先輩シリーズ (五条)
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※捏造
ハロウィンのあの日
悟は帰って来なかった。
上に止められ
見送りのみで
現場に立ち入ることすら許されなかった。
五条 悟が封印された。
それだけを伝えられ
どう解除するのか
封印された呪物はどこに行ったのか
何も伝えられていない。
「………部屋、こんなに広かったかな」
二人で生活していたが
すれ違うことが多かった私達。
それでも
家の中には所々に
悟が居た証が残っている。
必ず帰ってくる。
彼はいなくなったわけじゃない。
彼は死んだわけじゃない。
置いて逝かれたわけじゃない。
いつのかわからない
脱ぎ捨てられたシャツを手に
悟のシャツに顔を埋める。
「死んでない」
封印されたなら、必ず解除方法がある。
「置いていかれたわけじゃない」
彼が黙っているわけがない。
抗い、嫌がらせのごとく
また戻ってくる。
「"最強"は負けない」
必ず帰ってくる。
奥歯を噛みしめ
ほのかに香る悟の匂いが残るシャツから
顔を上げる。
枕が2つ。
悟のお気に入りの毛布。
悟に合わせたベッド。
歯ブラシ、コップ、角砂糖、サングラス。
家のあちこちを見渡せば
悟がいる。
私がすべきことは
この家で引きこもっていることじゃない。
バシッと、頬を叩いて気合いを入れる。
「泣いてる暇なんかない」
おにーさんの時とは違う。
傑の時とは違う。
悟だけは必ず、帰って来てくれる。
「………待っているだけのいい子じゃないよ」
呪具を手に待機させられていた
部屋から出た。
高専に来てみれば
お通夜のごとく静まり返り
青ざめる人々。
学生達も表情は暗く
中には瞳に涙すら浮かべている。
「こら、ここはお通夜の会場ですか?」
「名前……」
「名前さん……」
「伊地知君、過去人を……いや人、呪霊問わず
封印出来る呪物があったか出来る限り調べて。
そしてその解除方法も」
「あの……」
「他の補助監督も全国の窓へ通達。
些細な情報でも封印に関する資料は全て私へ
並びに全国での呪霊の件も抜かりなく。
忙しくなるけどやるわよ」
それぞれに指示を出すが
動き出す者は一人もいない。
眉を寄せる名前に対し
伊地知が代表して近寄る。
「名前さん、五条さんのこと……」
「自宅待機させられてる間に聞いたわ。
悲しみ、嘆く暇あるならまずは動くわよ。
悟は死んだわけじゃない。
封印ならこちらにも対抗する術は必ずある
しみったれてお通夜みたいな顔をしない!!」
バシン、と机を叩く名前。
目の前の教員や補助監督達に
にやりと笑う。
「悟がただ黙っていると思ってんの?
無能扱いされたくなきゃ
あのお馬鹿が自力で出てくる前に
全員で先にあのお馬鹿叩き起こすわよ。
そして最強のくせに
封印されてんじゃないと笑ってやりましょ」
それは、一種のパフォーマンスのようなものに
見えたのだが、"最強"を失い
この先に不安を隠せないでいた
弱き者の不安を払うには
充分なものだった。
「ちなみに、悟がいないからって
上がおかしな行動するなら
すぐに私に報告すること。
特に虎杖悠仁君のことに関して」
「俺?」
「悠仁君は宿儺の器ではあるけれど
悟の期待する人材だから
上からの理不尽は全て私が対処するから
必ず私を通すこと」
「名前……」
「学長、協力してもらいますよ」
「………あぁ」
「七海君もバリバリ働かせるから
そのつもりで」
「残業はしませんよ」
「ふふっ、残業しないように
優秀な七海君を頼りにしてるよ」
ぽんっ、と七海の肩を叩く名前。
そして、学生達を見る。
「パンダ、真希、棘くん。
一年に負けてられないわよ。
バシバシしごくから強くなりなさい」
「流石、悟の嫁」
「ただ指咥えていられるかよ」
「しゃけ!!」
「いい返事。
恵、野薔薇ちゃん。
今年の一年は優秀だから
生易しい授業なんて無いと思ってね」
「はい」
「望むところよ」
「悠仁君」
「あの、俺………」
「私は君が、鍵だと思ってる。
呪霊側にとって宿儺は
扱いが難しいが欲しい存在。
上は君を危惧しているけれど
私も悟も君に期待しているんだ」
背の高い虎杖の頭を
少し背伸びしながら頭を撫でる。
「君はまだまだ伸びるよ。
まだ、守らなきゃいけない君たちに
酷なことをさせる事もある……
私は君たちをより辛い戦地に送る」
大人として守らなきゃいけない
若い芽の君たちを
死地に送る酷い人間と恨まれても……
「君たちを強くするために
私も手段を選ばない」
