夏油
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※来世で、の続き
転校生が来た。
女子達がえげつない悲鳴を上げていて、男子は顔が死んでいる。
「五条 悟。よろしく」
真っ白な髪、整いすぎた綺麗な顔立ち、高い身長、色つきのサングラス。
けど、何も興味が無いというような表情。
休憩時間は女子に囲まれていた。
「凄いね、あれ」
「ね…」
教科書を忘れたと来た傑は五条を見て驚いた顔をしていた。
こんな偶然あるんだと、二人で驚いたものの、五条は此方を気にする素振りは一切無い。
「すまないね。借りていくよ」
「うん」
「後で」
「またね」
休み時間のたび、囲まれている。
他のクラスからも噂を聞き付けてやってきた女子達が同じ質問をし、始めは当たり障りなく返答していたものの、昼休みにそれは起こった。
「女丸出しで集ってきてんじゃねーよ、ブス。
いい加減うざい」
教室全体が固まった。
そして、一人教室から出ていく五条。
「何かあったのかい?」
「あー…屋上行きながら話す」
ひょっこりと来た傑が、このしんっとした教室に入ってきた。
苦笑してしまう私と、五条の姿が無いことに勘の良い傑は察したらしく、同じように苦笑していた。
屋上に行ってご飯を食べながら先程の事を話せば、傑は仕方ないね、と笑った。
同じように転校生として騒がれた傑だが、教祖時代の熟練された対応で乗り切っていた。
「顔のいい転校生は大変だね」
「対応の問題だろ?顔は関係ないさ」
「何それ?俺に対する嫌み?」
何となく居ることはわかっていたが、まさか反応が返ってくるとは思わなかった。
屋上のドアの上からこちらを見下ろす五条。
見るからに不機嫌だ。
軽々と飛び降りて此方に来た五条に対し、傑はにっこりと笑う。
「おや?何か気にさわる事に聞こえたかい?」
「俺がどんな態度取ろうが関係ないだろ」
「一匹狼気取りなら仕方ない。
高校生にもなって人付き合いもまともに出来ないお坊ちゃんとして育った子供なのかな?と思っただけさ。
私には関係無いことだったね」
「うざい奴らにうざいって言って何が悪いんだよ」
「そういう思考が子供だ、と言ってるのが理解出来ないのか」
「は?」
「ん?」
怪しい雰囲気に、私はそっと側から離れた。
「女連れていい気になってんじゃねーよ」
「格好つけてる気はないさ。
ただ、聞く話があまりに子供で馬鹿馬鹿しいからね」
「誰にでもいい顔して寂しん坊かよ」
「一匹狼がカッコいいとか思ってる厨二病を患わせた子供は小学校からやり直しな」
「前髪引きちぎるぞ」
「出来るのかい?綺麗な顔が腫れ上がるから止めとけよ」
両者、顔面を狙って拳を突き出したのは同時だった。
コレ、次の時間はサボりかな……と様子を見つめる。
殴って、蹴って、顔のいい二人は鼻や口から血を流しながらボロボロになっていくなか、昼休みの終わる鐘が鳴り響いた。
次の授業まで残り10分。
激しい殴りあいの喧嘩をどう止めようかと悩む私。
出来ることなら巻き込まれたくない。
だって、今世では私は武術の嗜みなどないのだから。
記憶はあっても、身体がついていかない。
授業開始の鐘が鳴り、それでも止めない二人。
見るからに痛そうな顔になっている。
そろそろ問題になりそうな顔になってきたので、私は二人へと近付いた。
「えいっ」
「「!?」」
「あ、ナイスキャッチ」
五条に弁当箱、傑に携帯を投げ付ければ、二人とも素晴らしい反射神経でキャッチした。
「もう授業始まっちゃったよ」
「名前……携帯割れるよ」
「傑ならキャッチしてくれると思ってたから」
「オマエ…」
「五条もそろそろ止めないと、顔酷いよ。
転校初日に停学したいの?」
「喧嘩売ってきたのそっちだろ」
「私は普通の事を言っただけだよ」
「俺、正論嫌いなんだよね」
「ガキだね」
「傑、煽らない。五条も乗らない」
再び殴り合いそうな二人を止める。
ティッシュを二人に手渡せば大人しく鼻血を拭く。
「ほら、口元も切れてる。
馬鹿だね、君たち」
「準備がいいね」
「傑、わりと喧嘩っ早いから」
「そうかい?」
「手は出さないけど煽るでしょ」
「気のせいだよ」
傑の口元に絆創膏を貼る。
顔の腫れは保健室行って冷やさなきゃ駄目かな、と思案しながら五条の切れた口元にも絆創膏を張ろうとしたら手を払われる。
「触んな」
「うるさい。黙れ」
「は?」
「保健室行くよ。傑も顔冷やさないと」
五条の腕と傑の腕を掴んで屋上から出る。
弁当箱と携帯は傑が回収してくれた。
「ほっとけよ」
「はいはい」
「離せって」
「はいはい」
「聞けよ」
「聞いてる聞いてる」
「馬鹿にしてんの?」
「保健室の場所わかんの?」
「行かねーし」
「黙って着いてきなよ」
保健室に入れば、先生が驚いた顔をした。
「先生、氷ちょーだい」
「どうしたの!?喧嘩?」
「違う違う。
昼休み終わって戻ろうとしたら、私が足を滑らせて階段で転びそうになったところ、二人が支えて守ってくれたら二人で顔面ぶつけ合って転がり落ちちゃった」
「えぇ!?大丈夫なのそれ!!?」
「身体は大丈夫ですが、顔を思いっきりぶつけてしまって」
「二人が守ってくれたから、私は平気だけど……
五条くん、傑本当にごめんね?
