五条
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ガチャリ、と開けた部屋に入ろうとしたが
部屋の中を見て思わずきょとんとしてしまう。
「五条……??」
いると思っていなかった人物がいただけでも多少驚きはしたが、わりと大胆に開けたドアの音にも微動だにせず、呟くように発した名前にも反応がない。
驚きでドアを開けたまま、入り口で立っていたが、ふと我に返りゆっくりとドアを締める。
そろそろと近寄ってみれば
普通の椅子じゃ身体が痛いとわめき、先日買ってきた自分専用の大きな椅子の上に
長い足を組ながらもたれかかっている五条は名前が部屋に入っても動く気配はない。
「寝てるの?」
寝てる相手に聞いたところで返答がないのは当たり前だが
性格の悪い彼のことだから狸寝入りの可能性もある。
黒い目隠しをしているため、寝顔……と言えるかはわからないが
椅子の背に頭を預け、規則正しい呼吸を繰り返し、反応のない五条。
人手不足な上に特級として、教師として日々多忙な毎日を送っているため、休む暇などない彼が時折こうして寝落ちしてしまうことは珍しくないのだが、人の気配があれば起きてくるのだ。
手に持っていた書類や資料を近くの机に置き、できる限りそっと五条へと近付く。
素材だけはいいこの男は、寝ていても1つの美術品のごとく異彩を放って見えるのはもはや言うまでもない。
口を開けば残念だし、性格にも難がある男だが、黙っていれば誰もが目を惹く存在なのだ。
普通の椅子であろうと絵にはなるだろうが、今この男が座っているのは「王の椅子」と呼ばれているものだ。
この椅子が部屋に置かれた当初、身体に合ったサイズをオーダーメイドしたのかと思ったが
「これ、王の椅子って言うんだってー」
と、気軽に言われ、最高級の品物だと知らずに
「君は魔王だから魔王の椅子でしょ」
と、返したとき、お腹を抱えながら笑われた。
のちに伊地知くんから、サイトを見せられながら正規品だと説明された時には
特級様のお金の使い道にぞっとすると共に、最高級の椅子を使いこなせ、絵になるこの男にもう何も言うまいと思った。
よほど疲れているのか、まったく起きる気配のない五条。
椅子の背に預けている頭の近くに寄り、見た目よりもさらさらとした白い髪を撫でる。
王は、孤独だ
王の言葉一つで人が死に
王の判断一つで国が左右し
王が死ねば、国が終わる
絶対的な力がある
しかし、判断を誤れば終わってしまう
諸刃の剣のよう
「王になんて、なるものじゃないよ」
王も、人間だ
五条悟も、人間だ
どんなに優れていようと
人間である限り、必ず終わりはある。
反転術式を使っていても万能ではない。
「無理しなければいけないなら」
最強の五条悟は、王でいなければならない
強き兵を育て、守りを固め
己が最強であるからこそ
己の信念を貫く
孤独を分かち合うことが出来なくても
周りから妬まれようと
「王なんて、最強なんて辞めてしまえ」
自分は術師として抜きでた才能は無かった。
同級生達は天才ばかり。
凡人な自分は、死地に行くよりも
我が身可愛さに、生にしがみついた。
そんな自分が、この最強である彼に
こんなことを言う資格は無いことはわかっている。
自分は五条に追い付けない。
自分は五条の背中を守れない。
自分は五条の隣に立つことすら許されない。
学生時代、彼の親友が高専を去った時に
どんなに頑張って努力したところで
自分は彼の役に立つことは出来ないと理解した。
足手まといになるくらいならと
身を引くことを決めたのは自分だ。
だが、一般人としてやっていける気もせず
安全であろう事務員になり
馬鹿みたいな、幼稚な理由で
離れられずにここにいる。
「………仕事しよ」
自分の惨めさにため息をつきたくなりながら
溜まっている仕事の方と向き合うため
髪を撫でる手を止める。
椅子から離れようとしたとき、何かが顔目掛けて伸びてきた。
咄嗟に後退しようにも、伸びてきた何かが
後頭部を固定し、ぐっと前に引き寄せられる。
ちゅっ
と、軽いリップオンと共に感じられる
唇への柔らかな感触に目を見開く。
「うばっちゃったー」
へらり、と笑いながら
ゆっくりとした動作で目隠しを
ちらりと下げる五条。
顔がいいな、おい
なんてことを思いながらも
今自分は何をされたんだと思い返す。
