通行人A
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初めまして、今年高校に入学した一般人Aこと、名前といいます。
憧れた高校の制服に身をまとい、これから起こるであろうウキウキ☆ドキドキの高校生活に胸を膨らませ、アオハルを夢に素敵な出会いがあればいいな!!と妄想しちゃいながら入学しました。
高校って不思議だよね。
中学に居た友達も制服クォリティーで美形増しに見えるし、先輩ってだけで大人に思えるし、妄想(恋愛)とか妄想(勉強)とか妄想(ちょっと大人なモノ)が膨らみ、アオハルだよね!!
………全てをアオハルで済まそうとか思ってナイヨ。
入学して、お友達作りにハラハラとしながら様子見て周りと楽しくお喋りし、一緒に帰ったり、寄り道したり……まぁまぁ楽しく過ごしている。
過ごしているが!!!
私にはちょっと他人には言えない秘密があったりする。
ちょっとお化けが見えちゃう系女子高生なのだ。
そこ、痛いとか厨二発症とか言わない。
私だって見たくないし、言いたくない。
しかし、見えちゃうものは仕方ないし、反応して追い掛けてくるのだから全力で気付かないフリをするしかない。
そうすれば、多少マシになる。
幼馴染や中学の同級生は、またアイツおかしな行動してるよー。まぁ、いつものことだよなーアハハ。と、私の不可思議な反応に慣れているからいーけれど、高校の友達は違う。
初回から不可思議な反応してみろ。やベー奴だと距離置かれるだろ。
だから!!
大人しく!!
可憐なアオハルできる!!!
学校生活を送りたいんだ!!!!(強調)
いかに、スルーできるか私の15年の力量が試されている。
そうして鍛え上げられたスルースキルにより、なんとか高校生活はどうにかなりそうだと安心したのが悪かった。
安心したわけじゃないが、ちょっとやそっとじゃ動じないハズの私の精神が揺さぶられたのが、友達と寄り道していた時にバズッた。
「フグッ!!」
「えっ、ちょっとどうしたの?」
「〜〜〜〜っ」
「大丈夫?炭酸鼻にいった?」
心配してくれる友人達は優しい。
しかし、それどころじゃない。
鼻がツーンとしてムセるのを落ち着かせながら、再びそこに目をやれば明らかに浮いている存在感。
「いや、あの三人ヤバイなーと」
「どれ?」
「黒い制服で頭白髪の長身と、お団子と、可愛い女の子」
「うわっ!!やば!!不良?」
「なにあれモデル?」
「変わった制服だね……今時ボンタン」
けど、男かっこよくない?などとキャッキャとはしゃぎだすJK。
いや、確かにそっちに思考がいくのはわかるが……ヤバイのはそこじゃない。
あの人ら絶対ヤバイ(存在的に)人だよ。
だってオーラが違うもん。
アレに関わったら絶対ヤバイ。
私のシックスセンスが警報を鳴らしている。
アイツら、ヤバイ。と
近くに行って見てみようと盛り上がっているところ悪いが、私は近寄りたくない。
アレは関わったら駄目だと。
しかし、なぜか向こうは此方に来ており、私のテンションが下がる一方で、友達のテンションは上がっていく。
某ファーストフード店に入って来た三人は真っ黒な制服に変わったボタンのシンプルな学生服だ。
白髪、グラサン、身長高い、声がいい。
黒髪、細目、お団子、前髪変、声がいい。
黒髪、泣き黒子、可愛い、美少女。
え、この三人完璧すぎて怖い。
どこのモデル?神様に与えられたギフテッドの塊なの?
「うわ、めっちゃ身長高い」
「女子可愛い。文句のつけどころがない」
「イケメンに美少女……どこのモデル事務所かな」
騒ぎだす友達。
そしてなぜか近くに座る彼ら。
もっと空いてる席あるよ!!ねぇ!!
