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やぁやぁ、二回もトイレに呼び出された通行人名前だよ。
ねぇ、みんな!!今私がどこにいるかわかるかな?
チクタクチクタクチクタク……
せーかいはね☆
真夜中の廃ビルだよ!!
「って、ふざけんじゃねーよ!!」
「何怒ってんの?」
「何でこんなとこ来てるの!?」
「言ったじゃん。肝だめしするって」
「最近噂になってるからさー」
キャッキャもはしゃぐ友人ら。
ちなみに、クラスの男子もちらほら。
「ないわー。まじ、ないわー」
「名前ビビってんの?」
「おうよ」
「キメ顔すんな」
6人くらいいるけど、まじないわー。
呼び出されたから来たら、まさかの肝だめし。
ちなみに一言も言われてぬぇ。
言われてたら来なかったわ。
「なに?怖いのー?」
「いつも賑やかだけど、女子っぽいじゃん」
クラスメート2と3。
あんまり関わったことないけど、なんかチャラい。
「女子ですがなにか?」
「いつも賑やかで楽しそうだよね、君達」
「気になってたんだー」
「そうだったのぉ?」
「女子っぽいって失礼!!女子だよぉ」
いきなりメスになる友人。
私の表情筋頑張って。
このメス共にどん引いた顔しちゃだめだ。
まじ帰りたい。
"ま……まんま…"
足元に此方を見上げるナニカ。
表情筋が死んだ。
スンッと表情を無くした私。
帰りたい。帰らせて。
そんな私とは正反対に、盛り上がる男女。
「名前ちゃん怖い?」
「コワイデスネー」
「そうなの?俺がいるよ」
"ミルナ"
お前イラナイ。何か憑いてる。
お前が怖いよ。
まじ帰らせて。
しかし、ここまじでヤバそうだな……なんて思ってたら、友人らが中へ。
まじかよ。まじで行ったよあのメス共。
私の隣には、ヤバいの張り付けた男。
そして足元にはヤバい芋虫。
友人を無理やり引きずって帰ろうと決意した。
「どこ行ったあいつら」
「どこだろうね」
"ミルナ……サワ、ルナ"
中に入ると、物音1つしない。
とりあえず真っ直ぐ進む。
「ドキドキするね」
「ソーデスネ」
"サワル、ナ"
「どこ行ったろ」
違う意味でドキドキするわ。
勢いに任せて進む。
上か?とスタスタ早足で進むが、なぜか男が引っ付いていて、それに憑いているのがずっと威圧してくる。
スルーしながら二階を探せば、一室に入り懐中電灯で部屋を照らしてる男女四人の姿。
「真っ暗……こわぁい」
「ねぇねぇ、やめよーよぉ」
「あ、いた」
「「ぎゃぁあああああ!!!」」
悲鳴に耳を塞ぐ。
めちゃくちゃ友人らに睨まれた。
「ほら、帰るよ」
「「名前、空気読め」」
「ねぇ、知ってる?
不法浸入って捕まるんだよ」
「ここ廃ビルだし」
「ビビってそんな事でおどすなよ」
クラスメート2と3がヘラヘラしてる。
ふっ、と笑って教えてやろう。
肝だめしより肝が冷えること。
「三年以下の懲役又は十万以下の罰金」
「は?まじ?」
「廃ビルといえど、持ち主がいるわけで、その建物内の電気系統やら壊せば数千万の借金地獄が待ってるよ」
「「………」」
「今の時代だから、指紋取られたら終わりだね。
学生といえど、捕まるんだよ」
「「………まじ?」」
「まじ」
「けど、肝だめしとか撮ってるやついるし」
「俺ら以外にもいるよな、来た奴」
「他人も来たから自分らもOKなんてルール誰が決めたのさ。
ほら、帰るよ」
友人らの手を引いて外に向かう。
出来るだけ早足で。
しぶしぶついてくるクラスメートの男三人。
"ミルナ"
"まんま……"
"ゴキ,ゴキゴキゴキ"
"え………エサ……"
めちゃくちゃ着いてきてる。
いや、まじナニコレ。ヤメテ。
廃ビルから出たのに着いてきてる。
友人らの手をしっかり握り、明るい所を目指す。
「名前手、湿ってるよ」
「すまん」
「名前ばっちぃ、離して」
「すまん」
まじ、すまん。
けどここから早く離れたい。
だって後ろ、まじヤバい。
変な虫みたいのも増えてきて、まじヤバい。
「うわっ、きも」
「君はいつも……」
「……白髪!!前髪!!」
なぜこんな人通りの無いところで……と思ったが、知り合いに会って少し気持ちが楽になった。
4回目だけどな。
「イケメンだ」
「ナイス」
「お前達は………」
再びメスとなりそうな友人達。
いや、それどころじゃねーんだよ。
「まずいな」
「あぁ」
険しい顔の白髪と前髪。
だよね?そう思う。
なぜって?
