最期まであなたと
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吐きだす吐息が白くなる。
寂れた景色の山の木々達は葉を落とし、主の帰りを静かに待っているようだ。
あいつはこの山の主でもないし
もう2度と帰って来ないのに
初めての春
あいつは冴えない表情でオドオドしていた。
傑や硝子は肝が座っているというかどこか他人に興味が無かったから、同級生というだけで当たり障りの無い関係でいいと思っていた。
だからこそ、目についた。
常に下を向き、声が小さく、身体も小さく
オドオドキョロキョロ。
情緒不安定かよとか思っていれば
聞けば呪霊から逃げて生活していたとかコイツ舐めてんの?と思った。
事実戦えないし、危なっかしいし、早々に死にそうだと思ったから呪術師に向いてないと思った。
普通すぎた。
イカれきれず、殺しきれず。
中途半端だから躊躇う。
傷が絶えず、それでも足掻くあいつ。
どんなに頑張ってもあいつは呪術師に向かない。
それがあいつの印象だった。
他人に興味が無かったはずなのに
いつの間にか硝子も傑も仲良くなっていて和気藹々とする三人を見かけることが多くなった。
いつもうつむき下ばかり見てまともに顔を見た印象なんて残っていない。
それが今じゃ傑と硝子と笑っている。
花のように笑うとはこいつの笑い方なのか、と思うくらいふんわりと小さく儚く笑う女だった。
守ってあげたくなるような
愛でたくなるような
可愛らしさがあるこいつに少しだけ衝撃を受けた。
その頃には既に傑が囲いこんでいて、いちいち牽制してくるからうざかった。
花というのはか弱いだけじゃなく
アスファルトすらぶち破って出てくる根性がある。
こいつもか弱いだけじゃなく確かに真があった。地面に足をつけ、こちらに追いつこうと手を伸ばす。光を失わず雨風にもめげないこいつは……確かに、可愛らしく愛でるだけの弱々しさはない。
その根性に少しだけ認めてやろうと手を伸ばした。
能天気でどこか抜けてて甘くて
普通な名前に俺達は憧れていたのかもしれない。
普通じゃいられない俺達が諦めて無いものとしていたものを名前は捨てきれずに持っている。
だから惹かれた。
傑と付き合ってから綺麗になった名前は、いつも笑っていた。
俺や硝子にも笑いかけてくれるが、傑には誰よりも愛しいと言うように表情が違う。
人が人を愛すると
こんなにも表情が違うのだと伝わってくる。
傑のことを分かっていなかったのは俺の方。
親友と思っていても
傑の弱さを受け止め共にいたのは名前だ。
俺にも硝子にも出来ない
普通であるが故に
名前は傑と共に堕ちることを選んだ。
呪術師としてではなく
夏油 傑という一人の男のために
自分の人生を捧げた名前。
弱いけれど、彼女の強さを見た気がした。
「寒いな……」
ここには名前と傑の思い出が多すぎる。
目を閉じなくても、あちこちに2人の面影が残っている。
あの二人は幸せなのだろうか?
次に会うときは2人を逃がせない。
逃がすのは1度だけ。
「………寒い」
吐き出す吐息は真っ白な煙となりふわっと空気に溶け込んで消えてしまった。
「ばーか」
2人の笑顔が
溶け込んで消えてしまった。
あとがき
硝子ちゃんに続き、悟視点。
悟って冬産まれだからかな?冬似合う。
悟は夢主ちゃんが気になるなーっと思った頃には傑が私のだからな感出して、え?君も好きだって?冗談はそのサングラスだけにしときなよと喧嘩売ってそう。
俺別に好きじゃねーし!!妹みたいなもんだし!!と張り合ってそう。
寂れた景色の山の木々達は葉を落とし、主の帰りを静かに待っているようだ。
あいつはこの山の主でもないし
もう2度と帰って来ないのに
初めての春
あいつは冴えない表情でオドオドしていた。
傑や硝子は肝が座っているというかどこか他人に興味が無かったから、同級生というだけで当たり障りの無い関係でいいと思っていた。
だからこそ、目についた。
常に下を向き、声が小さく、身体も小さく
オドオドキョロキョロ。
情緒不安定かよとか思っていれば
聞けば呪霊から逃げて生活していたとかコイツ舐めてんの?と思った。
事実戦えないし、危なっかしいし、早々に死にそうだと思ったから呪術師に向いてないと思った。
普通すぎた。
イカれきれず、殺しきれず。
中途半端だから躊躇う。
傷が絶えず、それでも足掻くあいつ。
どんなに頑張ってもあいつは呪術師に向かない。
それがあいつの印象だった。
他人に興味が無かったはずなのに
いつの間にか硝子も傑も仲良くなっていて和気藹々とする三人を見かけることが多くなった。
いつもうつむき下ばかり見てまともに顔を見た印象なんて残っていない。
それが今じゃ傑と硝子と笑っている。
花のように笑うとはこいつの笑い方なのか、と思うくらいふんわりと小さく儚く笑う女だった。
守ってあげたくなるような
愛でたくなるような
可愛らしさがあるこいつに少しだけ衝撃を受けた。
その頃には既に傑が囲いこんでいて、いちいち牽制してくるからうざかった。
花というのはか弱いだけじゃなく
アスファルトすらぶち破って出てくる根性がある。
こいつもか弱いだけじゃなく確かに真があった。地面に足をつけ、こちらに追いつこうと手を伸ばす。光を失わず雨風にもめげないこいつは……確かに、可愛らしく愛でるだけの弱々しさはない。
その根性に少しだけ認めてやろうと手を伸ばした。
能天気でどこか抜けてて甘くて
普通な名前に俺達は憧れていたのかもしれない。
普通じゃいられない俺達が諦めて無いものとしていたものを名前は捨てきれずに持っている。
だから惹かれた。
傑と付き合ってから綺麗になった名前は、いつも笑っていた。
俺や硝子にも笑いかけてくれるが、傑には誰よりも愛しいと言うように表情が違う。
人が人を愛すると
こんなにも表情が違うのだと伝わってくる。
傑のことを分かっていなかったのは俺の方。
親友と思っていても
傑の弱さを受け止め共にいたのは名前だ。
俺にも硝子にも出来ない
普通であるが故に
名前は傑と共に堕ちることを選んだ。
呪術師としてではなく
夏油 傑という一人の男のために
自分の人生を捧げた名前。
弱いけれど、彼女の強さを見た気がした。
「寒いな……」
ここには名前と傑の思い出が多すぎる。
目を閉じなくても、あちこちに2人の面影が残っている。
あの二人は幸せなのだろうか?
次に会うときは2人を逃がせない。
逃がすのは1度だけ。
「………寒い」
吐き出す吐息は真っ白な煙となりふわっと空気に溶け込んで消えてしまった。
「ばーか」
2人の笑顔が
溶け込んで消えてしまった。
あとがき
硝子ちゃんに続き、悟視点。
悟って冬産まれだからかな?冬似合う。
悟は夢主ちゃんが気になるなーっと思った頃には傑が私のだからな感出して、え?君も好きだって?冗談はそのサングラスだけにしときなよと喧嘩売ってそう。
俺別に好きじゃねーし!!妹みたいなもんだし!!と張り合ってそう。