先輩シリーズ (五条)
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「名前、危ない!!」
「………え?」
ボフンッと音がしたと共に
領域内に入った呪霊を祓う。
「何これ……」
「おい、大丈夫か!!怪我と………か………」
「大和?」
「………名前、絶対絶対絶対五条に会うな」
「は?」
「お願いだから会わないで」
「なに?無理だよ。
今日出張から戻って来るはずだし」
「お願い!!お願いだから!!!」
土下座までして頼む大和に
何事かと頭を傾げれば泣かれた。
しゃがみこんでどうしたのかと聞こうとしたら
ゆらりと何かが視界に映る。
じっと見ていれば、黒い細長い尻尾。
がしっと掴み引っ張れば
身体全体に痺れが走る。
「いっ!?」
「ごめんなさい……まじごめんなさい……。
俺五条に殺られる……」
「え、まさかっ」
頭を触ればピンっと立ったふわふわな耳。
無言でもふもふと耳を触り
その手で顔を覆う。
「どこ逃げよう…」
「任務長引いたってことにして
二人で隠れようぜ……」
「けど、硝子に診てもらわなきゃ
どうなってるのか自分じゃわからないし…」
「一度高専帰って診てもらってから
どこかに逃げるか……」
「その時に悟と会ったら終わる」
「俺の人生も終わる」
ずーん、と二人揃って地面に項垂れる。
「30手前で猫耳はきつい……」
「五条なら喜んで抱き潰すだろ」
「それはそれで困る」
「俺血祭り」
「辛い……諸々辛い」
「………けどさ、今考えたら
逃げた方がやばくね?」
「………だね」
二人の脳裏には、逃げたら逃げたで
猫耳姿を見た自分以外の人間がいて
自分は見れなかったことに盛大な文句を
言うだろう。
それだけにおさまらず、満足いくまで
彼の言うお願いを聞かなければならない。
その場合、逃げた後のお願いの方が
めちゃくちゃ面倒なのだ。
「………最悪、名前を差し出せば
俺は半殺しで済むと思う」
「私を売る気?」
「頑張れ!!1日使い物にならなくても
五条が代わりに頑張ってくれるから
問題なし!!」
「私が血祭りに上げてやろうか?
大和が取りこぼしたもので
厄介なことになったんだから」
「それはまじですまんと思ってる」
「悟からまじビンタ受けてしまえ」
「頬無くなるじゃん」
二人で地面に座っているわけにもいかず
渋々高専へと戻ることに。
補助監督の新田が名前の姿を見て
目を見開いた後、叫んでいた。
「一先ず命に問題無いし、時間が経てば
元に戻ると思いますよ」
「そーゆーパターンか」
「一番いいのは、五条に見てもらえば
確実なんだけど………」
「あああああ………憂鬱でしかない」
悟の目があれば、確実な原因を解決出来るのは
わかっているのだが、それと羞恥心は
別物である。
両手で顔を覆い、年下の硝子に見せることすら
年上の立場やら諸々が崩れ落ちる気がして
診察の終わった今はもう消えてしまいたい。
「名前先輩」
「………なに、硝子」
顔を上げた瞬間
カシャシャシャシャシャと連写音。
そしてスマホ片手にこちらを見ている硝子。
「写真撮っていいですか」
「………撮ってんじゃん」
「ありがとうございます」
「硝子?消して?」
「嫌です。私のです」
「硝子!?」
「こんな可愛い名前先輩を残しておかず
目に焼き付けるだけじゃ足りません」
「この子何言ってんの!?」
「硝子、昔からそーゆーとこあるよな」
「名前先輩が大好きなんです」
「それで許されると思わないでよ、硝子」
楽しそうにスマホを眺める硝子。
しかし、あ、と一言溢すと
此方を見てきた。
「名前先輩、スマホ見ました?」
「あー、コレのせいでバタバタしてて…」
「最初に言っておきますが、私じゃないですよ」
「は?」
「はい」
硝子に見せられた某アプリには
悟から次々連絡が入る。
"どーゆーこと?"
"コレどうなってんの?"
"名前と連絡つかない"
"合成じゃないよね?"