"ミルナ!!"
後ろのクラスメート4に憑いてるのが
なんか肥大してるからだよ。
「おい、お前大丈夫か?」
「う、う……」
"サワルナ"
「具合悪いのか?」
"ミルナ!!"
「え、ちょっと大丈夫?」
「顔色悪くない?」
友人らが心配そうに近寄ろうとするが、私は阻止。
アレは近づいちゃだめ、絶対。
クラスメート2と3の顔色も段々悪くなっている。
うん。アレのせいだろうな。
蜘蛛のような手足に、首が長く女の顔。
「ちょっと、なんで止めるの」
「まじビビってんの?」
"ま……まんまぁ"
"まんまぁ"
"まん…まぁ"
ビビってますがなにか?
芋虫みたいなのが、増えている。
まじかよ。ヤメテ?
「お前らどこ行った」
「あー……」
「もしかして廃ビルかい?」
「肝だめしに……けど、ちょっとだけですよぉ」
「何も無かったですけどねぇ」
「肝だめしねぇ」
白髪が呆れている。
そらそーだわ。
何も無かった?
"ミルナ、ミルナ、ミルナァァアアアア"
"まん…ま"
"ゴキゴキゴキゴッ"
"まんま…ま、マァァアアアア"
ミエナイ。キコエナイ。ナニモナイ。
後ろで大合唱してるけど、私、シラネ。
「「…………」」
「何ですか」
「「…………はぁ」」
「人の顔見ながらため息やめてくれません?」
まるで私せいみたいじゃん。
これ、私のせいじゃないからな!!
「どーする?」
「祓う?」
「面倒臭ェ」
「ここで会ったのも縁だろ」
「白滝女、アイス奢りな」
「私は珈琲でいいよ」
「たからないでください。
あと、財布持ってません」
「シケてんな」
「何しに来たの?」
お前らこそ私にたからないで。
女子高生はいつだって金欠なんだからな。
「じゃあ、今回は特別な」
「危ないから離れちゃ駄目だよ」
ニヒルに笑う二人。
イケメンは何してもイケメンだな。
そこからは驚くほど瞬殺だった。
前髪の人の影?からヤベェの出て来て、芋虫一掃という名のヤベェのが芋虫食べてた。
白髪はなんかよくわかんないけど、ヤベェの吹き飛ばしてた。
ちなみにクラスメート三人の男達はいつの間にか気絶していたのを、前髪のヤベェのが回収していた。
「「…………」」
「どうした、君達」
「名前の知り合いってどこか残念だよね」
「イケメンでもアレはな……」
見えない人間からしたら、まぁ怪しいよね。
わかる。超わかる。
友人らの顔が真顔になってる。
「友人よ。心して聞くがいい」
「「何」」
「世の中知らない方がいいことがあるのだよ」
「「超納得」」
ヤベー。コイツ、ヤベェーって顔しないでくれる?
