最期まであなたと 2
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「名前、行くよ」
「名前さんと夏油様どこか行くんですか?」
「デート?」
美々子と菜々子が二人で頭を傾げる。
「これから高専にちょっとね」
「珍しい……名前さんも?」
「ね、美々ちゃん。
私連れてって貰えるんだって」
「高専……ってことは東京ですか?」
「そうだよ」
「夏油様!!私も行きたい!!」
菜々子ちゃんが傑くんの腕に引っ付いた。
そしてスマホを動かしてお目当ての画像を見せてくれる。
「ここ!!竹下通りのクレープ屋さん!!」
「前に菜々ちゃんが言ってた所だ」
「そう!!名前さんと美々子と行こうと思ってたけど遠いし!!夏油様は忙しいし!!
だから二人が東京行くならお願いします!!」
「私も……クレープ行きたい、です」
「あら、私も是非」
美々子ちゃん、菜々子ちゃん、オネェ。
行きたい行きたいと騒ぎだす若い子達。
「猿の溜まり場じゃないか」
「けど、どーーーっしても!!
ここのクレープ屋さんのクレープ食べてみたいんです!!」
「です」
「名前さんも勿論行きたいわよねぇ?」
画像は美味しそうなクレープがズラリ。
並んで食べる価値あり!!と高評価な記事にちらりと三人を見れば、懇願するような表情で見つめられる。
「………傑くん」
「遊びに行くんじゃないんだよ」
「高専ついでにクレープデートしてくれる?」
「………まったく。
君達も私が名前に弱いと知っててズルいなぁ」
クレープ屋さんに行こうか、と折れた傑くんに三人は喜んで騒ぎだす。
大喜びの三人に笑っていれば、傑くんにのし掛かられた。
「デートかぁ……言われてみると久しくしてないね」
「そういえばそうだね」
「猿共の溜まり場を歩くと菌がうつるよ」
「デート辞める?」
「辞めていいのかい?」
だめー!!と、三人に叫ばれて傑くんと笑う。
仕方ないなぁ、と言いながらペリカンのような大きな鳥の呪霊を出す。
大きく口を開けたペリカン呪霊の中に入る三人。私も入ろうとしたら、傑くんに抱き抱えられる。
「一人で乗れるよ?」
「一緒に居てくれないのかい?」
「いいの?」
「当たり前だろ」
「じゃあ、お願いします」
傑くんの首に腕を回せば、軽々とペリカン呪霊の背に飛び乗る傑くん。
私を膝に乗せ、座り込んだ傑くんを合図にバサリ、と翼を動かせば不安定な浮遊感。
落ちる心配は無いとはいえ、慣れない浮遊感に恐怖を感じ、傑くんの胸元をしっかりと掴んでしまえばくすくすと笑われた。
「落とさないよ」
「分かってるけど怖い」
「このまま空中デートもいいね。
名前がしがみついててくれる」
「いつでも引っ付いてるのに?」
「デート、してなかっただろ」
風が気持ちいい。
少しだけ肌寒くなってきた東京。
昔はこのくらいなら寒く無いと思っていたのに、すっかりと此方の気温に慣れてしまうと肌寒くなったと思ってしまう。
空中から見る景色は美しく、呪術師になっていなければきっと見る機会すら無かったはずだ。
「今日は高専行ってクレープ屋さんだよ」
「行かないって言ったら怒られてしまうね」
「そうだね」
口の中から、夏油様!?とかお願いよぉ!!とか聞こえてくる。
三人の焦り具合に傑くんと顔を見合わせて笑う。
「今度空中デート連れて行ってね」
「勿論」
穏やかな空中散歩を楽しみながら、たどり着いた高専。
下には学生だろうか?
黒い制服の子供が二人、白い制服の子供が一人、パンダが一頭。
………パンダ?と自分の目を疑ってしまうが、傑くんは学生達の近くに呪霊を下ろす。
「名前、降りるよ」
ぎゅっ、と再び首に腕を回し抱き付けば、人一人抱えながら簡単に降り、静かに着地する傑くん。
そっと地面に降ろしてもらい、お礼を告げる。
「変わらないね、呪術高専は」
「変わらないね」
「うぇ〜夏油様ァ本当にココ東京ォ??
