最期まであなたと 2
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「傑くん」
「ん?」
「呪霊ってどんな味なの?」
高専時代も顔色一つ変えずに飲み込んでいたが、今も変わらず飲み込んでいて、気になっていた。
「どんな味だと思う?」
「今キスすれば分かるかな?」
「どうだろう……試してみるかい?」
言うが早いか、唇を奪われる。
丹念に口内を舌が這い、舌を吸われ、どちらのかわからない唾液が溢れる。
鼻で呼吸がしたくても、上手く出来ずに口で呼吸をしようとして失敗する。
溢れた唾液をこくり、と飲み込めば目を細めて楽しそうに笑う傑くん。
ゆっくりと唇が離れれば、お互いを透明な糸が繋ぐ。
息が上がり、蕩けた顔で傑くんを見つめれば楽しそうに笑っている。
「どうだった?」
「………わかんない」
「ははっ!!
名前は知らなくていいよ」
苦しそうに、切なそうにする傑くん。
人の悪い感情が集まった物を飲み込んでいるんだ。
美味しいわけがない。
笑って何でも無いような態度を取る傑くんの頭を撫でれば、困った顔をされる。
「名前に撫でられるのは気持ちいいけれど、子供扱いみたいだなぁ」
「傑くんが甘えてくれないから、甘やかしてるの」
「甘えてるよ?」
正面からぎゅっと抱き締められ、首もとに顔を埋める傑くん。
大きく深呼吸されるたびくすぐったくて笑ってしまう。
「くすぐったいよ」
「名前の匂いは落ち着くね」
「私は傑くんのお香みたいな匂いが好き」
「両思いだ」
「だね」
くすくすと笑ってぎゅーっと抱き着く私達。
誤魔化されそうになっていることに気付き、傑くんを見上げる。
「誤魔化されないぞ」
「おや、バレてしまったか」
「傑くん」
「………はぁ」
ため息と共に抱き締める力が強くなる。
首もとに顔を埋めて顔は見えない。
「疲れた」
「うん」
「不味い」
「うん」
「吐瀉物を処理した雑巾のような味さ」
吐き捨てるように、感情の無い声で呟く傑くん。
「だから名前は知ろうとしないでくれ」
「………嫌?」
「以前も言ったが私は名前に綺麗なままで居て欲しいんだ。
人の汚さも、私の醜さも、知らないでくれ」
「………ズルいよ」
「そうさ。私はズルいんだ」
傑くんは私を大切にしてくれる。
大切にしてくれる半面、恐れている。
だから、今回珍しい傑くんの本音だった。
「私は傑くんの全てを知りたいのに」
「格好つけたいのさ」
「格好いいよ」
「だから甘やかされ過ぎると駄目になる。
どうやら口が軽くなるみたいだ」
「じゃあ、傑くんをしっかり甘やかさないとなぁ」
「駄目だって言ってるだろ?」
「私が甘やかしたいの」
「やれやれ」
傑くんの頭を抱くように抱き締める。
この優しい人は、悪に手を染めようと変わらない。
誰かに頼ろうとせず、一人で突き進もうとする。
その力がある分、止まることはない。
「傑くん」
「なんだい」
「側に居させてね」
傑くんがどんな悪人になろうと
どこまでも共に堕ちるから。
「………ありがとう、名前」
真面目で、優しくて、不器用で、頑固で。
真っ直ぐな傑くんだからこそ
自分を犠牲に進んでいく。
「名前」
「なぁに?」
「キスしたい」
「喜んで」
重ねた唇は、味がしない。
それでも傑くんと触れ合うことが嬉しくて、何度も何度も唇を重ね合う。
重ねて、触れて、笑って、重ねて。
不味い味なんて消えてしまえと願いながら
甘いキスを。
あとがき
短くてすみません……。
話が膨らまなかった。
「ん?」
「呪霊ってどんな味なの?」
高専時代も顔色一つ変えずに飲み込んでいたが、今も変わらず飲み込んでいて、気になっていた。
「どんな味だと思う?」
「今キスすれば分かるかな?」
「どうだろう……試してみるかい?」
言うが早いか、唇を奪われる。
丹念に口内を舌が這い、舌を吸われ、どちらのかわからない唾液が溢れる。
鼻で呼吸がしたくても、上手く出来ずに口で呼吸をしようとして失敗する。
溢れた唾液をこくり、と飲み込めば目を細めて楽しそうに笑う傑くん。
ゆっくりと唇が離れれば、お互いを透明な糸が繋ぐ。
息が上がり、蕩けた顔で傑くんを見つめれば楽しそうに笑っている。
「どうだった?」
「………わかんない」
「ははっ!!
名前は知らなくていいよ」
苦しそうに、切なそうにする傑くん。
人の悪い感情が集まった物を飲み込んでいるんだ。
美味しいわけがない。
笑って何でも無いような態度を取る傑くんの頭を撫でれば、困った顔をされる。
「名前に撫でられるのは気持ちいいけれど、子供扱いみたいだなぁ」
「傑くんが甘えてくれないから、甘やかしてるの」
「甘えてるよ?」
正面からぎゅっと抱き締められ、首もとに顔を埋める傑くん。
大きく深呼吸されるたびくすぐったくて笑ってしまう。
「くすぐったいよ」
「名前の匂いは落ち着くね」
「私は傑くんのお香みたいな匂いが好き」
「両思いだ」
「だね」
くすくすと笑ってぎゅーっと抱き着く私達。
誤魔化されそうになっていることに気付き、傑くんを見上げる。
「誤魔化されないぞ」
「おや、バレてしまったか」
「傑くん」
「………はぁ」
ため息と共に抱き締める力が強くなる。
首もとに顔を埋めて顔は見えない。
「疲れた」
「うん」
「不味い」
「うん」
「吐瀉物を処理した雑巾のような味さ」
吐き捨てるように、感情の無い声で呟く傑くん。
「だから名前は知ろうとしないでくれ」
「………嫌?」
「以前も言ったが私は名前に綺麗なままで居て欲しいんだ。
人の汚さも、私の醜さも、知らないでくれ」
「………ズルいよ」
「そうさ。私はズルいんだ」
傑くんは私を大切にしてくれる。
大切にしてくれる半面、恐れている。
だから、今回珍しい傑くんの本音だった。
「私は傑くんの全てを知りたいのに」
「格好つけたいのさ」
「格好いいよ」
「だから甘やかされ過ぎると駄目になる。
どうやら口が軽くなるみたいだ」
「じゃあ、傑くんをしっかり甘やかさないとなぁ」
「駄目だって言ってるだろ?」
「私が甘やかしたいの」
「やれやれ」
傑くんの頭を抱くように抱き締める。
この優しい人は、悪に手を染めようと変わらない。
誰かに頼ろうとせず、一人で突き進もうとする。
その力がある分、止まることはない。
「傑くん」
「なんだい」
「側に居させてね」
傑くんがどんな悪人になろうと
どこまでも共に堕ちるから。
「………ありがとう、名前」
真面目で、優しくて、不器用で、頑固で。
真っ直ぐな傑くんだからこそ
自分を犠牲に進んでいく。
「名前」
「なぁに?」
「キスしたい」
「喜んで」
重ねた唇は、味がしない。
それでも傑くんと触れ合うことが嬉しくて、何度も何度も唇を重ね合う。
重ねて、触れて、笑って、重ねて。
不味い味なんて消えてしまえと願いながら
甘いキスを。
あとがき
短くてすみません……。
話が膨らまなかった。