「名前さん……俺、必ず先生を助ける」
「あら、駄目よ」
「え?なんで?」
「囚われのお姫様を助けるのは
どの物語でも王子様の役目だから」
くすり、と笑う名前に
虎杖はきょとんと目を見開く。
「私のお姫様は王子の私が助けるの」
「ふっ、ははっ!!先生お姫様? 」
「悟姫を助けるために協力してね?」
「もちろん!!」
「でかい姫だな」
「うざい姫だな」
「しゃけ」
「名前さんが王子なのはいいわね」
「むしろあの人魔王でしょ」
「ふふふっ
優秀な可愛い生徒達が多くて
悟姫も幸せね」
悪い顔で笑う生徒達。
その場にいた全員が
先ほどまでお通夜のように黙りこみ
暗い表情をしていたとは思えない。
「全員死ぬんじゃないわよ。
ここにいるみんな
生きて強くなること」
はいっ、と力強い返事に
名前は笑う。
泣いている暇なんてない。
嘆く暇なんてない。
そんなことに時間を使うくらいなら
全員が生き残るために強くなり
そして、彼を助ける。
「………流石、名前さんですね」
「あぁ。さっきまでの空気が嘘みたいだ」
「名前先輩は昔から変わってませんよ」
七海と夜蛾が話していると
生徒達と話す名前を見ながら
硝子が笑う。
「学生の頃から格好良くて、強い人ですよ」
「あの五条さんを飼っている人ですからね」
「名前先輩しかあの馬鹿扱えないだろ」
「そうですね。
呪霊側ですら手を余す猛獣です」
「我々も名前を見習うべきだな」
名前一人で戦わせることがないように。
子供達が立ち上がるのなら
自分達大人が黙っていてはいけない。
「さぁ、私達のお姫様を取り戻すよ」
笑う、笑う、笑う。
涙も、絶望も、後悔も…
全ては失った後でいい。
失う前から立ち止まるな。
少しでも希望があるのなら
何度でも立ち上がり、前へ。
あとがき
先輩ならお通夜の空気すら
吹き飛ばしてくれそう。
そして、宿儺すら手懐ける勢いで
呪霊側フルボッコする予定。
弱さを見せるのは一人だけ。
悟姫を助けようぜ。
今年中に!!!!!お願いっ!!
ハロウィンのあの日
悟は帰って来なかった。
上に止められ
見送りのみで
現場に立ち入ることすら許されなかった。
五条 悟が封印された。
それだけを伝えられ
どう解除するのか
封印された呪物はどこに行ったのか
何も伝えられていない。
「………部屋、こんなに広かったかな」
二人で生活していたが
すれ違うことが多かった私達。
それでも
家の中には所々に
悟が居た証が残っている。
必ず帰ってくる。
彼はいなくなったわけじゃない。
彼は死んだわけじゃない。
置いて逝かれたわけじゃない。
いつのかわからない
脱ぎ捨てられたシャツを手に
悟のシャツに顔を埋める。
「死んでない」
封印されたなら、必ず解除方法がある。
「置いていかれたわけじゃない」
彼が黙っているわけがない。
抗い、嫌がらせのごとく
また戻ってくる。
「"最強"は負けない」
必ず帰ってくる。
奥歯を噛みしめ
ほのかに香る悟の匂いが残るシャツから
顔を上げる。
枕が2つ。
悟のお気に入りの毛布。
悟に合わせたベッド。
歯ブラシ、コップ、角砂糖、サングラス。
家のあちこちを見渡せば
悟がいる。
私がすべきことは
この家で引きこもっていることじゃない。
バシッと、頬を叩いて気合いを入れる。
「泣いてる暇なんかない」
おにーさんの時とは違う。
傑の時とは違う。
悟だけは必ず、帰って来てくれる。
「………待っているだけのいい子じゃないよ」
呪具を手に待機させられていた
部屋から出た。
高専に来てみれば
お通夜のごとく静まり返り
青ざめる人々。
学生達も表情は暗く
中には瞳に涙すら浮かべている。
「こら、ここはお通夜の会場ですか?」
「名前……」
「名前さん……」
「伊地知君、過去人を……いや人、呪霊問わず
封印出来る呪物があったか出来る限り調べて。
そしてその解除方法も」
「あの……」
「他の補助監督も全国の窓へ通達。
些細な情報でも封印に関する資料は全て私へ
並びに全国での呪霊の件も抜かりなく。
忙しくなるけどやるわよ」
それぞれに指示を出すが
動き出す者は一人もいない。
眉を寄せる名前に対し
伊地知が代表して近寄る。
「名前さん、五条さんのこと……」
「自宅待機させられてる間に聞いたわ。
悲しみ、嘆く暇あるならまずは動くわよ。
悟は死んだわけじゃない。
封印ならこちらにも対抗する術は必ずある
しみったれてお通夜みたいな顔をしない!!」
バシン、と机を叩く名前。
目の前の教員や補助監督達に
にやりと笑う。
「悟がただ黙っていると思ってんの?
