最期まであなたと 2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あれから、傑くんが手を組んだ人が増えた。
呪詛師として、傑くんと利害が一致して手を組んだ人々。
傑くんに惚れて着いてきた人々。
傑くんが"家族"と呼ぶ人々はその中でも特別に信用されている。
一人から始めた教団も、今じゃ秘書や幹部がいる。
私は変わらず、傑くんの側に居るだけだ。
「ヨォ」
「ミゲルさん、こんにちは」
「傑ハ?」
「信者の方々の相手かと」
海外の呪詛師のミゲルさん。
たまに来ては、傑くんと話しているので今日もそうなのだろう。
お茶を用意して出せば、寛ぐようにソファーに座る。
廊下をパタパタ走る音に、ガチャリと開いたドア。
顔を出した二人に笑う。
「おかえりなさい、美々ちゃん、菜々ちゃん」
「ただいま!!名前さん」
「ただいま」
抱きついてきた二人を受け止める。
この1〜2年で二人とかなりうちとけて、あだ名で呼ぶように。
「ミゲル居んじゃん」
「夏油様に用事?」
「ソウダ」
「美々ちゃん、菜々ちゃん
傑くん来たらよろしくね」
「どこか行くの?」
「買い物だよ」
「今日は何のご飯?」
「まだ考えてないなぁ……何かリクエストある?」
「「唐揚げ!!」」
「わかった。今日は唐揚げね」
やったーと、喜ぶ二人に笑う。
唐揚げを中心に献立を考えながら外に出ようとすれば、傑くんと秘書さんの姿。
「名前」
「お疲れ様、傑くん」
「買い物かい?」
「うん。
中にミゲルさん来ているよ」
「そうか。一人で平気かい?」
「大丈夫だよ。待たせちゃ悪いから行ってあげて」
「気をつけて」
抱き寄せられて、額に唇を寄せる。
相変わらずスキンシップが多い傑くんに笑い、返事に頬へ唇を寄せる。
「いってきます」
傑くんが一人でやっていた時よりも、傑くんの負担が大幅に減った。
傑くんも"家族"に会うのは楽しそうだし、"家族"が来た日はウキウキとはしゃいでいる。
私ではない他の人が傑くんの役に立つ事に寂しさはあるものの、変わらず側に居させてもらっていることに感謝するしかない。
仕事に手を出せず、役立つ事も出来ず
私の存在意義は?と考えると自分に自信が持てず落ち込むことも多々ある。
そんな私でも側に居てと言ってくれる傑くんに寄りかかって甘えている。
中途半端な存在の私は、美々子ちゃんや菜々子ちゃんの"姉"代わりになれても、秘書さんやミゲルさん達のような"家族"にはなれない。
「名前さん、こんにちは」
「こんにちは」
考え事をしながら買い物をしていたら、最近よく話すようになったお兄さん。
傑くんの部下らしいが、買い出しや使いっぱしりとして出歩く事が多いらしい彼とよく出会う。
一度傑くんと一緒に居るところを見られているので、こうして会えば声を掛けてくれる。
「お買い物ですか?」
「はい。今日もお勤めご苦労様です」
「これしかやれること無いので!!」
彼を見ていると、昔の後輩を思い出す。
素直で、真っ直ぐな後輩。
「荷物持って行きましょうか?」
「そんな荷物じゃないから大丈夫だよ」
「じゃあ、帰り道一緒に帰ります!!
何かあったら大変なので!!」
「お仕事は?」
「仕事よりも名前さんを送る方が大事です!!」
犬っぽく着いて来てくれる彼と他愛もない事を話す。
上司が……と面白おかしく話してくれたり、自身のついてない話など、いろんな事を話してくれるので、帰り道もあっという間だった。
「ありがとうございます」
「いいえ!!
