最期まであなたと
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※二年、春
高専の敷地内の山は四季折々が見られる。
春は桜が
夏は青々とした緑が
秋は紅葉
冬は寂しい枝
そんな中で、名前は己を高めるために季節の移り変わりを目で楽しみながら、心の励みにしながら一年が経った。
「綺麗だね」
「だね」
硝子ちゃんとまったりと上を見上げる。
硝子ちゃんが吐き出す紫煙は上へと伸びていき、そこは満開の桜。
風が吹くたびにひらひら舞い落ちる花弁を眺めながら、休憩がてらの花見をしていた。
「悟、だから君は…」
「あーもう、うっせーな。俺正論嫌い」
「嫌い、じゃないよ。普通はやらない」
「しかし、俺はやる」
「子供と同レベルですね」
「あ?なんつった七海」
「お団子とかあれば良かったですね!!」
ギャーギャーと騒がしい二人。
しかし、いつもと違うのはその後ろに後輩達がついて来てきた。
そして、五条くんの手には桜の枝。
「みんなでどうしたの?」
「せっかくだから花見」
「すでにしてんだけど」
「皆で見るのは、格別ですよね!!」
「はぁ……」
「悟が七海と灰原を引きずってきたんだ」
「ご苦労様、七海くん」
「そう思っているならあの人何とかしてください」
七海くんの言葉に、傑くんと苦笑してしまう。
そして、先ほどから気になっているものに目を向けた。
「傑くん、あれは?」
「………あー…」
「五条さんが調子のって桜の木に乗ったら折れた枝です」
「止めろと言ったんだけどね」
「桜の木って……枝折ったりすると、病気になりやすいんじゃ?」
「桜の木は病気に弱いというからね」
「器物損壊罪ですね」
「えっ!?」
「3年以下の懲役または30万円以下の罰金です」
「ご、五条くん訴えられるの!?」
「敷地内の枝折ったところで、誰も文句なんか言わねーよ。
そもそも、小枝折って木全滅すんなら、オマエの鍛練のがやべーだろ」
「!!」
「名前、相手にしなくていいよ」
自分のことを棚にあげ、私は何て事を……とショックに座り込む。
木々を傷付けたら罰金……懲役……と、頭の中を巡る。
そんな私を苦笑しながら頭を撫でてくれる傑くん。
「埋めときゃいーんだろ」
「悟、埋めても意味ないよ」
「馬鹿ですか」
「じゃあ寮の花瓶に挿しとく」
「その方がいいかもね」
「七海!!」
バッサー、と大量に降ってくる桃色の花弁。
灰原くんが笑顔で両手いっぱいの花弁を七海くんの頭に降らしていた。
表情を無くす七海くんの頭には桃色の花弁がこんもり乗っている。
「ぶっはっはっはっは!!!七海の頭!!」
「灰原………何しているんですか」
「花弁集めたよ!!」
「それをなぜ私に?」
「七海の表情が固いから、和むかなと思って!!」
笑い転げる五条くん。
七海くんが下を向くとハラハラと花弁が落ちる。
「もう一回やる?」
「やめてください」
「もう…「やめてください」
「次は夏油さんの分集めますね!!」
「私も遠慮するよ」
後輩2人のやりとりに、思わずくすりと笑ってしまう。
「名前」
「なぁに?硝子ちゃん」
「そのまま」
声を掛けられ、振り向こうとしたが止められた。
髪の毛を編んでいるらしい。
じっとしていれば、出来た、と一言。
「おや、可愛いじゃないか」
「だろー」
「どうなってるの?」
「………名前、ちょっと上向いてこっち見て」
「?」
傑くんに言われ、座ったまま傑くんがいるであろう場所を見上げる。
首をひねり、少しだけ上を向く。
隣では硝子ちゃんが、髪の毛の写真を撮っているらしくカシャシャシャと謎に連写音が。
「わっ!!苗字さん可愛いですね!!頭に桜の花がいっぱいですよ!!」
「そうなの?」
「家入さんが?」
「そう」
「何?お前頭に花咲かせてんの?」
皆が揃って寄ってくるが、肝心の私はまったく見えない。
傑くんを見上げても、くすくすと笑っている。
「傑くん、見せて」
「硝子から見せてもらったら?」
「………意地悪だ」
「嘘だよ。ほら」
携帯を覗くと、私の髪の毛のいたるところに桜の花が編み込まれていて、頭に花が咲いていると五条くんが言ったのも間違いではない。
お洒落な後ろ姿を生で見たいが、見れないことが残念である。
「可愛いね」
「硝子ちゃん、可愛い!!」
「花の精みたいだよ」
にっこりと笑って言う傑くんに、思わず赤面してしまう。
恥ずかしくなって両手で顔を覆う私だったが、硝子ちゃん、五条くん、七海くんはドン引きした表情。
「………うわ、ないわー」
「傑きも」
「夏油さん……」
引いている三人を気にせず、再び集めた花弁を持って灰原くんが近寄ってくる。
「その表現素敵ですね、夏油さん!!
