最期まであなたと 2
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あの日から9年。
「名前」
私達は罪を重ねてきた。
人を壊し
人を嘲笑い
人を人と思わず
限られた者だけに手を伸ばす。
血に染まろうと
屍を踏みつけようと
この道を歩む決意をしたあの日から
真っ暗な暗闇を突き進んだ。
「面白い呪いを持っている子を見付けたよ」
「面白い呪い?」
「特級過呪怨霊、折本里香」
呪いの女王だよ、と楽しそうに話す傑くん。
話を聞けば、高専に通う男の子に憑いているらしい。
手に持っている学生証には眠そうな男の子と、その隣には特の階級。
白い制服を着た子に、珍しいな、と思いながら学生証を覗いていた。
男の子自体に特に力は無く、膨大な呪いの塊である里香という怨霊に目を付けたらしい。
「高専か……懐かしいね」
「家族も、呪いも、金も集まった。
そろそろ動き出そうか」
「まずは高専?」
「ひとまず、乙骨憂太と折本里香を見たいな」
「大丈夫?
五条くんにバレない?」
「上手くやるさ」
くすり、と笑いながら私の髪をすく傑くん。
この9年で切らずに伸びた髪は少しだけ鬱陶しくもあるが、そのまま伸ばし続けている。
「伸びたよね」
「傑くんも長いよ」
「悲願が叶った時にでも切るかな」
「その時は一緒に切るよ」
二人で額を合わせ、笑う。
その後、傑くんは言葉通り乙骨くんと里香ちゃんを見に行ったが、折本里香を見ることは叶わなかったらしい。
残念そうに帰って来た。
「悟にバレたかも」
「喧嘩売ってきたの?」
「帳の上から帳を降ろして、生徒を襲わせたからね」
「近い内に顔見せにでも行くの?」
「そうだね。家族達も集まるよ」
楽しそうな傑くん。
傑くんがウキウキとしているのが"家族"達が集まるからだけじゃないことはわかっている。
何だかんだ言いながら、旧友の五条くんに会うのも楽しみにしているんだと思うと困ったように笑うしかない。
この二人は出会った時からお互いが気に入らないという理由で大喧嘩し、先生が挨拶する間もなく鉄拳制裁された仲だ。
仲がいいと思ったらすぐ喧嘩し
喧嘩していると思ったら仲がいい。
「楽しみ?」
「楽しみだよ」
「五条くんどんな顔するかな」
「悟のことだからしかめっ面じゃないか?」
「硝子ちゃんもいるのかな?」
「硝子は出てこないよ。
貴重な反転術式の使い手なんだから」
「ちなみに傑くん」
「なんだい?」
「私はずっとお留守番ですか?」
「だね」
にっこりと笑って聞いてみたが
にっこりと笑って返された。
「駄目かー」
「名前は参加させないよ」
「どうしても駄目?」
「基礎の鍛練しかしていないのに、何で参加させてもらえると思っているんだい?」
「傑くんと居たいから」
「駄目だよ。名前に危ないことはさせたくないし、させられない」
「傑くんのケチ」
「ケチで結構。
名前が誰よりも大切なんだから……わかるだろ?」
顔中に唇を当てる傑くん。
それで私が納得すると思ったら大間違いだぞ、とじっと見つめれば、顎を持たれて唇に唇が重なる。
「んっ、違う。誤魔化さないで」
「誤魔化されてくれ」
「もう…」
傑くんは声を押し殺しながら笑っている。
単純な私は、こうして誤魔化されてしまう。
「家族が集まったら、一度高専に行くよ」
「………行ってらっしゃい」
「拗ねないでくれ。
仕方がないから高専に宣戦布告するときは一緒に連れていくから」
「本当?」
「勿論」
珍しい事もあるもんだ、と傑くんを見る。
先程はお留守番だと言ったのに、絶対に連れて行って貰えないと諦めようと思ったのに。
「その代わり、実行日はお留守番だ」
「………わかったよ」
「折本里香さえ手に入れば、私の夢に一歩近付ける」
「そうだね」
「名前は私の帰りを待っていてくれ」
私達は罪を重ねています。
傑くんが血で汚れようと
傑くんが非呪術師を踏み砕こうと
傑くんが大量呪殺しようと
私は傑くんの罪を共に背負い
傑くんの隣で生きることを選んだ。
その先にあるものが、地獄でも
私達は歩き続けなければならない。
そう決めて
皆と道を違えたのだから。
あとがき
0巻入ったーー!!!