田舎くさァ」
呪霊の口から降りた三人。
菜々子が周りを見て顔をしかめている。
「菜々子…失礼…」
「えーー美々子だってそう思うでしょ?」
「んもう!!さっはと降りなさい!!」
「アンタさむくないの?」
「アイツら…何…?」
「あーパンダだーかわいー!!」
カシューカシューとパンダを撮る菜々子に笑ってしまう。
先生の呪骸なのだろうか……?
どちらにせよ、あんなリアルなパンダが居たら実習大変だろうな、と思う。
「オマエらこそ何者だ
侵入者は憂太さんが許さんぞ」
「こんぶ!!」
「えっ!!?」
「憂太さんに殴られる前にさっさと帰んな!!」
「えぇ!!?」
しっし、と追い払う動作のパンダ。
謎の具材を叫ぶ男の子。
呪具を持ち三人結束して乙骨憂太を強者と扱うような口振りだが、本人はオドオドと仲間の悪のりに戸惑っている。
そんな悪のりも懐かしく感じてしまうほど
ここは私達にとって想い出が多すぎる。
懐かしさに浸っていれば、傑くんが乙骨くんへと挨拶をしていた。
「君はとても素晴らしい力を持っているね。
私はね大いなる力は大いなる目的のために使うべきだと考える。
今の世界に疑問はないかい?
一般社会の秩序を守るため呪術師が暗躍する世界さ
つまりね
強者が弱者に適応する矛盾が成立してしまっているんだ。
なんって嘆かわしい!!」
「はぁ…」
「万物の霊長が自ら進化の歩みを止めてるわけさ
ナンセンス!!
そろそろ人類も生存戦略を見直すべきだよ
だからね、君にも手伝ってほしいわけ」
「?
何をですか?」
「非術師を皆殺しにして呪術師だけの世界を作るんだ」
「僕の生徒にイカレた思考を吹きこまないでもらおうか」
「悟ー!!久しいねー!!」
乙骨くんへの挨拶と勧誘もそこそこに、旧友の声に気楽に反応する傑くん。
白い目隠しをつけて髪の毛を逆立てている五条くんと、髪の毛を少しだけ伸ばしサングラスをした先生の姿。
その後ろには多分一級に近い呪術師の姿がズラリと。
「まず、その子達から離れろ。傑」
「今年の一年は粒揃いと聞いたが、成程。
君の受け持ちか」
特級被呪者、突然変異呪骸、呪言師の末裔
「そして、禪院家のおちこぼれ」
「テメェ」
「発言には気をつけろ
君のような猿は私の世界にはいらないんだから」
その瞬間、バシッと乙骨くんが傑くんの手を払いのける。
「ごめんなさい。
夏油さんが言ってることはまだよく分かりません
けど、友達を侮辱する人の手伝いは僕にはできない!!」
「すまない
君を不快にさせるつもりはなかった」
「じゃあ一体、どういうつもりでここに来た」
「宣戦布告さ」
乙骨くんとの間に五条くんが割って入り、威圧する。
元々の目的であった宣戦布告に、傑くんはぐるりと周りを見た。
「お集まりの皆々様!!
耳の穴かっぽじってよーく聞いて頂こう!!!
来たる12月24日!!日没と同時に!!
我々は百鬼夜行を行う!!!
場所は呪いの坩堝、東京 新宿!!
呪術の聖地京都!!
各地に千の呪いを放つ
下す命令は勿論"鏖殺"だ
地獄絵図を描きたくなければ
死力を尽くして止めにこい
思う存分、呪い合おうじゃないか」
「あーーー!!