私がヤベェんじゃないから。
「帰るか」
「だな」
「あの男らどーすんの?」
「「放置」」
「………君達のが怖い」
じゃあ帰るわ。また明日な。
と、いなくなる二人。
友達辞めないでくれるあたり、ありがたい。
さて、男らどーしよ。
「あれ?他の子は?」
「帰宅時間だから帰りました」
「コイツらどーする?」
「どーしましょ……」
「連絡先とかは?」
「知りませんよ。まともに話したの今日が初めてですし」
「危機感無しかよ」
「高校生だからって男と遊び歩くのはいけないよ」
「お前らは私の母親か」
特に前髪。
おかんか。
「仕方ないね。彼らは私達がどうにかしておくよ」
「面倒臭ェ」
「仕方ないだろ。彼らは一般人だ」
「オマエは?一人で帰れんの?」
「帰れますよ」
「一応女の子だろ?幼馴染とやらは?」
「コイツも一緒に送る?」
何か、この人達に家知られちゃいけない気がする。
無言で幼馴染に電話した。
駅まで迎えに来てもらうことになった。
「一緒に待っててやろーか?」
「結構です」
「一応女の子だろ?危ないよ」
「さっきから一応一応って付けなくても女子ですけど」
「なら、悟と一緒に幼馴染が来るまで待ってなよ。私はコッチにいるから」
「ほら、行くぞ白滝女」
頭捕まれながら人通りの少ない道から出る。
前髪がひらひら手を振っていた。
薄暗いけど、人口の灯りで煌めく道を歩く。
改めて並んで歩くと、めちゃくちゃ身長高いな、おい。
「身長いくつですか?」
「180以上はあんじゃね?」
「まじかよ」
「まだ伸びてるからシラネ」
「まじかよ」
並んだ感じからして、トサカより大きいぞ……。
「オマエさー」
「はい?」
「何で見えないフリしてんの?」
うわ、めちゃくちゃ確信持ってる。
毎回誤魔化して逃げていたが、今回は無理か……。
しかし、ここで暴露すれば私の平穏とアオハルは遠退く気がした。
なので、全力でスルーするよ。
「視力は悪い方じゃないですけど」
「見えるって事はそれだけで寄ってくるぞ」
「………」
「何で離れんの」
「こないだからそうですが距離詰めて寄ってくるのはちょっと……まだアナタ知り合いなので」
「意味ちげーよ」
「私にも選ぶ権利あります」
「オマエ何の話してんの白滝女の分際で」
何で俺が振られてんだよ、と頭にアイアンクローくらった。
いや……美形で、身長高くて、ちょっと意地悪な物件だろうと、ヤベェのと関わりあるのはちょっと……。
アオハルより、デッドオアアライブの臭いしかしねぇよ。
そんな血にまみれたアオハルライフなんざお断りだ!!
ライフの残機がいくつあっても足りぬぇーだろ!!!!
「あ、ここでいーですよ」
「幼馴染は?」
「そのうち来ます」
「何のために着いてきたと思ってんだよ」
呆れられた。
いざとなったら大声出したらここなら人いるし。
けど、隣に立って離れない白髪。
「オマエ携帯は?」
「携帯してません」
「嘘つくな。さっき幼馴染と連絡取ってたろ」
「チッ」
「ほら、寄越せ」
「嫌です。アナタと交換したら、人生の何かが終わりそうです」
「新しい人生も始まるぞ」
「だが、断る」
「それを断る」
ギャーギャーしながら、携帯奪われた。
チキショー!!腕が長い!!
勝手に連絡先交換され、なぜか自撮りまでして、画面登録して遊び出す白髪。
足蹴ろうとしたら避けられた。
片腕で首を捕獲され、私は白髪の腹をボコボコ殴る。
「セクハラ!!セクハラで訴えてやる!!」
「はいはい」
「おまっ!!何勝手に写真撮りまくってんだよ!!ヤメロ!!」
「イケメンの顔だぞ」
「自分で言うんじゃねぇ!!あと離せ!!」
「はいはい」
「睫毛むしるぞ!!」
「できるならな」
「あのー……ウチの名前に何か用デスカ?」
「「あ?」」
白髪と二人で振り向けば、幼馴染のトサカ。
ごめん、威圧した。
「幼馴染?」
「です。携帯返せ白髪」
「ほら。ちゃんと真っ直ぐ帰れよ」
「帰るよ。前髪によろしく」
ひらひら手を振りながら人混みに消え去った白髪。
「アレ何?」
「最近話題の白髪」
「ヤベェアレか」
「ヤベェアレだわ」
幼馴染達と帰る。
「やっぱ無理だと思うよ」
「唐突にヤメテ」
「頑張って」
「憐れまないで!!」
「名前の青春終わったな」
「ヤメテ!!」
幼馴染達に合掌された。
解せぬ。
あとがき
五条さんと仲良し(違う)
ねぇ、みんな!!今私がどこにいるかわかるかな?
