通行人A
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
はぁい☆この間、本当にトイレに呼び出された通行人名前だよ。
女の友情とはいかに?
「なぁ、友よ」
「なんだい、裏切り者」
「違う……俺は裏切ってねぇ……裏切り者じゃぬぇ!!」
「だから何キャラだよ」
私にもわからん。以上。
「私はアオハルがしたいんだ。
知ってる?高校入ったのに、絡む男子といえばバァリィーボゥルの奴らばかりだ」
「無駄に発音よく言おうとすんな。ムシるぞ」
「ちなみにその男子は幼馴染だ」
「違うだろ。お前が幼馴染に絡んでるんだろ」
「その他の男子を見ろ……遠巻きだ」
「そりゃーな。
入学早々にいきなり階段でグリコしたり、流し素麺したり、ジェンガで盛り上がったりする女子生徒を可愛いな☆なーんて思う奴いたらビックリだわ」
「!!」
「その侵害!!って顔ヤメロ」
殴るぞ、って酷くない?
お前も一緒にやってた仲間だからな。
言っておくけど、重要なことだ。
お前も、やってた、からな!!
「アオハルとはいかに」
「まず、アオハル言うのヤメロ」
「おーい、今日は何する?」
「理科室爆破する?」
「「なんでだよ」」
「とりあえずヨーヨーする?」
「「なんでだよ」」
「じゃあ、あやとりだな」
私の友人、頭おかしー奴しかいないわ。
とか言いながら、4人くらいであやとりする。
一人ずつやっていき、あやとりとか久々過ぎてわかんないからすぐ飽きたけどな。
「暇だな」
「暇」
「暇すぎる」
「アオハルってどーしたらできる?」
「まずアオハルって言い方にこだわるなよ」
どんだけ拘ってんだ、と言われるが
私の女子高生ライフはアオハルだからね?
中学の時のイタタタな設定とはおさらばして、アオハルしたいんだよ。
「はい、まずは男性とお近づきになります」
「それで?」
「親しくなります」
「意味一緒だろ」
「つーか、お前なら余裕余裕」
「なにが」
「誰にでも声掛けるじゃん。だから行ってこい」
「そしてウチラにも紹介しろ」
「お前ら他力本願かよ」
ふざけんな。
声掛けて、親しくなるならすでにアオハルしてるから。まじで。
「あのイケメンは?」
「知らん。クレープ奢ってくれただけ」
「うらやま」
「嫉妬」
「はい、判決は有罪」
「なんでだよ」
コイツら、根に持っていやがる。
だから女子はネチネチだと言われるんだ。
くだらないこと話していたら、クラスメート1に話しかけられた。
「先輩が呼んでる」
「どーも」
「チッ、イケメンの幼馴染持ちが」
「紹介しろよ」
「遊ばせろよ」
「お前らにとって私ってなんなの?」
女の友情とは……。
涙を拭きながら廊下に出れば、幼馴染とそのバァリィーボゥル仲間。
「なんですかー、先輩」
「おっ、イイネ。その先輩って」
「ハッ」
「鼻で笑うな」
「で、用事は?」
「お前GW暇?」
「多分暇」
「手伝いしてくれね?」
「だが断る」
頼む!!とトサカを下げ……いや、頭を下げる幼馴染。
いやいや、私暇だけど忙しいから。
やりたい女子もっといるだろ。
「お前はやること真面目にやるだろ」
「やるときはやる」
「だから頼むって」
「えー」
「チュッパチャプス買ってやるから」
「よし。任せろ」
チョロいとか言うな。
チュッパチャプスうまいだろ。
「助かった。各校で合同合宿もやるから人手足らないんだよ」
「………は?合同合宿?」
「おう。ウチとあと二校ほどでどこの学校でやるかわからねーけど泊まり込みで」
「ごめん。やっぱ無しで」
「嘘だろ」
「学校、泊まり込みは、アカン」
あったりめーだろうか!!!!
おまっ……昼間でさえチラチラいんだぞ!!?
なのに、夜の学校泊まり込みとか……ただの嫌がらせじゃねーか!!!
ふざけんな!!