間違ってなければ
寝ていたはずのこの男に引き寄せられ
器用にも唇が合わさった気がする。
ゆっくりとした動作で身体を伸ばしながら
椅子に深く座り、後ろへと身体を向ける五条。
下げられた目隠しは首もとにあり
ニヤニヤとした空色の瞳をこちらに向けている。
「名前は馬鹿だね」
「……馬鹿ですが、何か?」
「僕は負けないし、死なないよ」
「人は死ぬよ。簡単に」
「弱いやつはね」
「最強でも、例外はないよ」
「名前」
無駄に長い五条の腕に捕まれ、引き寄せられる。
踏ん張る気のない私は、そのまま大人しく五条の膝の上に乗せられる。
空色の瞳が、真っ直ぐこちらを見ている。
王の椅子に座る、王のような五条は
嫌というほど似合っている。
くしゃりと歪み表情に、五条は呑気に笑いながら私の頭を撫でる。
子供のように膝に乗せられ
子供のように頭を撫でられている私は
大きな子供だ。
「心配ないよ
名前が不安なら何度だって言ってあげる」
「五条……」
「僕は死なない」
最強だからね、と笑いながら言う五条。
私は何も言わず、五条の肩に顔を埋める。
「死なないでよ」
「死なないよ」
愚かにも王に恋した平民は
己の力量の限界を知り
己に王の力になれることはないと知り
王の道の邪魔になるくらいなら
身を引こうと考えたが
それでも側にいたいと願った
「名前は馬鹿だね」
頭の上から聞こえる五条の声は優しい。
ぽんぽん、とあやすようにたたかれる背中に
私はただ、目を閉じる。
どうか、どうか
少しでも長く
この男の鼓動が
温もりが続きますようにと
いない神に祈るしか出来ない
されるがままの私に、五条はくつくつと笑い声をもらしている。
いつから起きていたのかわからないが
私のくだらない独り言を黙って聞いていたのは確かで
聡いこの男は、私の気持ちを知っていて
答える気はないのに
時々こうして、私で遊ぶのだ。
そんな男の気まぐれに一喜一憂し
離れられずにここにいる。
あとがき
はい、不完全燃焼。
ただ、本誌の王の椅子に座ってる五条さんが
目隠しチラしてエロかったから
居眠りしてるふりしながら
ちゅーしてくれないかな?と思っただけ
それを表現する力がなくてごめんなさいwww
とりあえず、書き直すかもしれない。
終われ
部屋の中を見て思わずきょとんとしてしまう。
「五条……??」
いると思っていなかった人物がいただけでも多少驚きはしたが、わりと大胆に開けたドアの音にも微動だにせず、呟くように発した名前にも反応がない。
驚きでドアを開けたまま、入り口で立っていたが、ふと我に返りゆっくりとドアを締める。
そろそろと近寄ってみれば
普通の椅子じゃ身体が痛いとわめき、先日買ってきた自分専用の大きな椅子の上に
長い足を組ながらもたれかかっている五条は名前が部屋に入っても動く気配はない。
「寝てるの?」
寝てる相手に聞いたところで返答がないのは当たり前だが
性格の悪い彼のことだから狸寝入りの可能性もある。
黒い目隠しをしているため、寝顔……と言えるかはわからないが
椅子の背に頭を預け、規則正しい呼吸を繰り返し、反応のない五条。
人手不足な上に特級として、教師として日々多忙な毎日を送っているため、休む暇などない彼が時折こうして寝落ちしてしまうことは珍しくないのだが、人の気配があれば起きてくるのだ。
手に持っていた書類や資料を近くの机に置き、できる限りそっと五条へと近付く。
素材だけはいいこの男は、寝ていても1つの美術品のごとく異彩を放って見えるのはもはや言うまでもない。
口を開けば残念だし、性格にも難がある男だが、黙っていれば誰もが目を惹く存在なのだ。
普通の椅子であろうと絵にはなるだろうが、今この男が座っているのは「王の椅子」と呼ばれているものだ。
この椅子が部屋に置かれた当初、身体に合ったサイズをオーダーメイドしたのかと思ったが
「これ、王の椅子って言うんだってー」
と、気軽に言われ、最高級の品物だと知らずに
「君は魔王だから魔王の椅子でしょ」
と、返したとき、お腹を抱えながら笑われた。
のちに伊地知くんから、サイトを見せられながら正規品だと説明された時には
特級様のお金の使い道にぞっとすると共に、最高級の椅子を使いこなせ、絵になるこの男にもう何も言うまいと思った。
よほど疲れているのか、まったく起きる気配のない五条。
