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ど、どどど……どうしよう。
私通行人名前、ただいま今世紀最大の困惑をしております。
「なに?」
「うちの子が不良になってるぅぅうううう!!!」
一夜明けると幼馴染が金髪でした。
新学期となり、学年も上がり……
後輩も入って来たというのに
これ、どーゆーこと?
いつものようにるんるんと教室に行ったら、教室がざわめいていた。
そして私を見て、友人らが駆け寄ってきた。
「おはー、なした?」
「お前の幼馴染どーした」
「反抗期?」
「何が?」
クラスの代表として指差す先。
金髪の幼馴染がいた。
私は鞄を落として、冒頭のごとく叫び……
3年の教室に突撃した。
「こんっっの、くそトサカがぁ!!!」
「つめたっ!!」
多分部活ナカーマの一人と話していたトサカの頭に冷却スプレーかました。
注意
※良い子も悪い子も真似しないでね☆
冷却スプレー片手にトサカを睨み付ける。
何事かわかっていないトサカは
凍った冷たい頭を触る。
「お前……何てことしてんだゴラァ」
「えっ、えっ、なに?」
「私の可愛い幼馴染の髪の毛弄びやがって…
覚悟は出来てるのか」
「ちょっと待て!!
あれは俺のせいじゃねーから!!」
「お前以外に誰がいると?
大人しくそのトレンドマークのトサカをぺちゃんこにセットしてやるから水道来い。
冷却スプレーはもったいないから」
「まじな話!!あれは俺関係無ぇぞ!!」
あ?と不良よろしくメンチきっていたが、どうやらこのトサカのせいではないらしい。
しかし、私のなかではコヤツしかそんな悪戯する奴はいない。
スッ、と冷却スプレーを再び構える。
「ほんとヤメテ?冷たいから!!」
「ドロップキックしてボディーブローしないだけありがたいと思え。
部活に支障が出ない方法を選んだ」
「俺の幼馴染が優しい!!
けど、俺じゃない!!」
「私は忘れないからな。
小学校の時に寝入っているのをいいことに悪ふざけであの子の前髪切って失敗したことを……」
「それは悪いと思ってマス!!」
「そしてその後、私の前髪もおっそにしよう!!と切りすぎたことを!!」
「アシメ失敗しましたね!!」
「前科があるお主以外に誰がいると?」
「わり、それうちのモヒカンだわ」
私とトサカの間に、小さな先輩が手を上げて言った。
今、なんと?
「部室の片隅でゲームしててさ、薄明かりで顔だけ照らされるからホラーっぽくて」
「目立ちたくないと言うわりに黒髪で顔を隠すような長い髪だから逆に目立つ……って、前髪切るように言ったつもりなんだけど」
「どこをどう捕らえたのか、思いきったよな」
坊主頭の菩薩と共に小さな先輩が苦笑いで話す。
ちらり、とトサカを見れば必死に頷いていた。
冷却スプレーを下ろし、頷く。
「なるほど」
「あの、もしもし?ちょっと落ち着こうネ」
「あのモヒカンバリカンで全て刈り上げてくるわ」
「やめなさいっ!!」
トサカにめちゃくちゃ止められた。
しかし、私の怒りは収まらぬぇ。
おまっ、うちの天使に何してくれてんだ!!
「離せ!!奴を駆逐してやる!!」
「お前、本当あいつのことになると暴走すんのヤメテ!!俺ならいいけど、他にはやめなさい!!」
「毎日毎日サラサラキューティクル保たせるために私がどれだけ髪の手入れ頑張ったと思ってんだ!!」
「ソーダネ!!お前頑張ってたもんネ!!」
「金髪なんてめちゃくそブリーチで傷んでギッシギシになるやろが!!あのモヒカン刈り上げても許されないぞ!!
本当ならドロップキックからのボディーブローからの金蹴りで土に埋めるレベルだからな!!」
「まじでやめたげて!!」
「あ、いた」
ギャーギャー騒いで羽交い締めされている私。
モヒカン許さん!!絶許!!
そんななか、金髪の幼馴染登場。
「ホームルーム始まるよ」
「しかし!!」
「………なに?」
コテン、と首を傾げる幼馴染。
あれ?よく見たら黒髪の時より顔はっきりしてない?
あれ?めちゃんこ可愛くない?