チクタクチクタクチクタク……
せーかいはね☆
真夜中の廃ビルだよ!!
「って、ふざけんじゃねーよ!!」
「何怒ってんの?」
「何でこんなとこ来てるの!?」
「言ったじゃん。肝だめしするって」
「最近噂になってるからさー」
キャッキャもはしゃぐ友人ら。
ちなみに、クラスの男子もちらほら。
「ないわー。まじ、ないわー」
「名前ビビってんの?」
「おうよ」
「キメ顔すんな」
6人くらいいるけど、まじないわー。
呼び出されたから来たら、まさかの肝だめし。
ちなみに一言も言われてぬぇ。
言われてたら来なかったわ。
「なに?怖いのー?」
「いつも賑やかだけど、女子っぽいじゃん」
クラスメート2と3。
あんまり関わったことないけど、なんかチャラい。
「女子ですがなにか?」
「いつも賑やかで楽しそうだよね、君達」
「気になってたんだー」
「そうだったのぉ?」
「女子っぽいって失礼!!女子だよぉ」
いきなりメスになる友人。
私の表情筋頑張って。
このメス共にどん引いた顔しちゃだめだ。
まじ帰りたい。
"ま……まんま…"
足元に此方を見上げるナニカ。
表情筋が死んだ。
スンッと表情を無くした私。
帰りたい。帰らせて。
そんな私とは正反対に、盛り上がる男女。
「名前ちゃん怖い?」
「コワイデスネー」
「そうなの?俺がいるよ」
"ミルナ"
お前イラナイ。何か憑いてる。
お前が怖いよ。
まじ帰らせて。
しかし、ここまじでヤバそうだな……なんて思ってたら、友人らが中へ。
まじかよ。まじで行ったよあのメス共。
私の隣には、ヤバいの張り付けた男。
そして足元にはヤバい芋虫。
友人を無理やり引きずって帰ろうと決意した。
「どこ行ったあいつら」
「どこだろうね」
"ミルナ……サワ、ルナ"
中に入ると、物音1つしない。
とりあえず真っ直ぐ進む。
「ドキドキするね」
「ソーデスネ」
"サワル、ナ"
「どこ行ったろ」
違う意味でドキドキするわ。
勢いに任せて進む。
上か?とスタスタ早足で進むが、なぜか男が引っ付いていて、それに憑いているのがずっと威圧してくる。
スルーしながら二階を探せば、一室に入り懐中電灯で部屋を照らしてる男女四人の姿。
「真っ暗……こわぁい」
「ねぇねぇ、やめよーよぉ」
「あ、いた」
「「ぎゃぁあああああ!!!」」
悲鳴に耳を塞ぐ。
めちゃくちゃ友人らに睨まれた。
「ほら、帰るよ」
「「名前、空気読め」」
「ねぇ、知ってる?
不法浸入って捕まるんだよ」
「ここ廃ビルだし」
「ビビってそんな事でおどすなよ」
クラスメート2と3がヘラヘラしてる。
ふっ、と笑って教えてやろう。
肝だめしより肝が冷えること。
「三年以下の懲役又は十万以下の罰金」
「は?まじ?」
「廃ビルといえど、持ち主がいるわけで、その建物内の電気系統やら壊せば数千万の借金地獄が待ってるよ」
「「………」」
「今の時代だから、指紋取られたら終わりだね。
学生といえど、捕まるんだよ」
「「………まじ?」」
「まじ」
「けど、肝だめしとか撮ってるやついるし」
「俺ら以外にもいるよな、来た奴」
「他人も来たから自分らもOKなんてルール誰が決めたのさ。
ほら、帰るよ」
友人らの手を引いて外に向かう。
出来るだけ早足で。
しぶしぶついてくるクラスメートの男三人。
"ミルナ"
"まんま……"
"ゴキ,ゴキゴキゴキ"
"え………エサ……"
めちゃくちゃ着いてきてる。
いや、まじナニコレ。ヤメテ。
廃ビルから出たのに着いてきてる。
友人らの手をしっかり握り、明るい所を目指す。
「名前手、湿ってるよ」
「すまん」
「名前ばっちぃ、離して」
「すまん」
まじ、すまん。
けどここから早く離れたい。
だって後ろ、まじヤバい。
変な虫みたいのも増えてきて、まじヤバい。
「うわっ、きも」
「君はいつも……」
「……白髪!!前髪!!」
なぜこんな人通りの無いところで……と思ったが、知り合いに会って少し気持ちが楽になった。
4回目だけどな。
「イケメンだ」
「ナイス」
「お前達は………」
再びメスとなりそうな友人達。
いや、それどころじゃねーんだよ。
「まずいな」
「あぁ」
険しい顔の白髪と前髪。
だよね?そう思う。
なぜって?
