最期まであなたと
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君に出会って恋をした。
君と過ごして愛を育んだ。
当たり前に隣にいることが幸せで
嘘つきな君も
意地悪な君も
弱い君も
優しい君も
正義感がある君も
強い君も
愛しくて
哀しかった。
16歳の春、君と出会い
16歳の夏、君に恋をし
16歳の秋、君達と仲間になれ
16歳の冬、君と通じあい
17歳の春、君と笑い
17歳の夏、君は絶望し
17歳の秋、君は悩んでいた。
星漿体の出来事から落ち着きを取り戻しつつあるこの頃。
私達は変わってしまった。
五条くんが一人、星漿体の少女を取り戻しに向かった先で対峙した侵入者との戦いの中、成長したのはわかる。
しかし……その圧倒的な強さはもはや畏怖ですらあった。
誰もが手を余していた特級レベルや一級レベルを蠅頭を祓うかのごとく一人簡単に終わらせる五条くん。
今まで息を潜めていたはずの呪霊達が騒ぎだしたかのように、呪霊が増えていった。
そのどれもがレベルの高いもので、五条くんが一人で対応している。
勿論、実力のある傑くんも派遣されていくが…二人の間には実力差が出来ていた。
二人で、"最強"だったのに
あの日を境に
五条くんは"最強"になった。
任務の多さに必然的にすれ違うことも増えた。
4人が揃うことは珍しくなった。
硝子ちゃんは基本的には学校から出ないし、私も任務へ行くが簡単なものばかりだ。
あの日から、私は少し心配なことがある。
傑くんの顔色が日に日に悪くなっているような気がした。
笑顔がぎこちなくなり、笑う回数が減っている。
隣に居てもどこか上の空で、何も言わずに抱き締められることが増えた。
「………傑くん?」
いつもの裏山に行けば、傑くんが木によりかかっていた。
名前を呼んでも反応が無いので、ゆっくり近付けば傑くんは目を閉じている。
立ったまま寝ているのかとじっと見ていれば、パチリと見開く瞳。
「名前…」
「傑くん…大丈夫?」
「平気だよ」
いつも通りの言葉。
しかし、顔色は悪いし笑おうとしてくれているのだろうが、笑えていない。
そっと傑くんの頬に手を伸ばせば、甘えるようにすり寄ってくる傑くん。
「傑くん、何か…悩んでる?」
「………少しね」
「私でも力になれること、あるかな?」
「………なら、少しだけ。
少しだけでいいから…甘えさせてくれないか?」
私の肩に頭を乗せて、抱き締めながら体重を少しだけかけてくる傑くん。
傑くんの頭を控え目に撫でてみると、甘えるようにすり寄ってくる。
「傑くんね……平気だよって言うけど最近少し顔色悪いよ。
忙しいんだろうけど……ちゃんと寝れてる?」
「……寝てるよ」
「今少し間があった。嘘つき」
「動くのに支障は無いさ」
「じゃあ、ちゃんと寝れてないんだ」
「少し夢見が悪くてね」
「……夢見が悪いのは辛いね」
あの日
星漿体の任務中に起こった出来事を全て知っている人は当人しかいない。
報告は上がっているが……それは紙にまとめた一部でしかない。
心の痛みを移すことは出来ない。
だからこそ
あの日、あの瞬間の悪夢を傑くんが見ているのだとしたら……私に力になれることはない。
痛みを癒す、なんて自惚れはしない。
私でどうにかできるならば、傑くんはとっくに乗り越えている。
「心配掛けてすまない」
「ううん。むしろ、私こそ何も出来なくてごめんね」
「………名前」
「ん?」
「呪術師……やっていけそうかい?」
今まで応援してくれていた傑くんから、初めて聞いた質問。
五条くんには辞めろと何度も言われたが、傑くんから心配されるのは初めてだった。
「私、やっぱり向いてない?」
「ちょっと聞いてみただけだよ」
「去年よりは成長出来たかな?とは思うけど……正直、辛いなって思うことあるよ」
命のやり取りが常にあって見るのは死体ばかり。
救える命もあるのだろうが圧倒的に多いのは死だ。
「名前」
「なぁに?」
「もしも、私が……」
何かを言いかけたが、すぐに口を閉じてしまった。
そして苦笑しながら何でもないと、誤魔化されてしまう。
「傑くん」
「なんだい?」
「私……負担になってない?」
「どうしてだい?」
「難しい任務で忙しい中、私みたいな弱い奴の面倒見て……疲れない?