いや、もともと可愛かったけど……
「ほら、戻るよ」
「うんっ!!」
手を出されたから抱き着きに行った。
腕を組んで教室に戻る。
うん、可愛い。
よく見たら金髪可愛い。
どんな色でもうちの子可愛かったわ。
嵐のように去っていった私に
3年の教室は沈黙が走る。
「あれ?俺の頭スプレーされ損じゃ?」
「「ドンマイ」」
そんな幼馴染金髪騒動から始まった新学期。
あの後きちんとモヒカンには制裁した。
悪のり大好きな友人らと共にヤツを囲み、変な叫び声上げて固まるのをいいことに
ねぇねぇどんな気分?
ねぇねぇ
ねぇねぇどんな気分?
と、ぐるぐる回りながら脇腹つついてやった。
うひゃぁ!!と女子より女子らしい悲鳴を上げて、顔を両手で覆って逃げられた。
ちなみに幼馴染とは写真撮りまくった。
可愛いこの金髪姿を日々残そうと決めた。
だって、きっとこのままプリンなるから。
「おっ、来たね」
「遅い」
「………スイマセンネ」
もう、なんやかんや一年になるからこの黒服共と行動するのも慣れた。
「学校で待ち伏せすんのやめてくんない?」
無駄に視線が痛いんだけど。
主に女子から。
「ほら、行こーぜ」
「また身長伸びた?」
「さあ?お前が縮んだんじゃね?」
ぐりぐり頭を触ってくる白髪の手を叩き落とす。
「前髪またゴリマッチョになった?」
「さりげなくならまだしも、堂々とセクハラかい?」
「身体の厚みが気になって」
「まぁ、少しまた筋肉ついたかな」
「それに比べてこのモヤシはにょろにょろ上に伸びて…」
「俺だって筋肉ありますー」
「キミは少し……お腹回りに」
「摘まむな前髪」
「俺も触る」
「触んな白髪」
前髪と白髪の手を叩き落とす。
すると、白髪が此方を覗き込んできた。
「違うだろ。悟…だろ?名前」
「………」
「悟の顔見て死んだ魚みたいな顔するのキミか硝子くらいだよ」
「前髪、コレの教育どうなってんの?」
「残念ならが手遅れかな」
「傑と仲良くすんな」
のし掛かってくる白髪。
あーはいはい、構ってちゃんだね、構ってちゃん。
よーしよしと撫でて手を繋ぐと大人しくなった。
「………キミのが扱い慣れてるんじゃ?」
「まさか」
「付き合ってたり…」
「するわけないじゃん」
「俺のになれよ」
「ははっ、寝言は寝て言いなよ」
玩具として扱いたいだけだろ。
だいたい私と白髪のどこに付き合っている要素が?
「あっ、美少女発見」
前髪と白髪を置いてきぼり駆け寄る。
相変わらず美少女だな、おい。
「悟…」
「何も言うなよ、傑」
「頑張るしかないね」
いつものファーストフード店に行くと、なぜか黒服が二人いた。
こちらに気付くと笑顔で手を振ってくる。
「夏油さん!!こっちです!!」
「遅れてすまないね」
「いえ!!」
犬のような元気の塊と、無気力系ハーフ。
わお、どちらも顔が整ってるね☆
「どーゆー事か説明しろ、前髪」
「ははは、顔が怖いよ」
前髪の胸元掴んで問い詰める。
「私の平穏ライフの中にクソみたいな呪術師ぶっこむなよ」
「クソだなんて汚いなぁ。
女の子だろ?めっ」
「めっ、じゃないわ!!」
「……あの人一般人ですよね?」
「うん。けど頭ヤベェから平気」
「夏油さんに掴みかかるとかヤバイね、七海!!」
「中身も行動もヤベェし面白いよ」
「そこ!!人のことヤベェ扱い禁止!!
私はか弱い一般人!!」
「か弱いって文字きちんと理解してるかい?」
「か弱い奴はバール持って呪霊討伐しない」
「か弱い奴は血塗れで堂々としないだろ」
「「「つまり、ヤベェ一般人」」」
「声を揃えるな!!」
私のお店が着々と呪術師に侵略されてきてんだけど。
「夏油さんこの人誰ですか?
一般人……のわりに皆さんと仲いいですよね」
「そうだね。なんだかんだ1年くらいかな?」
「ここでナンパされたからな」
「美少女が美少女だったから」
「この人頭大丈夫ですか?」
「失礼な後輩だな。先輩、しつけとけよ」
「彼女、頭は残念だけど我々と同じだよ」
「いい加減前髪むしるぞ」
「呪術師なのに一般人なんですか?」
「灰原や七海よりクッソ弱いからな」
「うるせーやい!!