「あ……あぁ……そっか。そうだったな」
「え?なに?」
「忘れたとか言うなよ。
私はやっちまうし、これフラグだからな」
「………もうちょっと探して、どーしても駄目だったら頼んでいいか?」
「私が学校に泊まり込みじゃないなら」
「了解シマシタ」
幼馴染と私の会話に、頭を傾げているバァリィーボゥル仲間の先輩二人。
しかし、こればかりは譲れねぇ。
私は、平穏に、アオハルライフを、送りたいんだ!!!
これは!!私の!!アオハルライフの物語なんだよ!!
「何の話?」
「私のアオハルライフを脅かす話」
「諦めろ。お前にアオハルなんかこない」
「集まるのは変人ばかりだ」
「なら、ここに集まってる君たちももれなく変人だね」
三人に頭叩かれた。ひどくね?
私と一緒に諸々してる時点で、かなりの変人だろ。
ちなみにこの日は、特に何もしなかった。
おい、毎日やらかしてると思ったら大間違いだぞ。
たまーにしかやらん。
たまーにしか。
帰宅部の私の帰りは早い。
友人と遊ぶこともあるが、基本的には真っ直ぐ帰る。
よほどの事が無い限り真っ直ぐ帰る。
しかし、たまーに一人でもブラブラすることはある。
「「「あ」」」
「あ、どーも」
最近遭遇率高くね?
黒服の例の三人組に出会った。
「酢昆布女」
「茎ワカメちゃん」
「チョコミントさん」
「おい、君たちの中の私の印象それなの?」
白髪、美少女、前髪と私の印象なんだよそれ。
「一人?」
「そーですね」
「今日は酢昆布持ってねぇの?」
「品切れです」
「チョコミントは?」
「気分じゃないです」
まともなの美少女だけじゃねーか。
「今からコンビニ行くけど一緒に行くか?」
「なんでだよ」
「ここで会ったのも縁だからね」
「はぁ……」
「じゃあ行こ」
よくわからないが、三人組とコンビニへ。
それぞれコンビニに入って、欲しいものを買いにバラバラに。
いや、誘われた意味。
とりあえずおでんと飲み物を買って外で待機。
「おでん?」
「熱いです」
「だろうね」
最初に出てきたのは美少女。
コンビニの入り口横でしゃがんでおでんの大根フーフーしてる私を見て、噴き出した。
隣にしゃがみ、ブラックコーヒーの缶を開けてる。
「………おでん、かい?」
「あげませんよ」
「いらないよ」
前髪さんが出てきた。
そして、顔を背けて噴き出した。
私の隣にしゃがみ、ブラックコーヒーを開けて飲んでいる。ぼんたんのせいで、普通にガラ悪い。
「うわっ、ガラ悪っ」
「私も思いました。特に左」
「ん?」
「さーせん」
ぼんたんでしゃがんでたらガラ悪いだろ。
けど、ん?の威力には勝てない。
なぜか私の目の前にしゃがみ、微糖コーヒーを開ける白髪。
え、囲まれた。
「いいもん食ってんじゃん」
「何これ。包囲された。新手のかつあげ?」
「悟、君が一番ガラ悪いよ」
「おでん寄越せよ」
「嫌ですよ」
なんなのこれ?囲まれた。
しかも、私の大根盗まれそう。
「ちくわ頂戴」
「美少女まで」
「大根あっつ」
「あっ!!ちょっ、何勝手に食ってんですか」
「スープ貰うよ」
「お前もか、前髪!!」
この人らひでぇ!!
寄って集ってひでぇ!!
私のおでん回し食い始めた。
「人が食べてると食べたくなる不思議」
「美少女さん、盗んでいい理由になってない」
「牛串も買えよ」
「人のモノ盗んで食って何文句言ってんだ白髪」
「まだ少し肌寒いからね」
「いらないって言ったのにちゃっかり盗むな前髪」
ねぇ。まじ何これ。
私何でおでん盗られてんの?
返ってきた頃には、白滝だけあった。
「……白滝っ!!」
「ほら、フランク一口あげる」
「仕方ないね。肉まん一口だけだよ」
「ほら、コーヒーのおまけ」
謎の優しさ。
美少女からフランクと前髪から肉まん一口ずつもらった。
白髪のおまけはよくわかんないキャラ物のフィギュアだった。うん、いらね。
「最近あった面白い事は?」
「現時点で面白いかと」
「は?なにが?」
「ヤンキーに囲まれておでん盗られた」
「どこのヤンキーだい?」
「お前らだよ」
「ん?」
「さーせん」
前髪さん、まじ怖い。
このやり取りするたび、美少女がバイブのごとく震えている。そして、白髪もにやにや笑ってる。
黒い学ランに囲まれて私やばくない?
