最期まであなたと
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君に出会って恋をした。
君と過ごして愛を育んだ。
当たり前に隣にいることが幸せで
嘘つきな君も
意地悪な君も
弱い君も
優しい君も
正義感がある君も
強い君も
愛しくて
哀しかった。
16歳の春、君と出会った
春、桜が舞う季節に私が入学した特殊な学校。
海を越えて来た東京。
両親から離れ、寮生活に不安はあるものの、この学校に通わなければならない理由があった。
昔から見えていたものが、他の人には見えなくて苦労した。
人には見えないのだと理解してからは、とにかくソレらと目を合わせないように必死に見えていないフリをして、危ないときは必死に逃げ回った。
私は見えるが、本職の人のように祓えるわけじゃなく、魔法のようにちょっとした掠り傷を治せる程度。
父の知り合いに、オカルト系に詳しい人がいて、その人に父が相談したところ、違法ではあるが身を護るためだと呪具というナイフを護身用に持たされ、高校はこの学校を勧められた。
中学までは一般のものに通い、見えているのに見えないフリをし、父の知り合いがたまに家に来ては、呪術師としてのいろはを教えてくれた。
初めは胡散臭い組織だと思っていたが、私の目はソレーー呪霊をしっかりと認識しているし、そのせいで何度も危ない目にあった。
呪霊が見えている以上、私は自分の身を守るためにもその危険性を知り、身を守る術を知らなきゃいけなかった。
運動が苦手だったが、その日から合気道をすることに。体力をつけ、呪霊と戦う術を。
そして刃物を扱い方は父の知り合いから。
子供には大きなナイフは持ち辛いが、これがないと私の命に関わるため、それはそれは……必死に頑張った。
初めて出会った教室で、三人の同級生。
背の高い男子生徒2人。
一人は目立ちそうな白髪にサングラスの人。
一人はきっちりまとめたお団子ヘアーで細目の人。
同じくらいのボブショートの似合う、女子生徒。
教室には4つしか机が無くて、廊下側に女子生徒。
その隣にサングラスさん。
その隣にお団子さん。
窓側が1つ空いていたので、そこに鞄を置いた。
「初めまして」
「は、じめ…まして…」
「声ちっせ」
「ごっ、ごめんなさい…」
お団子さんににこりと微笑まれて挨拶を返したら、サングラスさんにボソッと言われて反射的に謝ってしまう。
何か気に触ったのか、ジロリとサングラスさんに見られて居心地が悪くなる。
「お前どっから来たんだよ」
「えっと……北海道…」
「うわっ、遠っ」
「何でこっち来たわけ」
「ち、父の知り合いから勧められて…」
「ビクビクしてねーで普通に話せよ」
「ごっ、ごめんなさい」
「悟、言い方がきついぞ」
入学早々、メンタルがボロボロになった。
しかし、私のメンタルをボロボロどころか、粉々にする出来事がこの後にあった。
入学早々だが、早速簡単な任務だと都内の廃ビルに担任に連れられ、そのまま中の呪霊を祓えと放り込まれた。
「私治療専門だから」
はーい、と廃ビルの中で呑気に手を上げる女子生徒。
「反転術式扱えんの?」
「戦闘は専門外」
「まじかよ。お前は?」
「知り合いから呪具は持たされたけど……」
「けど?」
「闘ったことは無い、です」
「は?お前今までどうやって来たんだよ」
「ずっと、見えないフリして逃げてた…」
「はぁ!?
お前才能無いならさっさと術師辞めろよ」
容赦無い言葉に、体が強ばる。
出来ることなら、私だってやりたくはない。
何で好んで、こんなことしなきゃならないんだと常々思っているのだから。
けど、やらなきゃ殺られる。
それは嫌だった。
ちらちらと囲うように現れた呪霊。
呪具のナイフを手に持ち、構える。
「ビビりは引っ込んでろよ」
「……死にたくないので」
「悟、さっきから弱い者虐めは良くないよ」
「そーいや名前は?