クソみたいな職業に命掛けられるか」
「本人らを目の前によく言えますね」
「命大事!!生き急ぐの良くない!!」
「こんな感じで命根性汚いヤバい子だけど、根はいい子だから」
腹立つから前髪からポテト奪った。
「一本100円だよ」
「ぼったくりかよ」
「今ならそのナゲットで許そう」
「ならポテトあと5本寄越せよ」
「仕方ない子だね」
「ありがとー」
「もーらい」
「私のナゲットちゃんが!!」
「ほら、ポテトあげるよ」
「ほら、ポテトパイ一口あげる」
「ほら、ポテトのカリカリやる」
「わーい。白髪だけ許さん」
「………アホなのはわかりました」
「あの人と居ると先輩らが普通の学生に見えるね」
後輩くん達が残念なものを見る目で見てくる。
仕方ない、お近づきの印にとっておきを見せよう。
「はい」
「「ぶふっ!!」」
「なにそれ?」
「ぶっ!!」
「きったな!!白髪おまっ、携帯汚れるだろ!!」
「うわぁ……」
携帯の画面には
ゴツい筋肉質な男がセーラー服を着て
キメ顔している姿。
しかも、無駄に足を強調しているし
サービスショット多め。
「幼馴染じゃん。なしたの?」
「進級したからプリクラ撮りたいって騒ぐから
コスプレしたらいいよって言ったらノリノリで」
「三人で撮ってねーの?」
「うちの子金髪にしてさ……記念に撮った」
「おぉ、めっちゃ金髪」
「その隣でゴリゴリのセーラー服ヤバい」
トサカはノリいいからね。
「あ、ナース服じゃん」
「ノリノリで撮ったわ」
「隣のセーラー服の筋肉質がな……」
「見たい」
「やだよ」
「あ、エロッ」
「こら前髪!!勝手に見るな!!」
「うわっ!!エッチですね」
「………」
「俺にも見せろよ」
「ほら、悟」
「………おい、傑」
前髪が肩を震わせている。
私の携帯を奪い返すと、そこにはナース服の私がトサカのセーラー服を捲ってパンチラを納めた一枚。
白髪がめっちゃテーブルの下で前髪の足蹴ろうとして、避けられてる。
おい、ヤメロ。
「そーいやプリクラって撮ったことねぇや」
「私も無いな」
「!!
今撮る?面白いよ」
楽しそうだから、とノッてくれた白髪と前髪。
そのままゲームセンターへ。
高身長が二人いれば、機械の中は狭い。
一回目は面白おかしく撮り、普通に。
白髪が落書きでウキウキと俺ら最強コンビと書いてた。
いや、私と美少女もいるから。
しかも、二人で決めポーズのように撮るのやめて?
二人はプリキュアかよ。
二回目は前髪を出来るだけ前に。
やはりプリキュアポーズしてた。
こいつらデキてんのかな?
設定を弄りまくる。
お絵かきを任されたので、頑張る。
飲み物を買いに言った三人がいない隙に。
最後の落書きをしていたら美少女が戻って来て写真を見た美少女が噴き出した。
「ちょっ、まっ!!」
「面白いっしょ」
「夏油っ!!顔やばっ!!」
「なし……ぶはっ!!ぎゃははははは!!」
「どうしたんだい?」
前髪が入って来る前に終わらせた。
にっこりと笑ってプリントを待つ間、白髪と美少女は笑い崩れていた。
「どうかしたのか?」
「さあ?」
「………変な落書きしたのかい?」
「変な落書きは、してないよ」
うん。
設定弄っただけだから、落書きは変なことしてない。
一枚だけ頑張ってプリキュア風衣装で落書きしたが……うん、変なことじゃない。
プリキュアポーズ取ってニコイチな君たちがいけないのだ。
プリント出来たものを四つに分ける。
美少女と白髪がやはり笑いすぎて震えている。
「………燃やそうか」
「残念だったな。データは既にこちらにある」
「携帯叩き壊してもいいかい?」
「駄目に決まってるだろ」
おめめが最強に大きくなった前髪のプリクラ。
私の平穏を乱した罰じゃ。
「「最高」」
「キミ達覚えておきなよ」
現代のプリクラは
細目を優しく美化します。
あとがき
色々詰め込んじゃった。
私通行人名前、ただいま今世紀最大の困惑をしております。
「なに?」
「うちの子が不良になってるぅぅうううう!!!」
一夜明けると幼馴染が金髪でした。
新学期となり、学年も上がり……
後輩も入って来たというのに
これ、どーゆーこと?
