妊娠
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「琢真」
「んーなになに?」
「ここへお座り下さい」
「へ?」
真面目な私の様子に、固まる琢真。
キョロキョロと落ち着かない様子で正座して座るので、私も同じように正座して座る。
「えーっと……俺何かしちゃった?」
ただならぬ雰囲気を察知してくれたらしく、琢真の緊張が伝わってくる。
それも相まって私も緊張してくる。
「………あのね」
「待って待って待って!!別れ話なら聞きたくないっ!!」
「へ?」
「出張多いし、一緒に居てやれないし、まだ準二級だし、えーっと……俺馬鹿だから名前に甘えて色々やらかしてるかもしれねーけど、名前のこと本気だから!!」
「あの……」
「やっっっと付き合えて、そりゃ舞い上がってたかもしれねーけど!!ちょっと格好つけたがって空回ったりしてるけど!!」
「自覚あったんだ」
「七海さんから推薦してもらってる最中で、一級になったら結婚したいと思ってるくらい本気なんだよ!!
だから別れたいとか言うなっ!!」
「言ってません」
「へ?」
「琢真、私まだ何も言ってない」
その瞬間、一人暴走して口走った内容に琢真は一人で床に転がる。
顔どころか耳や首まで真っ赤にした琢真はうわーーと叫びながらゴロゴロと転がって震えていた。
そんた琢真を目の前に、緊張はどこへやら。
思わず笑いが込み上げてきて笑ってしまう。
まだ顔をうっすら赤くした琢真が、帽子を少し目深くかぶりながら此方を見上げるので、可愛らしい後輩体質の琢真を呼ぶ。
「琢真、こっち来てよ」
「………別れ話じゃない?」
「琢真次第かな」
「えぇ……俺絶対ヤダよ」
「いいから来てよ。ぎゅってしてほしい」
両手を広げて待っていれば、素直に寄ってきてくれて正面から抱き締めてくれる。
琢真の優しく匂いが好きで、私も琢真の胸に頭を寄せながら抱き付けば、より強く抱き締めてくれる。
「で、何の話?」
「琢真さ、私と結婚したいって思ってくれてるの……本当?」
「………本当」
「私でいいの?」
「名前がいいの」
もっと格好良くプロポーズしたかったのに……と呟く琢真に、笑ってしまう。
「あのね、琢真」
「何?」
「順番逆になってしまうけど……
私と一緒になって貰える?」
「順番?」
「琢真がこの子のパパになってくれるかな?」
琢真の手を取り、お腹に触れさせる。
目を見開き、動きどころか時間が止まったような琢真に、少しだけ不安になる。
が、それもつかの間。
脇に手を入れられていきなり抱き上げられたことに驚いて、目の前の琢真に捕まる。
高い高い状態から、しっかりと抱かれて琢真の顔がお腹に当たる。
「たっ、琢真!!」
「〜〜〜っまじか!!!
本当に本当に赤ちゃんいるの!?」
「うっ、うん…」
「俺パパになるの!?どーしよ!!嬉しい!!
男かなー?女かなー?
名前との子供なら絶対に可愛い!!」
「……あの」
「あっ、この体勢って赤ちゃんに悪い?
勢い余って抱き上げちゃったけど」
「嫌じゃ…無いの?」
恐る恐る聞くと、小首を傾げる琢真。
ゆっくりと降ろしてもらい、そのまま抱き締められる。
「何で?大好きな女との子供だぜ?