"ミルナ!!"
後ろのクラスメート4に憑いてるのが
なんか肥大してるからだよ。
「おい、お前大丈夫か?」
「う、う……」
"サワルナ"
「具合悪いのか?」
"ミルナ!!"
「え、ちょっと大丈夫?」
「顔色悪くない?」
友人らが心配そうに近寄ろうとするが、私は阻止。
アレは近づいちゃだめ、絶対。
クラスメート2と3の顔色も段々悪くなっている。
うん。アレのせいだろうな。
蜘蛛のような手足に、首が長く女の顔。
「ちょっと、なんで止めるの」
「まじビビってんの?」
"ま……まんまぁ"
"まんまぁ"
"まん…まぁ"
ビビってますがなにか?
芋虫みたいなのが、増えている。
まじかよ。ヤメテ?
「お前らどこ行った」
「あー……」
「もしかして廃ビルかい?」
「肝だめしに……けど、ちょっとだけですよぉ」
「何も無かったですけどねぇ」
「肝だめしねぇ」
白髪が呆れている。
そらそーだわ。
何も無かった?
"ミルナ、ミルナ、ミルナァァアアアア"
"まん…ま"
"ゴキゴキゴキゴッ"
"まんま…ま、マァァアアアア"
ミエナイ。キコエナイ。ナニモナイ。
後ろで大合唱してるけど、私、シラネ。
「「…………」」
「何ですか」
「「…………はぁ」」
「人の顔見ながらため息やめてくれません?」
まるで私せいみたいじゃん。
これ、私のせいじゃないからな!!
「どーする?」
「祓う?」
「面倒臭ェ」
「ここで会ったのも縁だろ」
「白滝女、アイス奢りな」
「私は珈琲でいいよ」
「たからないでください。
あと、財布持ってません」
「シケてんな」
「何しに来たの?」
お前らこそ私にたからないで。
女子高生はいつだって金欠なんだからな。
「じゃあ、今回は特別な」
「危ないから離れちゃ駄目だよ」
ニヒルに笑う二人。
イケメンは何してもイケメンだな。
そこからは驚くほど瞬殺だった。
前髪の人の影?からヤベェの出て来て、芋虫一掃という名のヤベェのが芋虫食べてた。
白髪はなんかよくわかんないけど、ヤベェの吹き飛ばしてた。
ちなみにクラスメート三人の男達はいつの間にか気絶していたのを、前髪のヤベェのが回収していた。
「「…………」」
「どうした、君達」
「名前の知り合いってどこか残念だよね」
「イケメンでもアレはな……」
見えない人間からしたら、まぁ怪しいよね。
わかる。超わかる。
友人らの顔が真顔になってる。
「友人よ。心して聞くがいい」
「「何」」
「世の中知らない方がいいことがあるのだよ」
「「超納得」」
ヤベー。コイツ、ヤベェーって顔しないでくれる?