椅子の背に預けている頭の近くに寄り、見た目よりもさらさらとした白い髪を撫でる。
王は、孤独だ
王の言葉一つで人が死に
王の判断一つで国が左右し
王が死ねば、国が終わる
絶対的な力がある
しかし、判断を誤れば終わってしまう
諸刃の剣のよう
「王になんて、なるものじゃないよ」
王も、人間だ
五条悟も、人間だ
どんなに優れていようと
人間である限り、必ず終わりはある。
反転術式を使っていても万能ではない。
「無理しなければいけないなら」
最強の五条悟は、王でいなければならない
強き兵を育て、守りを固め
己が最強であるからこそ
己の信念を貫く
孤独を分かち合うことが出来なくても
周りから妬まれようと
「王なんて、最強なんて辞めてしまえ」
自分は術師として抜きでた才能は無かった。
同級生達は天才ばかり。
凡人な自分は、死地に行くよりも
我が身可愛さに、生にしがみついた。
そんな自分が、この最強である彼に
こんなことを言う資格は無いことはわかっている。
自分は五条に追い付けない。
自分は五条の背中を守れない。
自分は五条の隣に立つことすら許されない。
学生時代、彼の親友が高専を去った時に
どんなに頑張って努力したところで
自分は彼の役に立つことは出来ないと理解した。
足手まといになるくらいならと
身を引くことを決めたのは自分だ。
だが、一般人としてやっていける気もせず
安全であろう事務員になり
馬鹿みたいな、幼稚な理由で
離れられずにここにいる。
「………仕事しよ」
自分の惨めさにため息をつきたくなりながら
溜まっている仕事の方と向き合うため
髪を撫でる手を止める。
椅子から離れようとしたとき、何かが顔目掛けて伸びてきた。
咄嗟に後退しようにも、伸びてきた何かが
後頭部を固定し、ぐっと前に引き寄せられる。
ちゅっ
と、軽いリップオンと共に感じられる
唇への柔らかな感触に目を見開く。
「うばっちゃったー」
へらり、と笑いながら
ゆっくりとした動作で目隠しを
ちらりと下げる五条。
顔がいいな、おい
なんてことを思いながらも
今自分は何をされたんだと思い返す。
間違ってなければ
寝ていたはずのこの男に引き寄せられ
器用にも唇が合わさった気がする。
ゆっくりとした動作で身体を伸ばしながら
椅子に深く座り、後ろへと身体を向ける五条。
下げられた目隠しは首もとにあり
ニヤニヤとした空色の瞳をこちらに向けている。
「名前は馬鹿だね」
「……馬鹿ですが、何か?」
「僕は負けないし、死なないよ」
「人は死ぬよ。簡単に」
「弱いやつはね」
「最強でも、例外はないよ」
「名前」
無駄に長い五条の腕に捕まれ、引き寄せられる。
踏ん張る気のない私は、そのまま大人しく五条の膝の上に乗せられる。
空色の瞳が、真っ直ぐこちらを見ている。
王の椅子に座る、王のような五条は
嫌というほど似合っている。
くしゃりと歪み表情に、五条は呑気に笑いながら私の頭を撫でる。
子供のように膝に乗せられ
子供のように頭を撫でられている私は
大きな子供だ。
「心配ないよ
名前が不安なら何度だって言ってあげる」
「五条……」
「僕は死なない」
最強だからね、と笑いながら言う五条。
私は何も言わず、五条の肩に顔を埋める。
「死なないでよ」
「死なないよ」
愚かにも王に恋した平民は
己の力量の限界を知り
己に王の力になれることはないと知り
王の道の邪魔になるくらいなら
身を引こうと考えたが
それでも側にいたいと願った
「名前は馬鹿だね」
頭の上から聞こえる五条の声は優しい。
ぽんぽん、とあやすようにたたかれる背中に
私はただ、目を閉じる。
どうか、どうか
少しでも長く
この男の鼓動が
温もりが続きますようにと
いない神に祈るしか出来ない
されるがままの私に、五条はくつくつと笑い声をもらしている。
いつから起きていたのかわからないが
私のくだらない独り言を黙って聞いていたのは確かで
聡いこの男は、私の気持ちを知っていて
答える気はないのに
時々こうして、私で遊ぶのだ。
そんな男の気まぐれに一喜一憂し
離れられずにここにいる。
あとがき
はい、不完全燃焼。
ただ、本誌の王の椅子に座ってる五条さんが
目隠しチラしてエロかったから
居眠りしてるふりしながら
ちゅーしてくれないかな?と思っただけ
それを表現する力がなくてごめんなさいwww
とりあえず、書き直すかもしれない。
終われ