めちゃくちゃ嬉しいに決まってるじゃん!!」
「……琢真っ」
「何で泣くの!?」
「嬉しい……ありがと」
少しだけ、不安があった。
琢真から子供も自分もいらないと言われてしまったらと考えてしまうと、良くない事ばかりが頭を巡る。
伝えなきゃいけないけど、伝える勇気が出ずに少しだけ長引いてしまった。
「………不安にさせてた?ごめんな」
「私が琢真を信じきれなかったの……ごめん」
「あー……俺いっつも側に居られないし…
一人で病院行かせてごめん。
心細かったろ」
「嬉しかったんだ。
琢真との子供ができて……
産みたいって思ったの」
「ありがと。産みたいって思ってくれて」
にかっ、と笑う幼い顔の琢真。
まだ膨らみの無いお腹を撫でながら、パパだぞ〜と話しかける姿に笑ってしまう。
「いつ頃産まれるの?」
「予定日は12月だって」
「冬生まれかー」
「どっちだろうね」
「どっちが生まれても元気に生まれてくれたなら俺は嬉しい」
「そうだね」
二人で笑って顔を寄せあい唇を重ねる。
何度も顔中に琢真がキスをするので、くすぐったくなって笑ってしまう。
「あっ、役所行かなきゃ」
「今?」
「早い方がいいじゃん」
「開いてるかな?」
「行ってみればわかるっしょ」
身体冷やさないように着込んで!!と、心配性を発揮する琢真。
二人で手を繋いで、役所まで歩いていく。
「パパかー」
「パパだね」
「こりゃ張り切って一級になんなきゃな」
「怪我しないでね」
「平気!!今の俺は名前と子供がいるんだから、簡単にやられないし!!」
「琢真、調子のるの良くないよ」
「すいません。
けど、本当にそう思ってる」
嬉しそうに笑う琢真に寄り添い、腕を絡める。
「七海さんに報告しなきゃ」
「本当に七海さん大好きだよね」
「めちゃくちゃ尊敬してる」
「まともな大人だもんね」
「な」
二人でクスクス笑って並んで歩く。
来年の今頃はもう一人増えていて
三人で一緒に歩くことを考えると
胸が暖かくなる。
まだ先の未来の話を
あれが欲しい
あんな格好させたい
あれこれと二人で話す。
そして二人で笑っていられることが嬉しくて
この二人の時間があと少しだと思うと寂しくて
1日を大事にしていきたいと思った。
あとがき
猪野きゅんです。
可愛い。猪野きゅん可愛いよ。
最近猪野きゅん可愛すぎて本誌辛い。
「んーなになに?」
「ここへお座り下さい」
「へ?」
真面目な私の様子に、固まる琢真。
キョロキョロと落ち着かない様子で正座して座るので、私も同じように正座して座る。
「えーっと……俺何かしちゃった?」
ただならぬ雰囲気を察知してくれたらしく、琢真の緊張が伝わってくる。
それも相まって私も緊張してくる。
「………あのね」
「待って待って待って!!別れ話なら聞きたくないっ!!」
「へ?」
「出張多いし、一緒に居てやれないし、まだ準二級だし、えーっと……俺馬鹿だから名前に甘えて色々やらかしてるかもしれねーけど、名前のこと本気だから!!」
「あの……」
「やっっっと付き合えて、そりゃ舞い上がってたかもしれねーけど!!ちょっと格好つけたがって空回ったりしてるけど!!」
「自覚あったんだ」
「七海さんから推薦してもらってる最中で、一級になったら結婚したいと思ってるくらい本気なんだよ!!
だから別れたいとか言うなっ!!」
「言ってません」
「へ?」
「琢真、私まだ何も言ってない」
その瞬間、一人暴走して口走った内容に琢真は一人で床に転がる。
顔どころか耳や首まで真っ赤にした琢真はうわーーと叫びながらゴロゴロと転がって震えていた。
そんた琢真を目の前に、緊張はどこへやら。
思わず笑いが込み上げてきて笑ってしまう。
まだ顔をうっすら赤くした琢真が、帽子を少し目深くかぶりながら此方を見上げるので、可愛らしい後輩体質の琢真を呼ぶ。
「琢真、こっち来てよ」
「………別れ話じゃない?」
「琢真次第かな」
「えぇ……俺絶対ヤダよ」
「いいから来てよ。ぎゅってしてほしい」
両手を広げて待っていれば、素直に寄ってきてくれて正面から抱き締めてくれる。
琢真の優しく匂いが好きで、私も琢真の胸に頭を寄せながら抱き付けば、より強く抱き締めてくれる。
「で、何の話?」
「琢真さ、私と結婚したいって思ってくれてるの……本当?」
「………本当」
「私でいいの?」
「名前がいいの」
もっと格好良くプロポーズしたかったのに……と呟く琢真に、笑ってしまう。
「あのね、琢真」
「何?」
「順番逆になってしまうけど……
私と一緒になって貰える?」
「順番?」
「琢真がこの子のパパになってくれるかな?」
琢真の手を取り、お腹に触れさせる。
目を見開き、動きどころか時間が止まったような琢真に、少しだけ不安になる。
が、それもつかの間。
脇に手を入れられていきなり抱き上げられたことに驚いて、目の前の琢真に捕まる。
高い高い状態から、しっかりと抱かれて琢真の顔がお腹に当たる。
「たっ、琢真!!」
「〜〜〜っまじか!!!
