先輩シリーズ (五条)
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久しぶりに実家から呼び出された。
任務が京都の方で
久しぶりに歌姫先輩や冥さんと
ご飯だーっと、テンションも上がってきていたのに、まさかの連絡が入り
京都にいるなら本家へ来いと呼び出され
泣く泣く2人とお別れしたのだ。
相変わらず、着物やら装飾に力が入っており
彼のいない本家など、楽しみも何も無いので
ただの時間の無駄である。
「名前、今日呼んだのはね
本家の方の1人が貴方にお会いしたいそうなのよ」
「………それは、お見合いですか?」
「なに、今日のはただの顔合わせだ」
父と母はとても満足そうな顔だ。
私の知らない内に出来た繋がりで
一生懸命私を売り込んだのだろう。
「京都の高専の方でね、とても優秀なのよ?」
「彼もお前を気に入ってくれている」
ペチャクチャと楽しそうに話す2人。
私としては、どうでもいいことだ。
2人の話を聞き流し
座敷へと案内されれば
相手の両親に、お見合い相手であろう人がいた。
ありきたりな挨拶に
それぞれがペチャクチャと会話を続けるが
こんな無駄な時間を過ごすなら
東京に帰って、後輩2人と(私が)楽しい罰ゲームをした方がましだった。
「名前さん、これを期にどうかしら?」
「えぇ、もちろん嬉しいお話ですよね?名前」
「僕としてもいいお返事がいただけたらと思っております」
上の空でいたが
突然話を振られて何事かと思ったが
どうやら婚約の話を進められているらしい。
母も父も断るはずがないと
にこやかにこちらを見ている。
「そうですね……」
「まぁ!!じゃあ、この話は正式に」
「私、今高専生ですが、一級なんですよ」
母が嬉々として、話をまとめようとしたが
無駄な時間を過ごしたのだ。
こちらも言いたいことは言わせていただこう。
「貴殿は現在何級でしょうか?」
「……は?えっと…」
「私の卒業後は、大人しく家に従いましょう。
ですが、在学中は私の好きにさせていただきたく思います」
「名前!!」
「婚約の話は好きに進めてください。
でも、私が卒業するまでの間は
結婚する気もありませんし
子を作る気もありません」
母の悲鳴が聞こえるが
さっさと立ち上がり、座敷から出ようとする。
あぁ、趣味の悪い連中のことだ
手を回されても困るので
しっかり言っておかないと。
「私の在学中に万が一、勝手に入籍の手続きした場合、最悪の事態も頭に入れておいてくださいね」
「………どうすると言うんだ」
「簡単な話ですよ、オトウサマ
一族全員皆殺しにするだけの
"力"と"才能"と"実力"を
私は持っていると言ってるんです」
大好きな大好きな
"才能"と"血筋"を
私は持っている
「在学中に特級まで上がった場合は
卒業後も私の好きにさせていただきますよ」
「……名前!!本家の方の前で、何て事を!!」
「いいですよ」
相手の男が、にこにこと笑いながら頷く。
「名前さんが特級になった場合は
婚約は破棄。
そして、在学中は名前さんの好きに過ごしてください」
「………お話がわかる方で何よりです」
「しかし、特級になれなかった場合
卒業後は僕と夫婦になってもらいます」
「えぇ」
「学生の間は多少の我が儘も目をつむりますが
卒業後は僕に従ってもらいますよ」
にやり、と笑う
名も覚えていない婚約者となった男に
こちらもにっこりと笑って返す。
この時、絶対在学中に
いい男と結婚して出てってやろうかなと
本気で思った。
さっさと両親と婚約者(仮)を置いて
早々に着物を脱ぎにかかる。
こんなもの着ていられるかっ、と
帯を外したところで
コンコンと扉を叩かれる。
両親か?と思いながら
どうぞと言えば
入ってきたのは先ほどの婚約者殿で
白けた顔をしてしまう。
「やあ」
「何か?」
「君の両親が僕の親に平謝りしててね」
「私に謝罪しろと?」
「いや?僕は君が手に入るから別にいいんだ」
顔だけ振り返り男を見れば
にこにこと笑っている。
「君は覚えていないかもしれないけれど
君がここに来ていたときに
いつも僕らは話していたんだよ」
君は誰にも興味無かったもんね。
「人形のように綺麗な君は
とてもとても美しかったよ」
「………用件は?」
昔話なんてする気はない。
その他大勢だった1人に、興味は無い。
