最期まであなたと 2
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戻ってこない傑くん。
私は待ち続けた。
傑くんは必ず帰ると約束してくれた。
だから、待ってる。
ガチャリ、と私以外の人がドアノブを開く音。
ずっと開く事の無かった音に、私は駆け出した。
「傑くんっ!!」
玄関に立つのは、あの日の傑くん。
何事も無かったように、片手を上げる。
「やぁ、名前」
遅くなってごめん、待たせたね。
少しだけ大怪我をしていてね、動けなかったんだ。
心配かけただろう?すまなかったね。
寂しかったかい?
すぐに帰ってあげられなくて本当にごめんね。
私に触れながら、ペラペラと話すこの人は誰だろう?
見た目は傑くん。
話す声も、触れる手も、抱き締めてくれた時に香る香りも、筋肉質な身体も……
確かに、傑くんなのに
「名前?」
「………っ」
「泣かないでおくれ」
ボロボロ溢す涙を拭おうとする傑くんの手を止める。
頭を傾げる傑くん。
この人が傑くんを真似すれば真似するほど、違いがよくわかる。
この人はーーー誰だ?
「名前?」
「傑くんは……?」
「ん?私がどうかしたかい?」
「傑くんはどこにいったの?」
「可笑しなことを言うね」
「どうして傑くんはいないの?」
どんなに真似をしていても、間違うわけがない。
私を見る目が違う。
感情が込もっていないから言葉が薄く聞こえる。
どんなに繕っても、この人は別のナニカだ。
「ははっ!!盲目な愛は違いが分かるのかい?」
「………傑くん」
「なんだい?」
愉しそうに笑うこの人。
ニヤリと表情を歪めて私に顔を近付ける。
「君の知る夏油傑は五条悟に殺されたよ。
きちんと処理しなかったから
私がこの身体を使わせてもらうんだ」
「………」
「可哀想に。
夏油傑も君を想って泣いてるよ。
その証拠にほら」
涙を流す目の前の人。
「夏油傑の身体に残る魂が君を求めているんだろう」
「………っ」
「名前。取引をしないかい?」
ニヤリと笑う目の前の悪魔。
私は悪魔の告げる甘い誘惑に頷き、傑くんを抱き締めた。
「ただいま、名前」
とある一室。
物騒な事で手に入れたこの溜まり場に戻ってきた夏油傑に私は振り向く。
「おかえりなさい」
「いい子で待っていたかい?」
抱き付いて、頭を撫で回す夏油傑に私はくすり、と笑う。
そんな私達を見て、低い声が聞こえてきた。
「目障りだな」
「羨ましいのかい?漏瑚」
「ふざけたことをぬかすな」
火山のような顔から、ぐつぐつと聞こえてくる人ではないモノ。
特級レベルの意思の疎通が出来る呪霊である。
「弱そうだから触ったら死にそうだよね」
「真人、駄目だよ」
「はいはい」
良く思われてはいないが、夏油傑のおかげで今も生きている。
「名前?」
「ごめんなさい。
こんな凄い呪霊が目の前に揃うと……」
「大丈夫だよ」
「皆さんが帰って来たなら、私部屋に戻ります」
「そうかい?」
夏油傑の腕から抜け出し、呪霊の方々に頭を下げて部屋に戻る。
ベッドしかない部屋は、質素だ。
けれど、今の私にはそれだけでいい。
再びドアが開き、入って来たのは夏油傑。
ベッドに倒れる私を見て、ベッドの縁に腰掛けながら頭に手を乗せる。
「まだ彼らの気に充てられるかい?」
「いえ……」
「無理だけはしないでくれよ」
「………手を、貸して貰えますか?」
「どうぞ」
差し出された手を両手で掴み、頬に寄せる。
確かに温もりがあるのに、この身体は私の記憶に残っている温もりと別物に感じてしまう。
「健気だね」
「私には想う事しか出来ませんから」
「私も私の目的の為にこの身体が必要だからね」
「終わった時には返してください」
「終わったらね」
「それまでは、私を側に置いて下さるなら
貴方がどんなお願いをしようと聞き入れますよ」
それが、取引だから。
「名前はもう少し頭を使えばいいのに。
夏油傑の為ならば、もう少し頭のいい解答をすると思ったんだが」
「………傑くんがいないのなら、私は生きる意味がないですから」
けどーーー
「傑くんの身体をどうにかされてしまうのは私、面白くないんです」
私の、唯一無二の、愛しい人。
「貴方の最期の時を待ってます」
「いい笑顔するね。憎いよ」
「高みの見物をさせていただきます。
五条くんが勝つか、貴方が勝つか……
この特等席で、貴方が傑くんから出ていく日が早く来ることを願って」
「怖いねぇ……」
クスリ、と笑う夏油傑。
貴方を傑くんとは認めない。
だから、絶対に名前も呼ばない。
私は貴方が死んでくれることを
心から願うよ。
そして、最期には必ず取り戻す。
最期まで、、、
この物語を見届けアナタを……
あとがき
バッドエンド。
うーん……最後のもっといい感じにしたかった。
三種類のエンド、いかがでしたか?
ハッピーエンド。
原作エンド?
呪霊エンド。
バッドエンドは続きで書けそうですが
今のところ予定はありません。
なんだが、連載書き終わった途端に
色々やりきった感いっぱいで
次が思い浮かんでおりません……
ネタとしては、夏油寄りの後輩シリーズを書いて溜めてたり、原作沿いやろうか……と中途半端にネタは書いてます。
が、今のところ書く気力が……(笑)
傑に愛情込めすぎましたかね?(笑)
そろそろまた一巻から読み直して
愛情溜めようと思います。
夏油を幸せにする物語を読んでいただき
本当にありがとうございました!!
