五条
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「初めまして、悟様。
この度より付き人をさせていただくことになりました名前と申します」
初めて出会った同い年の異性に
儚げで弱々しい姿のそいつに
初めて、胸が高鳴ったことを忘れはしない。
幼少期、俺が怪我をしないようにと、必死に後を追いかけてきたあいつ。
初めて出来た"友達"に、胸を踊らせ公園で遊んだり、秘密の場所へと連れていったり、呪術討伐をしたり、俺ははしゃいでいた。
しかし、あいつはいつも困った顔をして、俺のやることを側で見ているだけだった。
笑うことなどなく、いつも困っている。
駄目です。危ないです。辞めてください。
いつも同じ言葉ばかり。
多少の擦り傷すら泣いて反転術式を使う。
初めは心配してくれているのかと嬉しかったが、自分から報告して親に怒られる姿に、俺の心配ではなく、自分の失態を怖れていたのだと気付いた時にはムカムカとした。
親に言わなきゃわからないのに、1日の出来事を報告し、怒られる姿に、こいつは友達じゃないのだと理解した。
それからは、あいつをわざと撒こうと置いていったり、わざと怪我を隠していたりした。
すると、あいつは親に手酷く叱られていて、泣きそうな顔で罰を受けていた。
「お前馬鹿なの?」
「悟様……今日は、申し訳ありませんでした」
飯抜きにされたあいつの部屋に行けば、深々と畳に頭をつけて謝るあいつ。
今日はむしゃくしゃして呪霊に当たっていたら、かすり傷を付けられた。
まだまだ術式の扱いが不慣れで調整が難しく、ちょっとした油断が招いたことだった。
そろそろと近寄ってきて、腕のかすり傷を治すこいつは治った傷を見て、ほっとした顔を見せた後、目尻を腕で擦る。
泣いているらしく、ごしごしと擦る姿にじっと見つめていれば、またそろそろと下がって頭を下げた。
「お前さ、何でそんな必死に俺に構うの?
親のため?家のため?
監視されてちゃ気分悪ィ」
「それが私の役目ですから」
「監視して付きまとって叱られるのが役目?
それならいらねーよ」
「悟様は将来、呪術界を背負っていくべき尊い存在です。
私はその未来を守るための駒ですから」
「は?
じゃあ俺が死にそうになったら盾にでもなって死ぬのかよ」
「そうですね」
他人事のように話すこいつに、カッと頭に血が上る。
「お前に自分の意思はねーのかよ!!」
「私は悟様のために育てられたのですから」
淡々と話すこいつに腕を振り上げる。
しかし、こいつは避ける素振りすらなく受け入れようとしている。
その姿に苛立ち、振り上げた拳を握り締める。
「悟様の為ならば、私は喜んで盾になります」
「俺はそんなこと望んでいない」
「これが、私の意思です」
その時、初めて笑った姿を見た。
目を細め、慈愛に満ちた儚げな笑顔に、幼き俺はただ立ち尽くした。
それから、撒いたり怪我をしないようにした。
黙って俺の一歩後ろを付いて歩き、平和に過ごせばあいつは穏やかに過ごす。
朝はあいつに起こされ、登校は一歩後ろで歩き、学校ではそれぞれの友達といるが、どこか近い距離に必ず居る。
帰りも一緒で、家に帰れば再び俺の身の回りの世話をする。
何度言っても止める気の無いこいつに、俺はもう勝手にしろとほっとくことにした。
俺が怪我をしなければ、こいつは親に怒られることも罰を受けることもない。
そして、泣くことも。
いつも困った顔をしていたくせに、俺が無茶をしなくなってからは控えめに笑うことが増えた。
中学も同じ学校で、一歩後ろを歩くあいつは俺の金魚の糞だと言われる一方で、大和撫子のようだと囁かれているのを知っている。
黙って控えめに笑う姿は、確かに男心を擽るものがあるのだろう。違うクラスの奴や、年上などから告白されるたびに断るため、俺と付き合っていると思い込んでいる奴が多い。
「お前、今日も告られてたろ」
「お断りしましたよ」
「ふーん」
「私は悟様のですから」
「あっそ」
「悟様も女子生徒から好意を寄せられていますよね」
「俺モテモテだからな」
「そうですね」
「モテモテだからって妬くなよ」
「悟様が本気になった時は心を痛めるかもしれません」
「どーだか」
最近気付いた事がある。
こいつは、本当に俺への忠誠が高く若干信教している部分がある。
普段は物静かで儚げなのに、俺のことに関してだいたいのことを知っている。
中学に入り、この見た目から女子が寄り付いて過激な女もいてあしらっていたのだが、それらを黙らせたのはこいつだ。