私の心境など知らず、友達は聞き耳モード。
「あー、腹減った」
「頼みすぎじゃない?」
「そうかい?」
「迎え来るまで時間かかりすぎだろ」
「事故じゃね……仕方ない」
「夏油、ナゲット頂戴」
「ほら。悟、勝手に食うな」
「いーじゃん。ポテトあげるから」
「貰うよ」
わりかし普通な会話しているが、ポテトとナゲットとバーガーの量おかしくない?
ポテトL3個ナゲット3個バーガー4個……
育ち盛りの男の子ってそんなもんなの?
私の幼馴染、ポテトのLですら胸焼け起こすぞ。
むしろ、アップルパイonlyだけだぞ。
女の子はナゲットとポテトを摘まんでる。
「やばい。思った以上にやばい」
「同じ人間かな?」
「ちょっと声掛ければ?」
「女子いるじゃん」
「女の子可愛い……」
やばい。確かに女の子可愛いくてやばい。
関わりたくないが、目に癒しだ。
そんな心の声が漏れていたらしく、友達はじっとこちらを見る。
「「「いけ、名前」」」
「やだよ。なんだよその団結力。
もっと他に使い道あるだろ」
「大丈夫だ。コミュ症の幼馴染にうざ絡みするお前なら出来る」
「ふざけんな。
何年掛けて落としたと思ってるんだ。
今だに心の距離置かれるんだぞ。
私でも心折れちゃう事あんだぞ」
「大丈夫だよ。コミュ力カンストしてる幼馴染もいるじゃん」
「だからふざけんな。
アレコミュ力じゃないから。煽ってるだけだから。むしろ、人見知り激しいの隠すための照れ?だから」
「大丈夫。お前はおかしいからちょっと白い目で見られても名前だから」
「まじふざけんな!!
私おかしい奴って認識やめて!?」
「「「ってことでGo」」」
「知ってる?この会話筒抜けだからね。
隣だからね。めっちゃ見られてるから。
人のこと生け贄にすんなよ」
隣でめっちゃ微笑んでる前髪の人の顔見ろよ。
白髪なんてガン見だぞ。
まじふざけんな。
「ってことで、お姉さんどこの高校ですか?」
「聞くのかよ」
「専門学校」
「変わった制服ですね」
「そーかも。カスタマイズ出来るし」
「えっ、めっちゃ羨ましい。校則緩そうですね」
「ん?何でこっち見るのかな?」
「時代遅れのボンタンを着こなすお兄さんが凄いなーと思って」
「「ぶふっ」」
「ん?」
「さーせん」
めっちゃ微笑んでる。
時代遅れって言ったからか。
女の子と白髪がめっちゃ噴き出して笑ってんぞ。
「サングラスさんもモデルですか?
ちょっとサングラス取ってくれません?」
めっちゃノリ良くサングラス外してくれて、キメ顔してくれた。
友達が悲鳴上げた。耳がやばい。
「人類ですか?」
「面白いね、オマエ」
「あっ、サングラスさん性格悪いでしょ。
私知ってる。貴方は性格が悪いって」
にやっと笑う顔にピンときた。
この人絶対性格悪い。
「初対面で酷いな」
「さーせん。幼馴染がアレなんでつい」
友達の興奮具合がやばい。
そして肩や腕に食い込む力もやばい。
私のノリに彼女いますかー?なんて獲物を狙う女豹具合もやばい。
「どうかな?」
「あ、前髪の人も性格悪い」
「ん?」
「さーせん」
余裕たっぷりに濁した前髪の人。
思った事口に出したらまた微笑んでる。怖い。
「アンタ凄いね。コイツらクズだよ」
「やっぱり?」
「「………」」
「お姉さんめっちゃ見られてます」
「本当の事だろ」
お姉さん強い。
把握した、この三人の力関係。
顔が整った三人を目の前にすると、人間恐れ多くなるんだね。
友人達はじっと見ているが、あまり口出さない。
そこで猫被っても私を生け贄にしてる時点で君達アレだからな。わりとアレだからな。
そんな時、私の携帯に幼馴染から電話だ。
「すまん、電話だ」
「いってら」
「おう」
お姉さん達に頭を下げて外に出れば、友達は必死に声を掛けていた。
きっかけは作ったというか作らされたんだから、あとは自分でどーにかしてくれ。
「もしー」
"いまどこ"
「某ファーストフード店」
"アップルパイよろしく"
「用事は?」
"今日夕飯俺のとこ"
「りょー」
"アップルパイ10個"
「どんだけ食べんだよ」
くすり、と控えめに笑う幼馴染。
まだ本格的に部活をしているわけじゃないから帰りが早めなのかなーと思いながら、中に戻ってアップルパイを頼む。
「他に何かいる?」
"だって"
"あーフィッシュバーガー"
「夕飯食べるからいらんね。アップルパイ10個で」
"対応の差!!"