助けてくれてありがと」
「なんて事ないさ」
「ちょっと待ってね!!」
バタバタと慌ただしくなる保険医。
氷だけ先に受け取って二人の顔に押し付ける。
「………嘘つき」
「停学よりマシでしょ」
ジトリと此方を見る五条に舌を出す。
傑と顔を見合わせてクスリ、と笑った。
「変な奴ら」
「大丈夫。五条も充分変だよ」
「あ?」
「可哀想だから友達になってあげようか?」
「馴れ馴れしくすんな」
「青春だね」
「微笑むな」
「悟はしょうがない子だね」
「名前で呼ぶな」
「よしよし」
「撫でんな」
処置が終わって二人揃って顔を冷やす姿を写真に撮ったら怒られた。
それからちょくちょく傑と絡みに行けば、五条と三人で行動することが増えた。
「名前、あんた凄いね……
学校のイケメン二人を引き連れて、羨ましい」
「普通に話せば?」
「あの顔面偏差値を前に?
ブスって言われて心折れた女子達が多いのに私無理。」
「大丈夫。あの二人顔だけだよ。
中身はクズだから。性格悪いから」
「笑顔で言えるあんたが凄いわ」
友人が真顔になっている。
顔は確かにいいが、前世でもう慣れた。
「酷くね?」
「彼氏を貶すなんて酷いね、名前」
「五条、傑いたの?」
「いたよ。悪口聞こえてんぞ」
「傷付いたから売店で珈琲買って」
「俺プリンな」
「ほら、クズでしょ?」
友人は苦笑いしていた。
「名前、イケメン二人も引き連れてイジメとかねーの?」
「ないない」
「本当かい?」
「この子、呼び出されてましたよ」
「「は?」」
「大丈夫。みんな物分かり良かったから」
「………脅したな」
「いや、もしかしたら口封じに手が出たのかも」
「聞こえてるよ、二人とも」
「何ともないの?本当?」
「平気平気。
陰湿なイジメするなら証拠持って警察に連絡したり、学校に提出したり、ネットに顔写真と共に流すって動画撮っといたから」
「「うわー」」
「わざわざ呼び出して証拠抑えさせてくれたんだから、有効に使わなきゃ」
「本当凄いね、あんた」
友人に感心されたが、もっと怖いモノを知っているためこのくらいの対象は何てことない。
傑と付き合い出した時も荒れたので、対象方法は取得済みだ。
「女怖い」
「ね…」
「そもそも五条は初日にやらかしてるから、特に被害ないよ」
「俺悪くないし」
「悟はお坊ちゃんだから仕方ないね」
「坊っちゃん言うな」
「キッパリ言うだけまだ五条のがましかな。
傑は優しくして勘違いさせるからな」
「名前以外には興味無いよ?」
「質悪いのは傑だよな」
「うん」
「私が悪いのかい?」
拗ねた顔をする傑に笑ってしまう。
五条には記憶がない。
けど、傑とそれで良かったと話した。
記憶が無いのは寂しいけれど
親友を手にかけた五条の辛さは此方にはわからないから。
それならいっそ、記憶などなくていい。
また巡り会えただけでも
私達は感謝しなきゃいけないのだから。
「傑、名前。今日スイパラ行こ」
「ヤダよ。悟の見てるだけで胸焼けする」
「週2は太る」
「運動したり頭使えばいーだろ」
「誰もが五条と同じ燃焼だと思わないで」
「傑に手伝ってもらえよ」
「なるほど。それはいいね」
「セクハラ、禁止」
二人の脇腹をつついて笑う。
あと一人、この中に居てほしいなんて
欲が出てきてしまう。
この後、たまたま硝子に出会ったり
七海、灰原が後輩で入って来たり
記憶は私と傑しか無いけれど
あの頃のように集まることが出来るようになるのは、また別の話。
私達は罪を犯したのに
神様は私達を幸せにしてくれた。
願わくばどうか
私達だけじゃなく
私達の友がもっと幸せになりますように。
笑顔の消えない
明日がありますように、と願いながら
今日も私達は生きている。
皆と、共に。
あとがき
