最期まであなたと 2
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「「名前さん!!」」
「名前さん、この髪型出来る?」
「これ、食べに行きたい」
二人の子供達……美々子ちゃんと菜々子ちゃんはあれから少しずつ距離を縮めて好いてくれるようになった。
最初の頃の圧などなく、慕ってくれる二人が可愛くてつい甘やかしたくなる。
「下手くそでも怒らないでね、菜々子ちゃん」
「怒らないよ」
「ここ、行ける?」
「んー…行けるけど、まず傑くんに確認してからかな」
「本当!!」
「少しだけ遠出になるから、傑くんと相談だね」
「うん!!」
子供達の笑顔にこちらも笑顔が溢れる。
傑くんが戻って来ると、美々子ちゃんが行きたい場所の雑誌を持って一生懸命話している。
菜々子ちゃんは私が髪型をセット中のため、そわそわとしているが動かないでもらっている。
四苦八苦しながら何とか似せた髪型に、本人は満足そうにして傑くんに見せに行った。
「ここ!!夏油様、名前さんと行ってきていい!?」
「んー……少し距離があるね」
「駄目ですか?」
「んー……」
珍しく言葉を濁らせる傑くん。
確かに近所より距離はあるが、二人の行きたい所は私がいたら了承してくれていた。
こちらをチラリと見る傑くん。
「迷子にならないよ?」
「そういう心配じゃないよ」
「?
あっ、お金は高専の時の蓄えが少しあるよ!!」
「お金の心配は要らないよ。
名前に出させるわけないだろ」
「じゃあ、何か他に心配事あったかな?」
頭を傾げると、苦笑しながら抱き締められる。
子供の前だろうと引っ付いてくる傑くんに、見られている恥ずかしさに顔が赤くなってしまう。
額に唇を落とされ、恥ずかしさが高まり、意味も無く泣きそうになる。
「今少し忙しくてね……
人集めと呪い集めと金を落とす猿を相手に纏める人材がいればいいけど、信用出来る者がなかなかいないから、私はここから離れられないんだ」
「私、傑くんのお手伝いするよ?」
「名前はあんな奴らの相手より
美々子と菜々子の相手を頼むよ」
「うん……遠出は止めた方がいい?」
「出来れば私の手が届く範囲にいて欲しいんだよ」
すまないね、と傑くんに申し訳なさそうにされてしまうと、美々子ちゃんも菜々子ちゃんも強くお願いが出来ずにしゅんとしてしまう。
「落ち着いたら連れていく事を約束するよ」
「夏油様も一緒に行ってくれるの……?」
「本当に!?」
「あぁ。ちゃんと約束は守るよ」
喜ぶ二人の頭を撫でて、いずれ行く為の予定を今から二人で話し始めた美々子ちゃんと菜々子ちゃんに笑ってしまう。
再び抱き着いて来た傑くんは、私を抱いてソファーに座る。
「今日は随分と……あの…」
「ズルいじゃないか」
「ん?」
「美々子と菜々子の世話を頼んだのは私だが……
私も名前と一緒に居たいんだよ」
「うっ」
「美々子と菜々子と仲良くなったのはいいことだが……妬いてしまうな」
「そっ、んなこと……」
「たまには構っておくれ」
胸元に頭を寄せて、抱き締めてくる傑くん。
傑くんは子供達の前でもスキンシップは多い方だが、甘えてくるというのは余程疲れているのだろう。
頭を撫でて、傑くんの額や目元や頬にキスを落とせばくすぐったそうにしながらも、嬉しそうにしている。
そのまま首もとに腕を回して抱き締めると、同じことを傑くんもしてくれた。
恥ずかしさはどこへやら。
二人で笑ってしまう。
「今日食べたい物何かある?」
「名前が作るなら何でもいいよ」
「何でもいいが一番困るなぁ」
「確かに」
「大変な時はきちんと言ってね?