"こんなことしたの誰だよ"
"見たやつ殺す"
"捕獲しておいて"
"写真もよろしく"
"出来次第でいい酒贈るよ"
貼り付けられた写真は、
多分高専に着いてからのもの。
カメラと視線は合ってないが
バッチリ全身が映っている耳と尻尾。
そろそろと、スマホを見れば
通知と電話が鳴り止まない。
「………逃げよう」
「名前、手遅れだと思う。
硝子に"今すぐ戻る"って………」
「え、跳んでくる?跳んで来ちゃう?」
「名前先輩、諦めた方がいいかと」
「私悪いわけじゃないのに!!」
ガタッと医務室の扉音に、ビクリとして
思わず医務室の窓から飛び出そうと
鍵を開けて足を掛ける。
ガラガラと開けられた音に
窓から飛び出せば
ボスリッと、何かがお腹に巻き付いて
抱き直される。
「うわぁ、まじで猫耳と尻尾じゃん」
「…………え?」
「硝子、これ大丈夫なの?」
「私が見た感じだと、呪いによる傷じゃないし
反転術式も効かないから
時間が経てば元通りになるさ」
「んー…根元しっかりくっついてるけど
確かに時間が経てば消えそう」
「画像送っておいたから酒」
「サンキュ。あ、大和」
「………はい」
「今回は許すけど、次があった場合
お前覚悟しろよ」
「………はい」
「伊地知、後よろしくね」
呆然としたまま片手で抱かれて
医務室から離れていく名前。
扉を開けたのは伊地知だった。
ゆっくりと、大和が伊地知を見る。
「………伊地知、どーゆーこと?」
「すいません……私が丁度五条さんと電話中に
名前さんを見かけて驚いてしまって…
五条さんが証拠を見せろと低い声で…」
「あの写真伊地知だったのか」
「名前さんは連絡つかないし
家入さんに連絡したら
医務室に居ると知って任務も終わっていたので
跳んできたみたいです」
「………まじかよ」
「『名前が知ったら絶対逃げようとするから
伊地知、医務室のドア開けて普通に入って』
と言われたから入ったら……」
「行動先読みした五条が
外で待機してたってわけか」
「学生時代から名前先輩
そーゆーとこ変わらないよな」
「五条から逃げても先読みされるのにな」
「多分気付いて無いんですよ。
名前さんに発信器着けてること」
「「………は?」」
伊地知の思わぬ発言に、硝子と大和が
伊地知を見つめる。
「………私何かおかしなこと言いました?」
「発信器って………おま、嘘だろ?」
「本人が言ってましたよ。
名前さんは知らないだろうけれど
贈った品物の中に発信器仕込んでいるから
何処にいても居場所はわかるって」
「あいつ何してんだ」
「逃げることは無いだろうけど
万が一のことがあったら困る、と」
「………こっわ。五条こっっわ!!!!」
「名前先輩
結婚する相手間違えたんじゃないか?」
「………五条の執着心ナメてたわ」
知りたくなかった情報を知り
連れ去られた名前の身を心配する
大和と硝子。
伊地知は余計なことを言ってしまったかと
ドキドキしていた。
一方、高専の敷地内を大股で歩き
五条の執務室へと連れてこられた名前。
高級な椅子に腰掛け
その膝の上に乗せられ
もにゅもにゅと耳を弄くられている。
「………あの、悟」
「何で連絡くれなかったの?」
「それどころじゃなかったよ…」
「だろうね。
本物みたいにフワフワだ、これ」
「くすぐったいから離してほしいなぁ…」
「駄目。逃げようとしたでしょ」
「………三十路手前の女が猫耳に尻尾つけて
歩き回れ無いでしょ」
「可愛いよ」
つむじにぐりぐりと頭を擦り付けてくる悟。
いつもの黒い目隠しを首の方へ降ろせば
にっ、と悪戯っ子のように笑う。
「今日何の日かわかる?」
「は?いきなりなに?」
「2月22日。猫の日なんだって」
「へー」
「出張で疲れた僕を癒してもらおうと
猫耳と首輪買って来たんだけど
いらなかったね」
「………何言ってんのカナ?」
「名前で遊ぼうと思って」
「待って。おかしい。落ち着こう」
「伊地知に任せたから
今日僕時間あるんだ。
今から帰って楽しもうか」
「!?」
がっちりと捕らえられた腰。
逃げようとしても逃げられず
悟を見ればにぃっと、悪い笑みを浮かべる。