"待ってる"
「はーい。じゃああとで」
アップルパイを待っていれば、流石の早さで出来上がる。
早さと安さが売りなだけある。
「ただいまー」
「おか………は?何その大量のアップルパイ」
「やば。量きもっ」
「デブかよ」
「若くても健康に気をつかった方がいいよ」
「幼馴染のだよ。
お兄さん達もついでに酷くない?」
自分で頼んでおいて持って帰る時の恥ずかしさな。
私のじゃない。声を大にする。私のじゃない!!!
「ってことで、私帰るわ。
この恥ずかしい大量のアップルパイを可愛い幼馴染の顔面に叩き付けに」
「可哀想」
「大丈夫。トサカの方だから」
「だよね。お前はそーゆー奴だ」
「幼馴染の贔屓の差えげつない」
「当たり前じゃん。可愛いが正義だ」
大量のアップルパイを持ち、飲みかけのジュース片手に鞄を持つ。
「じゃ、お先に失礼」
「気をつけてー」
「バイバイ」
「また明日」
「お姉さんとお兄さんも急に絡んでごめんね」
関わりたくないと言いながら、がっつり絡んだな。
しかし、もう会うことは無いだろう。
いくらイケメンと美少女でも、あれは駄目だ。
何が駄目だって、私の視界的に言うのなら霊的に駄目だ。
特に男二人。あれは次元が違うレベルでやばい。
「アオハルしたくてもアレは駄目だ」
うんうん、と一人納得する。
引き寄せる人、祓う人、憑かれる人と様々いるが……あれはそんな次元じゃない。
圧倒的な力は、それだけのモノを引き寄せる。
それこそ、神様とか。
「私は平凡にアオハルしたい」
DEAD OR ALIVEなんてアオハルではない。絶対。
私のアオハル脳はそんなバイオレンスを望んでいないんだ、と思いながら帰宅。
「聞いてー。今日やべぇのいた」
「ぶほぉっ!!
なにそのアップルパイ!!
それ持って帰っ痛っった!!!」
「黙れ小僧」
「お前より年上だよ!!」
「ちょっと、俺のアップルパイ」
「俺の心配もして!?」
存在がうるさい幼馴染にアップルパイを叩き付ける。
三人でアップルパイをもしゃりながら、さっきの出来事を話した。
「フラグだろ、それ」
「まっさかー」
「名前はそーゆーの引き当てるじゃん。
七不思議とか、通りゃんせとか」
「………まっさかぁぁああああ!!!」
「ガンバッテネ」
「巻き込まないで」
「幼馴染だろ。その時は道ずれだ」
コレが本当にフラグだったとは
このときの私はまだ知らなかった。
あとがき
通行人のモブだよ。
高専生をちょくちょく見かけるよ。
そして巻き込まれるよ。
コミュ力と逃げ足とスルースキルでどうにか頑張っている一般人。
やばいモノ引き当てるガチャ運は高確率。
余裕あれば続き書く。
憧れた高校の制服に身をまとい、これから起こるであろうウキウキ☆ドキドキの高校生活に胸を膨らませ、アオハルを夢に素敵な出会いがあればいいな!!と妄想しちゃいながら入学しました。
高校って不思議だよね。
中学に居た友達も制服クォリティーで美形増しに見えるし、先輩ってだけで大人に思えるし、妄想(恋愛)とか妄想(勉強)とか妄想(ちょっと大人なモノ)が膨らみ、アオハルだよね!!