いつものようにるんるんと教室に行ったら、教室がざわめいていた。
そして私を見て、友人らが駆け寄ってきた。
「おはー、なした?」
「お前の幼馴染どーした」
「反抗期?」
「何が?」
クラスの代表として指差す先。
金髪の幼馴染がいた。
私は鞄を落として、冒頭のごとく叫び……
3年の教室に突撃した。
「こんっっの、くそトサカがぁ!!!」
「つめたっ!!」
多分部活ナカーマの一人と話していたトサカの頭に冷却スプレーかました。
注意
※良い子も悪い子も真似しないでね☆
冷却スプレー片手にトサカを睨み付ける。
何事かわかっていないトサカは
凍った冷たい頭を触る。
「お前……何てことしてんだゴラァ」
「えっ、えっ、なに?」
「私の可愛い幼馴染の髪の毛弄びやがって…
覚悟は出来てるのか」
「ちょっと待て!!
あれは俺のせいじゃねーから!!」
「お前以外に誰がいると?
大人しくそのトレンドマークのトサカをぺちゃんこにセットしてやるから水道来い。
冷却スプレーはもったいないから」
「まじな話!!あれは俺関係無ぇぞ!!」
あ?と不良よろしくメンチきっていたが、どうやらこのトサカのせいではないらしい。
しかし、私のなかではコヤツしかそんな悪戯する奴はいない。
スッ、と冷却スプレーを再び構える。
「ほんとヤメテ?冷たいから!!」
「ドロップキックしてボディーブローしないだけありがたいと思え。
部活に支障が出ない方法を選んだ」
「俺の幼馴染が優しい!!
けど、俺じゃない!!」
「私は忘れないからな。
小学校の時に寝入っているのをいいことに悪ふざけであの子の前髪切って失敗したことを……」
「それは悪いと思ってマス!!」
「そしてその後、私の前髪もおっそにしよう!!と切りすぎたことを!!」
「アシメ失敗しましたね!!」
「前科があるお主以外に誰がいると?」
「わり、それうちのモヒカンだわ」
私とトサカの間に、小さな先輩が手を上げて言った。
今、なんと?
「部室の片隅でゲームしててさ、薄明かりで顔だけ照らされるからホラーっぽくて」
「目立ちたくないと言うわりに黒髪で顔を隠すような長い髪だから逆に目立つ……って、前髪切るように言ったつもりなんだけど」
「どこをどう捕らえたのか、思いきったよな」
坊主頭の菩薩と共に小さな先輩が苦笑いで話す。
ちらり、とトサカを見れば必死に頷いていた。
冷却スプレーを下ろし、頷く。
「なるほど」
「あの、もしもし?ちょっと落ち着こうネ」
「あのモヒカンバリカンで全て刈り上げてくるわ」
「やめなさいっ!!」
トサカにめちゃくちゃ止められた。
しかし、私の怒りは収まらぬぇ。
おまっ、うちの天使に何してくれてんだ!!
「離せ!!奴を駆逐してやる!!」
「お前、本当あいつのことになると暴走すんのヤメテ!!俺ならいいけど、他にはやめなさい!!」
「毎日毎日サラサラキューティクル保たせるために私がどれだけ髪の手入れ頑張ったと思ってんだ!!」
「ソーダネ!!お前頑張ってたもんネ!!」
「金髪なんてめちゃくそブリーチで傷んでギッシギシになるやろが!!あのモヒカン刈り上げても許されないぞ!!
本当ならドロップキックからのボディーブローからの金蹴りで土に埋めるレベルだからな!!」
「まじでやめたげて!!」
「あ、いた」
ギャーギャー騒いで羽交い締めされている私。
モヒカン許さん!!絶許!!
そんななか、金髪の幼馴染登場。
「ホームルーム始まるよ」
「しかし!!」
「………なに?」
コテン、と首を傾げる幼馴染。
あれ?よく見たら黒髪の時より顔はっきりしてない?
あれ?めちゃんこ可愛くない?