出来ることなら手伝うから」
「私としては、手伝わせたくないなぁ」
「どうして?」
「名前を猿共に見せたくないし、関わらせたくないのさ」
「………ズルい」
「名前は綺麗なままで居て欲しい……
それは私の我が儘なんだよ」
私の手を取り、自分の頬へと当てさせる。
傑くんは私を絶対に仕事場へは近付けさせない。
今私の居るこの場所は、傑くんや私達が暮らす住居スペースとなっている場所だ。
一応会館へと繋がってはいるものの、私がそちらへ行くことに傑くんはいい顔をしない。
子供達はたまに着いて行ったりしているが、重役や関係者などがこちらに来ることは無い。
出入口も別となっているため、あまり人と会わない生活をしている。
「役に立てない?」
「あんなのと関わらなくていい」
「……そっかぁ」
「すまない。名前が役に立たない、とかじゃないんだ。
私が名前に汚れて欲しくないんだよ」
「傑くんが嫌なら、もう言わない」
「………名前は私の側に居てくれるだけでいいんだ。
もう、戦わなくてもいいし、怪我しなくていい。
強くならなくていいから、側に居てくれ」
非術師を猿と呼び、汚物を見るような目で人と思わない。
選んだ道で、傑くんは非術師を切り捨てた。
傷付き、壊れ、失なってしまう前に術師の為に動く傑くん。
それは途方もない夢物語のような大義。
それは人の理から外れた外道の道。
他者が指をさし、悪魔の諸行だと騒いでも
傑くんの行動で救われる人がいることも確かであり、何が正義で何が悪か分からなくなる。
多数の非術師を助ける為に、少数の術師を犠牲にするか。
少数の術師の為に、多数の非術師を犠牲にするか。
どちらも同じ人間で、どちらかが偉いわけじゃない。
それでも人は自分達とは違うところに目を付けて排除しようとする。
私は何が正解かはわからない。
非術師を殺していいとは思わないし、術師を犠牲にする世界もいいと思わない。
話し合いで解決するなんて思わない。
世界はいつだって理不尽で無情だ。
神様は皆を祝福することはない。
この道を間違っていると言われても、私は傑くんと共に行く道を選んだことに後悔は無い。
「名前、すまない」
「何で謝るの?」
「君が私の力になりたいと思ってくれているのに、私はそれを無下にしているからね」
「傑くんが嫌なら、大人しくしてるよ」
「私は私の道を共に歩み、笑えなくなってしまう名前が怖いんだ」
「………」
「名前に猿共と関わらせて、泣いたり笑えなくなってしまったら……それこそ、私は………」
「傑くん」
「なんだい」
「私が笑えなくなる時は傑くんがいなくなってしまった時だよ。
傑くんがいない世界なんて、いらない」
「名前…」
「今度、落ち着いたら皆で遊びに行こうね」
高専から離れて笑うようになった傑くんだが、まだ不安定になってしまう時がある。
それが私が非術師と関わることにより、私に何かあったらと考えてのことならば……嬉しくなる。
歪んでいても、愛されていると思うと傑くんの器用なのか不器用なのかわからない所が愛しくてたまらない。
そう思ってしまう私も大概イカれていると、笑えてしまうが。
再び抱き着いて顔を埋める傑くんをよしよしと撫でる。
本当に忙しくて疲れているみたいだ。
子供達もどこか心配そうにして見ている。
「すぐるーまんはどうしたら回復してくれるかな?」
「んー……名前が私にキスしてくれたらかな?」
「さっきもしたよ?」
「ここは、まだだろう?」
唇を指差す傑くん。
ボッと、顔に熱が集まり落ち着き無くあちらこちらを見る私に傑くんは笑う。
「今さら照れることかい?」
「美々子ちゃんも菜々子ちゃんもいる」
「美々子、菜々子」
「私達、外行ってくる」
「外出てるから夏油様と仲良くしてね」
「え……」
傑くんが名前を呼ぶと二人はさっさといなくなってしまった。
「傑くん?」
「言っただろう。
あの二人ばかり構って妬けると」
「………大人気無い」
「名前は私のだからね。
名前の中の優先順位は一番でいたいんだよ」
「一番なのに足りない?」
「足りないから、教えてくれないか」
挑発的に笑う傑くんは色気が漏れている。その色気に私はクラクラしてしまいながら、傑くんを見つめる。
「また、仕事戻るんでしょ」
「あと30分くらい平気さ」
「30分、傑くんを独占していいの?」
「うん。私に名前を独占させておくれ」
いないとわかっていても、キョロキョロと周りを見てしまう。
傑くんの肩に手を置いて、軽く唇に自分のものを重ねる。
すぐに離れて自分の唇に手を当てれば、幸せになってきてニヤニヤと笑ってしまう。
「一人で笑って厭らしいね」
「ふふっ、幸せだから」
「私は足りないよ」
「じゃあ、この幸せをお裾分けだね」
何度も何度もお互いに唇を押し付けあい、その度に笑ってしまう。
額に、瞼に、頬に、鼻に、手に、唇に。
色んなところに口付けて、抱き締めあって。
君が笑ってくれるなら
私は幸せになれる。
子供達には申し訳ないが
恋人らしい時間を楽しんだ
ある日の出来事。
あとがき
軽い嫉妬からのラブラブ。
美々子と菜々子なら空気読んで出てってくれそう。
「名前さん、この髪型出来る?」
「これ、食べに行きたい」
二人の子供達……美々子ちゃんと菜々子ちゃんはあれから少しずつ距離を縮めて好いてくれるようになった。
最初の頃の圧などなく、慕ってくれる二人が可愛くてつい甘やかしたくなる。
「下手くそでも怒らないでね、菜々子ちゃん」
「怒らないよ」
「ここ、行ける?」
「んー…行けるけど、まず傑くんに確認してからかな」
「本当!!」
「少しだけ遠出になるから、傑くんと相談だね」
「うん!!」
子供達の笑顔にこちらも笑顔が溢れる。
傑くんが戻って来ると、美々子ちゃんが行きたい場所の雑誌を持って一生懸命話している。
菜々子ちゃんは私が髪型をセット中のため、そわそわとしているが動かないでもらっている。
四苦八苦しながら何とか似せた髪型に、本人は満足そうにして傑くんに見せに行った。
「ここ!!夏油様、名前さんと行ってきていい!?」
「んー……少し距離があるね」
「駄目ですか?」
「んー……」
珍しく言葉を濁らせる傑くん。
確かに近所より距離はあるが、二人の行きたい所は私がいたら了承してくれていた。
こちらをチラリと見る傑くん。
「迷子にならないよ?」
「そういう心配じゃないよ」
「?
