは法に守られて捕まりはしなくても
ネットに流された写真や情報は消えないよ。
面白おかしく探られ、特定され、晒され
学校内でも居場所無くなるかもね。
そしたら転校かな?
あぁ、でも顔が全国流れてるからどこ行ってもすぐ見付かるよ」
どんどん顔色を失くしていく少女達。
「おめでとう。
君達はどこへ逃げても犯罪者だ」
「犯罪なんてしてない!!」
「私は止めようって…」
「逃げる気!?」
「元はエミリが悪いんじゃん!!」
えー、なんか変な方向に……。
「エミリが泣いて頼んできたから!!」
「そーだよ!!」
「わ、私が悪いって言うの!?」
「私らは関係ない!!」
「お前らまとめて同罪じゃボケッ」
フラれたエミリ?ちゃんが悪者に。
友人らと考えた脅しがパーになりそうだ。
「君ら友達なんでしょ?
なのに何でいきなり友達売るかな?
誰が悪い、って責める前に君ら全員私の事ネットに上げて悪口言って、下駄箱汚して手紙書いた時点で同罪だよ、同罪。
どっちが悪いんじゃなく、同罪」
ぐっ、と黙る少女達。
若さ故に先走った結果かね……怖い怖い。
「友達ならフラれたの慰めてやれよ。
誰かに憎しみ向ける前に自分磨け。
一緒になって悪者作って都合良く逃げんな」
「………っ」
「かっこいー」
「………は?白髪?」
塀の上に座ってる不審者がいるよー。
え、何でこんなとこいんの?
「何でいんの?」
「任務帰り。
昼休みだしいないかなーと思って覗いたら
面白そうなことになってるから」
「ご苦労さん。で、何で入って来てんの?
通報すっぞ」
「俺とオマエの仲じゃん」
「どんな仲だよ」
軽々と塀から降りてきて、隣に立つ白髪。
「イジメって本当にあんだな。
初めて見たわ」
「私も初めてだわ」
「かっこいーじゃん。流石俺の白滝」
「文脈おかしくね?俺の白滝って……ぶふっ」
ケラケラ笑っていれば、なにやら少女達が赤くなっている。
うん、顔はいいもんな。
わかるわかる。
「コイツに何かしたらさ」
「んぶっ!!」
白髪の硬い胸板に押し付けられた。
おまっ!!鼻!!
鼻が……鼻がぁ!!!
「女であろうと容赦しねーよ」
白髪の冷たい声に、少女達が逃げていった。
「白髪、痛い」
「あれだけ脅せばもうやらねーだろ」
「離して」
「お前の友人ら、心配してたぞ」
「は?」
「いつもの店には最近来ないし
来てた友人らが話してたの聞いた」
友人らそんな事一言も言ってなかったぞ。
そーいや、最近行ってなかったな、店。
「普段呑気で騒がしいオマエでも辛いときは言えよ」
「………白髪」
「学校違うし、守ってやれねーけど
……いざとなったら、コッチこいよ」
「ないわ」
うん、ないない。
絶対呪術師なんねーし。入らん。
「最近太ったし新しいゲーム買ったから、金欠で店に行けてなかったんだよね」
「………は?」
「店長にはすまねぇ!!って言っといたけど」
「………」
「白髪、あんたきっと友人らにからかわれたんだよ」
憐れみの眼差しを送る。
辛い?
いや、今回別に辛かったことないですけど?
「友人らのことだから悲壮感漂う感じで
『あの子……私らの前じゃ強がるから』
『私らは側にいるけど、きっと心のケアまでは…』
『あの子は心配かけないようにって頑張るんです』
『馬鹿だよね…
うちらも大したこと出来ないから、無力で』
ってな感じ?」
「………まじかよ」
「今回友人ら面白おかしく手紙で笑い転げていたし、私のいないとこで下駄箱以外は悪戯されないようにしててくれたみたいだけど」
友人だけじゃなく、クラスの子や、通りかかる生徒らが助けてくれた。
「多分、私の悪ふざけの延長戦だと思われていたのが大半かな」
「どんな悪ふざけの延長戦だよ」
「余った画鋲で、掲示板にマリオ作るノリ」
2日に一回大量の画鋲入ってるから、学校に寄付しても拒否られ……最終的に掲示板に画鋲刺しまくった。
で、完成したマリオがこちら。
「光沢のあるマリオじゃん」
「黒板アートならぬ、掲示板アートだよ」
下駄箱荒らされるくらい、どうってことないぜ!!
