先輩ifシリーズ
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悟(学生)先輩(大人)の場合
起きたら真っ白な部屋にいた。
しかし、一人ではなく……高専時代の悟。
なぜか部屋の隅でじっと此方を見てしゃがんでいる。
「悟?」
「………念のため聞くけど、名前?」
「うん。
悟は高専…1年?2年?」
「1年」
何となく負けて勝負を挑んできていた
あの尖った頃に似ていたが
もう10年ほど引っ付かれているため
この刺々しい反応が懐かしい。
ベッドに寝ていたらしい私は
キョロキョロと回りを見渡すが
ドアは一つだけ。
おもむろにドアノブを触るが
ガチャガチャ音が鳴るだけで
鍵がかかっているらしく、開くことはない。
ちらり、と悟を見れば
どこか気まずそうにしている。
「悟」
「………なんだよ」
「ここ、何か知ってる?」
「知らね。起きたらベッドで寝てたし
視ても残穢無いし、術式も使えねぇ」
「あら、詰んだね」
「呑気すぎね?」
「一緒に居るのが悟だからね」
わけもわからない部屋の中
これが知り合いだったとしたら
多少は焦ったかもしれないが
高専の悟とはいえ、悟であることに変わりはない。
悟は目を見開き
そしてぷいっとそっぽを向いてしまう。
照れているのだろうが
本人は素っ気ない態度で此方を見ようとしないが
気付いていないのだろう。
耳が赤くなっている。
そんな初々しくも、可愛らしい悟に
私は場違いだがくすくすと笑ってしまった。
「悟の術式で無理なら
どーしたら出れるんだか」
「……おい」
「どうかした?」
「何で、名前…」
「あ、まだ私に勝てて無い頃なんだ?」
「うるさい」
「悟は強くなるよ。
私が必死に追いかけなきゃいけないくらい」
負けることを知らなかった悟の鼻を
へし折ったのは私だ。
だからこそ、今追いかけてくれている悟が
懐かしく思えてしまうほど
私は年を取ったのかと思えてしまう。
「………これ」
「ん?なぁに?」
「自分で読め」
くしゃりとなった紙を投げてくる。
キャッチして広げてみれば
『セックスしなきゃ出れない部屋』
と、書いてあった。
一度悟を見れば、じーっと此方を見ている。
再び紙に視線を戻せば
やはり書いてあることは同じだった。
「あらま」
「あらま……じゃねーし!!!
もっと何か反応あるだろ!!」
「浮気になるのかな?これ」
「俺が知るか!!………はぁ!?
お前結婚してんのかよ!!?」
「ははっ、忙しいね、悟」
「呑気かよ!!」
怒ったり、驚いたり。
今の悟も喜怒哀楽が激しいが
こんな騒がしくツッコミを入れることはない。
冷静にツッコんでくるので
その分大人になったんだなぁ……と思ってしまう。
先ほどから部屋の隅から動かず
借りてきた猫のような悟に近付けば
ビクリとして、警戒を露にする。
そんな反応されたことがないため
何だか楽しくなってきて
じりじり近寄れば
その分後ろは壁なのに
下がろうとしていて面白い。
「ふふっ、ほーら、おいでおいで」
「犬猫じゃないんだけど」
「悟にそんな反応されるって新鮮だなぁ」
「は?いつもの俺ってどんなのだよ」
「………発情期の犬?」
「何だよそれ」
「引っ付き虫の甘えん坊だよ」
「嘘だろ」
じとりと、サングラスの奥で疑う瞳に
嘘じゃないんだけどな、と笑ってしまう。
引っ付かれることにも、甘えられることにも
慣れてしまっているため
どうしようかと思案する。
「悟、ほらおいでって」
「近寄んな」
「怖くないよー」
「動物扱い止めろ」
セックス云々の前に、この警戒心を
解くことから始めなければいけないらしい。
手強そうだな、なんて考えつつも
どれくらいで懐いてくれるかな?と
甘やかす方法は何にしようか、と
どこか楽しんでいる自分がいた。
悟(大人)先輩(高専2年)の場合
「おーい、起きてよ名前」
「………んっ、!?」
「あっぶなー」
寝起きで黒い目隠しした人間が
覗き込んでいたため、問答無用で目潰ししたら
簡単に腕を捕まれた。
捕まれた腕を引こうとしたが
がっちりと捕まれているため
足で蹴ろうとしたら
先に膝を乗せられて動けない。
キッと睨み付ければ
キョトンとしたあと
にやりと笑いだす。
「駄目だよ。すぐに手足出すなんて悪い子だな」
「誰」
「えー?わかんない?