こうやって傑くんの貴重な時間を無駄にさせて……」
「……すまない。
私のせいで不安にさせてしまったかい?」
「……傑くん」
「そんなつもりじゃないんだ。
名前が負担になっているわけじゃなく…
少し私の考えが曖昧になってしまっているんだ」
「?」
「だから、名前が負担だと思っているわけじゃないよ」
「……負担だと思ったら言ってね。
私、傑くんの視界に入らないように気を付けるから…」
「名前を煩わしく思うわけないだろ。
むしろ、私と一緒に居てくれ」
「いいの?」
「その方が安心する」
泣きそうになりながら笑う傑くん。
その辛そうな表情に、この優しい人の心を乱したのは何なのだろうかと考えても、私じゃ理解出来ない。
あの日を境に、何かが壊れ始めている気がする。
けど、何かはわからず……崩れていく音がする。
「名前が一緒に寝てくれたら悪夢は見ないかもね」
「………本当に?」
「一緒に寝てくれるのかい?」
「傑くんゆっくり休める?」
「お言葉に甘えて一緒に寝てもらおうかな」
抱き締める力を強くする傑くん。
さっきよりは無理せず柔らかく笑ってくれている表情にほっとする。
それから、何度か予定が合えば傑くんの部屋で傑くんに抱き締められながら寝ることが増えた。
甘えるように、人肌を求めるようにくっついて眠る傑くん。
私は傑くんから沢山感謝してもしきれないほど、お世話になっているというのに……
肝心なときに傑くんの力になれず、やはり役立たずだ。
勿論、自分がどうにかできるとは思ってもいないのだが……せめて、傑くんが私を抱き締めながら寝ることにより、少しでも心を休める手助けになればいい。
ちょっと温かな人肌抱き枕として安眠できる手助けとなれればいいのだが……
「……バクさん、バクさん、バクさん。
傑くんの悪い夢を食べてください。
どうか、傑くんにいい夢を」
「……ふふ。なんだい?それ」
眠っていると思った傑くんにいつものように小さな声でおまじないを呟いていたら、どうやら起きていたらしい。
「……ごめんなさい。起こしちゃった?」
「いつもおまじないしてくれていたのかい?」
「……傑くんが少しでも寝れればいいな、と思って」
「ありがとう」
目の下の隈が無くならない。
悩みは解決しないらしく、一人で悩む姿が増えた。
話しかければ表情を和らげてくれるものの、一人遠い場所に行ってしまいそうな姿に、私は時折傑くんに無理を言って引き留めてしまう。
どうか……どうか、神様と願ってしまう。
この優しい人を取らないで。
この優しい人を遠くに行かせないで。
この人は真面目で優しい人だから…
ぎゅっと、傑くんを抱き締めれば
こんなにも近くに温もりはあるのに…
この人が遠く感じてしまうのはなぜだろう。
これからくる
冷えた冬のように
この温かさが冷えてしまう気がして
でも、私には何も出来なくて……
ただ、何も解決せぬまま時間だけが過ぎていく。
あとがき
公式よ、お願いだから
はよ詳しいキャラブックプリーズ
君と過ごして愛を育んだ。
当たり前に隣にいることが幸せで
嘘つきな君も
意地悪な君も
弱い君も
優しい君も
正義感がある君も
強い君も
愛しくて
哀しかった。
16歳の春、君と出会い
16歳の夏、君に恋をし
16歳の秋、君達と仲間になれ
16歳の冬、君と通じあい
17歳の春、君と笑い
17歳の夏、君は絶望し
17歳の秋、君は悩んでいた。
星漿体の出来事から落ち着きを取り戻しつつあるこの頃。
私達は変わってしまった。
五条くんが一人、星漿体の少女を取り戻しに向かった先で対峙した侵入者との戦いの中、成長したのはわかる。
しかし……その圧倒的な強さはもはや畏怖ですらあった。
誰もが手を余していた特級レベルや一級レベルを蠅頭を祓うかのごとく一人簡単に終わらせる五条くん。
今まで息を潜めていたはずの呪霊達が騒ぎだしたかのように、呪霊が増えていった。
そのどれもがレベルの高いもので、五条くんが一人で対応している。
勿論、実力のある傑くんも派遣されていくが…二人の間には実力差が出来ていた。
二人で、"最強"だったのに
あの日を境に
五条くんは"最強"になった。
任務の多さに必然的にすれ違うことも増えた。
4人が揃うことは珍しくなった。
硝子ちゃんは基本的には学校から出ないし、私も任務へ行くが簡単なものばかりだ。
あの日から、私は少し心配なことがある。
傑くんの顔色が日に日に悪くなっているような気がした。
笑顔がぎこちなくなり、笑う回数が減っている。
隣に居てもどこか上の空で、何も言わずに抱き締められることが増えた。
「………傑くん?」
いつもの裏山に行けば、傑くんが木によりかかっていた。
名前を呼んでも反応が無いので、ゆっくり近付けば傑くんは目を閉じている。
立ったまま寝ているのかとじっと見ていれば、パチリと見開く瞳。
「名前…」
「傑くん…大丈夫?」
「平気だよ」
いつも通りの言葉。
しかし、顔色は悪いし笑おうとしてくれているのだろうが、笑えていない。
そっと傑くんの頬に手を伸ばせば、甘えるようにすり寄ってくる傑くん。
「傑くん、何か…悩んでる?」