イジメられてるように見えるのか?
それとも私もヤンキーに見えるのか?
「…………」
ゾワッとした。なんか後ろにいる。
これ、振り向いちゃ駄目なやつ。
けど、私の後ろ確実になんかいる。
おっかしいなぁぁあああああ!!!
私の後ろ、コンビニのガラスなんだけどなぁぁああああああ!!!!
「あ」
「うわ」
「あー」
おいいいいいいっ!!!!
君ら見えてんの!?見えてんのか!!
めっちゃ私の後ろ見上げてんなぁ!!
つられねーからな!!
こちとら数十年のスルースキルでフルシカトだからな!!
"ミ……ミエ、テル?"
の、ぞ、く、なぁぁああああああああ!!!!!
めっちゃくちゃ覗きこんできたんだけど!!
顔ちけーよ!!
白髪見えねーよ!!
両隣距離とるな!!
「え、何で離れたんです?」
"ミ……え、てナイ"
「「虫いたから」」
「まじかよ」
立ちたい。
けど、覗きこまれてるから無理。
さーて、どーしようかなーと
ズルズル白滝を啜る。
「ウェッ!!ゲフッ!!」
「きったね」
「うわ……女子だろ、君」
「大丈夫か」
「美少女だけだよ、優しいの」
最近啜ると噎せるんだけど、歳かな?
白滝で噎せたよ。
鼻から出てないよな……うん、大丈夫。
再び顔を上げたら……
"きのこ……タケノコ……どっちですかぁ"
違うのがいた。
"きのこは……チョコチョコ"
「鼻から出てね?」
「出てませんよ」
"タケノコ…チョコチョコ"
「もう少しおしとやかにしたらどうだい?」
「私に足りないモノだわ、それ」
"どっちでぇ…すかぁ……?"
タケノコ派ですがなにか?
「なぁ、白滝女」
「やめてよその不名誉なあだ名」
「お前アレ見えてるだろ」
白髪よ。白滝ぶちまけてやろうか?
"きのこの負けぇ"
「さっきのも見えてたんだろ?」
"タケノコの勝ちぃ"
「なぁ」
謎に圧出してくる白髪が怖い。
白滝噎せないよう、ズルズル食べて、どう乗り越えようか考える。
"タケノコはぁ、ホロホロ…"
「ズルズルズルズル」
「おい、白滝食うのやめろ」
「また噎せるぞ」
"きのこはぁ、サクサク"
めっちゃきのことタケノコ語ってるな、おい。
そんな時、ピロンと携帯が鳴った。
メールを開くと、友人から一言。
ーーーー明日、トイレな
怖くて白滝食べるのやめた。
周りを見るが、見当たらない。
「どうかした?」
「………友達からリンチ宣言きた」
「は?どんな友達だよ」
「知らない。トイレ呼び出された」
「……イジメかい?」
「いや、尋問」
決してイジメじゃないよ。
呼び出しという、尋問だよ。
なんでトイレかって?雰囲気出るから。
「まともな友達いる?」
「まと………まとも?まともってなんだろ」
「そこからかい?」
「まぁ、お前と居るなら頭どーかしてる奴らだな」
「酷くない?まるで私がアレみたいじゃないか」
「アレだろ」
「アレだね」
「アレだわ」
「君ら失礼すぎるわ」
まだ三回しか会ってないのにナニコレ。
きのことタケノコがいなくなったし、白滝も食べ終わったので立ち上がる。
「帰んの?」
「うん」
「気をつけて」
「美少女もヤンキー共と一緒に気をつけてね」
「あ?」「ん?」
「さーせん。様になりすぎて怖い」
うんこ座りしながら見上げてこないで。
前髪も白髪もサマになりすぎててまじ怖い。
って話を幼馴染に電話で話した。
『もう諦めたら?』
「何を?人生を?アオハルを?」
『……………』
「なにか話して!!」
切られた。切ない。
あとがき
頑張ってスルーするよ。
みえてない。ミエテナイヨ。
女の友情とはいかに?