夏油様、お店閉まっちゃう!!!」
菜々子の言葉に苦笑してしまう。
殺伐とした空気も飛散し、はやくはやくと菜々子が急かす。
「もうそんな時間か。すまないね悟」
美々子、菜々子、オネェがペリカンに乗り込む。
さて、私はどうしようかと傑くんを見れば、腰に腕を回された。
「彼女達が竹下通りのクレープを食べたいときかなくてね。
お暇させてもらうよ。
いやはやあんな猿の多い所の何が」
「このまま行かせるとでも?」
「やめとけよ」
傑くんに背を押され、歩き出す。
頭上には大きめの呪霊な現れ、生徒達の周りには骸骨達が湧き出る。
「かわいい生徒が私の間合いだよ」
傑くんがペリカンの足に乗り、片腕でペリカンの足を掴む。
私はやっぱり口の中に入ろうと上を見上げたら、ぐいっと腰を引き寄せられる。
「ちゃんと捕まって」
「落ちない?」
「落とさないよ」
傑くんに捕まって抱き付けば、ヒラヒラと五条くんへ手を降る。
「それでは皆さん、戦場で」
追ってくる気配もなく、傑くんにしがみついて再び空の散歩。
「良かったのかい?何も話さないで」
「いいの。話すこと無いよ」
「悟、教師らしかったな」
「傑くんの方が先生に向いてる気がするけど」
竹下通りのクレープ屋さんに無事間に合い、三人は美味しそうに頬張っている。
異色のメンバーにジロジロと見られたが……多分オネェのせいだと思う。
「クレープ久々に食べたなぁ」
「甘いね」
「けど、美味しいよ」
「名前、クリームついてる」
ペロリと舐められ、人前なこともあり恥ずかしくなる。私の反応が面白いというようにくすくすと笑う傑くんは意地悪だ。
「夏油様、名前さん!!
記念写真撮りますよー!!」
「一眼持ってきたら良かったねぇ」
「ほら、撮りますよ!!」
それぞれがクレープを持って菜々子ちゃんの携帯を見る。
テーブルに携帯を立て掛けてタイマーにする菜々子ちゃん。
「はいチーズ」
カシャーと撮られた一枚。
それは確かに、みんなが笑っていた写真だった。
あとがき
オネェの名前がわからず、オネェと書いていることを謝罪しまう。
ごめんなさい。
あともう少しお付き合いください。
「名前さんと夏油様どこか行くんですか?」
「デート?」
美々子と菜々子が二人で頭を傾げる。
「これから高専にちょっとね」
「珍しい……名前さんも?」
「ね、美々ちゃん。
私連れてって貰えるんだって」
「高専……ってことは東京ですか?」
「そうだよ」
「夏油様!!私も行きたい!!」
菜々子ちゃんが傑くんの腕に引っ付いた。
そしてスマホを動かしてお目当ての画像を見せてくれる。
「ここ!!竹下通りのクレープ屋さん!!」
「前に菜々ちゃんが言ってた所だ」
「そう!!名前さんと美々子と行こうと思ってたけど遠いし!!夏油様は忙しいし!!
だから二人が東京行くならお願いします!!」
「私も……クレープ行きたい、です」
「あら、私も是非」
美々子ちゃん、菜々子ちゃん、オネェ。
行きたい行きたいと騒ぎだす若い子達。
「猿の溜まり場じゃないか」
「けど、どーーーっしても!!