「そんな君が僕のになるんだ
在学中のあと三年くらい我慢すればいい」
それで君が一生手に入るなら
今日の無礼の一つや2つ、大目にみるさ……と
にこやかに笑う男に
ヤバそうなやつが婚約者になったなーと
今さら後悔する。
「私が在学中に男作って
逃げ出すかもしれませんよ?」
「そうならないように
在学中も定期的に連絡はさせてもらうよ」
「私が、連絡先を渡すとでも?」
「君の両親なら快くくれるだろ?」
どうやら面倒な人に捕まったらしい。
すぐ出ていこうと、男がいるのも気にせず
早々に着替えてしまう。
くるぶしまでの長いスカートは
ふともとまで長くスリットが入っている。
上はフード付きのぴったりとしたものだ。
さっさと高専の制服に着替え終え
部屋から立ち去ろうとしたら
手を掴んで来ようとしたので
さらっと避けて通りすぎる。
本気で違う相手を探そうと
決意した瞬間だった。
東京の高専に戻り
談話室の前を通ると
いつもの一年三人組がいた。
「名前先輩、お疲れ様です」
「あ、やっと帰ってきた!!」
硝子が手を振ってくれ
五条が組み手!!と叫ぶ。
夏油は静かに頭を下げてきた。
そんな空気に少し気持ちが軽くなり
硝子の隣の席へと向かう。
「ほら、お土産」
「生八ツ橋ですか」
「………八ツ橋ばっかじゃん」
「イチゴ、抹茶、チョコ、バニラ……
先輩、センスの欠片も無いですね」
「硝子にはこっちね」
「わー、石鹸や化粧品グッズだー」
「硝子は甘いの食べれないから
人気なの片っ端から買っといたわ」
「ありがとうございます」
「生八ツ橋ばっか買ってないで
もっと他にあったろ!!」
「文句の多い後輩だな」
五条にもうひとつ、袋を投げつける。
「……今度は抹茶菓子ばっかかよ!!!」
「先輩………」
「そんな文句言うならやらんぞ」
そう言えば、さっとお菓子を隠す
問題児2人に苦笑してしまう。
可愛い可愛い後輩達に癒されながら
硝子の肩に項垂れる。
「名前先輩?」
「あーーー……」
「随分お疲れですね」
「年?」
「五条君、キミ後で全力のタイキックね」
「は?意味わかんね」
「あーもう……滅びてくれないかぁ」
「喧嘩売ってるなら買うけど」
外出ろよ、と言い出す五条に
違う違うと、首を振る。
そのたびに硝子がくすぐったいですと
笑うのが癒される。
「本家だよ」
「実家帰ってたんですか?」
「歌姫先輩と冥さんとご飯行く予定を
パーにされました」
「シカトすりゃ良かったじゃん」
「シカトしたらもれなく、即嫁入りコースだ」
あり得ん、と呟けば
五条もうへぇ、と嫌な顔をする。
五条家の無下限の術式持ちと六眼持ちの彼は
だいたい似たような待遇を知ってるのだろう。
「案の定、顔出したら婚約だったわ」
「ないわ」
「だろ?」
「先輩、婚約したんですか?」
「とりあえず条件叩きつけて出てきたが
ずーっと親からの連絡が鳴り止まない」
ぽいっと、携帯を机に乗せれば
チカチカと光続ける携帯。
「やっべー」
「名前も知らない婚約様は
広い心を持って、猶予をくださったわ」
「猶予??」
「特級になったら、白紙
卒業するまでは、自由
特級になれなかった場合
卒業後は下僕人形」
わー、トテモステキーと
棒読みで答えたら
三人共、嫌な顔をしていた。
「なので」
「「「?」」」
「卒業するまでに、他に男作って
禪院を出ることを決めましたー」
イェーイ!!と立ち上がり
鳴りやまない携帯を手に取る。
そのまま、近くの花瓶に携帯を入れた。
「禪院根絶やしにするよりは
全力で逃げようと思いまーす」
「うわぁ……」
「いい笑顔ですね」
「あんな奴らのために呪詛師になって
私の人生狂わされてたまるか」
「名前先輩、携帯どーするんです?」
「硝子、明日買いにいこ」
光らなくなった携帯。
大事なデータは既に抜いてあるので
問題ない。
「そこそこの収入があって
理解力のある、苗字違う人探さないと」
「収入は大事なんですね」
「当たらないギャンブル好きのグズと
結婚するかもしれないじゃん?」
「名前先輩、理解力ある人って?」
「私より長生きしてくれる理解力」
「何で理解力?そこは希望とか努力じゃね?」
五条の問いかけに
水没した携帯を取り出しながら答える。
「呪術師やってりゃ、いつ死ぬかわかんないからね……
最低限、私よりは長生きしてくれる人じゃないと」
一人は、寂しいだろ?