「なぁ、友よ」
「なんだい、裏切り者」
「違う……俺は裏切ってねぇ……裏切り者じゃぬぇ!!」
「だから何キャラだよ」
私にもわからん。以上。
「私はアオハルがしたいんだ。
知ってる?高校入ったのに、絡む男子といえばバァリィーボゥルの奴らばかりだ」
「無駄に発音よく言おうとすんな。ムシるぞ」
「ちなみにその男子は幼馴染だ」
「違うだろ。お前が幼馴染に絡んでるんだろ」
「その他の男子を見ろ……遠巻きだ」
「そりゃーな。
入学早々にいきなり階段でグリコしたり、流し素麺したり、ジェンガで盛り上がったりする女子生徒を可愛いな☆なーんて思う奴いたらビックリだわ」
「!!」
「その侵害!!って顔ヤメロ」
殴るぞ、って酷くない?
お前も一緒にやってた仲間だからな。
言っておくけど、重要なことだ。
お前も、やってた、からな!!
「アオハルとはいかに」
「まず、アオハル言うのヤメロ」
「おーい、今日は何する?」
「理科室爆破する?」
「「なんでだよ」」
「とりあえずヨーヨーする?」
「「なんでだよ」」
「じゃあ、あやとりだな」
私の友人、頭おかしー奴しかいないわ。
とか言いながら、4人くらいであやとりする。
一人ずつやっていき、あやとりとか久々過ぎてわかんないからすぐ飽きたけどな。
「暇だな」
「暇」
「暇すぎる」
「アオハルってどーしたらできる?」
「まずアオハルって言い方にこだわるなよ」
どんだけ拘ってんだ、と言われるが
私の女子高生ライフはアオハルだからね?
中学の時のイタタタな設定とはおさらばして、アオハルしたいんだよ。
「はい、まずは男性とお近づきになります」
「それで?」
「親しくなります」
「意味一緒だろ」
「つーか、お前なら余裕余裕」
「なにが」
「誰にでも声掛けるじゃん。だから行ってこい」
「そしてウチラにも紹介しろ」
「お前ら他力本願かよ」
ふざけんな。
声掛けて、親しくなるならすでにアオハルしてるから。まじで。
「あのイケメンは?」
「知らん。クレープ奢ってくれただけ」
「うらやま」
「嫉妬」
「はい、判決は有罪」
「なんでだよ」
コイツら、根に持っていやがる。
だから女子はネチネチだと言われるんだ。
くだらないこと話していたら、クラスメート1に話しかけられた。
「先輩が呼んでる」
「どーも」
「チッ、イケメンの幼馴染持ちが」
「紹介しろよ」
「遊ばせろよ」
「お前らにとって私ってなんなの?」
女の友情とは……。
涙を拭きながら廊下に出れば、幼馴染とそのバァリィーボゥル仲間。
「なんですかー、先輩」
「おっ、イイネ。その先輩って」
「ハッ」
「鼻で笑うな」
「で、用事は?」
「お前GW暇?」
「多分暇」
「手伝いしてくれね?」
「だが断る」
頼む!!とトサカを下げ……いや、頭を下げる幼馴染。
いやいや、私暇だけど忙しいから。
やりたい女子もっといるだろ。
「お前はやること真面目にやるだろ」
「やるときはやる」
「だから頼むって」
「えー」
「チュッパチャプス買ってやるから」
「よし。任せろ」
チョロいとか言うな。
チュッパチャプスうまいだろ。
「助かった。各校で合同合宿もやるから人手足らないんだよ」
「………は?合同合宿?」
「おう。ウチとあと二校ほどでどこの学校でやるかわからねーけど泊まり込みで」
「ごめん。やっぱ無しで」
「嘘だろ」
「学校、泊まり込みは、アカン」
あったりめーだろうか!!!!
おまっ……昼間でさえチラチラいんだぞ!!?
なのに、夜の学校泊まり込みとか……ただの嫌がらせじゃねーか!!!
ふざけんな!!