ローファーにバナナの皮いれた奴は絶許だけどな。
あっ、ローファーにバナナの皮いれた奴確認すんの忘れてた!!
「もしかしなくても、心配で見にきたとか?」
「ちげーし」
「わざわざ?」
「任務帰りって言ってんだろ」
ぐいぐいと頭を腕で捕獲して締め付けないでほしい。
地味に痛いんだけど……!!
「痛い痛い痛いっ」
「ばーか」
「馬鹿って言うなし!!」
「帰るわ」
「帰れ帰れ。不審者扱いされる前に」
しっし、と追い払う。
ちらり、とこちらを見下ろす白髪。
「店来いよ。奢ってやる」
「まじ?いつ?」
「連絡する」
「まじ金持たないからな!!金欠だからな!!」
「いらねーよ」
ぽふぽふ、と頭を何度か撫でていなくなった白髪。
私も戻ろう、と校舎内に入って……しゃがみこんだ。
「なんだよ……なんなんだよ、アイツッ」
頭ぽふぽふとか反則。
心配で来るとか反則。
「アオハルのテンプレみたいなことすんな」
顔に集まる熱は
きっと慣れない恥ずかしさからくるものだ。
アオハル?
いやいや、これは……気温のせい。
あとがき
テンプレートなイジメですいません。
まさか、マサオの出番がまたあるとは……。
「パードゥン?」
友人からおかしな発言が聞こえた。
おや……通行人名前の様子が…
てって、てって、てって
Bボタンキャンセル連打
パードゥン?もう一回お願いできる?
「だから、いつからイケメンと付き合ってんの?」
「タシハンボンマレジュセヨ?」
「は?何言ってんの?」
「わざわざ携帯でググって変な言葉発するな」
「日本人なら日本語で離せよ」
もう一回お願いしたのに、怒られた。
いや、まじでなんの話?
「学校の裏サイトで話題なってるよ」
「は?」
友人から見せられた画像は隠し撮りで白髪と歩く私の姿。
目元に黒線入れられボロクソ言われてる。
350 通りすがりの猫ちゃん
はい、この女死刑
351 通りすがりの猫ちゃん
シネ。まじシネ。
352 通りすがりの猫ちゃん
あれ?この人……2年の人じゃない?
わりと有名な校長ともののけ姫の人
353 通りすがりの猫ちゃん
あぁ、あれなwww
354 通りすがりの猫ちゃん
この二人デキてんの?
355 通りすがりの猫ちゃん
ただのビッチ
356 通りすがりの猫ちゃん
たいしてかわいくないくせに何だコイツ
357 通りすがりの猫ちゃん
男いないと生きてけない病気かな?
358 通りすがりの猫ちゃん
あぁ、こないだ売店でキレッキレのムーンウォークしてた人か
359 通りすがりの猫ちゃん
ムーンウォークwwwwww
370 通りすがりの猫ちゃん
ブスで頭オカシイって人間か?
などと、諸々書かれている。
「oh……私の風評被害が酷い」
「頭オカシイのは否定しないけど」
「否定してくれ!!」
「あんた気をつけなよ」
「ん?」
「この裏サイト、わりとエグイからさ。
イジメとか普通にされるし」
「えっ、皆私の事イジメるの?」
「友達にやるわけないじゃん」
「忠告までしてやったのに酷い奴」
「おい、イチゴ牛乳買ってこいよ」
「人数分な」
あれ?これイジメじゃね?とか思ったけど
忠告はありがたく受け取った。
受け取ったが、手遅れでした。
「うわぁ………」
「うわっ!!汚っ!!」
「最低だね」
帰るとき、下駄箱がゴミ箱になってました。
ローファーの中にバナナの皮入れた奴誰だよ。
名乗り出ろ。
「帰りどーすんの?」
「上靴で帰る」
「即答!!」
「私、負けない!!」
ってことで、ローファーは先生から袋もらって入れて、友人らと下駄箱掃除した。
うむ、綺麗になった!!