いや、もともと可愛かったけど……
「ほら、戻るよ」
「うんっ!!」
手を出されたから抱き着きに行った。
腕を組んで教室に戻る。
うん、可愛い。
よく見たら金髪可愛い。
どんな色でもうちの子可愛かったわ。
嵐のように去っていった私に
3年の教室は沈黙が走る。
「あれ?俺の頭スプレーされ損じゃ?」
「「ドンマイ」」
そんな幼馴染金髪騒動から始まった新学期。
あの後きちんとモヒカンには制裁した。
悪のり大好きな友人らと共にヤツを囲み、変な叫び声上げて固まるのをいいことに
ねぇねぇどんな気分?
ねぇねぇ
ねぇねぇどんな気分?
と、ぐるぐる回りながら脇腹つついてやった。
うひゃぁ!!と女子より女子らしい悲鳴を上げて、顔を両手で覆って逃げられた。
ちなみに幼馴染とは写真撮りまくった。
可愛いこの金髪姿を日々残そうと決めた。
だって、きっとこのままプリンなるから。
「おっ、来たね」
「遅い」
「………スイマセンネ」
もう、なんやかんや一年になるからこの黒服共と行動するのも慣れた。
「学校で待ち伏せすんのやめてくんない?」
無駄に視線が痛いんだけど。
主に女子から。
「ほら、行こーぜ」
「また身長伸びた?」
「さあ?お前が縮んだんじゃね?」
ぐりぐり頭を触ってくる白髪の手を叩き落とす。
「前髪またゴリマッチョになった?」
「さりげなくならまだしも、堂々とセクハラかい?」
「身体の厚みが気になって」
「まぁ、少しまた筋肉ついたかな」
「それに比べてこのモヤシはにょろにょろ上に伸びて…」
「俺だって筋肉ありますー」
「キミは少し……お腹回りに」
「摘まむな前髪」
「俺も触る」
「触んな白髪」
前髪と白髪の手を叩き落とす。
すると、白髪が此方を覗き込んできた。
「違うだろ。悟…だろ?名前」
「………」
「悟の顔見て死んだ魚みたいな顔するのキミか硝子くらいだよ」
「前髪、コレの教育どうなってんの?」
「残念ならが手遅れかな」
「傑と仲良くすんな」
のし掛かってくる白髪。
あーはいはい、構ってちゃんだね、構ってちゃん。
よーしよしと撫でて手を繋ぐと大人しくなった。
「………キミのが扱い慣れてるんじゃ?」
「まさか」
「付き合ってたり…」
「するわけないじゃん」
「俺のになれよ」
「ははっ、寝言は寝て言いなよ」
玩具として扱いたいだけだろ。
だいたい私と白髪のどこに付き合っている要素が?
「あっ、美少女発見」
前髪と白髪を置いてきぼり駆け寄る。
相変わらず美少女だな、おい。
「悟…」
「何も言うなよ、傑」
「頑張るしかないね」
いつものファーストフード店に行くと、なぜか黒服が二人いた。
こちらに気付くと笑顔で手を振ってくる。
「夏油さん!!こっちです!!」
「遅れてすまないね」
「いえ!!」
犬のような元気の塊と、無気力系ハーフ。
わお、どちらも顔が整ってるね☆
「どーゆー事か説明しろ、前髪」
「ははは、顔が怖いよ」
前髪の胸元掴んで問い詰める。
「私の平穏ライフの中にクソみたいな呪術師ぶっこむなよ」
「クソだなんて汚いなぁ。
女の子だろ?めっ」
「めっ、じゃないわ!!」
「……あの人一般人ですよね?」
「うん。けど頭ヤベェから平気」
「夏油さんに掴みかかるとかヤバイね、七海!!」
「中身も行動もヤベェし面白いよ」
「そこ!!人のことヤベェ扱い禁止!!
私はか弱い一般人!!」
「か弱いって文字きちんと理解してるかい?」
「か弱い奴はバール持って呪霊討伐しない」
「か弱い奴は血塗れで堂々としないだろ」
「「「つまり、ヤベェ一般人」」」
「声を揃えるな!!」
私のお店が着々と呪術師に侵略されてきてんだけど。
「夏油さんこの人誰ですか?
一般人……のわりに皆さんと仲いいですよね」
「そうだね。なんだかんだ1年くらいかな?」
「ここでナンパされたからな」
「美少女が美少女だったから」
「この人頭大丈夫ですか?」
「失礼な後輩だな。先輩、しつけとけよ」
「彼女、頭は残念だけど我々と同じだよ」
「いい加減前髪むしるぞ」
「呪術師なのに一般人なんですか?」
「灰原や七海よりクッソ弱いからな」
「うるせーやい!!