あっ、お金は高専の時の蓄えが少しあるよ!!」
「お金の心配は要らないよ。
名前に出させるわけないだろ」
「じゃあ、何か他に心配事あったかな?」
頭を傾げると、苦笑しながら抱き締められる。
子供の前だろうと引っ付いてくる傑くんに、見られている恥ずかしさに顔が赤くなってしまう。
額に唇を落とされ、恥ずかしさが高まり、意味も無く泣きそうになる。
「今少し忙しくてね……
人集めと呪い集めと金を落とす猿を相手に纏める人材がいればいいけど、信用出来る者がなかなかいないから、私はここから離れられないんだ」
「私、傑くんのお手伝いするよ?」
「名前はあんな奴らの相手より
美々子と菜々子の相手を頼むよ」
「うん……遠出は止めた方がいい?」
「出来れば私の手が届く範囲にいて欲しいんだよ」
すまないね、と傑くんに申し訳なさそうにされてしまうと、美々子ちゃんも菜々子ちゃんも強くお願いが出来ずにしゅんとしてしまう。
「落ち着いたら連れていく事を約束するよ」
「夏油様も一緒に行ってくれるの……?」
「本当に!?」
「あぁ。ちゃんと約束は守るよ」
喜ぶ二人の頭を撫でて、いずれ行く為の予定を今から二人で話し始めた美々子ちゃんと菜々子ちゃんに笑ってしまう。
再び抱き着いて来た傑くんは、私を抱いてソファーに座る。
「今日は随分と……あの…」
「ズルいじゃないか」
「ん?」
「美々子と菜々子の世話を頼んだのは私だが……
私も名前と一緒に居たいんだよ」
「うっ」
「美々子と菜々子と仲良くなったのはいいことだが……妬いてしまうな」
「そっ、んなこと……」
「たまには構っておくれ」
胸元に頭を寄せて、抱き締めてくる傑くん。
傑くんは子供達の前でもスキンシップは多い方だが、甘えてくるというのは余程疲れているのだろう。
頭を撫でて、傑くんの額や目元や頬にキスを落とせばくすぐったそうにしながらも、嬉しそうにしている。
そのまま首もとに腕を回して抱き締めると、同じことを傑くんもしてくれた。
恥ずかしさはどこへやら。
二人で笑ってしまう。
「今日食べたい物何かある?」
「名前が作るなら何でもいいよ」
「何でもいいが一番困るなぁ」
「確かに」
「大変な時はきちんと言ってね?