あっ、髪の毛にゴミ着いてますよ」
「本当?」
「動かないで下さいね」
頭に手を伸ばされる。
けど、何となく一歩、後ろに下がる。
キョトンとした彼。
「名前さん?」
「………あ、ごめんなさい。
取れたかな…」
自分で髪の毛を撫でるが、特にゴミは見当たらない。
「取れたみたいですね。
じゃあ、俺行きますね」
手を振って足早にいなくなった彼。
じっと彼が居なくなるまで見つめ、髪の毛へ触れるが、ゴミらしきものは見当たらない。
小さく息を吐いて戻ろうとしたのだが
「今のは?」
「ふぁっ!?」
真後ろから耳元で囁かれた声に驚く。
お腹に腕が回り、肩や頬に髪の毛が触る。
「す…傑くん……」
「驚かせたかい?」
「私がボーッとしてたから」
「で、今のは?」
じっと、彼が居なくなった方向を見つめる傑くん。
その反応に眉を寄せてしまう。
「やっぱ、あの人……」
「またかい?」
「多分」
「困ったねぇ」
「………ごめんなさい」
「名前が謝ることじゃないよ」
傑くんはそう言ってくれるのだが、私が傑くんに迷惑をかけてしまう理由として、私を狙う者が出てきてしまった事。
傑くんに取り入ろうと、私を邪険にする者。
傑くんを出し抜こうと、私を人質にしたい者。
弱い私を狙ってくる者は、私と接触してくる。
傑くんが引き合わせてくれた人以外は信じるなと言われているため、今のところ大事になったり、怪我したり、連れ去られたりするようなヘマはしていないが、残念な気持ちになる。
「探しておくよ」
「………うん」
「どうかしたかい?」
「少しだけ……少しだけ、ね
彼が灰原くんと似てたなと思って」
懐かしい気持ちになったんだ、と言えば苦笑する傑くん。
「ごめんね、迷惑ばかり」
「弱い奴はやることが単純なんだよ」
「私、ミゲルさんに鍛えてもらおうかな」
「ミゲルに?私じゃ駄目かい?」
「傑くんは私を鍛える気無いでしょ」
「バレたか」
「………傑くん」
「駄目だ。名前は駄目」
何年経っても、私が戦う事を良しとしない。
それだけ大切にされているし
傑くんが私に執着している。
「駄目かぁ」
「本当は何かあるのも嫌だから
買い出しもさせたくないんだけどねぇ」
「監禁かぁ……困ったね」
「困ったよ。私の可愛い人が狙われて気が気じゃなくて」
困ったように笑う傑くん。
「傑くんやミゲルさんみたいな凄腕の術師相手はしたくないなぁ」
「その時は生きる事に集中しておくれ」
「うん。必ず生きる」
「名前がいなくなるのは耐えられない」
「必ず帰るよ。傑くんの隣に」
戦えなくて
足手まといで
役立たなくて
迷惑をかけて
自信を持てず落ち込むこともあるけれど
傑くんが私を必要として
側に居させてくれるならば
私は傑くんの隣に居たい。
「あっ、名前さん帰って来てる!!」
「夏油様、何かあったんですか?」
「名前に悪い虫が寄って来てたからね」
「は?
名前さん何もされてない!?大丈夫?」
「そいつ吊るす?」
「大丈夫だよ。何もされてないから」
心配してくれる二人を宥める。
傑くんが秘書さんに何か伝えているので、さっきの彼の事だろうな……と思う。
「大事ニサレテルナ」
「ミゲルさん」
「オ前ニ何カスル愚カ者ハ、命知ラズダ」
「心配性ですよね」
「オ前ハ染マルナ」
「ミゲル、触りすぎだよ」
ぐりぐりと頭を撫でられる。
そこへ傑くんが近寄ってきてミゲルさんの手を払った。
「怖イ怖イ」
「まったく。油断も隙もない」
「ミゲル、貴方学習しなさいよ」
「名前さんに触っていいのは私と美々子だけ!!」
「ミゲルでも許さない」
「独占力強スギダロ」
"家族"にはなれなくても
私を認めてくれる彼らが好きだ。
「今日の晩御飯はなんだい?」