さーて、どうしようったらどうしよう。
現時点ではまだ最期決めてないんです。
生きるか、死ぬか。
迷ってます。
「名前」
私達は罪を重ねてきた。
人を壊し
人を嘲笑い
人を人と思わず
限られた者だけに手を伸ばす。
血に染まろうと
屍を踏みつけようと
この道を歩む決意をしたあの日から
真っ暗な暗闇を突き進んだ。
「面白い呪いを持っている子を見付けたよ」
「面白い呪い?」
「特級過呪怨霊、折本里香」
呪いの女王だよ、と楽しそうに話す傑くん。
話を聞けば、高専に通う男の子に憑いているらしい。
手に持っている学生証には眠そうな男の子と、その隣には特の階級。
白い制服を着た子に、珍しいな、と思いながら学生証を覗いていた。
男の子自体に特に力は無く、膨大な呪いの塊である里香という怨霊に目を付けたらしい。
「高専か……懐かしいね」
「家族も、呪いも、金も集まった。
そろそろ動き出そうか」
「まずは高専?」
「ひとまず、乙骨憂太と折本里香を見たいな」
「大丈夫?
五条くんにバレない?」
「上手くやるさ」
くすり、と笑いながら私の髪をすく傑くん。
この9年で切らずに伸びた髪は少しだけ鬱陶しくもあるが、そのまま伸ばし続けている。
「伸びたよね」
「傑くんも長いよ」
「悲願が叶った時にでも切るかな」
「その時は一緒に切るよ」
二人で額を合わせ、笑う。
その後、傑くんは言葉通り乙骨くんと里香ちゃんを見に行ったが、折本里香を見ることは叶わなかったらしい。
残念そうに帰って来た。
「悟にバレたかも」
「喧嘩売ってきたの?」
「帳の上から帳を降ろして、生徒を襲わせたからね」
「近い内に顔見せにでも行くの?」
「そうだね。家族達も集まるよ」
楽しそうな傑くん。
傑くんがウキウキとしているのが"家族"達が集まるからだけじゃないことはわかっている。
何だかんだ言いながら、旧友の五条くんに会うのも楽しみにしているんだと思うと困ったように笑うしかない。
この二人は出会った時からお互いが気に入らないという理由で大喧嘩し、先生が挨拶する間もなく鉄拳制裁された仲だ。
仲がいいと思ったらすぐ喧嘩し
喧嘩していると思ったら仲がいい。
「楽しみ?」
「楽しみだよ」
「五条くんどんな顔するかな」
「悟のことだからしかめっ面じゃないか?」
「硝子ちゃんもいるのかな?」
「硝子は出てこないよ。
貴重な反転術式の使い手なんだから」
「ちなみに傑くん」
「なんだい?」
「私はずっとお留守番ですか?」
「だね」
にっこりと笑って聞いてみたが
にっこりと笑って返された。
「駄目かー」
「名前は参加させないよ」
「どうしても駄目?」
「基礎の鍛練しかしていないのに、何で参加させてもらえると思っているんだい?」
「傑くんと居たいから」
「駄目だよ。名前に危ないことはさせたくないし、させられない」
「傑くんのケチ」
「ケチで結構。
名前が誰よりも大切なんだから……わかるだろ?」
顔中に唇を当てる傑くん。
それで私が納得すると思ったら大間違いだぞ、とじっと見つめれば、顎を持たれて唇に唇が重なる。
「んっ、違う。誤魔化さないで」
「誤魔化されてくれ」
「もう…」
傑くんは声を押し殺しながら笑っている。
単純な私は、こうして誤魔化されてしまう。
「家族が集まったら、一度高専に行くよ」
「………行ってらっしゃい」
「拗ねないでくれ。
仕方がないから高専に宣戦布告するときは一緒に連れていくから」
「本当?」
「勿論」
珍しい事もあるもんだ、と傑くんを見る。
先程はお留守番だと言ったのに、絶対に連れて行って貰えないと諦めようと思ったのに。
「その代わり、実行日はお留守番だ」
「………わかったよ」
「折本里香さえ手に入れば、私の夢に一歩近付ける」
「そうだね」
「名前は私の帰りを待っていてくれ」
私達は罪を重ねています。
傑くんが血で汚れようと
傑くんが非呪術師を踏み砕こうと
傑くんが大量呪殺しようと
私は傑くんの罪を共に背負い
傑くんの隣で生きることを選んだ。
その先にあるものが、地獄でも
私達は歩き続けなければならない。
そう決めて
皆と道を違えたのだから。
あとがき
0巻入ったーー!!!
さーて、どうしようったらどうしよう。
現時点ではまだ最期決めてないんです。
生きるか、死ぬか。
迷ってます。