優しい友人らと共に帰宅し、ローファーを洗った。
で、次の日
「oh……」
「うわっ、なにそれ!?」
「画鋲の山だ」
どこから持ってきたのか、画鋲の山。
すごいな、わざわざ買ったの?
塵取りと箒で回収し、学校に寄付した。
学校は沢山画鋲使うじゃん?
そして帰り、手紙が入っていた。
"死ね、ビッチ"
"邪魔しないで"
"悪影響"
などなど……
そんな下駄箱イジメの日々が続いたが、私?
いや、ノーダメージ。
友人らがいるから教室に入って教科書やジャージが悪戯されることはない。
とゆーか、ジャージは幼馴染のロッカーに入れてるからな。
なぜって?私のロッカー遊び道具などなどで入りきらないからさ!!(ドヤァ)
下駄箱onlyなイジメや手紙。
毎回楽しんでる。
「今日なんて書いてた?」
「えーっと
"天罰が下るぞ"」
「あははははっ!!」
「友人よ……私の日々のおちゃめな悪戯は
天罰が下るほどか?」
「むしろ、めげない名前すごいよ。
鋼メンタルですごいよ」
「あ、裏サイトまた書かれてるよ」
悪口のオンパレード。
しかし、まったく心が折れない私の様子に苛立っているらしい。
「そもそも何で私ここまでやられてるんだ?」
「「「「今さらかよ」」」」
「嫉妬じゃない?」
「イケメンくん侍らせて行動したり」
「なんだかんだ、あんた男子と仲良いし」
「バレボのファンクラブとか?」
「は?ファンクラブ?あんの?」
「名前の幼馴染人気じゃん」
「うちの天使にファン……」
「先輩の方ね」
「………え?トサカだぞ?」
「小さい背の先輩とか、結構顔整ってる人いるじゃん」
「???」
本気でわからない、という顔したら頭を叩かれた。
私皆が思ってるほど幼馴染以外とのバレボ仲間とは交流してないぞ。
モヒカンは絶許でたまに弄るけど。
「解せぬ」
「テンプレでいくなら、かっこいい先輩の幼馴染と引っ込み思案な可愛い幼馴染がいて、常に男子と気軽に話して、他校からは超ハイレベルなイケメンが二人も迎えに来る」
「ふむふむ」
「つまり」
「これは」
「「「「万死に値する」」」」
「うぉい!!!」
そんな大罪!?
幼馴染は仕方なくない!?
うちの子可愛いもん!!!!
あと、白髪と前髪………白髪と前髪かぁ。
「白髪と前髪………」
「イケメンだよね」
「うん」
「あの隣歩けるのは余程の自信ありか」
「同じレベルか」
「ただの馬鹿か」
「馬鹿でこっちを見るな」
君達、私のことになると一致団結で酷いね。
流石に心折れちゃうよ。
「まぁ、そのうち呼び出しくるんじゃない? 」
「そしたら……ねぇ?」
「この馬鹿で遊んでいいのはうちらだけだし」
「遊ぶなら、楽しまなきゃ」
友人らが怪しく笑う。
うん、私この人らと友達で良かったわ。
心強すぎる。
そんなこんなで数日後
呼び出されました。
「あんた何なの!?」
「何だかんだと聞かれたら…」
「ふざけんじゃないわよ!!」
何かよくわからんが、一年生?かな?
数人がキャンキャン吠えてる。
んで、中心?にいる可愛い系の子が泣いてる。
うん、誰?
「エミリの好きな人取って!!」
「エミリ、あんたのせいでフラれたんだから!!」
「みんな……もう、いいよ」
うん、誰?