私家入硝子。硝子でいいよ」
「苗字 名前です」
「私は夏油傑だよ。あの虐めっ子は五条悟」
「誰が虐めっ子だよ」
私は自分に才能があると思っていなかったが、
五条くんと夏油くんの強さは別次元だった。
あっという間に討伐を終えた2人。
その後も授業の体術はもちろん、任務も2人はずば抜けた才能があった。
中途半端な反転術式を扱える私とは違い、硝子ちゃんはここ数年の中でも、現在反転術式を扱える人の中で才能がある人だった。
凄い同級生三人に、私は自分が中途半端で落ちこぼれで、何度も情けなさに心が折れかけた。
それでも追い付きたくて、必死に置いていかれぬように走り続けていたが、天才と凡人じゃどんなに努力しても届かない。
諦めろと、もう一人の自分が言った。
一緒に並ばなくても、もういいだろと言った。
なのに
私は諦められず、必死に追い付こうとして、情けなさに何度も涙を流した。
「お前本っっ当に、才能ねぇわ」
「死ぬのが嫌ならさっさと術師辞めろよ」
「邪魔」
何度も五条くんに、任務の度に怒られた。
掠り傷や擦り傷が多いせいで、反転術式は少しずつ要領良く出来るようになっていったが、硝子ちゃんには及ばない。
なぜこんなにも頑張るのか……
なぜこんなにもここに居なきゃいけないのか
自問自答しては情けなさで悔しくなる。
私は、生きていたいだけ。
なら、生きるためだけに頑張ればいいのに
彼らに置いていかれぬように必死なのは?
五条くんの言うとおり、術師にならなくてもいいのに……
ただ
ただ、私はーーー
今日も五条くんに怒られながら
何も言い返せずに、一人隠れて涙を流し
一人で必死に鍛練を続ける。
あとがき
傑連載始めましたーー!!!
頑張ります………っ
君と過ごして愛を育んだ。
当たり前に隣にいることが幸せで
嘘つきな君も
意地悪な君も
弱い君も
優しい君も
正義感がある君も
強い君も
愛しくて
哀しかった。
16歳の春、君と出会った
春、桜が舞う季節に私が入学した特殊な学校。
海を越えて来た東京。
両親から離れ、寮生活に不安はあるものの、この学校に通わなければならない理由があった。
昔から見えていたものが、他の人には見えなくて苦労した。
人には見えないのだと理解してからは、とにかくソレらと目を合わせないように必死に見えていないフリをして、危ないときは必死に逃げ回った。
私は見えるが、本職の人のように祓えるわけじゃなく、魔法のようにちょっとした掠り傷を治せる程度。
父の知り合いに、オカルト系に詳しい人がいて、その人に父が相談したところ、違法ではあるが身を護るためだと呪具というナイフを護身用に持たされ、高校はこの学校を勧められた。
中学までは一般のものに通い、見えているのに見えないフリをし、父の知り合いがたまに家に来ては、呪術師としてのいろはを教えてくれた。
初めは胡散臭い組織だと思っていたが、私の目はソレーー呪霊をしっかりと認識しているし、そのせいで何度も危ない目にあった。
呪霊が見えている以上、私は自分の身を守るためにもその危険性を知り、身を守る術を知らなきゃいけなかった。
運動が苦手だったが、その日から合気道をすることに。体力をつけ、呪霊と戦う術を。
そして刃物を扱い方は父の知り合いから。
子供には大きなナイフは持ち辛いが、これがないと私の命に関わるため、それはそれは……必死に頑張った。
初めて出会った教室で、三人の同級生。
背の高い男子生徒2人。
一人は目立ちそうな白髪にサングラスの人。
一人はきっちりまとめたお団子ヘアーで細目の人。
同じくらいのボブショートの似合う、女子生徒。