ってゆーか、名前今何歳?
高専2年くらい?懐かしー」
「離して」
「うっわー
名前に敵意向けられるってすごい新鮮」
「退いてくれない?不審者さん」
「………新鮮だけど悲しくなってきたなぁ」
なぜか名前を知っていて
私のことを知っているような口ぶりだが
私はこのような不審者と一回も会ったことがない。
掴んでいた腕を離し
足に乗っていた膝も退けて
ベッドから離れて壁側に行く不審者。
壁に寄りかかり
腕を組んでこちらを見るその人。
「まず、ここは僕にもどこかわかんない。
僕の術式でも部屋は壊れなかったし
鍵がかかっていて出られない」
「貴方が誘拐したんじゃないの?」
「名前を誘拐してどうするのさ。
監禁はしたいけど、誘拐はしないよ」
「…………」
「はい、こいつヤバいって顔しない」
「馴れ馴れしいけど、まず貴方はどちら様?
私の記憶の中に目隠しした不審者は
知り合いにいないんだけど」
「えー?まじでわかんないの?
悟だよ。五条悟」
「五条くんは不審者じゃないよ」
「僕、10年後の五条悟」
ほら、と目隠しを首もとに下げれば
どうなっていたのか
逆立っていた髪はさらさらと落ち
綺麗な水色の瞳に、綺麗な顔。
確かに大人になった五条悟と言われても
理解は出来るが、納得は出来ない。
苦虫を噛み潰したように
眉間にシワを寄せて
表情を歪ませれば
くすくすと笑いだす自称五条くん。
「ほら、見覚えあるでしょ?」
「………私の知ってる五条くんは
そんな馴れ馴れしくない」
「まだ名前に堕ちる前だからだろ?
そのうちうざいくらい引っ付き回るから
今のうちに慣れときなよ」
「は?」
「うーん……いつも可愛がって貰ってたから
こんな塩対応がすごい胸にくる」
「………」
「警戒してるところ悪いけど
はい、これ読んでみて」
ぽいっと投げられた紙くず。
広げてみれば
『セックスしなきゃ出れない部屋』
と、書かれていたため
再びくしゃりと丸める。
「そーゆー部屋らしいよ?」
「断る」
「だよね」
けらけら笑いだす五条くん。
未来の彼とはいえ、いつもの五条くんと
違う彼を同じ人物だと結びつけるのは難しい。
ベッドから降りて、
なるべく彼から距離を置く。
「そーゆー反応傷つくなぁ」
「ごめんなさいね?
いくら出るためとはいえ
五条悟くんだったとしても
簡単にどーぞ、とは差し出せない」
「手強いなぁ」
面倒だ、という表情をしている彼。
「無理矢理する趣味は無いんだけど」
「ヤろうとしたらその物千切り取ってやる」
「んー…僕、名前のこと愛してるけど
そこまで敵対心持たれるとちょっとヤダな」
「愛してる?
面倒だ、って顔をしておいてよく言うよ」
「愛してるよ。
僕を可愛がって、甘やかして
僕が大好きって言ってくれる名前が」
「………どこの名前さんですかね?」
「だから、僕を嫌がる名前は
少し新鮮で面白いって思う反面
僕を拒否するならいらないって思うんだ」
手折ってやりたくなる、と
にやりと笑みを深くする姿に
ぞくりとした。
優しそうに笑ってはいるが
瞳の奥では笑っていない。
「脅してるわけじゃないよ?」
「嫌な人」
「うん。けど、その僕を好きだって
言ってくれるのは名前だから」
「私血迷ったの?」
「かもしれないね。
まぁ、逃がす気なんて無いんだけど」
にやりと笑ってこちらに歩み寄る五条悟に
殺気を交えて睨み付ける。
「いつもは名前が甘やかしてくれてるけど
今日は僕が名前を可愛がってあげるよ」
「捕まれ、不審者」
「残念。未来の旦那だよ」
「近寄るな、触るな、話すな」
「ひっど」
にやにやしながら
少しの距離を開けて
手を広げている男に
毛を逆立てている猫のように
威嚇する私。
「時間もあるし稽古付けてあげようか?」
「ふざけんな」
「ははっ、懐柔してあげる」
楽しそうに笑う男相手に
私は急所を狙いに行くのだが
彼は楽しそうに、余裕そうに避けるのだった。
あとがき
どっちも手懐けるところから始める(笑)
悟(大人)の場合は事案www
起きたら真っ白な部屋にいた。
しかし、一人ではなく……高専時代の悟。