転生ネタ。
硝子ちゃんのこと書きたかったけど
なかなかいい感じなのが思い付かず
長くなりそうなので五条だけで。
夢主→記憶あり。
前世は傑と離反し、色々あって死亡。
高専時代から傑と付き合っていた。
今世でも傑と付き合ったら女子からイジメられたが、前世の記憶あるので怖くないし、やられたらやり返す主義。
本人無自覚だが、傑と付き合って男子達が泣いた。
傑→記憶あり。
悟とマブダチ。二人はプリキュア。修二と彰。
前世では道を違えたが、今世は喧嘩するけど大親友だよ。
笑顔で煽る。喧嘩早い。
悟→記憶なし。
お坊ちゃん。転校初日に女子も男子も敵に回した人。
傑と仲良くなってからは、男子とは仲良くなったが、女子にはわりと厳しい。
だって俺より顔綺麗な自信ある奴いる?と真顔で言って、夢主に殴られればいい。
硝子→記憶なし。
とあるお嬢様学校の生徒で、変なのに絡まれていたとこを夢主達に助けられる。
煙草吸う。お嬢様どこ?
灰原→記憶なし。
入学して、理不尽な不良にかつあげされていたクラスメートを助けたら、逆にボコられた子。
けど、通りかかった傑が不良をボコって尊敬した。
後日、夏油先輩!!と犬のようにくっついてくることに。
七海→記憶なし。
入学したら、灰原に絡まれた人。
そして、傑を見かけたら一緒に引きずられてなんだかんだ先輩らと顔見知りになった。
苦労人。
って考えていたが、きっと続かない(笑)
リクエストあれば、喜んで書くかもしれない。
転校生が来た。
女子達がえげつない悲鳴を上げていて、男子は顔が死んでいる。
「五条 悟。よろしく」
真っ白な髪、整いすぎた綺麗な顔立ち、高い身長、色つきのサングラス。
けど、何も興味が無いというような表情。
休憩時間は女子に囲まれていた。
「凄いね、あれ」
「ね…」
教科書を忘れたと来た傑は五条を見て驚いた顔をしていた。
こんな偶然あるんだと、二人で驚いたものの、五条は此方を気にする素振りは一切無い。
「すまないね。借りていくよ」
「うん」
「後で」
「またね」
休み時間のたび、囲まれている。
他のクラスからも噂を聞き付けてやってきた女子達が同じ質問をし、始めは当たり障りなく返答していたものの、昼休みにそれは起こった。
「女丸出しで集ってきてんじゃねーよ、ブス。
いい加減うざい」
教室全体が固まった。
そして、一人教室から出ていく五条。
「何かあったのかい?」
「あー…屋上行きながら話す」
ひょっこりと来た傑が、このしんっとした教室に入ってきた。
苦笑してしまう私と、五条の姿が無いことに勘の良い傑は察したらしく、同じように苦笑していた。
屋上に行ってご飯を食べながら先程の事を話せば、傑は仕方ないね、と笑った。
同じように転校生として騒がれた傑だが、教祖時代の熟練された対応で乗り切っていた。
「顔のいい転校生は大変だね」
「対応の問題だろ?顔は関係ないさ」
「何それ?俺に対する嫌み?」
何となく居ることはわかっていたが、まさか反応が返ってくるとは思わなかった。
屋上のドアの上からこちらを見下ろす五条。
見るからに不機嫌だ。
軽々と飛び降りて此方に来た五条に対し、傑はにっこりと笑う。
「おや?何か気にさわる事に聞こえたかい?」
「俺がどんな態度取ろうが関係ないだろ」
「一匹狼気取りなら仕方ない。
高校生にもなって人付き合いもまともに出来ないお坊ちゃんとして育った子供なのかな?と思っただけさ。
私には関係無いことだったね」
「うざい奴らにうざいって言って何が悪いんだよ」
「そういう思考が子供だ、と言ってるのが理解出来ないのか」
「は?」
「ん?」
怪しい雰囲気に、私はそっと側から離れた。
「女連れていい気になってんじゃねーよ」
「格好つけてる気はないさ。