苗字さんが花の精なら夏油さんは花の王様ですね!!」
「………灰原、やめてくれないか」
「王様万歳!!」
「灰原……頼む。やめてくれ」
「陛下?」
「やめろ」
灰原くんに悪のり……本人は天然で悪気は無いのだろうが、傑くんを煽っていく。
恥ずかしくなったのか傑くんが片手で顔を覆っている。
その姿を、五条くん、硝子ちゃんがお腹を抱えて笑い、七海くんも顔を反らしているが肩が震えている。
「はっ、灰原……っ!!
お、王に……ぶふっ、花弁を……っ」
「悟」
「ほーら、王様……ぶふっ!!
お花の精霊が………あーはっはっは!!無理っ」
「硝子?」
「王よ……こちらの花を捧げま……ふっ」
「七海、君もか」
「王様万歳!!」
「君達覚えておきなよ」
バッサーと、再び花弁を舞い上げた灰原くん。
ひらひら落ちてくる花弁が綺麗で、皆で笑った。
あとがき
伊地知いないけど、100話のカラーを見て。
傑なら臭い台詞もサラッと言いそうだが、灰原くんが悪気の無い悪のりで煽っていく。
結果、傑が爆死しそう(笑)
カラー…傑が笑っている。
高専の敷地内の山は四季折々が見られる。
春は桜が
夏は青々とした緑が
秋は紅葉
冬は寂しい枝
そんな中で、名前は己を高めるために季節の移り変わりを目で楽しみながら、心の励みにしながら一年が経った。
「綺麗だね」
「だね」
硝子ちゃんとまったりと上を見上げる。
硝子ちゃんが吐き出す紫煙は上へと伸びていき、そこは満開の桜。
風が吹くたびにひらひら舞い落ちる花弁を眺めながら、休憩がてらの花見をしていた。
「悟、だから君は…」
「あーもう、うっせーな。俺正論嫌い」
「嫌い、じゃないよ。普通はやらない」
「しかし、俺はやる」
「子供と同レベルですね」
「あ?なんつった七海」
「お団子とかあれば良かったですね!!」
ギャーギャーと騒がしい二人。
しかし、いつもと違うのはその後ろに後輩達がついて来てきた。
そして、五条くんの手には桜の枝。
「みんなでどうしたの?」
「せっかくだから花見」
「すでにしてんだけど」
「皆で見るのは、格別ですよね!!」
「はぁ……」
「悟が七海と灰原を引きずってきたんだ」
「ご苦労様、七海くん」
「そう思っているならあの人何とかしてください」
七海くんの言葉に、傑くんと苦笑してしまう。
そして、先ほどから気になっているものに目を向けた。
「傑くん、あれは?」
「………あー…」
「五条さんが調子のって桜の木に乗ったら折れた枝です」
「止めろと言ったんだけどね」
「桜の木って……枝折ったりすると、病気になりやすいんじゃ?」
「桜の木は病気に弱いというからね」
「器物損壊罪ですね」
「えっ!?」
「3年以下の懲役または30万円以下の罰金です」
「ご、五条くん訴えられるの!?」
「敷地内の枝折ったところで、誰も文句なんか言わねーよ。
そもそも、小枝折って木全滅すんなら、オマエの鍛練のがやべーだろ」
「!!」
「名前、相手にしなくていいよ」
自分のことを棚にあげ、私は何て事を……とショックに座り込む。
木々を傷付けたら罰金……懲役……と、頭の中を巡る。
そんな私を苦笑しながら頭を撫でてくれる傑くん。
「埋めときゃいーんだろ」
「悟、埋めても意味ないよ」
「馬鹿ですか」
「じゃあ寮の花瓶に挿しとく」
「その方がいいかもね」
「七海!!」
バッサー、と大量に降ってくる桃色の花弁。