こいつが嫌がらせの類いをされているのは知っていたが、ある日ピタリと嫌がらせも俺への付きまといも止まった。
何をしたのかは俺も知らないが、大人しくなった女子達に、にこりとこいつが微笑むと逃げられた。
本当に何やったんだこいつ。
そして、呪霊討伐をちょくちょく手伝うようになってからは必ずこいつが同行した。
基本的には俺が祓って、雑魚や取り零したものを刀の呪具で的確に祓う姿は逞しい。
「悟様、お怪我は?」
「無い」
「嘘じゃないですよね?」
「ねぇよ」
「なら、良かったです」
怪我をすれば目尻に涙を浮かべるので、できる限り怪我をしないようにしている。
これも最近気付いたことだが、親に罰を受けても泣かないくせに、俺が怪我をすれば泣くため、実はこいつめちゃくちゃ俺のこと好きなのかと思ったりもする。
「お前さー」
「はい?」
「俺のこと好きなの?」
きょとん、と目を丸くしてこちらを見上げる姿。
初めてみる顔に少しだけドキリとしたが、興味本位で聞くんじゃなかったと思う。
「悟様のことお慕いしていますよ」
「あー、はいはい」
「初めてお見かけした時、こんな綺麗な人がこの世にいるんだと、衝撃を受けたことを今でも忘れられません」
「そーかよ」
「貴方の為ならば、この命惜しくないと思えるくらいの衝撃でしたから」
「馬鹿馬鹿しい。
そんなことで命掛けんなよ」
「私の命ですから私の好きなものの為に使いたいのです」
「お前さー、本当に俺のこと好きなら俺のために生きようとか思わないの?」
「この想いが下心からくるものでも、悟様と恋仲になりたいわけじゃありません」
「………は?」
聞き間違いかと見れば、ふわりと綻ぶように笑うこいつに、思考が止まる。
「いつか別れのあるものより、確実にお側にいられる方法を選んだだけですから」
「………は?お前……俺のこと好きなの?」
「お慕いしておりますよ」
「はぁ!?」
親から言われたから義務として側に居ると思っていたのに…まさか、本当に好かれているとは思わず、声を上げる。
途端に、こいつの今までの行動が全て好意からくるものだと思うと、かっと頬が熱くなる。
「悟様?」
「こっち見んな!!」
今後、こいつとの付き合い方をどうしようかと頭を悩ませることになるのだが、好意を持っているくせに付き人第一な姿勢のこいつに、どうにかなりたいかより、離れていかないならこのままでいいかと思うように。
あとがき
短い。さーせん。
エッチくしようか、ヤンデレか悩んで
中途半端(笑)
この度より付き人をさせていただくことになりました名前と申します」
初めて出会った同い年の異性に
儚げで弱々しい姿のそいつに
初めて、胸が高鳴ったことを忘れはしない。
幼少期、俺が怪我をしないようにと、必死に後を追いかけてきたあいつ。
初めて出来た"友達"に、胸を踊らせ公園で遊んだり、秘密の場所へと連れていったり、呪術討伐をしたり、俺ははしゃいでいた。
しかし、あいつはいつも困った顔をして、俺のやることを側で見ているだけだった。
笑うことなどなく、いつも困っている。
駄目です。危ないです。辞めてください。
いつも同じ言葉ばかり。
多少の擦り傷すら泣いて反転術式を使う。
初めは心配してくれているのかと嬉しかったが、自分から報告して親に怒られる姿に、俺の心配ではなく、自分の失態を怖れていたのだと気付いた時にはムカムカとした。
親に言わなきゃわからないのに、1日の出来事を報告し、怒られる姿に、こいつは友達じゃないのだと理解した。
それからは、あいつをわざと撒こうと置いていったり、わざと怪我を隠していたりした。
すると、あいつは親に手酷く叱られていて、泣きそうな顔で罰を受けていた。
「お前馬鹿なの?」
「悟様……今日は、申し訳ありませんでした」
飯抜きにされたあいつの部屋に行けば、深々と畳に頭をつけて謝るあいつ。
今日はむしゃくしゃして呪霊に当たっていたら、かすり傷を付けられた。
まだまだ術式の扱いが不慣れで調整が難しく、ちょっとした油断が招いたことだった。
そろそろと近寄ってきて、腕のかすり傷を治すこいつは治った傷を見て、ほっとした顔を見せた後、目尻を腕で擦る。
泣いているらしく、ごしごしと擦る姿にじっと見つめていれば、またそろそろと下がって頭を下げた。
「お前さ、何でそんな必死に俺に構うの?
親のため?家のため?
監視されてちゃ気分悪ィ」
「それが私の役目ですから」
「監視して付きまとって叱られるのが役目?
それならいらねーよ」
「悟様は将来、呪術界を背負っていくべき尊い存在です。
私はその未来を守るための駒ですから」
「は?