「色々な男に手を出すビッチのくせに!!」
「男なら誰でもいいの?」
「ぐすっ」
盛り上がってるけど……
誰のこと?
「余裕?」
「っていうか、誰にフラれたの?」
「男居すぎてわかりませんって?」
「サイテー」
いや、しらんがな。
君ら落ち着け。
まじ誰の話?
ピーチクパーチク騒いでいる。
うんうん、落ち着け。
まじで誰のこと?
「マサオくんのことだよ!!」
「エミリ、入学からマサオくんが好きだったのに……あんたのせいで!!」
「ホワッツ?MASAO?」
マサオ…マサオ…
すまん。
マスオでぇーっす!!
しかわかんないわ。
ん?いや、待てよ。
「可愛い系の?」
「そーだよ!!2年のマサオ先輩!!」
「私何か関係ある?」
「マサオ先輩、あんたみたいな人じゃないと付き合えないって……っ!!
あんたを忘れられないって!!」
え?
あの迷惑野郎かよ。
スッパリ諦めて関わらないようにしてくれているんじゃなかったのかよ。
「うん、だから?」
「話聞いてた?馬鹿なの?」
「君らのが馬鹿じゃない?
フラれた腹いせに嫌がらせ?」
「文句でもあんの?」
「むしろ何でそんな態度なの?
八つ当たりで情報ネットに流され、ディスられ、悪戯され……私被害者な」
「やられて当たり前じゃん」
「自業自得」
あー、話通じない。
怒ることない私が、おこですよ。
「君らは私への行いを正当化するんだね?」
「なによ」
「てってれー!!ここに、ボイスレコーダーがあります」
「だから?」
「そして……」
携帯で女子達の顔を撮る。
醜く歪んだ顔。
あぁ、やだな。
こんな負にまみれた子達は
アレを生み出すから。
「今、君らの顔も撮った。
今までの悪戯も証拠として残してあるし
君らがたった今認めた音声も残っている」
「それがなに?脅し?」
「未成年がやったことに警察なんて入って来ないでしょ!馬鹿じゃん」
「コレ、顔隠さないでネット流すね。
おめでとう。
君らは法に守られて捕まりはしなくても
ネットに流された写真や情報は消えないよ。
面白おかしく探られ、特定され、晒され
学校内でも居場所無くなるかもね。
そしたら転校かな?
あぁ、でも顔が全国流れてるからどこ行ってもすぐ見付かるよ」
どんどん顔色を失くしていく少女達。
「おめでとう。
君達はどこへ逃げても犯罪者だ」
「犯罪なんてしてない!!」
「私は止めようって…」
「逃げる気!?」
「元はエミリが悪いんじゃん!!」
えー、なんか変な方向に……。
「エミリが泣いて頼んできたから!!」
「そーだよ!!」
「わ、私が悪いって言うの!?」
「私らは関係ない!!」
「お前らまとめて同罪じゃボケッ」
フラれたエミリ?ちゃんが悪者に。
友人らと考えた脅しがパーになりそうだ。
「君ら友達なんでしょ?
なのに何でいきなり友達売るかな?
誰が悪い、って責める前に君ら全員私の事ネットに上げて悪口言って、下駄箱汚して手紙書いた時点で同罪だよ、同罪。
どっちが悪いんじゃなく、同罪」
ぐっ、と黙る少女達。
若さ故に先走った結果かね……怖い怖い。
「友達ならフラれたの慰めてやれよ。
誰かに憎しみ向ける前に自分磨け。
一緒になって悪者作って都合良く逃げんな」
「………っ」
「かっこいー」
「………は?白髪?」
塀の上に座ってる不審者がいるよー。
え、何でこんなとこいんの?
「何でいんの?」
「任務帰り。
昼休みだしいないかなーと思って覗いたら
面白そうなことになってるから」
「ご苦労さん。で、何で入って来てんの?