ただ、聞く話があまりに子供で馬鹿馬鹿しいからね」
「誰にでもいい顔して寂しん坊かよ」
「一匹狼がカッコいいとか思ってる厨二病を患わせた子供は小学校からやり直しな」
「前髪引きちぎるぞ」
「出来るのかい?綺麗な顔が腫れ上がるから止めとけよ」
両者、顔面を狙って拳を突き出したのは同時だった。
コレ、次の時間はサボりかな……と様子を見つめる。
殴って、蹴って、顔のいい二人は鼻や口から血を流しながらボロボロになっていくなか、昼休みの終わる鐘が鳴り響いた。
次の授業まで残り10分。
激しい殴りあいの喧嘩をどう止めようかと悩む私。
出来ることなら巻き込まれたくない。
だって、今世では私は武術の嗜みなどないのだから。
記憶はあっても、身体がついていかない。
授業開始の鐘が鳴り、それでも止めない二人。
見るからに痛そうな顔になっている。
そろそろ問題になりそうな顔になってきたので、私は二人へと近付いた。
「えいっ」
「「!?」」
「あ、ナイスキャッチ」
五条に弁当箱、傑に携帯を投げ付ければ、二人とも素晴らしい反射神経でキャッチした。
「もう授業始まっちゃったよ」
「名前……携帯割れるよ」
「傑ならキャッチしてくれると思ってたから」
「オマエ…」
「五条もそろそろ止めないと、顔酷いよ。
転校初日に停学したいの?」
「喧嘩売ってきたのそっちだろ」
「私は普通の事を言っただけだよ」
「俺、正論嫌いなんだよね」
「ガキだね」
「傑、煽らない。五条も乗らない」
再び殴り合いそうな二人を止める。
ティッシュを二人に手渡せば大人しく鼻血を拭く。
「ほら、口元も切れてる。
馬鹿だね、君たち」
「準備がいいね」
「傑、わりと喧嘩っ早いから」
「そうかい?」
「手は出さないけど煽るでしょ」
「気のせいだよ」
傑の口元に絆創膏を貼る。
顔の腫れは保健室行って冷やさなきゃ駄目かな、と思案しながら五条の切れた口元にも絆創膏を張ろうとしたら手を払われる。
「触んな」
「うるさい。黙れ」
「は?」
「保健室行くよ。傑も顔冷やさないと」
五条の腕と傑の腕を掴んで屋上から出る。
弁当箱と携帯は傑が回収してくれた。
「ほっとけよ」
「はいはい」
「離せって」
「はいはい」
「聞けよ」
「聞いてる聞いてる」
「馬鹿にしてんの?」
「保健室の場所わかんの?」
「行かねーし」
「黙って着いてきなよ」
保健室に入れば、先生が驚いた顔をした。
「先生、氷ちょーだい」
「どうしたの!?喧嘩?」
「違う違う。
昼休み終わって戻ろうとしたら、私が足を滑らせて階段で転びそうになったところ、二人が支えて守ってくれたら二人で顔面ぶつけ合って転がり落ちちゃった」
「えぇ!?大丈夫なのそれ!!?」
「身体は大丈夫ですが、顔を思いっきりぶつけてしまって」
「二人が守ってくれたから、私は平気だけど……
五条くん、傑本当にごめんね?
助けてくれてありがと」
「なんて事ないさ」
「ちょっと待ってね!!」
バタバタと慌ただしくなる保険医。
氷だけ先に受け取って二人の顔に押し付ける。
「………嘘つき」
「停学よりマシでしょ」
ジトリと此方を見る五条に舌を出す。
傑と顔を見合わせてクスリ、と笑った。
「変な奴ら」
「大丈夫。五条も充分変だよ」
「あ?」
「可哀想だから友達になってあげようか?」
「馴れ馴れしくすんな」
「青春だね」
「微笑むな」
「悟はしょうがない子だね」
「名前で呼ぶな」
「よしよし」
「撫でんな」
処置が終わって二人揃って顔を冷やす姿を写真に撮ったら怒られた。
それからちょくちょく傑と絡みに行けば、五条と三人で行動することが増えた。
「名前、あんた凄いね……
学校のイケメン二人を引き連れて、羨ましい」
「普通に話せば?」
「あの顔面偏差値を前に?