「俺から逃げられると思ってんの?」
がぶりと、食べられた唇。
どうやら私に拒否権は元から無かったらしい。
あとがき
にゃんこの日。
とゆーわけで、悟くんは封印されてません。
無視だ無視。
にゃんにゃんされてるとこは
ちょっと私の力量では無理です。
先輩シリーズは健全ですから。
「………え?」
ボフンッと音がしたと共に
領域内に入った呪霊を祓う。
「何これ……」
「おい、大丈夫か!!怪我と………か………」
「大和?」
「………名前、絶対絶対絶対五条に会うな」
「は?」
「お願いだから会わないで」
「なに?無理だよ。
今日出張から戻って来るはずだし」
「お願い!!お願いだから!!!」
土下座までして頼む大和に
何事かと頭を傾げれば泣かれた。
しゃがみこんでどうしたのかと聞こうとしたら
ゆらりと何かが視界に映る。
じっと見ていれば、黒い細長い尻尾。
がしっと掴み引っ張れば
身体全体に痺れが走る。
「いっ!?」
「ごめんなさい……まじごめんなさい……。
俺五条に殺られる……」
「え、まさかっ」
頭を触ればピンっと立ったふわふわな耳。
無言でもふもふと耳を触り
その手で顔を覆う。
「どこ逃げよう…」
「任務長引いたってことにして
二人で隠れようぜ……」
「けど、硝子に診てもらわなきゃ
どうなってるのか自分じゃわからないし…」
「一度高専帰って診てもらってから
どこかに逃げるか……」
「その時に悟と会ったら終わる」
「俺の人生も終わる」
ずーん、と二人揃って地面に項垂れる。
「30手前で猫耳はきつい……」
「五条なら喜んで抱き潰すだろ」
「それはそれで困る」
「俺血祭り」
「辛い……諸々辛い」
「………けどさ、今考えたら
逃げた方がやばくね?」
「………だね」
二人の脳裏には、逃げたら逃げたで
猫耳姿を見た自分以外の人間がいて
自分は見れなかったことに盛大な文句を
言うだろう。
それだけにおさまらず、満足いくまで
彼の言うお願いを聞かなければならない。
その場合、逃げた後のお願いの方が
めちゃくちゃ面倒なのだ。
「………最悪、名前を差し出せば
俺は半殺しで済むと思う」
「私を売る気?」
「頑張れ!!1日使い物にならなくても
五条が代わりに頑張ってくれるから
問題なし!!」
「私が血祭りに上げてやろうか?
大和が取りこぼしたもので
厄介なことになったんだから」
「それはまじですまんと思ってる」
「悟からまじビンタ受けてしまえ」
「頬無くなるじゃん」
二人で地面に座っているわけにもいかず
渋々高専へと戻ることに。
補助監督の新田が名前の姿を見て
目を見開いた後、叫んでいた。
「一先ず命に問題無いし、時間が経てば
元に戻ると思いますよ」
「そーゆーパターンか」
「一番いいのは、五条に見てもらえば
確実なんだけど………」
「あああああ………憂鬱でしかない」
悟の目があれば、確実な原因を解決出来るのは
わかっているのだが、それと羞恥心は
別物である。
両手で顔を覆い、年下の硝子に見せることすら
年上の立場やら諸々が崩れ落ちる気がして
診察の終わった今はもう消えてしまいたい。
「名前先輩」
「………なに、硝子」
顔を上げた瞬間
カシャシャシャシャシャと連写音。
そしてスマホ片手にこちらを見ている硝子。
「写真撮っていいですか」
「………撮ってんじゃん」
「ありがとうございます」
「硝子?消して?」
「嫌です。私のです」
「硝子!?」
「こんな可愛い名前先輩を残しておかず
目に焼き付けるだけじゃ足りません」
「この子何言ってんの!?」
「硝子、昔からそーゆーとこあるよな」
「名前先輩が大好きなんです」
「それで許されると思わないでよ、硝子」
楽しそうにスマホを眺める硝子。
しかし、あ、と一言溢すと
此方を見てきた。
「名前先輩、スマホ見ました?」
「あー、コレのせいでバタバタしてて…」
「最初に言っておきますが、私じゃないですよ」
「は?」
「はい」
硝子に見せられた某アプリには
悟から次々連絡が入る。
"どーゆーこと?"
"コレどうなってんの?"
"名前と連絡つかない"
"合成じゃないよね?"