「二人のリクエストで唐揚げ」
「いいね」
あまり得意ではなかった料理も、彼らのためならばと頑張った。このくらいしか出来ないが、何も言わず受け入れてくれる。
落ち込みはするけど、逃げ出せないのはここが心地よいから。
傑くんが選んだ"家族"は
優しく温かい人々だ。
あとがき
秘書一言のみ。
書きたかった妄想を忘れて
話が進みません。
呪詛師として、傑くんと利害が一致して手を組んだ人々。
傑くんに惚れて着いてきた人々。
傑くんが"家族"と呼ぶ人々はその中でも特別に信用されている。
一人から始めた教団も、今じゃ秘書や幹部がいる。
私は変わらず、傑くんの側に居るだけだ。
「ヨォ」
「ミゲルさん、こんにちは」
「傑ハ?」
「信者の方々の相手かと」
海外の呪詛師のミゲルさん。
たまに来ては、傑くんと話しているので今日もそうなのだろう。
お茶を用意して出せば、寛ぐようにソファーに座る。
廊下をパタパタ走る音に、ガチャリと開いたドア。
顔を出した二人に笑う。
「おかえりなさい、美々ちゃん、菜々ちゃん」
「ただいま!!名前さん」
「ただいま」
抱きついてきた二人を受け止める。
この1〜2年で二人とかなりうちとけて、あだ名で呼ぶように。
「ミゲル居んじゃん」
「夏油様に用事?」
「ソウダ」
「美々ちゃん、菜々ちゃん
傑くん来たらよろしくね」
「どこか行くの?」
「買い物だよ」
「今日は何のご飯?」
「まだ考えてないなぁ……何かリクエストある?」
「「唐揚げ!!」」
「わかった。今日は唐揚げね」
やったーと、喜ぶ二人に笑う。
唐揚げを中心に献立を考えながら外に出ようとすれば、傑くんと秘書さんの姿。
「名前」
「お疲れ様、傑くん」
「買い物かい?」
「うん。
中にミゲルさん来ているよ」
「そうか。一人で平気かい?」
「大丈夫だよ。待たせちゃ悪いから行ってあげて」
「気をつけて」
抱き寄せられて、額に唇を寄せる。
相変わらずスキンシップが多い傑くんに笑い、返事に頬へ唇を寄せる。
「いってきます」
傑くんが一人でやっていた時よりも、傑くんの負担が大幅に減った。
傑くんも"家族"に会うのは楽しそうだし、"家族"が来た日はウキウキとはしゃいでいる。
私ではない他の人が傑くんの役に立つ事に寂しさはあるものの、変わらず側に居させてもらっていることに感謝するしかない。
仕事に手を出せず、役立つ事も出来ず
私の存在意義は?と考えると自分に自信が持てず落ち込むことも多々ある。
そんな私でも側に居てと言ってくれる傑くんに寄りかかって甘えている。
中途半端な存在の私は、美々子ちゃんや菜々子ちゃんの"姉"代わりになれても、秘書さんやミゲルさん達のような"家族"にはなれない。
「名前さん、こんにちは」
「こんにちは」
考え事をしながら買い物をしていたら、最近よく話すようになったお兄さん。
傑くんの部下らしいが、買い出しや使いっぱしりとして出歩く事が多いらしい彼とよく出会う。
一度傑くんと一緒に居るところを見られているので、こうして会えば声を掛けてくれる。
「お買い物ですか?」
「はい。今日もお勤めご苦労様です」
「これしかやれること無いので!!」
彼を見ていると、昔の後輩を思い出す。
素直で、真っ直ぐな後輩。
「荷物持って行きましょうか?」
「そんな荷物じゃないから大丈夫だよ」
「じゃあ、帰り道一緒に帰ります!!
何かあったら大変なので!!」
「お仕事は?」
「仕事よりも名前さんを送る方が大事です!!」
犬っぽく着いて来てくれる彼と他愛もない事を話す。
上司が……と面白おかしく話してくれたり、自身のついてない話など、いろんな事を話してくれるので、帰り道もあっという間だった。
「ありがとうございます」
「いいえ!!