呟いた言葉に、いなくなったあの人が過る。
「死ぬときは一人だ。
だけど、置いていくのと置いていかれるのなら
私は置いていかれる方が寂しいからね」
無責任な、自己満足。
置いていかれる時の寂しさは
あの人だけでいい。
「それでもいいって理解ある人探さないと」
まぁ、簡単に死ぬ気ないけどーと
にっこり笑えば、苦虫を噛んだような顔をしている三人は、少しだけ顔が柔らかくなる。
「名前先輩、五条や夏油は?」
こいつら殺しても死ななそうですよ?
と、笑って言う。
「ないない」
「こっちにも選ぶ権利あるだろ」
「硝子、こいつらグズだぞ?」
ないわーと、指さして言ったら
硝子が噴き出して笑った。
2人は表情を無くしてこちらをじっと見てる。
「五条君、夏油君、硝子」
君たちは幸せになりなよ、と言えば
三人揃ってきょとんとした顔。
「いきなり何だよ。フラグ?」
「先輩、そーゆー話にはフラグありますよ」
「しかし、チートな私はへし折るのでした」
「そのままの勢いで
婚約のフラグもへし折れればいーですね」
「そこなんだよ、硝子
呪術師に出会いが少ない……
生命のフラグよりも
未来のフラグをへし折りたい……」
いっそ、婚約者へし折る?と呟けば
頑張ってくださーいと放棄された。
あとがき
久々に書いたー。
眠すぎて、途中で寝落ちしてしまい
進まなかった。
さて、シリーズと言いながら
なかなかの長編になりそうなやーつ(笑)
携帯なので
思うように進まないwww
任務が京都の方で
久しぶりに歌姫先輩や冥さんと
ご飯だーっと、テンションも上がってきていたのに、まさかの連絡が入り
京都にいるなら本家へ来いと呼び出され
泣く泣く2人とお別れしたのだ。
相変わらず、着物やら装飾に力が入っており
彼のいない本家など、楽しみも何も無いので
ただの時間の無駄である。
「名前、今日呼んだのはね
本家の方の1人が貴方にお会いしたいそうなのよ」
「………それは、お見合いですか?」
「なに、今日のはただの顔合わせだ」
父と母はとても満足そうな顔だ。
私の知らない内に出来た繋がりで
一生懸命私を売り込んだのだろう。
「京都の高専の方でね、とても優秀なのよ?」
「彼もお前を気に入ってくれている」
ペチャクチャと楽しそうに話す2人。
私としては、どうでもいいことだ。
2人の話を聞き流し
座敷へと案内されれば
相手の両親に、お見合い相手であろう人がいた。
ありきたりな挨拶に
それぞれがペチャクチャと会話を続けるが
こんな無駄な時間を過ごすなら
東京に帰って、後輩2人と(私が)楽しい罰ゲームをした方がましだった。
「名前さん、これを期にどうかしら?」
「えぇ、もちろん嬉しいお話ですよね?名前」
「僕としてもいいお返事がいただけたらと思っております」
上の空でいたが
突然話を振られて何事かと思ったが
どうやら婚約の話を進められているらしい。
母も父も断るはずがないと
にこやかにこちらを見ている。
「そうですね……」
「まぁ!!じゃあ、この話は正式に」
「私、今高専生ですが、一級なんですよ」
母が嬉々として、話をまとめようとしたが
無駄な時間を過ごしたのだ。
こちらも言いたいことは言わせていただこう。
「貴殿は現在何級でしょうか?」
「……は?えっと…」
「私の卒業後は、大人しく家に従いましょう。
ですが、在学中は私の好きにさせていただきたく思います」
「名前!!」
「婚約の話は好きに進めてください。
でも、私が卒業するまでの間は
結婚する気もありませんし
子を作る気もありません」
母の悲鳴が聞こえるが
さっさと立ち上がり、座敷から出ようとする。
あぁ、趣味の悪い連中のことだ
手を回されても困るので
しっかり言っておかないと。
「私の在学中に万が一、勝手に入籍の手続きした場合、最悪の事態も頭に入れておいてくださいね」