私は待ち続けた。
傑くんは必ず帰ると約束してくれた。
だから、待ってる。
ガチャリ、と私以外の人がドアノブを開く音。
ずっと開く事の無かった音に、私は駆け出した。
「傑くんっ!!」
玄関に立つのは、あの日の傑くん。
何事も無かったように、片手を上げる。
「やぁ、名前」
遅くなってごめん、待たせたね。
少しだけ大怪我をしていてね、動けなかったんだ。
心配かけただろう?すまなかったね。
寂しかったかい?
すぐに帰ってあげられなくて本当にごめんね。
私に触れながら、ペラペラと話すこの人は誰だろう?
見た目は傑くん。
話す声も、触れる手も、抱き締めてくれた時に香る香りも、筋肉質な身体も……
確かに、傑くんなのに
「名前?」
「………っ」
「泣かないでおくれ」
ボロボロ溢す涙を拭おうとする傑くんの手を止める。
頭を傾げる傑くん。
この人が傑くんを真似すれば真似するほど、違いがよくわかる。
この人はーーー誰だ?
「名前?」
「傑くんは……?」
「ん?私がどうかしたかい?」
「傑くんはどこにいったの?」
「可笑しなことを言うね」
「どうして傑くんはいないの?」
どんなに真似をしていても、間違うわけがない。
私を見る目が違う。
感情が込もっていないから言葉が薄く聞こえる。
どんなに繕っても、この人は別のナニカだ。
「ははっ!!盲目な愛は違いが分かるのかい?」
「………傑くん」
「なんだい?」
愉しそうに笑うこの人。
ニヤリと表情を歪めて私に顔を近付ける。
「君の知る夏油傑は五条悟に殺されたよ。
きちんと処理しなかったから
私がこの身体を使わせてもらうんだ」
「………」
「可哀想に。
夏油傑も君を想って泣いてるよ。
その証拠にほら」
涙を流す目の前の人。
「夏油傑の身体に残る魂が君を求めているんだろう」
「………っ」
「名前。取引をしないかい?」
ニヤリと笑う目の前の悪魔。
私は悪魔の告げる甘い誘惑に頷き、傑くんを抱き締めた。
「ただいま、名前」
とある一室。
物騒な事で手に入れたこの溜まり場に戻ってきた夏油傑に私は振り向く。
「おかえりなさい」
「いい子で待っていたかい?」
抱き付いて、頭を撫で回す夏油傑に私はくすり、と笑う。
そんな私達を見て、低い声が聞こえてきた。
「目障りだな」
「羨ましいのかい?漏瑚」
「ふざけたことをぬかすな」
火山のような顔から、ぐつぐつと聞こえてくる人ではないモノ。
特級レベルの意思の疎通が出来る呪霊である。
「弱そうだから触ったら死にそうだよね」
「真人、駄目だよ」
「はいはい」
良く思われてはいないが、夏油傑のおかげで今も生きている。
「名前?」
「ごめんなさい。
こんな凄い呪霊が目の前に揃うと……」
「大丈夫だよ」
「皆さんが帰って来たなら、私部屋に戻ります」
「そうかい?」
夏油傑の腕から抜け出し、呪霊の方々に頭を下げて部屋に戻る。
ベッドしかない部屋は、質素だ。
けれど、今の私にはそれだけでいい。
再びドアが開き、入って来たのは夏油傑。
ベッドに倒れる私を見て、ベッドの縁に腰掛けながら頭に手を乗せる。
「まだ彼らの気に充てられるかい?」
「いえ……」
「無理だけはしないでくれよ」
「………手を、貸して貰えますか?」
「どうぞ」
差し出された手を両手で掴み、頬に寄せる。
確かに温もりがあるのに、この身体は私の記憶に残っている温もりと別物に感じてしまう。
「健気だね」
「私には想う事しか出来ませんから」
「私も私の目的の為にこの身体が必要だからね」
「終わった時には返してください」
「終わったらね」
「それまでは、私を側に置いて下さるなら
貴方がどんなお願いをしようと聞き入れますよ」
それが、取引だから。
「名前はもう少し頭を使えばいいのに。
夏油傑の為ならば、もう少し頭のいい解答をすると思ったんだが」
「………傑くんがいないのなら、私は生きる意味がないですから」
けどーーー
「傑くんの身体をどうにかされてしまうのは私、面白くないんです」
私の、唯一無二の、愛しい人。
「貴方の最期の時を待ってます」
「いい笑顔するね。憎いよ」
「高みの見物をさせていただきます。
五条くんが勝つか、貴方が勝つか……
この特等席で、貴方が傑くんから出ていく日が早く来ることを願って」
「怖いねぇ……」
クスリ、と笑う夏油傑。
貴方を傑くんとは認めない。
だから、絶対に名前も呼ばない。
私は貴方が死んでくれることを
心から願うよ。
そして、最期には必ず取り戻す。
最期まで、、、
この物語を見届けアナタを……
あとがき
バッドエンド。
うーん……最後のもっといい感じにしたかった。
三種類のエンド、いかがでしたか?
ハッピーエンド。
原作エンド?
呪霊エンド。
バッドエンドは続きで書けそうですが
今のところ予定はありません。
なんだが、連載書き終わった途端に
色々やりきった感いっぱいで
次が思い浮かんでおりません……
ネタとしては、夏油寄りの後輩シリーズを書いて溜めてたり、原作沿いやろうか……と中途半端にネタは書いてます。
が、今のところ書く気力が……(笑)
傑に愛情込めすぎましたかね?(笑)
そろそろまた一巻から読み直して
愛情溜めようと思います。
夏油を幸せにする物語を読んでいただき
本当にありがとうございました!!