じゃあ俺が死にそうになったら盾にでもなって死ぬのかよ」
「そうですね」
他人事のように話すこいつに、カッと頭に血が上る。
「お前に自分の意思はねーのかよ!!」
「私は悟様のために育てられたのですから」
淡々と話すこいつに腕を振り上げる。
しかし、こいつは避ける素振りすらなく受け入れようとしている。
その姿に苛立ち、振り上げた拳を握り締める。
「悟様の為ならば、私は喜んで盾になります」
「俺はそんなこと望んでいない」
「これが、私の意思です」
その時、初めて笑った姿を見た。
目を細め、慈愛に満ちた儚げな笑顔に、幼き俺はただ立ち尽くした。
それから、撒いたり怪我をしないようにした。
黙って俺の一歩後ろを付いて歩き、平和に過ごせばあいつは穏やかに過ごす。
朝はあいつに起こされ、登校は一歩後ろで歩き、学校ではそれぞれの友達といるが、どこか近い距離に必ず居る。
帰りも一緒で、家に帰れば再び俺の身の回りの世話をする。
何度言っても止める気の無いこいつに、俺はもう勝手にしろとほっとくことにした。
俺が怪我をしなければ、こいつは親に怒られることも罰を受けることもない。
そして、泣くことも。
いつも困った顔をしていたくせに、俺が無茶をしなくなってからは控えめに笑うことが増えた。
中学も同じ学校で、一歩後ろを歩くあいつは俺の金魚の糞だと言われる一方で、大和撫子のようだと囁かれているのを知っている。
黙って控えめに笑う姿は、確かに男心を擽るものがあるのだろう。違うクラスの奴や、年上などから告白されるたびに断るため、俺と付き合っていると思い込んでいる奴が多い。
「お前、今日も告られてたろ」
「お断りしましたよ」
「ふーん」
「私は悟様のですから」
「あっそ」
「悟様も女子生徒から好意を寄せられていますよね」
「俺モテモテだからな」
「そうですね」
「モテモテだからって妬くなよ」
「悟様が本気になった時は心を痛めるかもしれません」
「どーだか」
最近気付いた事がある。
こいつは、本当に俺への忠誠が高く若干信教している部分がある。
普段は物静かで儚げなのに、俺のことに関してだいたいのことを知っている。
中学に入り、この見た目から女子が寄り付いて過激な女もいてあしらっていたのだが、それらを黙らせたのはこいつだ。
こいつが嫌がらせの類いをされているのは知っていたが、ある日ピタリと嫌がらせも俺への付きまといも止まった。
何をしたのかは俺も知らないが、大人しくなった女子達に、にこりとこいつが微笑むと逃げられた。
本当に何やったんだこいつ。
そして、呪霊討伐をちょくちょく手伝うようになってからは必ずこいつが同行した。
基本的には俺が祓って、雑魚や取り零したものを刀の呪具で的確に祓う姿は逞しい。
「悟様、お怪我は?」
「無い」
「嘘じゃないですよね?」
「ねぇよ」
「なら、良かったです」
怪我をすれば目尻に涙を浮かべるので、できる限り怪我をしないようにしている。
これも最近気付いたことだが、親に罰を受けても泣かないくせに、俺が怪我をすれば泣くため、実はこいつめちゃくちゃ俺のこと好きなのかと思ったりもする。
「お前さー」
「はい?」
「俺のこと好きなの?」
きょとん、と目を丸くしてこちらを見上げる姿。
初めてみる顔に少しだけドキリとしたが、興味本位で聞くんじゃなかったと思う。
「悟様のことお慕いしていますよ」
「あー、はいはい」
「初めてお見かけした時、こんな綺麗な人がこの世にいるんだと、衝撃を受けたことを今でも忘れられません」
「そーかよ」
「貴方の為ならば、この命惜しくないと思えるくらいの衝撃でしたから」
「馬鹿馬鹿しい。
そんなことで命掛けんなよ」
「私の命ですから私の好きなものの為に使いたいのです」
「お前さー、本当に俺のこと好きなら俺のために生きようとか思わないの?」
「この想いが下心からくるものでも、悟様と恋仲になりたいわけじゃありません」
「………は?」
聞き間違いかと見れば、ふわりと綻ぶように笑うこいつに、思考が止まる。
「いつか別れのあるものより、確実にお側にいられる方法を選んだだけですから」
「………は?お前……俺のこと好きなの?」
「お慕いしておりますよ」
「はぁ!?」
親から言われたから義務として側に居ると思っていたのに…まさか、本当に好かれているとは思わず、声を上げる。
途端に、こいつの今までの行動が全て好意からくるものだと思うと、かっと頬が熱くなる。
「悟様?」
「こっち見んな!!」
今後、こいつとの付き合い方をどうしようかと頭を悩ませることになるのだが、好意を持っているくせに付き人第一な姿勢のこいつに、どうにかなりたいかより、離れていかないならこのままでいいかと思うように。
あとがき
短い。さーせん。
エッチくしようか、ヤンデレか悩んで
中途半端(笑)