あっ、髪の毛にゴミ着いてますよ」
「本当?」
「動かないで下さいね」
頭に手を伸ばされる。
けど、何となく一歩、後ろに下がる。
キョトンとした彼。
「名前さん?」
「………あ、ごめんなさい。
取れたかな…」
自分で髪の毛を撫でるが、特にゴミは見当たらない。
「取れたみたいですね。
じゃあ、俺行きますね」
手を振って足早にいなくなった彼。
じっと彼が居なくなるまで見つめ、髪の毛へ触れるが、ゴミらしきものは見当たらない。
小さく息を吐いて戻ろうとしたのだが
「今のは?」
「ふぁっ!?」
真後ろから耳元で囁かれた声に驚く。
お腹に腕が回り、肩や頬に髪の毛が触る。
「す…傑くん……」
「驚かせたかい?」
「私がボーッとしてたから」
「で、今のは?」
じっと、彼が居なくなった方向を見つめる傑くん。
その反応に眉を寄せてしまう。
「やっぱ、あの人……」
「またかい?」
「多分」
「困ったねぇ」
「………ごめんなさい」
「名前が謝ることじゃないよ」
傑くんはそう言ってくれるのだが、私が傑くんに迷惑をかけてしまう理由として、私を狙う者が出てきてしまった事。
傑くんに取り入ろうと、私を邪険にする者。
傑くんを出し抜こうと、私を人質にしたい者。
弱い私を狙ってくる者は、私と接触してくる。
傑くんが引き合わせてくれた人以外は信じるなと言われているため、今のところ大事になったり、怪我したり、連れ去られたりするようなヘマはしていないが、残念な気持ちになる。
「探しておくよ」
「………うん」
「どうかしたかい?」
「少しだけ……少しだけ、ね
彼が灰原くんと似てたなと思って」
懐かしい気持ちになったんだ、と言えば苦笑する傑くん。
「ごめんね、迷惑ばかり」
「弱い奴はやることが単純なんだよ」
「私、ミゲルさんに鍛えてもらおうかな」
「ミゲルに?私じゃ駄目かい?」
「傑くんは私を鍛える気無いでしょ」
「バレたか」
「………傑くん」
「駄目だ。名前は駄目」
何年経っても、私が戦う事を良しとしない。
それだけ大切にされているし
傑くんが私に執着している。
「駄目かぁ」
「本当は何かあるのも嫌だから
買い出しもさせたくないんだけどねぇ」
「監禁かぁ……困ったね」
「困ったよ。私の可愛い人が狙われて気が気じゃなくて」
困ったように笑う傑くん。
「傑くんやミゲルさんみたいな凄腕の術師相手はしたくないなぁ」
「その時は生きる事に集中しておくれ」
「うん。必ず生きる」
「名前がいなくなるのは耐えられない」
「必ず帰るよ。傑くんの隣に」
戦えなくて
足手まといで
役立たなくて
迷惑をかけて
自信を持てず落ち込むこともあるけれど
傑くんが私を必要として
側に居させてくれるならば
私は傑くんの隣に居たい。
「あっ、名前さん帰って来てる!!」
「夏油様、何かあったんですか?」
「名前に悪い虫が寄って来てたからね」
「は?
名前さん何もされてない!?大丈夫?」
「そいつ吊るす?」
「大丈夫だよ。何もされてないから」
心配してくれる二人を宥める。
傑くんが秘書さんに何か伝えているので、さっきの彼の事だろうな……と思う。
「大事ニサレテルナ」
「ミゲルさん」
「オ前ニ何カスル愚カ者ハ、命知ラズダ」
「心配性ですよね」
「オ前ハ染マルナ」
「ミゲル、触りすぎだよ」
ぐりぐりと頭を撫でられる。
そこへ傑くんが近寄ってきてミゲルさんの手を払った。
「怖イ怖イ」
「まったく。油断も隙もない」
「ミゲル、貴方学習しなさいよ」
「名前さんに触っていいのは私と美々子だけ!!」
「ミゲルでも許さない」
「独占力強スギダロ」
"家族"にはなれなくても
私を認めてくれる彼らが好きだ。
「今日の晩御飯はなんだい?」
「二人のリクエストで唐揚げ」
「いいね」
あまり得意ではなかった料理も、彼らのためならばと頑張った。このくらいしか出来ないが、何も言わず受け入れてくれる。
落ち込みはするけど、逃げ出せないのはここが心地よいから。
傑くんが選んだ"家族"は
優しく温かい人々だ。
あとがき
秘書一言のみ。
書きたかった妄想を忘れて
話が進みません。