ブスって言われて心折れた女子達が多いのに私無理。」
「大丈夫。あの二人顔だけだよ。
中身はクズだから。性格悪いから」
「笑顔で言えるあんたが凄いわ」
友人が真顔になっている。
顔は確かにいいが、前世でもう慣れた。
「酷くね?」
「彼氏を貶すなんて酷いね、名前」
「五条、傑いたの?」
「いたよ。悪口聞こえてんぞ」
「傷付いたから売店で珈琲買って」
「俺プリンな」
「ほら、クズでしょ?」
友人は苦笑いしていた。
「名前、イケメン二人も引き連れてイジメとかねーの?」
「ないない」
「本当かい?」
「この子、呼び出されてましたよ」
「「は?」」
「大丈夫。みんな物分かり良かったから」
「………脅したな」
「いや、もしかしたら口封じに手が出たのかも」
「聞こえてるよ、二人とも」
「何ともないの?本当?」
「平気平気。
陰湿なイジメするなら証拠持って警察に連絡したり、学校に提出したり、ネットに顔写真と共に流すって動画撮っといたから」
「「うわー」」
「わざわざ呼び出して証拠抑えさせてくれたんだから、有効に使わなきゃ」
「本当凄いね、あんた」
友人に感心されたが、もっと怖いモノを知っているためこのくらいの対象は何てことない。
傑と付き合い出した時も荒れたので、対象方法は取得済みだ。
「女怖い」
「ね…」
「そもそも五条は初日にやらかしてるから、特に被害ないよ」
「俺悪くないし」
「悟はお坊ちゃんだから仕方ないね」
「坊っちゃん言うな」
「キッパリ言うだけまだ五条のがましかな。
傑は優しくして勘違いさせるからな」
「名前以外には興味無いよ?」
「質悪いのは傑だよな」
「うん」
「私が悪いのかい?」
拗ねた顔をする傑に笑ってしまう。
五条には記憶がない。
けど、傑とそれで良かったと話した。
記憶が無いのは寂しいけれど
親友を手にかけた五条の辛さは此方にはわからないから。
それならいっそ、記憶などなくていい。
また巡り会えただけでも
私達は感謝しなきゃいけないのだから。
「傑、名前。今日スイパラ行こ」
「ヤダよ。悟の見てるだけで胸焼けする」
「週2は太る」
「運動したり頭使えばいーだろ」
「誰もが五条と同じ燃焼だと思わないで」
「傑に手伝ってもらえよ」
「なるほど。それはいいね」
「セクハラ、禁止」
二人の脇腹をつついて笑う。
あと一人、この中に居てほしいなんて
欲が出てきてしまう。
この後、たまたま硝子に出会ったり
七海、灰原が後輩で入って来たり
記憶は私と傑しか無いけれど
あの頃のように集まることが出来るようになるのは、また別の話。
私達は罪を犯したのに
神様は私達を幸せにしてくれた。
願わくばどうか
私達だけじゃなく
私達の友がもっと幸せになりますように。
笑顔の消えない
明日がありますように、と願いながら
今日も私達は生きている。
皆と、共に。
あとがき
転生ネタ。
硝子ちゃんのこと書きたかったけど
なかなかいい感じなのが思い付かず
長くなりそうなので五条だけで。
夢主→記憶あり。
前世は傑と離反し、色々あって死亡。
高専時代から傑と付き合っていた。
今世でも傑と付き合ったら女子からイジメられたが、前世の記憶あるので怖くないし、やられたらやり返す主義。
本人無自覚だが、傑と付き合って男子達が泣いた。
傑→記憶あり。
悟とマブダチ。二人はプリキュア。修二と彰。
前世では道を違えたが、今世は喧嘩するけど大親友だよ。
笑顔で煽る。喧嘩早い。
悟→記憶なし。
お坊ちゃん。転校初日に女子も男子も敵に回した人。
傑と仲良くなってからは、男子とは仲良くなったが、女子にはわりと厳しい。
だって俺より顔綺麗な自信ある奴いる?と真顔で言って、夢主に殴られればいい。
硝子→記憶なし。
とあるお嬢様学校の生徒で、変なのに絡まれていたとこを夢主達に助けられる。
煙草吸う。お嬢様どこ?
灰原→記憶なし。
入学して、理不尽な不良にかつあげされていたクラスメートを助けたら、逆にボコられた子。
けど、通りかかった傑が不良をボコって尊敬した。
後日、夏油先輩!!と犬のようにくっついてくることに。
七海→記憶なし。
入学したら、灰原に絡まれた人。
そして、傑を見かけたら一緒に引きずられてなんだかんだ先輩らと顔見知りになった。
苦労人。
って考えていたが、きっと続かない(笑)
リクエストあれば、喜んで書くかもしれない。