「………どうすると言うんだ」
「簡単な話ですよ、オトウサマ
一族全員皆殺しにするだけの
"力"と"才能"と"実力"を
私は持っていると言ってるんです」
大好きな大好きな
"才能"と"血筋"を
私は持っている
「在学中に特級まで上がった場合は
卒業後も私の好きにさせていただきますよ」
「……名前!!本家の方の前で、何て事を!!」
「いいですよ」
相手の男が、にこにこと笑いながら頷く。
「名前さんが特級になった場合は
婚約は破棄。
そして、在学中は名前さんの好きに過ごしてください」
「………お話がわかる方で何よりです」
「しかし、特級になれなかった場合
卒業後は僕と夫婦になってもらいます」
「えぇ」
「学生の間は多少の我が儘も目をつむりますが
卒業後は僕に従ってもらいますよ」
にやり、と笑う
名も覚えていない婚約者となった男に
こちらもにっこりと笑って返す。
この時、絶対在学中に
いい男と結婚して出てってやろうかなと
本気で思った。
さっさと両親と婚約者(仮)を置いて
早々に着物を脱ぎにかかる。
こんなもの着ていられるかっ、と
帯を外したところで
コンコンと扉を叩かれる。
両親か?と思いながら
どうぞと言えば
入ってきたのは先ほどの婚約者殿で
白けた顔をしてしまう。
「やあ」
「何か?」
「君の両親が僕の親に平謝りしててね」
「私に謝罪しろと?」
「いや?僕は君が手に入るから別にいいんだ」
顔だけ振り返り男を見れば
にこにこと笑っている。
「君は覚えていないかもしれないけれど
君がここに来ていたときに
いつも僕らは話していたんだよ」
君は誰にも興味無かったもんね。
「人形のように綺麗な君は
とてもとても美しかったよ」
「………用件は?」
昔話なんてする気はない。
その他大勢だった1人に、興味は無い。
「そんな君が僕のになるんだ
在学中のあと三年くらい我慢すればいい」
それで君が一生手に入るなら
今日の無礼の一つや2つ、大目にみるさ……と
にこやかに笑う男に
ヤバそうなやつが婚約者になったなーと
今さら後悔する。
「私が在学中に男作って
逃げ出すかもしれませんよ?」
「そうならないように
在学中も定期的に連絡はさせてもらうよ」
「私が、連絡先を渡すとでも?」
「君の両親なら快くくれるだろ?」
どうやら面倒な人に捕まったらしい。
すぐ出ていこうと、男がいるのも気にせず
早々に着替えてしまう。
くるぶしまでの長いスカートは
ふともとまで長くスリットが入っている。
上はフード付きのぴったりとしたものだ。
さっさと高専の制服に着替え終え
部屋から立ち去ろうとしたら
手を掴んで来ようとしたので
さらっと避けて通りすぎる。
本気で違う相手を探そうと
決意した瞬間だった。
東京の高専に戻り
談話室の前を通ると
いつもの一年三人組がいた。
「名前先輩、お疲れ様です」
「あ、やっと帰ってきた!!」
硝子が手を振ってくれ
五条が組み手!!と叫ぶ。
夏油は静かに頭を下げてきた。
そんな空気に少し気持ちが軽くなり
硝子の隣の席へと向かう。
「ほら、お土産」
「生八ツ橋ですか」
「………八ツ橋ばっかじゃん」
「イチゴ、抹茶、チョコ、バニラ……
先輩、センスの欠片も無いですね」
「硝子にはこっちね」
「わー、石鹸や化粧品グッズだー」
「硝子は甘いの食べれないから
人気なの片っ端から買っといたわ」
「ありがとうございます」
「生八ツ橋ばっか買ってないで
もっと他にあったろ!!」
「文句の多い後輩だな」
五条にもうひとつ、袋を投げつける。
「……今度は抹茶菓子ばっかかよ!!!」
「先輩………」
「そんな文句言うならやらんぞ」
そう言えば、さっとお菓子を隠す
問題児2人に苦笑してしまう。
可愛い可愛い後輩達に癒されながら
硝子の肩に項垂れる。
「名前先輩?」
「あーーー……」
「随分お疲れですね」