本当に本当に赤ちゃんいるの!?」
「うっ、うん…」
「俺パパになるの!?どーしよ!!嬉しい!!
男かなー?女かなー?
名前との子供なら絶対に可愛い!!」
「……あの」
「あっ、この体勢って赤ちゃんに悪い?
勢い余って抱き上げちゃったけど」
「嫌じゃ…無いの?」
恐る恐る聞くと、小首を傾げる琢真。
ゆっくりと降ろしてもらい、そのまま抱き締められる。
「何で?大好きな女との子供だぜ?
めちゃくちゃ嬉しいに決まってるじゃん!!」
「……琢真っ」
「何で泣くの!?」
「嬉しい……ありがと」
少しだけ、不安があった。
琢真から子供も自分もいらないと言われてしまったらと考えてしまうと、良くない事ばかりが頭を巡る。
伝えなきゃいけないけど、伝える勇気が出ずに少しだけ長引いてしまった。
「………不安にさせてた?ごめんな」
「私が琢真を信じきれなかったの……ごめん」
「あー……俺いっつも側に居られないし…
一人で病院行かせてごめん。
心細かったろ」
「嬉しかったんだ。
琢真との子供ができて……
産みたいって思ったの」
「ありがと。産みたいって思ってくれて」
にかっ、と笑う幼い顔の琢真。
まだ膨らみの無いお腹を撫でながら、パパだぞ〜と話しかける姿に笑ってしまう。
「いつ頃産まれるの?」
「予定日は12月だって」
「冬生まれかー」
「どっちだろうね」
「どっちが生まれても元気に生まれてくれたなら俺は嬉しい」
「そうだね」
二人で笑って顔を寄せあい唇を重ねる。
何度も顔中に琢真がキスをするので、くすぐったくなって笑ってしまう。
「あっ、役所行かなきゃ」
「今?」
「早い方がいいじゃん」
「開いてるかな?」
「行ってみればわかるっしょ」
身体冷やさないように着込んで!!と、心配性を発揮する琢真。
二人で手を繋いで、役所まで歩いていく。
「パパかー」
「パパだね」
「こりゃ張り切って一級になんなきゃな」
「怪我しないでね」
「平気!!今の俺は名前と子供がいるんだから、簡単にやられないし!!」
「琢真、調子のるの良くないよ」
「すいません。
けど、本当にそう思ってる」
嬉しそうに笑う琢真に寄り添い、腕を絡める。
「七海さんに報告しなきゃ」
「本当に七海さん大好きだよね」
「めちゃくちゃ尊敬してる」
「まともな大人だもんね」
「な」
二人でクスクス笑って並んで歩く。
来年の今頃はもう一人増えていて
三人で一緒に歩くことを考えると
胸が暖かくなる。
まだ先の未来の話を
あれが欲しい
あんな格好させたい
あれこれと二人で話す。
そして二人で笑っていられることが嬉しくて
この二人の時間があと少しだと思うと寂しくて
1日を大事にしていきたいと思った。
あとがき
猪野きゅんです。
可愛い。猪野きゅん可愛いよ。
最近猪野きゅん可愛すぎて本誌辛い。