教室には4つしか机が無くて、廊下側に女子生徒。
その隣にサングラスさん。
その隣にお団子さん。
窓側が1つ空いていたので、そこに鞄を置いた。
「初めまして」
「は、じめ…まして…」
「声ちっせ」
「ごっ、ごめんなさい…」
お団子さんににこりと微笑まれて挨拶を返したら、サングラスさんにボソッと言われて反射的に謝ってしまう。
何か気に触ったのか、ジロリとサングラスさんに見られて居心地が悪くなる。
「お前どっから来たんだよ」
「えっと……北海道…」
「うわっ、遠っ」
「何でこっち来たわけ」
「ち、父の知り合いから勧められて…」
「ビクビクしてねーで普通に話せよ」
「ごっ、ごめんなさい」
「悟、言い方がきついぞ」
入学早々、メンタルがボロボロになった。
しかし、私のメンタルをボロボロどころか、粉々にする出来事がこの後にあった。
入学早々だが、早速簡単な任務だと都内の廃ビルに担任に連れられ、そのまま中の呪霊を祓えと放り込まれた。
「私治療専門だから」
はーい、と廃ビルの中で呑気に手を上げる女子生徒。
「反転術式扱えんの?」
「戦闘は専門外」
「まじかよ。お前は?」
「知り合いから呪具は持たされたけど……」
「けど?」
「闘ったことは無い、です」
「は?お前今までどうやって来たんだよ」
「ずっと、見えないフリして逃げてた…」
「はぁ!?
お前才能無いならさっさと術師辞めろよ」
容赦無い言葉に、体が強ばる。
出来ることなら、私だってやりたくはない。
何で好んで、こんなことしなきゃならないんだと常々思っているのだから。
けど、やらなきゃ殺られる。
それは嫌だった。
ちらちらと囲うように現れた呪霊。
呪具のナイフを手に持ち、構える。
「ビビりは引っ込んでろよ」
「……死にたくないので」
「悟、さっきから弱い者虐めは良くないよ」
「そーいや名前は?
私家入硝子。硝子でいいよ」
「苗字 名前です」
「私は夏油傑だよ。あの虐めっ子は五条悟」
「誰が虐めっ子だよ」
私は自分に才能があると思っていなかったが、
五条くんと夏油くんの強さは別次元だった。
あっという間に討伐を終えた2人。
その後も授業の体術はもちろん、任務も2人はずば抜けた才能があった。
中途半端な反転術式を扱える私とは違い、硝子ちゃんはここ数年の中でも、現在反転術式を扱える人の中で才能がある人だった。
凄い同級生三人に、私は自分が中途半端で落ちこぼれで、何度も情けなさに心が折れかけた。
それでも追い付きたくて、必死に置いていかれぬように走り続けていたが、天才と凡人じゃどんなに努力しても届かない。
諦めろと、もう一人の自分が言った。
一緒に並ばなくても、もういいだろと言った。
なのに
私は諦められず、必死に追い付こうとして、情けなさに何度も涙を流した。
「お前本っっ当に、才能ねぇわ」
「死ぬのが嫌ならさっさと術師辞めろよ」
「邪魔」
何度も五条くんに、任務の度に怒られた。
掠り傷や擦り傷が多いせいで、反転術式は少しずつ要領良く出来るようになっていったが、硝子ちゃんには及ばない。
なぜこんなにも頑張るのか……
なぜこんなにもここに居なきゃいけないのか
自問自答しては情けなさで悔しくなる。
私は、生きていたいだけ。
なら、生きるためだけに頑張ればいいのに
彼らに置いていかれぬように必死なのは?
五条くんの言うとおり、術師にならなくてもいいのに……
ただ
ただ、私はーーー
今日も五条くんに怒られながら
何も言い返せずに、一人隠れて涙を流し
一人で必死に鍛練を続ける。
あとがき
傑連載始めましたーー!!!
頑張ります………っ