………全てをアオハルで済まそうとか思ってナイヨ。
入学して、お友達作りにハラハラとしながら様子見て周りと楽しくお喋りし、一緒に帰ったり、寄り道したり……まぁまぁ楽しく過ごしている。
過ごしているが!!!
私にはちょっと他人には言えない秘密があったりする。
ちょっとお化けが見えちゃう系女子高生なのだ。
そこ、痛いとか厨二発症とか言わない。
私だって見たくないし、言いたくない。
しかし、見えちゃうものは仕方ないし、反応して追い掛けてくるのだから全力で気付かないフリをするしかない。
そうすれば、多少マシになる。
幼馴染や中学の同級生は、またアイツおかしな行動してるよー。まぁ、いつものことだよなーアハハ。と、私の不可思議な反応に慣れているからいーけれど、高校の友達は違う。
初回から不可思議な反応してみろ。やベー奴だと距離置かれるだろ。
だから!!
大人しく!!
可憐なアオハルできる!!!
学校生活を送りたいんだ!!!!(強調)
いかに、スルーできるか私の15年の力量が試されている。
そうして鍛え上げられたスルースキルにより、なんとか高校生活はどうにかなりそうだと安心したのが悪かった。
安心したわけじゃないが、ちょっとやそっとじゃ動じないハズの私の精神が揺さぶられたのが、友達と寄り道していた時にバズッた。
「フグッ!!」
「えっ、ちょっとどうしたの?」
「〜〜〜〜っ」
「大丈夫?炭酸鼻にいった?」
心配してくれる友人達は優しい。
しかし、それどころじゃない。
鼻がツーンとしてムセるのを落ち着かせながら、再びそこに目をやれば明らかに浮いている存在感。
「いや、あの三人ヤバイなーと」
「どれ?」
「黒い制服で頭白髪の長身と、お団子と、可愛い女の子」
「うわっ!!やば!!不良?」
「なにあれモデル?」
「変わった制服だね……今時ボンタン」
けど、男かっこよくない?などとキャッキャとはしゃぎだすJK。
いや、確かにそっちに思考がいくのはわかるが……ヤバイのはそこじゃない。
あの人ら絶対ヤバイ(存在的に)人だよ。
だってオーラが違うもん。
アレに関わったら絶対ヤバイ。
私のシックスセンスが警報を鳴らしている。
アイツら、ヤバイ。と
近くに行って見てみようと盛り上がっているところ悪いが、私は近寄りたくない。
アレは関わったら駄目だと。
しかし、なぜか向こうは此方に来ており、私のテンションが下がる一方で、友達のテンションは上がっていく。
某ファーストフード店に入って来た三人は真っ黒な制服に変わったボタンのシンプルな学生服だ。
白髪、グラサン、身長高い、声がいい。
黒髪、細目、お団子、前髪変、声がいい。
黒髪、泣き黒子、可愛い、美少女。
え、この三人完璧すぎて怖い。
どこのモデル?神様に与えられたギフテッドの塊なの?
「うわ、めっちゃ身長高い」
「女子可愛い。文句のつけどころがない」
「イケメンに美少女……どこのモデル事務所かな」
騒ぎだす友達。
そしてなぜか近くに座る彼ら。
もっと空いてる席あるよ!!ねぇ!!