通報すっぞ」
「俺とオマエの仲じゃん」
「どんな仲だよ」
軽々と塀から降りてきて、隣に立つ白髪。
「イジメって本当にあんだな。
初めて見たわ」
「私も初めてだわ」
「かっこいーじゃん。流石俺の白滝」
「文脈おかしくね?俺の白滝って……ぶふっ」
ケラケラ笑っていれば、なにやら少女達が赤くなっている。
うん、顔はいいもんな。
わかるわかる。
「コイツに何かしたらさ」
「んぶっ!!」
白髪の硬い胸板に押し付けられた。
おまっ!!鼻!!
鼻が……鼻がぁ!!!
「女であろうと容赦しねーよ」
白髪の冷たい声に、少女達が逃げていった。
「白髪、痛い」
「あれだけ脅せばもうやらねーだろ」
「離して」
「お前の友人ら、心配してたぞ」
「は?」
「いつもの店には最近来ないし
来てた友人らが話してたの聞いた」
友人らそんな事一言も言ってなかったぞ。
そーいや、最近行ってなかったな、店。
「普段呑気で騒がしいオマエでも辛いときは言えよ」
「………白髪」
「学校違うし、守ってやれねーけど
……いざとなったら、コッチこいよ」
「ないわ」
うん、ないない。
絶対呪術師なんねーし。入らん。
「最近太ったし新しいゲーム買ったから、金欠で店に行けてなかったんだよね」
「………は?」
「店長にはすまねぇ!!って言っといたけど」
「………」
「白髪、あんたきっと友人らにからかわれたんだよ」
憐れみの眼差しを送る。
辛い?
いや、今回別に辛かったことないですけど?
「友人らのことだから悲壮感漂う感じで
『あの子……私らの前じゃ強がるから』
『私らは側にいるけど、きっと心のケアまでは…』
『あの子は心配かけないようにって頑張るんです』
『馬鹿だよね…
うちらも大したこと出来ないから、無力で』
ってな感じ?」
「………まじかよ」
「今回友人ら面白おかしく手紙で笑い転げていたし、私のいないとこで下駄箱以外は悪戯されないようにしててくれたみたいだけど」
友人だけじゃなく、クラスの子や、通りかかる生徒らが助けてくれた。
「多分、私の悪ふざけの延長戦だと思われていたのが大半かな」
「どんな悪ふざけの延長戦だよ」
「余った画鋲で、掲示板にマリオ作るノリ」
2日に一回大量の画鋲入ってるから、学校に寄付しても拒否られ……最終的に掲示板に画鋲刺しまくった。
で、完成したマリオがこちら。
「光沢のあるマリオじゃん」
「黒板アートならぬ、掲示板アートだよ」
下駄箱荒らされるくらい、どうってことないぜ!!
ローファーにバナナの皮いれた奴は絶許だけどな。
あっ、ローファーにバナナの皮いれた奴確認すんの忘れてた!!
「もしかしなくても、心配で見にきたとか?」
「ちげーし」
「わざわざ?」
「任務帰りって言ってんだろ」
ぐいぐいと頭を腕で捕獲して締め付けないでほしい。
地味に痛いんだけど……!!
「痛い痛い痛いっ」
「ばーか」
「馬鹿って言うなし!!」
「帰るわ」
「帰れ帰れ。不審者扱いされる前に」
しっし、と追い払う。
ちらり、とこちらを見下ろす白髪。
「店来いよ。奢ってやる」
「まじ?いつ?」
「連絡する」
「まじ金持たないからな!!金欠だからな!!」
「いらねーよ」
ぽふぽふ、と頭を何度か撫でていなくなった白髪。
私も戻ろう、と校舎内に入って……しゃがみこんだ。
「なんだよ……なんなんだよ、アイツッ」
頭ぽふぽふとか反則。
心配で来るとか反則。
「アオハルのテンプレみたいなことすんな」
顔に集まる熱は
きっと慣れない恥ずかしさからくるものだ。
アオハル?
いやいや、これは……気温のせい。
あとがき
テンプレートなイジメですいません。
まさか、マサオの出番がまたあるとは……。