なぜか部屋の隅でじっと此方を見てしゃがんでいる。
「悟?」
「………念のため聞くけど、名前?」
「うん。
悟は高専…1年?2年?」
「1年」
何となく負けて勝負を挑んできていた
あの尖った頃に似ていたが
もう10年ほど引っ付かれているため
この刺々しい反応が懐かしい。
ベッドに寝ていたらしい私は
キョロキョロと回りを見渡すが
ドアは一つだけ。
おもむろにドアノブを触るが
ガチャガチャ音が鳴るだけで
鍵がかかっているらしく、開くことはない。
ちらり、と悟を見れば
どこか気まずそうにしている。
「悟」
「………なんだよ」
「ここ、何か知ってる?」
「知らね。起きたらベッドで寝てたし
視ても残穢無いし、術式も使えねぇ」
「あら、詰んだね」
「呑気すぎね?」
「一緒に居るのが悟だからね」
わけもわからない部屋の中
これが知り合いだったとしたら
多少は焦ったかもしれないが
高専の悟とはいえ、悟であることに変わりはない。
悟は目を見開き
そしてぷいっとそっぽを向いてしまう。
照れているのだろうが
本人は素っ気ない態度で此方を見ようとしないが
気付いていないのだろう。
耳が赤くなっている。
そんな初々しくも、可愛らしい悟に
私は場違いだがくすくすと笑ってしまった。
「悟の術式で無理なら
どーしたら出れるんだか」
「……おい」
「どうかした?」
「何で、名前…」
「あ、まだ私に勝てて無い頃なんだ?」
「うるさい」
「悟は強くなるよ。
私が必死に追いかけなきゃいけないくらい」
負けることを知らなかった悟の鼻を
へし折ったのは私だ。
だからこそ、今追いかけてくれている悟が
懐かしく思えてしまうほど
私は年を取ったのかと思えてしまう。
「………これ」
「ん?なぁに?」
「自分で読め」
くしゃりとなった紙を投げてくる。
キャッチして広げてみれば
『セックスしなきゃ出れない部屋』
と、書いてあった。
一度悟を見れば、じーっと此方を見ている。
再び紙に視線を戻せば
やはり書いてあることは同じだった。
「あらま」
「あらま……じゃねーし!!!
もっと何か反応あるだろ!!」
「浮気になるのかな?これ」
「俺が知るか!!………はぁ!?
お前結婚してんのかよ!!?」
「ははっ、忙しいね、悟」
「呑気かよ!!」
怒ったり、驚いたり。
今の悟も喜怒哀楽が激しいが
こんな騒がしくツッコミを入れることはない。
冷静にツッコんでくるので
その分大人になったんだなぁ……と思ってしまう。
先ほどから部屋の隅から動かず
借りてきた猫のような悟に近付けば
ビクリとして、警戒を露にする。
そんな反応されたことがないため
何だか楽しくなってきて
じりじり近寄れば
その分後ろは壁なのに
下がろうとしていて面白い。
「ふふっ、ほーら、おいでおいで」
「犬猫じゃないんだけど」
「悟にそんな反応されるって新鮮だなぁ」
「は?いつもの俺ってどんなのだよ」
「………発情期の犬?」
「何だよそれ」
「引っ付き虫の甘えん坊だよ」
「嘘だろ」
じとりと、サングラスの奥で疑う瞳に
嘘じゃないんだけどな、と笑ってしまう。
引っ付かれることにも、甘えられることにも
慣れてしまっているため
どうしようかと思案する。
「悟、ほらおいでって」
「近寄んな」
「怖くないよー」
「動物扱い止めろ」
セックス云々の前に、この警戒心を
解くことから始めなければいけないらしい。
手強そうだな、なんて考えつつも
どれくらいで懐いてくれるかな?と
甘やかす方法は何にしようか、と
どこか楽しんでいる自分がいた。
悟(大人)先輩(高専2年)の場合
「おーい、起きてよ名前」
「………んっ、!?」
「あっぶなー」
寝起きで黒い目隠しした人間が
覗き込んでいたため、問答無用で目潰ししたら
簡単に腕を捕まれた。
捕まれた腕を引こうとしたが
がっちりと捕まれているため
足で蹴ろうとしたら
先に膝を乗せられて動けない。
キッと睨み付ければ
キョトンとしたあと
にやりと笑いだす。
「駄目だよ。すぐに手足出すなんて悪い子だな」
「誰」
「えー?わかんない?