無能扱いされたくなきゃ
あのお馬鹿が自力で出てくる前に
全員で先にあのお馬鹿叩き起こすわよ。
そして最強のくせに
封印されてんじゃないと笑ってやりましょ」
それは、一種のパフォーマンスのようなものに
見えたのだが、"最強"を失い
この先に不安を隠せないでいた
弱き者の不安を払うには
充分なものだった。
「ちなみに、悟がいないからって
上がおかしな行動するなら
すぐに私に報告すること。
特に虎杖悠仁君のことに関して」
「俺?」
「悠仁君は宿儺の器ではあるけれど
悟の期待する人材だから
上からの理不尽は全て私が対処するから
必ず私を通すこと」
「名前……」
「学長、協力してもらいますよ」
「………あぁ」
「七海君もバリバリ働かせるから
そのつもりで」
「残業はしませんよ」
「ふふっ、残業しないように
優秀な七海君を頼りにしてるよ」
ぽんっ、と七海の肩を叩く名前。
そして、学生達を見る。
「パンダ、真希、棘くん。
一年に負けてられないわよ。
バシバシしごくから強くなりなさい」
「流石、悟の嫁」
「ただ指咥えていられるかよ」
「しゃけ!!」
「いい返事。
恵、野薔薇ちゃん。
今年の一年は優秀だから
生易しい授業なんて無いと思ってね」
「はい」
「望むところよ」
「悠仁君」
「あの、俺………」
「私は君が、鍵だと思ってる。
呪霊側にとって宿儺は
扱いが難しいが欲しい存在。
上は君を危惧しているけれど
私も悟も君に期待しているんだ」
背の高い虎杖の頭を
少し背伸びしながら頭を撫でる。
「君はまだまだ伸びるよ。
まだ、守らなきゃいけない君たちに
酷なことをさせる事もある……
私は君たちをより辛い戦地に送る」
大人として守らなきゃいけない
若い芽の君たちを
死地に送る酷い人間と恨まれても……
「君たちを強くするために
私も手段を選ばない」
「名前さん……俺、必ず先生を助ける」
「あら、駄目よ」
「え?なんで?」
「囚われのお姫様を助けるのは
どの物語でも王子様の役目だから」
くすり、と笑う名前に
虎杖はきょとんと目を見開く。
「私のお姫様は王子の私が助けるの」
「ふっ、ははっ!!先生お姫様? 」
「悟姫を助けるために協力してね?」
「もちろん!!」
「でかい姫だな」
「うざい姫だな」
「しゃけ」
「名前さんが王子なのはいいわね」
「むしろあの人魔王でしょ」
「ふふふっ
優秀な可愛い生徒達が多くて
悟姫も幸せね」
悪い顔で笑う生徒達。
その場にいた全員が
先ほどまでお通夜のように黙りこみ
暗い表情をしていたとは思えない。
「全員死ぬんじゃないわよ。
ここにいるみんな
生きて強くなること」
はいっ、と力強い返事に
名前は笑う。
泣いている暇なんてない。
嘆く暇なんてない。
そんなことに時間を使うくらいなら
全員が生き残るために強くなり
そして、彼を助ける。
「………流石、名前さんですね」
「あぁ。さっきまでの空気が嘘みたいだ」
「名前先輩は昔から変わってませんよ」
七海と夜蛾が話していると
生徒達と話す名前を見ながら
硝子が笑う。
「学生の頃から格好良くて、強い人ですよ」
「あの五条さんを飼っている人ですからね」
「名前先輩しかあの馬鹿扱えないだろ」
「そうですね。
呪霊側ですら手を余す猛獣です」
「我々も名前を見習うべきだな」
名前一人で戦わせることがないように。
子供達が立ち上がるのなら
自分達大人が黙っていてはいけない。
「さぁ、私達のお姫様を取り戻すよ」
笑う、笑う、笑う。
涙も、絶望も、後悔も…
全ては失った後でいい。
失う前から立ち止まるな。
少しでも希望があるのなら
何度でも立ち上がり、前へ。
あとがき
先輩ならお通夜の空気すら
吹き飛ばしてくれそう。
そして、宿儺すら手懐ける勢いで
呪霊側フルボッコする予定。
弱さを見せるのは一人だけ。
悟姫を助けようぜ。
今年中に!!!!!お願いっ!!