私の心境など知らず、友達は聞き耳モード。
「あー、腹減った」
「頼みすぎじゃない?」
「そうかい?」
「迎え来るまで時間かかりすぎだろ」
「事故じゃね……仕方ない」
「夏油、ナゲット頂戴」
「ほら。悟、勝手に食うな」
「いーじゃん。ポテトあげるから」
「貰うよ」
わりかし普通な会話しているが、ポテトとナゲットとバーガーの量おかしくない?
ポテトL3個ナゲット3個バーガー4個……
育ち盛りの男の子ってそんなもんなの?
私の幼馴染、ポテトのLですら胸焼け起こすぞ。
むしろ、アップルパイonlyだけだぞ。
女の子はナゲットとポテトを摘まんでる。
「やばい。思った以上にやばい」
「同じ人間かな?」
「ちょっと声掛ければ?」
「女子いるじゃん」
「女の子可愛い……」
やばい。確かに女の子可愛いくてやばい。
関わりたくないが、目に癒しだ。
そんな心の声が漏れていたらしく、友達はじっとこちらを見る。
「「「いけ、名前」」」
「やだよ。なんだよその団結力。
もっと他に使い道あるだろ」
「大丈夫だ。コミュ症の幼馴染にうざ絡みするお前なら出来る」
「ふざけんな。
何年掛けて落としたと思ってるんだ。
今だに心の距離置かれるんだぞ。
私でも心折れちゃう事あんだぞ」
「大丈夫だよ。コミュ力カンストしてる幼馴染もいるじゃん」
「だからふざけんな。
アレコミュ力じゃないから。煽ってるだけだから。むしろ、人見知り激しいの隠すための照れ?だから」
「大丈夫。お前はおかしいからちょっと白い目で見られても名前だから」
「まじふざけんな!!
私おかしい奴って認識やめて!?」
「「「ってことでGo」」」
「知ってる?この会話筒抜けだからね。
隣だからね。めっちゃ見られてるから。
人のこと生け贄にすんなよ」
隣でめっちゃ微笑んでる前髪の人の顔見ろよ。
白髪なんてガン見だぞ。
まじふざけんな。
「ってことで、お姉さんどこの高校ですか?」
「聞くのかよ」
「専門学校」
「変わった制服ですね」
「そーかも。カスタマイズ出来るし」
「えっ、めっちゃ羨ましい。校則緩そうですね」
「ん?何でこっち見るのかな?」
「時代遅れのボンタンを着こなすお兄さんが凄いなーと思って」
「「ぶふっ」」
「ん?」
「さーせん」
めっちゃ微笑んでる。
時代遅れって言ったからか。
女の子と白髪がめっちゃ噴き出して笑ってんぞ。
「サングラスさんもモデルですか?
ちょっとサングラス取ってくれません?」
めっちゃノリ良くサングラス外してくれて、キメ顔してくれた。
友達が悲鳴上げた。耳がやばい。
「人類ですか?」
「面白いね、オマエ」
「あっ、サングラスさん性格悪いでしょ。
私知ってる。貴方は性格が悪いって」
にやっと笑う顔にピンときた。
この人絶対性格悪い。
「初対面で酷いな」
「さーせん。幼馴染がアレなんでつい」
友達の興奮具合がやばい。
そして肩や腕に食い込む力もやばい。
私のノリに彼女いますかー?なんて獲物を狙う女豹具合もやばい。
「どうかな?」
「あ、前髪の人も性格悪い」
「ん?」
「さーせん」
余裕たっぷりに濁した前髪の人。
思った事口に出したらまた微笑んでる。怖い。
「アンタ凄いね。コイツらクズだよ」
「やっぱり?」
「「………」」
「お姉さんめっちゃ見られてます」
「本当の事だろ」
お姉さん強い。
把握した、この三人の力関係。
顔が整った三人を目の前にすると、人間恐れ多くなるんだね。
友人達はじっと見ているが、あまり口出さない。
そこで猫被っても私を生け贄にしてる時点で君達アレだからな。わりとアレだからな。
そんな時、私の携帯に幼馴染から電話だ。
「すまん、電話だ」
「いってら」
「おう」
お姉さん達に頭を下げて外に出れば、友達は必死に声を掛けていた。
きっかけは作ったというか作らされたんだから、あとは自分でどーにかしてくれ。
「もしー」
"いまどこ"
「某ファーストフード店」
"アップルパイよろしく"
「用事は?」
"今日夕飯俺のとこ"
「りょー」
"アップルパイ10個"
「どんだけ食べんだよ」
くすり、と控えめに笑う幼馴染。
まだ本格的に部活をしているわけじゃないから帰りが早めなのかなーと思いながら、中に戻ってアップルパイを頼む。
「他に何かいる?」
"だって"
"あーフィッシュバーガー"
「夕飯食べるからいらんね。アップルパイ10個で」
"対応の差!!"