ってゆーか、名前今何歳?
高専2年くらい?懐かしー」
「離して」
「うっわー
名前に敵意向けられるってすごい新鮮」
「退いてくれない?不審者さん」
「………新鮮だけど悲しくなってきたなぁ」
なぜか名前を知っていて
私のことを知っているような口ぶりだが
私はこのような不審者と一回も会ったことがない。
掴んでいた腕を離し
足に乗っていた膝も退けて
ベッドから離れて壁側に行く不審者。
壁に寄りかかり
腕を組んでこちらを見るその人。
「まず、ここは僕にもどこかわかんない。
僕の術式でも部屋は壊れなかったし
鍵がかかっていて出られない」
「貴方が誘拐したんじゃないの?」
「名前を誘拐してどうするのさ。
監禁はしたいけど、誘拐はしないよ」
「…………」
「はい、こいつヤバいって顔しない」
「馴れ馴れしいけど、まず貴方はどちら様?
私の記憶の中に目隠しした不審者は
知り合いにいないんだけど」
「えー?まじでわかんないの?
悟だよ。五条悟」
「五条くんは不審者じゃないよ」
「僕、10年後の五条悟」
ほら、と目隠しを首もとに下げれば
どうなっていたのか
逆立っていた髪はさらさらと落ち
綺麗な水色の瞳に、綺麗な顔。
確かに大人になった五条悟と言われても
理解は出来るが、納得は出来ない。
苦虫を噛み潰したように
眉間にシワを寄せて
表情を歪ませれば
くすくすと笑いだす自称五条くん。
「ほら、見覚えあるでしょ?」
「………私の知ってる五条くんは
そんな馴れ馴れしくない」
「まだ名前に堕ちる前だからだろ?
そのうちうざいくらい引っ付き回るから
今のうちに慣れときなよ」
「は?」
「うーん……いつも可愛がって貰ってたから
こんな塩対応がすごい胸にくる」
「………」
「警戒してるところ悪いけど
はい、これ読んでみて」
ぽいっと投げられた紙くず。
広げてみれば
『セックスしなきゃ出れない部屋』
と、書かれていたため
再びくしゃりと丸める。
「そーゆー部屋らしいよ?」
「断る」
「だよね」
けらけら笑いだす五条くん。
未来の彼とはいえ、いつもの五条くんと
違う彼を同じ人物だと結びつけるのは難しい。
ベッドから降りて、
なるべく彼から距離を置く。
「そーゆー反応傷つくなぁ」
「ごめんなさいね?
いくら出るためとはいえ
五条悟くんだったとしても
簡単にどーぞ、とは差し出せない」
「手強いなぁ」
面倒だ、という表情をしている彼。
「無理矢理する趣味は無いんだけど」
「ヤろうとしたらその物千切り取ってやる」
「んー…僕、名前のこと愛してるけど
そこまで敵対心持たれるとちょっとヤダな」
「愛してる?
面倒だ、って顔をしておいてよく言うよ」
「愛してるよ。
僕を可愛がって、甘やかして
僕が大好きって言ってくれる名前が」
「………どこの名前さんですかね?」
「だから、僕を嫌がる名前は
少し新鮮で面白いって思う反面
僕を拒否するならいらないって思うんだ」
手折ってやりたくなる、と
にやりと笑みを深くする姿に
ぞくりとした。
優しそうに笑ってはいるが
瞳の奥では笑っていない。
「脅してるわけじゃないよ?」
「嫌な人」
「うん。けど、その僕を好きだって
言ってくれるのは名前だから」
「私血迷ったの?」
「かもしれないね。
まぁ、逃がす気なんて無いんだけど」
にやりと笑ってこちらに歩み寄る五条悟に
殺気を交えて睨み付ける。
「いつもは名前が甘やかしてくれてるけど
今日は僕が名前を可愛がってあげるよ」
「捕まれ、不審者」
「残念。未来の旦那だよ」
「近寄るな、触るな、話すな」
「ひっど」
にやにやしながら
少しの距離を開けて
手を広げている男に
毛を逆立てている猫のように
威嚇する私。
「時間もあるし稽古付けてあげようか?」
「ふざけんな」
「ははっ、懐柔してあげる」
楽しそうに笑う男相手に
私は急所を狙いに行くのだが
彼は楽しそうに、余裕そうに避けるのだった。
あとがき
どっちも手懐けるところから始める(笑)
悟(大人)の場合は事案www