ここのクレープ屋さんのクレープ食べてみたいんです!!」
「です」
「名前さんも勿論行きたいわよねぇ?」
画像は美味しそうなクレープがズラリ。
並んで食べる価値あり!!と高評価な記事にちらりと三人を見れば、懇願するような表情で見つめられる。
「………傑くん」
「遊びに行くんじゃないんだよ」
「高専ついでにクレープデートしてくれる?」
「………まったく。
君達も私が名前に弱いと知っててズルいなぁ」
クレープ屋さんに行こうか、と折れた傑くんに三人は喜んで騒ぎだす。
大喜びの三人に笑っていれば、傑くんにのし掛かられた。
「デートかぁ……言われてみると久しくしてないね」
「そういえばそうだね」
「猿共の溜まり場を歩くと菌がうつるよ」
「デート辞める?」
「辞めていいのかい?」
だめー!!と、三人に叫ばれて傑くんと笑う。
仕方ないなぁ、と言いながらペリカンのような大きな鳥の呪霊を出す。
大きく口を開けたペリカン呪霊の中に入る三人。私も入ろうとしたら、傑くんに抱き抱えられる。
「一人で乗れるよ?」
「一緒に居てくれないのかい?」
「いいの?」
「当たり前だろ」
「じゃあ、お願いします」
傑くんの首に腕を回せば、軽々とペリカン呪霊の背に飛び乗る傑くん。
私を膝に乗せ、座り込んだ傑くんを合図にバサリ、と翼を動かせば不安定な浮遊感。
落ちる心配は無いとはいえ、慣れない浮遊感に恐怖を感じ、傑くんの胸元をしっかりと掴んでしまえばくすくすと笑われた。
「落とさないよ」
「分かってるけど怖い」
「このまま空中デートもいいね。
名前がしがみついててくれる」
「いつでも引っ付いてるのに?」
「デート、してなかっただろ」
風が気持ちいい。
少しだけ肌寒くなってきた東京。
昔はこのくらいなら寒く無いと思っていたのに、すっかりと此方の気温に慣れてしまうと肌寒くなったと思ってしまう。
空中から見る景色は美しく、呪術師になっていなければきっと見る機会すら無かったはずだ。
「今日は高専行ってクレープ屋さんだよ」
「行かないって言ったら怒られてしまうね」
「そうだね」
口の中から、夏油様!?とかお願いよぉ!!とか聞こえてくる。
三人の焦り具合に傑くんと顔を見合わせて笑う。
「今度空中デート連れて行ってね」
「勿論」
穏やかな空中散歩を楽しみながら、たどり着いた高専。
下には学生だろうか?
黒い制服の子供が二人、白い制服の子供が一人、パンダが一頭。
………パンダ?と自分の目を疑ってしまうが、傑くんは学生達の近くに呪霊を下ろす。
「名前、降りるよ」
ぎゅっ、と再び首に腕を回し抱き付けば、人一人抱えながら簡単に降り、静かに着地する傑くん。
そっと地面に降ろしてもらい、お礼を告げる。
「変わらないね、呪術高専は」
「変わらないね」
「うぇ〜夏油様ァ本当にココ東京ォ??
田舎くさァ」
呪霊の口から降りた三人。
菜々子が周りを見て顔をしかめている。
「菜々子…失礼…」
「えーー美々子だってそう思うでしょ?」
「んもう!!さっはと降りなさい!!」
「アンタさむくないの?」
「アイツら…何…?」
「あーパンダだーかわいー!!」
カシューカシューとパンダを撮る菜々子に笑ってしまう。
先生の呪骸なのだろうか……?
どちらにせよ、あんなリアルなパンダが居たら実習大変だろうな、と思う。
「オマエらこそ何者だ
侵入者は憂太さんが許さんぞ」
「こんぶ!!」
「えっ!!?」
「憂太さんに殴られる前にさっさと帰んな!!」
「えぇ!!?」
しっし、と追い払う動作のパンダ。
謎の具材を叫ぶ男の子。
呪具を持ち三人結束して乙骨憂太を強者と扱うような口振りだが、本人はオドオドと仲間の悪のりに戸惑っている。
そんな悪のりも懐かしく感じてしまうほど
ここは私達にとって想い出が多すぎる。
懐かしさに浸っていれば、傑くんが乙骨くんへと挨拶をしていた。
「君はとても素晴らしい力を持っているね。
私はね大いなる力は大いなる目的のために使うべきだと考える。
今の世界に疑問はないかい?
一般社会の秩序を守るため呪術師が暗躍する世界さ
つまりね
強者が弱者に適応する矛盾が成立してしまっているんだ。
なんって嘆かわしい!!」
「はぁ…」
「万物の霊長が自ら進化の歩みを止めてるわけさ
ナンセンス!!
そろそろ人類も生存戦略を見直すべきだよ
だからね、君にも手伝ってほしいわけ」
「?