"こんなことしたの誰だよ"
"見たやつ殺す"
"捕獲しておいて"
"写真もよろしく"
"出来次第でいい酒贈るよ"
貼り付けられた写真は、
多分高専に着いてからのもの。
カメラと視線は合ってないが
バッチリ全身が映っている耳と尻尾。
そろそろと、スマホを見れば
通知と電話が鳴り止まない。
「………逃げよう」
「名前、手遅れだと思う。
硝子に"今すぐ戻る"って………」
「え、跳んでくる?跳んで来ちゃう?」
「名前先輩、諦めた方がいいかと」
「私悪いわけじゃないのに!!」
ガタッと医務室の扉音に、ビクリとして
思わず医務室の窓から飛び出そうと
鍵を開けて足を掛ける。
ガラガラと開けられた音に
窓から飛び出せば
ボスリッと、何かがお腹に巻き付いて
抱き直される。
「うわぁ、まじで猫耳と尻尾じゃん」
「…………え?」
「硝子、これ大丈夫なの?」
「私が見た感じだと、呪いによる傷じゃないし
反転術式も効かないから
時間が経てば元通りになるさ」
「んー…根元しっかりくっついてるけど
確かに時間が経てば消えそう」
「画像送っておいたから酒」
「サンキュ。あ、大和」
「………はい」
「今回は許すけど、次があった場合
お前覚悟しろよ」
「………はい」
「伊地知、後よろしくね」
呆然としたまま片手で抱かれて
医務室から離れていく名前。
扉を開けたのは伊地知だった。
ゆっくりと、大和が伊地知を見る。
「………伊地知、どーゆーこと?」
「すいません……私が丁度五条さんと電話中に
名前さんを見かけて驚いてしまって…
五条さんが証拠を見せろと低い声で…」
「あの写真伊地知だったのか」
「名前さんは連絡つかないし
家入さんに連絡したら
医務室に居ると知って任務も終わっていたので
跳んできたみたいです」
「………まじかよ」
「『名前が知ったら絶対逃げようとするから
伊地知、医務室のドア開けて普通に入って』
と言われたから入ったら……」
「行動先読みした五条が
外で待機してたってわけか」
「学生時代から名前先輩
そーゆーとこ変わらないよな」
「五条から逃げても先読みされるのにな」
「多分気付いて無いんですよ。
名前さんに発信器着けてること」
「「………は?」」
伊地知の思わぬ発言に、硝子と大和が
伊地知を見つめる。
「………私何かおかしなこと言いました?」
「発信器って………おま、嘘だろ?」
「本人が言ってましたよ。
名前さんは知らないだろうけれど
贈った品物の中に発信器仕込んでいるから
何処にいても居場所はわかるって」
「あいつ何してんだ」
「逃げることは無いだろうけど
万が一のことがあったら困る、と」
「………こっわ。五条こっっわ!!!!」
「名前先輩
結婚する相手間違えたんじゃないか?」
「………五条の執着心ナメてたわ」
知りたくなかった情報を知り
連れ去られた名前の身を心配する
大和と硝子。
伊地知は余計なことを言ってしまったかと
ドキドキしていた。
一方、高専の敷地内を大股で歩き
五条の執務室へと連れてこられた名前。
高級な椅子に腰掛け
その膝の上に乗せられ
もにゅもにゅと耳を弄くられている。
「………あの、悟」
「何で連絡くれなかったの?」
「それどころじゃなかったよ…」
「だろうね。
本物みたいにフワフワだ、これ」
「くすぐったいから離してほしいなぁ…」
「駄目。逃げようとしたでしょ」
「………三十路手前の女が猫耳に尻尾つけて
歩き回れ無いでしょ」
「可愛いよ」
つむじにぐりぐりと頭を擦り付けてくる悟。
いつもの黒い目隠しを首の方へ降ろせば
にっ、と悪戯っ子のように笑う。
「今日何の日かわかる?」
「は?いきなりなに?」
「2月22日。猫の日なんだって」
「へー」
「出張で疲れた僕を癒してもらおうと
猫耳と首輪買って来たんだけど
いらなかったね」
「………何言ってんのカナ?」
「名前で遊ぼうと思って」
「待って。おかしい。落ち着こう」
「伊地知に任せたから
今日僕時間あるんだ。
今から帰って楽しもうか」
「!?」
がっちりと捕らえられた腰。
逃げようとしても逃げられず
悟を見ればにぃっと、悪い笑みを浮かべる。
「俺から逃げられると思ってんの?」
がぶりと、食べられた唇。
どうやら私に拒否権は元から無かったらしい。
あとがき
にゃんこの日。
とゆーわけで、悟くんは封印されてません。
無視だ無視。
にゃんにゃんされてるとこは
ちょっと私の力量では無理です。
先輩シリーズは健全ですから。