私がヤベェんじゃないから。
「帰るか」
「だな」
「あの男らどーすんの?」
「「放置」」
「………君達のが怖い」
じゃあ帰るわ。また明日な。
と、いなくなる二人。
友達辞めないでくれるあたり、ありがたい。
さて、男らどーしよ。
「あれ?他の子は?」
「帰宅時間だから帰りました」
「コイツらどーする?」
「どーしましょ……」
「連絡先とかは?」
「知りませんよ。まともに話したの今日が初めてですし」
「危機感無しかよ」
「高校生だからって男と遊び歩くのはいけないよ」
「お前らは私の母親か」
特に前髪。
おかんか。
「仕方ないね。彼らは私達がどうにかしておくよ」
「面倒臭ェ」
「仕方ないだろ。彼らは一般人だ」
「オマエは?一人で帰れんの?」
「帰れますよ」
「一応女の子だろ?幼馴染とやらは?」
「コイツも一緒に送る?」
何か、この人達に家知られちゃいけない気がする。
無言で幼馴染に電話した。
駅まで迎えに来てもらうことになった。
「一緒に待っててやろーか?」
「結構です」
「一応女の子だろ?危ないよ」
「さっきから一応一応って付けなくても女子ですけど」
「なら、悟と一緒に幼馴染が来るまで待ってなよ。私はコッチにいるから」
「ほら、行くぞ白滝女」
頭捕まれながら人通りの少ない道から出る。
前髪がひらひら手を振っていた。
薄暗いけど、人口の灯りで煌めく道を歩く。
改めて並んで歩くと、めちゃくちゃ身長高いな、おい。
「身長いくつですか?」
「180以上はあんじゃね?」
「まじかよ」
「まだ伸びてるからシラネ」
「まじかよ」
並んだ感じからして、トサカより大きいぞ……。
「オマエさー」
「はい?」
「何で見えないフリしてんの?」
うわ、めちゃくちゃ確信持ってる。
毎回誤魔化して逃げていたが、今回は無理か……。
しかし、ここで暴露すれば私の平穏とアオハルは遠退く気がした。
なので、全力でスルーするよ。
「視力は悪い方じゃないですけど」
「見えるって事はそれだけで寄ってくるぞ」
「………」
「何で離れんの」
「こないだからそうですが距離詰めて寄ってくるのはちょっと……まだアナタ知り合いなので」
「意味ちげーよ」
「私にも選ぶ権利あります」
「オマエ何の話してんの白滝女の分際で」
何で俺が振られてんだよ、と頭にアイアンクローくらった。
いや……美形で、身長高くて、ちょっと意地悪な物件だろうと、ヤベェのと関わりあるのはちょっと……。
アオハルより、デッドオアアライブの臭いしかしねぇよ。
そんな血にまみれたアオハルライフなんざお断りだ!!
ライフの残機がいくつあっても足りぬぇーだろ!!!!
「あ、ここでいーですよ」
「幼馴染は?」
「そのうち来ます」
「何のために着いてきたと思ってんだよ」
呆れられた。
いざとなったら大声出したらここなら人いるし。
けど、隣に立って離れない白髪。
「オマエ携帯は?」
「携帯してません」
「嘘つくな。さっき幼馴染と連絡取ってたろ」
「チッ」
「ほら、寄越せ」
「嫌です。アナタと交換したら、人生の何かが終わりそうです」
「新しい人生も始まるぞ」
「だが、断る」
「それを断る」
ギャーギャーしながら、携帯奪われた。
チキショー!!腕が長い!!
勝手に連絡先交換され、なぜか自撮りまでして、画面登録して遊び出す白髪。
足蹴ろうとしたら避けられた。
片腕で首を捕獲され、私は白髪の腹をボコボコ殴る。
「セクハラ!!セクハラで訴えてやる!!」
「はいはい」
「おまっ!!何勝手に写真撮りまくってんだよ!!ヤメロ!!」
「イケメンの顔だぞ」
「自分で言うんじゃねぇ!!あと離せ!!」
「はいはい」
「睫毛むしるぞ!!」
「できるならな」
「あのー……ウチの名前に何か用デスカ?」
「「あ?」」
白髪と二人で振り向けば、幼馴染のトサカ。
ごめん、威圧した。
「幼馴染?」
「です。携帯返せ白髪」
「ほら。ちゃんと真っ直ぐ帰れよ」
「帰るよ。前髪によろしく」
ひらひら手を振りながら人混みに消え去った白髪。
「アレ何?」
「最近話題の白髪」
「ヤベェアレか」
「ヤベェアレだわ」
幼馴染達と帰る。
「やっぱ無理だと思うよ」
「唐突にヤメテ」
「頑張って」
「憐れまないで!!」
「名前の青春終わったな」
「ヤメテ!!」
幼馴染達に合掌された。
解せぬ。
あとがき
五条さんと仲良し(違う)