先輩シリーズ (五条)
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「名前ー」
なぜだろう。
「名前、これちょーだい?」
何があったろう。
「名前、任務終わったの?お疲れ」
最近、後輩が嫌に距離が近い。
「夏油君、どういうことだろう?」
「さあ?」
「硝子…」
「懐かれたんじゃないですか?」
「懐く要素あった?」
初対面で金蹴りだぞ。
それが良かったのならど変態だよ。
「あ、いた」
「やべ、見付かった」
「傑と硝子も一緒かよ」
「ダメかい?」
「べーつーにー」
気がつけば、隣にいる白い巨人。
ん?と、小首を傾げても
顔がいいから絵になる。
じっと見ていれば
何を思ったのか、身を屈めて頭を差し出してくるので、何も言わずに撫でる。
撫でると、目を細めて嬉しそうにするので、ポンポン、と軽く叩くと身体を戻す。
ついこの間まで、組み手しろと騒がれて敵対心すら抱いていた奴とは思えない懐き方だ。
「五条君さー」
「なに?」
「……いや、別にいいわ」
きょとん、とした顔でこちらを見るので
もはや何か言う気も失せる。
可愛い後輩に懐かれた、それでもういい。
名前 は 考 え る こ と を 放 棄 し た 。
「名前先輩、面倒になりましたね」
「先輩、いつか悟につけ込まれますよ」
「お前ら俺を何だと思ってんの」
その時、携帯が鳴る。
名前の携帯からで、電話のようだ。
「任務?」
「ん?違うよ」
五条が携帯を覗いてくる。
そこには、男の名前。
「歌姫先輩が紹介してくれた人」
「は?」
「怖いんだけど」
五条の顔が、一瞬で険しくなり
声のトーンが下がっている。
懐いてると思ったのに、いきなり戻り
やっぱ気のせいだったのか……と、焦る。
「何で歌姫が男紹介すんのさ」
「私が探してるから?」
「名前先輩、あれまじだったんですね」
「勿論。婚約者殿と結婚するくらいなら
自由なうちに探すさ」
「歌姫先輩からの紹介なんて
まともなのいるんですか?」
「……五条君も夏油君も歌姫先輩
先輩だからね?」
私よりも先輩だからね?と伝えるが
伝わっているかは謎である。
鳴り続ける携帯に、通話ボタンを押そうとしたが、なぜか手元に携帯がない。
「もしもーし
……は?誰でもいーだろ」
「おいおいおいおい」
「名前はお前に
興味無いから連絡して来ないでくださーい」
ぶちり、と切られた電話に
ぽかんとしてしまう。
そして、いい笑顔で携帯を返された。
「はい、名前」
「何してんだおい」
「悟……それはちょっと…」
「五条キモい」
「優しい俺が優しくお断りしてやったろ」
「悟、一応先輩の相手だよ」
「普通に先輩だよ、夏油君」
「名前が乗り気じゃなかったから
俺がきちんと断ってやったんだよ。
俺偉いだろ?」
にっこり笑う五条に、頭を抱える三人。
そして、褒めろと言うように
ぐりぐりと頭を押し付けてくる。
「……後輩が怖い」
「名前だって乗り気じゃなかっただろ?」
「まぁね」
「ちなみに何でですか?」
「単純に顔が好きじゃない」
相手から送られてきた画像を
三人に見せる。
「俺より不細工じゃん。なし」
「カッコつけすぎですね。なし」
「自分に酔いすぎ。なし」
「そーゆーことです」
君ら容赦無いな。と溢せば
素直何で、と返ってきた。
「名前先輩はどんな人が好みなんです?」
「好きになった人かな」
「理想はあるんですか?」
「んーがっつり理想を言うなら
黒髪、切れ長の目、筋肉ある人、強い」
「で、何であれになったの?」
「そんな奴いない、と言われたから
妥協して黒髪、切れ長の目って言ったら
あれが紹介された」
「へー…」
ぽちぽちと、五条が携帯で何かしている。
「黒髪は譲らないんですね」
「あー、うん……理想だからね」
「初恋の人とか?」
「そんなもんかな」
硝子と夏油と話していたら
再び携帯が鳴り、見れば歌姫先輩から。
先程の件か?と
申し訳ない気持ちのまま通話を押す。
「もしもーし?」
『名前、あんた何やった』
「私は、何もしてないですよ」
やらかしたのは五条君です、と言えば
だから五条に何したんだと返ってくる。
言ってる意味がわからず
どーゆーことですか?と聞けば
低い声で返ってきた。
『あいつから連絡きたのよ
名前に男紹介するなって』
「………五条くーん、キミ何してんの?」
「名前のお願いを叶えただけ」
「いや、願って無いよ」
「歌姫なんかの紹介なんていらないだろ?」
『おい、シバくぞクソガキ』
「弱いくせに無理じゃん」
「夏油くーん
ちょっと五条君を連れ出しておくれ」
電話越しに喧嘩じゃないが
五条が煽りだしたので
歌姫先輩が騒ぎ出す。
夏油と硝子は傍観を決めてるので
楽しそうに電話で馬鹿にしてる五条を呼ぶ。
「五条君」
「何だよ」
「ステイ」
足元を指差せば
犬じゃないんだけど、と言いながら
足元にくる。
再びステイ、と言えば
しぶしぶ座る五条君の頭に手を置けば
大人しくなる。
「歌姫先輩、失礼しましたー」
『あんた、いつ五条手懐けたのよ』
「さあ?懐かれたんですかね?」
『猛獣に懐かれたら婚期逃すわよ』
「慕ってくれてるなら嬉しいですが
婚期逃すわけないじゃないですか」
『そいつ、絶対疫病神よ』
「はっはっはー、まさか」
ちらり、と五条を見れば
にっ、と笑っている。
頭を撫でつつ、夏油と硝子を見れば
無言で頷いてる。
「…まさか、だよね?」
『五条に懐かれるなんて
本当にあんた何したのよ』
「金蹴り?」
『いや、本当に何してんの、あんた』
「何したんですかね?私」
気付いたら懐かれてたので
こちらもわからない。
『まぁ、何でもいいけど
こないだの奴とは?』
「さっき五条君がブッチしました」
『あいつ……
私から言っておくわ』
「さーせん、とよろしくお伝え下さい」
『…あんたもあんただったわね』
「黒髪でもナルシストはちょっと…」
『何かあったら、連絡しなさいよ』
「ありがとうございます、歌姫先輩
頼りにしてます」
「泣いたら助けてやるよ、歌姫」
『五条てめー私のが先輩だからな!!』
名前も甘やかすな!!と怒鳴られながら
電話が切られた。
大人しくしていた五条を撫でて
携帯を見て、五条を見る。
「……結婚出来るかな、私」
「無理じゃね?」
「君が言う?」
「どーしても相手見つからなかったら
俺が名前を貰ってやるよ」
撫でている手を握られ
にやりと笑う五条。
「………何でこーなった」
「あ、婚活の邪魔するから」
「後輩が怖い……」
「先輩、大変なのに好かれましたね」
「お疲れ様でーす」
夏油と硝子がくすくす笑っている。
どうやら私は
いつの間にか
厄介な後輩に好かれて
懐かれてしまったようです。
あとがき
歌姫さんと五条の関係がいつからなのか……
わからないので、すでに仲悪い設定(笑)
やっと変換機能が
役立ってきた……
頑張って名前を呼んでくれ(笑)
今さらだけど
夏油→先輩呼び(苗字呼ぶと怒られる)
硝子→名前先輩
五条→名前