灰原くんが笑顔で両手いっぱいの花弁を七海くんの頭に降らしていた。
表情を無くす七海くんの頭には桃色の花弁がこんもり乗っている。
「ぶっはっはっはっは!!!七海の頭!!」
「灰原………何しているんですか」
「花弁集めたよ!!」
「それをなぜ私に?」
「七海の表情が固いから、和むかなと思って!!」
笑い転げる五条くん。
七海くんが下を向くとハラハラと花弁が落ちる。
「もう一回やる?」
「やめてください」
「もう…「やめてください」
「次は夏油さんの分集めますね!!」
「私も遠慮するよ」
後輩2人のやりとりに、思わずくすりと笑ってしまう。
「名前」
「なぁに?硝子ちゃん」
「そのまま」
声を掛けられ、振り向こうとしたが止められた。
髪の毛を編んでいるらしい。
じっとしていれば、出来た、と一言。
「おや、可愛いじゃないか」
「だろー」
「どうなってるの?」
「………名前、ちょっと上向いてこっち見て」
「?」
傑くんに言われ、座ったまま傑くんがいるであろう場所を見上げる。
首をひねり、少しだけ上を向く。
隣では硝子ちゃんが、髪の毛の写真を撮っているらしくカシャシャシャと謎に連写音が。
「わっ!!苗字さん可愛いですね!!頭に桜の花がいっぱいですよ!!」
「そうなの?」
「家入さんが?」
「そう」
「何?お前頭に花咲かせてんの?」
皆が揃って寄ってくるが、肝心の私はまったく見えない。
傑くんを見上げても、くすくすと笑っている。
「傑くん、見せて」
「硝子から見せてもらったら?」
「………意地悪だ」
「嘘だよ。ほら」
携帯を覗くと、私の髪の毛のいたるところに桜の花が編み込まれていて、頭に花が咲いていると五条くんが言ったのも間違いではない。
お洒落な後ろ姿を生で見たいが、見れないことが残念である。
「可愛いね」
「硝子ちゃん、可愛い!!」
「花の精みたいだよ」
にっこりと笑って言う傑くんに、思わず赤面してしまう。
恥ずかしくなって両手で顔を覆う私だったが、硝子ちゃん、五条くん、七海くんはドン引きした表情。
「………うわ、ないわー」
「傑きも」
「夏油さん……」
引いている三人を気にせず、再び集めた花弁を持って灰原くんが近寄ってくる。
「その表現素敵ですね、夏油さん!!
苗字さんが花の精なら夏油さんは花の王様ですね!!」
「………灰原、やめてくれないか」
「王様万歳!!」
「灰原……頼む。やめてくれ」
「陛下?」
「やめろ」
灰原くんに悪のり……本人は天然で悪気は無いのだろうが、傑くんを煽っていく。
恥ずかしくなったのか傑くんが片手で顔を覆っている。
その姿を、五条くん、硝子ちゃんがお腹を抱えて笑い、七海くんも顔を反らしているが肩が震えている。
「はっ、灰原……っ!!
お、王に……ぶふっ、花弁を……っ」
「悟」
「ほーら、王様……ぶふっ!!
お花の精霊が………あーはっはっは!!無理っ」
「硝子?」
「王よ……こちらの花を捧げま……ふっ」
「七海、君もか」
「王様万歳!!」
「君達覚えておきなよ」
バッサーと、再び花弁を舞い上げた灰原くん。
ひらひら落ちてくる花弁が綺麗で、皆で笑った。
あとがき
伊地知いないけど、100話のカラーを見て。
傑なら臭い台詞もサラッと言いそうだが、灰原くんが悪気の無い悪のりで煽っていく。
結果、傑が爆死しそう(笑)
カラー…傑が笑っている。