出来ることなら手伝うから」
「私としては、手伝わせたくないなぁ」
「どうして?」
「名前を猿共に見せたくないし、関わらせたくないのさ」
「………ズルい」
「名前は綺麗なままで居て欲しい……
それは私の我が儘なんだよ」
私の手を取り、自分の頬へと当てさせる。
傑くんは私を絶対に仕事場へは近付けさせない。
今私の居るこの場所は、傑くんや私達が暮らす住居スペースとなっている場所だ。
一応会館へと繋がってはいるものの、私がそちらへ行くことに傑くんはいい顔をしない。
子供達はたまに着いて行ったりしているが、重役や関係者などがこちらに来ることは無い。
出入口も別となっているため、あまり人と会わない生活をしている。
「役に立てない?」
「あんなのと関わらなくていい」
「……そっかぁ」
「すまない。名前が役に立たない、とかじゃないんだ。
私が名前に汚れて欲しくないんだよ」
「傑くんが嫌なら、もう言わない」
「………名前は私の側に居てくれるだけでいいんだ。
もう、戦わなくてもいいし、怪我しなくていい。
強くならなくていいから、側に居てくれ」
非術師を猿と呼び、汚物を見るような目で人と思わない。
選んだ道で、傑くんは非術師を切り捨てた。
傷付き、壊れ、失なってしまう前に術師の為に動く傑くん。
それは途方もない夢物語のような大義。
それは人の理から外れた外道の道。
他者が指をさし、悪魔の諸行だと騒いでも
傑くんの行動で救われる人がいることも確かであり、何が正義で何が悪か分からなくなる。
多数の非術師を助ける為に、少数の術師を犠牲にするか。
少数の術師の為に、多数の非術師を犠牲にするか。
どちらも同じ人間で、どちらかが偉いわけじゃない。
それでも人は自分達とは違うところに目を付けて排除しようとする。
私は何が正解かはわからない。
非術師を殺していいとは思わないし、術師を犠牲にする世界もいいと思わない。
話し合いで解決するなんて思わない。
世界はいつだって理不尽で無情だ。
神様は皆を祝福することはない。
この道を間違っていると言われても、私は傑くんと共に行く道を選んだことに後悔は無い。
「名前、すまない」
「何で謝るの?」
「君が私の力になりたいと思ってくれているのに、私はそれを無下にしているからね」
「傑くんが嫌なら、大人しくしてるよ」
「私は私の道を共に歩み、笑えなくなってしまう名前が怖いんだ」
「………」
「名前に猿共と関わらせて、泣いたり笑えなくなってしまったら……それこそ、私は………」
「傑くん」
「なんだい」
「私が笑えなくなる時は傑くんがいなくなってしまった時だよ。
傑くんがいない世界なんて、いらない」
「名前…」
「今度、落ち着いたら皆で遊びに行こうね」
高専から離れて笑うようになった傑くんだが、まだ不安定になってしまう時がある。
それが私が非術師と関わることにより、私に何かあったらと考えてのことならば……嬉しくなる。
歪んでいても、愛されていると思うと傑くんの器用なのか不器用なのかわからない所が愛しくてたまらない。
そう思ってしまう私も大概イカれていると、笑えてしまうが。
再び抱き着いて顔を埋める傑くんをよしよしと撫でる。
本当に忙しくて疲れているみたいだ。
子供達もどこか心配そうにして見ている。
「すぐるーまんはどうしたら回復してくれるかな?」
「んー……名前が私にキスしてくれたらかな?」
「さっきもしたよ?」
「ここは、まだだろう?」
唇を指差す傑くん。
ボッと、顔に熱が集まり落ち着き無くあちらこちらを見る私に傑くんは笑う。
「今さら照れることかい?」
「美々子ちゃんも菜々子ちゃんもいる」
「美々子、菜々子」
「私達、外行ってくる」
「外出てるから夏油様と仲良くしてね」
「え……」
傑くんが名前を呼ぶと二人はさっさといなくなってしまった。
「傑くん?」
「言っただろう。
あの二人ばかり構って妬けると」
「………大人気無い」
「名前は私のだからね。
名前の中の優先順位は一番でいたいんだよ」
「一番なのに足りない?」
「足りないから、教えてくれないか」
挑発的に笑う傑くんは色気が漏れている。その色気に私はクラクラしてしまいながら、傑くんを見つめる。
「また、仕事戻るんでしょ」
「あと30分くらい平気さ」
「30分、傑くんを独占していいの?」
「うん。私に名前を独占させておくれ」
いないとわかっていても、キョロキョロと周りを見てしまう。
傑くんの肩に手を置いて、軽く唇に自分のものを重ねる。
すぐに離れて自分の唇に手を当てれば、幸せになってきてニヤニヤと笑ってしまう。
「一人で笑って厭らしいね」
「ふふっ、幸せだから」
「私は足りないよ」
「じゃあ、この幸せをお裾分けだね」
何度も何度もお互いに唇を押し付けあい、その度に笑ってしまう。
額に、瞼に、頬に、鼻に、手に、唇に。
色んなところに口付けて、抱き締めあって。
君が笑ってくれるなら
私は幸せになれる。
子供達には申し訳ないが
恋人らしい時間を楽しんだ
ある日の出来事。
あとがき
軽い嫉妬からのラブラブ。
美々子と菜々子なら空気読んで出てってくれそう。