クソみたいな職業に命掛けられるか」
「本人らを目の前によく言えますね」
「命大事!!生き急ぐの良くない!!」
「こんな感じで命根性汚いヤバい子だけど、根はいい子だから」
腹立つから前髪からポテト奪った。
「一本100円だよ」
「ぼったくりかよ」
「今ならそのナゲットで許そう」
「ならポテトあと5本寄越せよ」
「仕方ない子だね」
「ありがとー」
「もーらい」
「私のナゲットちゃんが!!」
「ほら、ポテトあげるよ」
「ほら、ポテトパイ一口あげる」
「ほら、ポテトのカリカリやる」
「わーい。白髪だけ許さん」
「………アホなのはわかりました」
「あの人と居ると先輩らが普通の学生に見えるね」
後輩くん達が残念なものを見る目で見てくる。
仕方ない、お近づきの印にとっておきを見せよう。
「はい」
「「ぶふっ!!」」
「なにそれ?」
「ぶっ!!」
「きったな!!白髪おまっ、携帯汚れるだろ!!」
「うわぁ……」
携帯の画面には
ゴツい筋肉質な男がセーラー服を着て
キメ顔している姿。
しかも、無駄に足を強調しているし
サービスショット多め。
「幼馴染じゃん。なしたの?」
「進級したからプリクラ撮りたいって騒ぐから
コスプレしたらいいよって言ったらノリノリで」
「三人で撮ってねーの?」
「うちの子金髪にしてさ……記念に撮った」
「おぉ、めっちゃ金髪」
「その隣でゴリゴリのセーラー服ヤバい」
トサカはノリいいからね。
「あ、ナース服じゃん」
「ノリノリで撮ったわ」
「隣のセーラー服の筋肉質がな……」
「見たい」
「やだよ」
「あ、エロッ」
「こら前髪!!勝手に見るな!!」
「うわっ!!エッチですね」
「………」
「俺にも見せろよ」
「ほら、悟」
「………おい、傑」
前髪が肩を震わせている。
私の携帯を奪い返すと、そこにはナース服の私がトサカのセーラー服を捲ってパンチラを納めた一枚。
白髪がめっちゃテーブルの下で前髪の足蹴ろうとして、避けられてる。
おい、ヤメロ。
「そーいやプリクラって撮ったことねぇや」
「私も無いな」
「!!
今撮る?面白いよ」
楽しそうだから、とノッてくれた白髪と前髪。
そのままゲームセンターへ。
高身長が二人いれば、機械の中は狭い。
一回目は面白おかしく撮り、普通に。
白髪が落書きでウキウキと俺ら最強コンビと書いてた。
いや、私と美少女もいるから。
しかも、二人で決めポーズのように撮るのやめて?
二人はプリキュアかよ。
二回目は前髪を出来るだけ前に。
やはりプリキュアポーズしてた。
こいつらデキてんのかな?
設定を弄りまくる。
お絵かきを任されたので、頑張る。
飲み物を買いに言った三人がいない隙に。
最後の落書きをしていたら美少女が戻って来て写真を見た美少女が噴き出した。
「ちょっ、まっ!!」
「面白いっしょ」
「夏油っ!!顔やばっ!!」
「なし……ぶはっ!!ぎゃははははは!!」
「どうしたんだい?」
前髪が入って来る前に終わらせた。
にっこりと笑ってプリントを待つ間、白髪と美少女は笑い崩れていた。
「どうかしたのか?」
「さあ?」
「………変な落書きしたのかい?」
「変な落書きは、してないよ」
うん。
設定弄っただけだから、落書きは変なことしてない。
一枚だけ頑張ってプリキュア風衣装で落書きしたが……うん、変なことじゃない。
プリキュアポーズ取ってニコイチな君たちがいけないのだ。
プリント出来たものを四つに分ける。
美少女と白髪がやはり笑いすぎて震えている。
「………燃やそうか」
「残念だったな。データは既にこちらにある」
「携帯叩き壊してもいいかい?」
「駄目に決まってるだろ」
おめめが最強に大きくなった前髪のプリクラ。
私の平穏を乱した罰じゃ。
「「最高」」
「キミ達覚えておきなよ」
現代のプリクラは
細目を優しく美化します。
あとがき
色々詰め込んじゃった。