「あ……あぁ……そっか。そうだったな」
「え?なに?」
「忘れたとか言うなよ。
私はやっちまうし、これフラグだからな」
「………もうちょっと探して、どーしても駄目だったら頼んでいいか?」
「私が学校に泊まり込みじゃないなら」
「了解シマシタ」
幼馴染と私の会話に、頭を傾げているバァリィーボゥル仲間の先輩二人。
しかし、こればかりは譲れねぇ。
私は、平穏に、アオハルライフを、送りたいんだ!!!
これは!!私の!!アオハルライフの物語なんだよ!!
「何の話?」
「私のアオハルライフを脅かす話」
「諦めろ。お前にアオハルなんかこない」
「集まるのは変人ばかりだ」
「なら、ここに集まってる君たちももれなく変人だね」
三人に頭叩かれた。ひどくね?
私と一緒に諸々してる時点で、かなりの変人だろ。
ちなみにこの日は、特に何もしなかった。
おい、毎日やらかしてると思ったら大間違いだぞ。
たまーにしかやらん。
たまーにしか。
帰宅部の私の帰りは早い。
友人と遊ぶこともあるが、基本的には真っ直ぐ帰る。
よほどの事が無い限り真っ直ぐ帰る。
しかし、たまーに一人でもブラブラすることはある。
「「「あ」」」
「あ、どーも」
最近遭遇率高くね?
黒服の例の三人組に出会った。
「酢昆布女」
「茎ワカメちゃん」
「チョコミントさん」
「おい、君たちの中の私の印象それなの?」
白髪、美少女、前髪と私の印象なんだよそれ。
「一人?」
「そーですね」
「今日は酢昆布持ってねぇの?」
「品切れです」
「チョコミントは?」
「気分じゃないです」
まともなの美少女だけじゃねーか。
「今からコンビニ行くけど一緒に行くか?」
「なんでだよ」
「ここで会ったのも縁だからね」
「はぁ……」
「じゃあ行こ」
よくわからないが、三人組とコンビニへ。
それぞれコンビニに入って、欲しいものを買いにバラバラに。
いや、誘われた意味。
とりあえずおでんと飲み物を買って外で待機。
「おでん?」
「熱いです」
「だろうね」
最初に出てきたのは美少女。
コンビニの入り口横でしゃがんでおでんの大根フーフーしてる私を見て、噴き出した。
隣にしゃがみ、ブラックコーヒーの缶を開けてる。
「………おでん、かい?」
「あげませんよ」
「いらないよ」
前髪さんが出てきた。
そして、顔を背けて噴き出した。
私の隣にしゃがみ、ブラックコーヒーを開けて飲んでいる。ぼんたんのせいで、普通にガラ悪い。
「うわっ、ガラ悪っ」
「私も思いました。特に左」
「ん?」
「さーせん」
ぼんたんでしゃがんでたらガラ悪いだろ。
けど、ん?の威力には勝てない。
なぜか私の目の前にしゃがみ、微糖コーヒーを開ける白髪。
え、囲まれた。
「いいもん食ってんじゃん」
「何これ。包囲された。新手のかつあげ?」
「悟、君が一番ガラ悪いよ」
「おでん寄越せよ」
「嫌ですよ」
なんなのこれ?囲まれた。
しかも、私の大根盗まれそう。
「ちくわ頂戴」
「美少女まで」
「大根あっつ」
「あっ!!ちょっ、何勝手に食ってんですか」
「スープ貰うよ」
「お前もか、前髪!!」
この人らひでぇ!!
寄って集ってひでぇ!!
私のおでん回し食い始めた。
「人が食べてると食べたくなる不思議」
「美少女さん、盗んでいい理由になってない」
「牛串も買えよ」
「人のモノ盗んで食って何文句言ってんだ白髪」
「まだ少し肌寒いからね」
「いらないって言ったのにちゃっかり盗むな前髪」
ねぇ。まじ何これ。
私何でおでん盗られてんの?
返ってきた頃には、白滝だけあった。
「……白滝っ!!」
「ほら、フランク一口あげる」
「仕方ないね。肉まん一口だけだよ」
「ほら、コーヒーのおまけ」
謎の優しさ。
美少女からフランクと前髪から肉まん一口ずつもらった。
白髪のおまけはよくわかんないキャラ物のフィギュアだった。うん、いらね。
「最近あった面白い事は?」
「現時点で面白いかと」
「は?なにが?」
「ヤンキーに囲まれておでん盗られた」
「どこのヤンキーだい?」
「お前らだよ」
「ん?」
「さーせん」
前髪さん、まじ怖い。
このやり取りするたび、美少女がバイブのごとく震えている。そして、白髪もにやにや笑ってる。
黒い学ランに囲まれて私やばくない?