「年?」
「五条君、キミ後で全力のタイキックね」
「は?意味わかんね」
「あーもう……滅びてくれないかぁ」
「喧嘩売ってるなら買うけど」
外出ろよ、と言い出す五条に
違う違うと、首を振る。
そのたびに硝子がくすぐったいですと
笑うのが癒される。
「本家だよ」
「実家帰ってたんですか?」
「歌姫先輩と冥さんとご飯行く予定を
パーにされました」
「シカトすりゃ良かったじゃん」
「シカトしたらもれなく、即嫁入りコースだ」
あり得ん、と呟けば
五条もうへぇ、と嫌な顔をする。
五条家の無下限の術式持ちと六眼持ちの彼は
だいたい似たような待遇を知ってるのだろう。
「案の定、顔出したら婚約だったわ」
「ないわ」
「だろ?」
「先輩、婚約したんですか?」
「とりあえず条件叩きつけて出てきたが
ずーっと親からの連絡が鳴り止まない」
ぽいっと、携帯を机に乗せれば
チカチカと光続ける携帯。
「やっべー」
「名前も知らない婚約様は
広い心を持って、猶予をくださったわ」
「猶予??」
「特級になったら、白紙
卒業するまでは、自由
特級になれなかった場合
卒業後は下僕人形」
わー、トテモステキーと
棒読みで答えたら
三人共、嫌な顔をしていた。
「なので」
「「「?」」」
「卒業するまでに、他に男作って
禪院を出ることを決めましたー」
イェーイ!!と立ち上がり
鳴りやまない携帯を手に取る。
そのまま、近くの花瓶に携帯を入れた。
「禪院根絶やしにするよりは
全力で逃げようと思いまーす」
「うわぁ……」
「いい笑顔ですね」
「あんな奴らのために呪詛師になって
私の人生狂わされてたまるか」
「名前先輩、携帯どーするんです?」
「硝子、明日買いにいこ」
光らなくなった携帯。
大事なデータは既に抜いてあるので
問題ない。
「そこそこの収入があって
理解力のある、苗字違う人探さないと」
「収入は大事なんですね」
「当たらないギャンブル好きのグズと
結婚するかもしれないじゃん?」
「名前先輩、理解力ある人って?」
「私より長生きしてくれる理解力」
「何で理解力?そこは希望とか努力じゃね?」
五条の問いかけに
水没した携帯を取り出しながら答える。
「呪術師やってりゃ、いつ死ぬかわかんないからね……
最低限、私よりは長生きしてくれる人じゃないと」
一人は、寂しいだろ?
呟いた言葉に、いなくなったあの人が過る。
「死ぬときは一人だ。
だけど、置いていくのと置いていかれるのなら
私は置いていかれる方が寂しいからね」
無責任な、自己満足。
置いていかれる時の寂しさは
あの人だけでいい。
「それでもいいって理解ある人探さないと」
まぁ、簡単に死ぬ気ないけどーと
にっこり笑えば、苦虫を噛んだような顔をしている三人は、少しだけ顔が柔らかくなる。
「名前先輩、五条や夏油は?」
こいつら殺しても死ななそうですよ?
と、笑って言う。
「ないない」
「こっちにも選ぶ権利あるだろ」
「硝子、こいつらグズだぞ?」
ないわーと、指さして言ったら
硝子が噴き出して笑った。
2人は表情を無くしてこちらをじっと見てる。
「五条君、夏油君、硝子」
君たちは幸せになりなよ、と言えば
三人揃ってきょとんとした顔。
「いきなり何だよ。フラグ?」
「先輩、そーゆー話にはフラグありますよ」
「しかし、チートな私はへし折るのでした」
「そのままの勢いで
婚約のフラグもへし折れればいーですね」
「そこなんだよ、硝子
呪術師に出会いが少ない……
生命のフラグよりも
未来のフラグをへし折りたい……」
いっそ、婚約者へし折る?と呟けば
頑張ってくださーいと放棄された。
あとがき
久々に書いたー。
眠すぎて、途中で寝落ちしてしまい
進まなかった。
さて、シリーズと言いながら
なかなかの長編になりそうなやーつ(笑)
携帯なので
思うように進まないwww