何をですか?」
「非術師を皆殺しにして呪術師だけの世界を作るんだ」
「僕の生徒にイカレた思考を吹きこまないでもらおうか」
「悟ー!!久しいねー!!」
乙骨くんへの挨拶と勧誘もそこそこに、旧友の声に気楽に反応する傑くん。
白い目隠しをつけて髪の毛を逆立てている五条くんと、髪の毛を少しだけ伸ばしサングラスをした先生の姿。
その後ろには多分一級に近い呪術師の姿がズラリと。
「まず、その子達から離れろ。傑」
「今年の一年は粒揃いと聞いたが、成程。
君の受け持ちか」
特級被呪者、突然変異呪骸、呪言師の末裔
「そして、禪院家のおちこぼれ」
「テメェ」
「発言には気をつけろ
君のような猿は私の世界にはいらないんだから」
その瞬間、バシッと乙骨くんが傑くんの手を払いのける。
「ごめんなさい。
夏油さんが言ってることはまだよく分かりません
けど、友達を侮辱する人の手伝いは僕にはできない!!」
「すまない
君を不快にさせるつもりはなかった」
「じゃあ一体、どういうつもりでここに来た」
「宣戦布告さ」
乙骨くんとの間に五条くんが割って入り、威圧する。
元々の目的であった宣戦布告に、傑くんはぐるりと周りを見た。
「お集まりの皆々様!!
耳の穴かっぽじってよーく聞いて頂こう!!!
来たる12月24日!!日没と同時に!!
我々は百鬼夜行を行う!!!
場所は呪いの坩堝、東京 新宿!!
呪術の聖地京都!!
各地に千の呪いを放つ
下す命令は勿論"鏖殺"だ
地獄絵図を描きたくなければ
死力を尽くして止めにこい
思う存分、呪い合おうじゃないか」
「あーーー!!
夏油様、お店閉まっちゃう!!!」
菜々子の言葉に苦笑してしまう。
殺伐とした空気も飛散し、はやくはやくと菜々子が急かす。
「もうそんな時間か。すまないね悟」
美々子、菜々子、オネェがペリカンに乗り込む。
さて、私はどうしようかと傑くんを見れば、腰に腕を回された。
「彼女達が竹下通りのクレープを食べたいときかなくてね。
お暇させてもらうよ。
いやはやあんな猿の多い所の何が」
「このまま行かせるとでも?」
「やめとけよ」
傑くんに背を押され、歩き出す。
頭上には大きめの呪霊な現れ、生徒達の周りには骸骨達が湧き出る。
「かわいい生徒が私の間合いだよ」
傑くんがペリカンの足に乗り、片腕でペリカンの足を掴む。
私はやっぱり口の中に入ろうと上を見上げたら、ぐいっと腰を引き寄せられる。
「ちゃんと捕まって」
「落ちない?」
「落とさないよ」
傑くんに捕まって抱き付けば、ヒラヒラと五条くんへ手を降る。
「それでは皆さん、戦場で」
追ってくる気配もなく、傑くんにしがみついて再び空の散歩。
「良かったのかい?何も話さないで」
「いいの。話すこと無いよ」
「悟、教師らしかったな」
「傑くんの方が先生に向いてる気がするけど」
竹下通りのクレープ屋さんに無事間に合い、三人は美味しそうに頬張っている。
異色のメンバーにジロジロと見られたが……多分オネェのせいだと思う。
「クレープ久々に食べたなぁ」
「甘いね」
「けど、美味しいよ」
「名前、クリームついてる」
ペロリと舐められ、人前なこともあり恥ずかしくなる。私の反応が面白いというようにくすくすと笑う傑くんは意地悪だ。
「夏油様、名前さん!!
記念写真撮りますよー!!」
「一眼持ってきたら良かったねぇ」
「ほら、撮りますよ!!」
それぞれがクレープを持って菜々子ちゃんの携帯を見る。
テーブルに携帯を立て掛けてタイマーにする菜々子ちゃん。
「はいチーズ」
カシャーと撮られた一枚。
それは確かに、みんなが笑っていた写真だった。
あとがき
オネェの名前がわからず、オネェと書いていることを謝罪しまう。
ごめんなさい。
あともう少しお付き合いください。