"待ってる"
「はーい。じゃああとで」
アップルパイを待っていれば、流石の早さで出来上がる。
早さと安さが売りなだけある。
「ただいまー」
「おか………は?何その大量のアップルパイ」
「やば。量きもっ」
「デブかよ」
「若くても健康に気をつかった方がいいよ」
「幼馴染のだよ。
お兄さん達もついでに酷くない?」
自分で頼んでおいて持って帰る時の恥ずかしさな。
私のじゃない。声を大にする。私のじゃない!!!
「ってことで、私帰るわ。
この恥ずかしい大量のアップルパイを可愛い幼馴染の顔面に叩き付けに」
「可哀想」
「大丈夫。トサカの方だから」
「だよね。お前はそーゆー奴だ」
「幼馴染の贔屓の差えげつない」
「当たり前じゃん。可愛いが正義だ」
大量のアップルパイを持ち、飲みかけのジュース片手に鞄を持つ。
「じゃ、お先に失礼」
「気をつけてー」
「バイバイ」
「また明日」
「お姉さんとお兄さんも急に絡んでごめんね」
関わりたくないと言いながら、がっつり絡んだな。
しかし、もう会うことは無いだろう。
いくらイケメンと美少女でも、あれは駄目だ。
何が駄目だって、私の視界的に言うのなら霊的に駄目だ。
特に男二人。あれは次元が違うレベルでやばい。
「アオハルしたくてもアレは駄目だ」
うんうん、と一人納得する。
引き寄せる人、祓う人、憑かれる人と様々いるが……あれはそんな次元じゃない。
圧倒的な力は、それだけのモノを引き寄せる。
それこそ、神様とか。
「私は平凡にアオハルしたい」
DEAD OR ALIVEなんてアオハルではない。絶対。
私のアオハル脳はそんなバイオレンスを望んでいないんだ、と思いながら帰宅。
「聞いてー。今日やべぇのいた」
「ぶほぉっ!!
なにそのアップルパイ!!
それ持って帰っ痛っった!!!」
「黙れ小僧」
「お前より年上だよ!!」
「ちょっと、俺のアップルパイ」
「俺の心配もして!?」
存在がうるさい幼馴染にアップルパイを叩き付ける。
三人でアップルパイをもしゃりながら、さっきの出来事を話した。
「フラグだろ、それ」
「まっさかー」
「名前はそーゆーの引き当てるじゃん。
七不思議とか、通りゃんせとか」
「………まっさかぁぁああああ!!!」
「ガンバッテネ」
「巻き込まないで」
「幼馴染だろ。その時は道ずれだ」
コレが本当にフラグだったとは
このときの私はまだ知らなかった。
あとがき
通行人のモブだよ。
高専生をちょくちょく見かけるよ。
そして巻き込まれるよ。
コミュ力と逃げ足とスルースキルでどうにか頑張っている一般人。
やばいモノ引き当てるガチャ運は高確率。
余裕あれば続き書く。