イジメられてるように見えるのか?
それとも私もヤンキーに見えるのか?
「…………」
ゾワッとした。なんか後ろにいる。
これ、振り向いちゃ駄目なやつ。
けど、私の後ろ確実になんかいる。
おっかしいなぁぁあああああ!!!
私の後ろ、コンビニのガラスなんだけどなぁぁああああああ!!!!
「あ」
「うわ」
「あー」
おいいいいいいっ!!!!
君ら見えてんの!?見えてんのか!!
めっちゃ私の後ろ見上げてんなぁ!!
つられねーからな!!
こちとら数十年のスルースキルでフルシカトだからな!!
"ミ……ミエ、テル?"
の、ぞ、く、なぁぁああああああああ!!!!!
めっちゃくちゃ覗きこんできたんだけど!!
顔ちけーよ!!
白髪見えねーよ!!
両隣距離とるな!!
「え、何で離れたんです?」
"ミ……え、てナイ"
「「虫いたから」」
「まじかよ」
立ちたい。
けど、覗きこまれてるから無理。
さーて、どーしようかなーと
ズルズル白滝を啜る。
「ウェッ!!ゲフッ!!」
「きったね」
「うわ……女子だろ、君」
「大丈夫か」
「美少女だけだよ、優しいの」
最近啜ると噎せるんだけど、歳かな?
白滝で噎せたよ。
鼻から出てないよな……うん、大丈夫。
再び顔を上げたら……
"きのこ……タケノコ……どっちですかぁ"
違うのがいた。
"きのこは……チョコチョコ"
「鼻から出てね?」
「出てませんよ」
"タケノコ…チョコチョコ"
「もう少しおしとやかにしたらどうだい?」
「私に足りないモノだわ、それ」
"どっちでぇ…すかぁ……?"
タケノコ派ですがなにか?
「なぁ、白滝女」
「やめてよその不名誉なあだ名」
「お前アレ見えてるだろ」
白髪よ。白滝ぶちまけてやろうか?
"きのこの負けぇ"
「さっきのも見えてたんだろ?」
"タケノコの勝ちぃ"
「なぁ」
謎に圧出してくる白髪が怖い。
白滝噎せないよう、ズルズル食べて、どう乗り越えようか考える。
"タケノコはぁ、ホロホロ…"
「ズルズルズルズル」
「おい、白滝食うのやめろ」
「また噎せるぞ」
"きのこはぁ、サクサク"
めっちゃきのことタケノコ語ってるな、おい。
そんな時、ピロンと携帯が鳴った。
メールを開くと、友人から一言。
ーーーー明日、トイレな
怖くて白滝食べるのやめた。
周りを見るが、見当たらない。
「どうかした?」
「………友達からリンチ宣言きた」
「は?どんな友達だよ」
「知らない。トイレ呼び出された」
「……イジメかい?」
「いや、尋問」
決してイジメじゃないよ。
呼び出しという、尋問だよ。
なんでトイレかって?雰囲気出るから。
「まともな友達いる?」
「まと………まとも?まともってなんだろ」
「そこからかい?」
「まぁ、お前と居るなら頭どーかしてる奴らだな」
「酷くない?まるで私がアレみたいじゃないか」
「アレだろ」
「アレだね」
「アレだわ」
「君ら失礼すぎるわ」
まだ三回しか会ってないのにナニコレ。
きのことタケノコがいなくなったし、白滝も食べ終わったので立ち上がる。
「帰んの?」
「うん」
「気をつけて」
「美少女もヤンキー共と一緒に気をつけてね」
「あ?」「ん?」
「さーせん。様になりすぎて怖い」
うんこ座りしながら見上げてこないで。
前髪も白髪もサマになりすぎててまじ怖い。
って話を幼馴染に電話で話した。
『もう諦めたら?』
「何を?人生を?アオハルを?」
『……………』
「なにか話して!!」
切られた。切ない。
あとがき
頑張ってスルーするよ。
みえてない。ミエテナイヨ。