「………少しね」
「私でも力になれること、あるかな?」
「………なら、少しだけ。
少しだけでいいから…甘えさせてくれないか?」
私の肩に頭を乗せて、抱き締めながら体重を少しだけかけてくる傑くん。
傑くんの頭を控え目に撫でてみると、甘えるようにすり寄ってくる。
「傑くんね……平気だよって言うけど最近少し顔色悪いよ。
忙しいんだろうけど……ちゃんと寝れてる?」
「……寝てるよ」
「今少し間があった。嘘つき」
「動くのに支障は無いさ」
「じゃあ、ちゃんと寝れてないんだ」
「少し夢見が悪くてね」
「……夢見が悪いのは辛いね」
あの日
星漿体の任務中に起こった出来事を全て知っている人は当人しかいない。
報告は上がっているが……それは紙にまとめた一部でしかない。
心の痛みを移すことは出来ない。
だからこそ
あの日、あの瞬間の悪夢を傑くんが見ているのだとしたら……私に力になれることはない。
痛みを癒す、なんて自惚れはしない。
私でどうにかできるならば、傑くんはとっくに乗り越えている。
「心配掛けてすまない」
「ううん。むしろ、私こそ何も出来なくてごめんね」
「………名前」
「ん?」
「呪術師……やっていけそうかい?」
今まで応援してくれていた傑くんから、初めて聞いた質問。
五条くんには辞めろと何度も言われたが、傑くんから心配されるのは初めてだった。
「私、やっぱり向いてない?」
「ちょっと聞いてみただけだよ」
「去年よりは成長出来たかな?とは思うけど……正直、辛いなって思うことあるよ」
命のやり取りが常にあって見るのは死体ばかり。
救える命もあるのだろうが圧倒的に多いのは死だ。
「名前」
「なぁに?」
「もしも、私が……」
何かを言いかけたが、すぐに口を閉じてしまった。
そして苦笑しながら何でもないと、誤魔化されてしまう。
「傑くん」
「なんだい?」
「私……負担になってない?」
「どうしてだい?」
「難しい任務で忙しい中、私みたいな弱い奴の面倒見て……疲れない?
こうやって傑くんの貴重な時間を無駄にさせて……」
「……すまない。
私のせいで不安にさせてしまったかい?」
「……傑くん」
「そんなつもりじゃないんだ。
名前が負担になっているわけじゃなく…
少し私の考えが曖昧になってしまっているんだ」
「?」
「だから、名前が負担だと思っているわけじゃないよ」
「……負担だと思ったら言ってね。
私、傑くんの視界に入らないように気を付けるから…」
「名前を煩わしく思うわけないだろ。
むしろ、私と一緒に居てくれ」
「いいの?」
「その方が安心する」
泣きそうになりながら笑う傑くん。
その辛そうな表情に、この優しい人の心を乱したのは何なのだろうかと考えても、私じゃ理解出来ない。
あの日を境に、何かが壊れ始めている気がする。
けど、何かはわからず……崩れていく音がする。
「名前が一緒に寝てくれたら悪夢は見ないかもね」
「………本当に?」
「一緒に寝てくれるのかい?」
「傑くんゆっくり休める?」
「お言葉に甘えて一緒に寝てもらおうかな」
抱き締める力を強くする傑くん。
さっきよりは無理せず柔らかく笑ってくれている表情にほっとする。
それから、何度か予定が合えば傑くんの部屋で傑くんに抱き締められながら寝ることが増えた。
甘えるように、人肌を求めるようにくっついて眠る傑くん。
私は傑くんから沢山感謝してもしきれないほど、お世話になっているというのに……
肝心なときに傑くんの力になれず、やはり役立たずだ。
勿論、自分がどうにかできるとは思ってもいないのだが……せめて、傑くんが私を抱き締めながら寝ることにより、少しでも心を休める手助けになればいい。
ちょっと温かな人肌抱き枕として安眠できる手助けとなれればいいのだが……
「……バクさん、バクさん、バクさん。
傑くんの悪い夢を食べてください。
どうか、傑くんにいい夢を」
「……ふふ。なんだい?それ」
眠っていると思った傑くんにいつものように小さな声でおまじないを呟いていたら、どうやら起きていたらしい。
「……ごめんなさい。起こしちゃった?」
「いつもおまじないしてくれていたのかい?」
「……傑くんが少しでも寝れればいいな、と思って」
「ありがとう」
目の下の隈が無くならない。
悩みは解決しないらしく、一人で悩む姿が増えた。
話しかければ表情を和らげてくれるものの、一人遠い場所に行ってしまいそうな姿に、私は時折傑くんに無理を言って引き留めてしまう。
どうか……どうか、神様と願ってしまう。
この優しい人を取らないで。
この優しい人を遠くに行かせないで。
この人は真面目で優しい人だから…
ぎゅっと、傑くんを抱き締めれば
こんなにも近くに温もりはあるのに…
この人が遠く感じてしまうのはなぜだろう。
これからくる
冷えた冬のように
この温かさが冷えてしまう気がして
でも、私には何も出来なくて……
ただ、何も解決せぬまま時間だけが過ぎていく。
あとがき
公式よ、お願いだから
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