桜花歳時記
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冬至
「あ…」
「どうした?」
「…………?」
「今日、冬至だ」
「あー、そうだな! ずいぶん日暮れが早いなーって思ったら! 今日を境に、これからは日がのびるんだな!」
「冬は嫌いじゃないんだけど…、夜が長いとやはり物騒だし、油の減りが早いからやっぱり春が待ち遠しいね」
「まあな! 冬は山を動き回るにも一苦労だよな。この前、さすがに伊作に止められてしまったぞ、後輩が凍えるからやめろって」
「だろうな…」
「…………読書日和」
「いや、長次は夏至でも読書してるよ」
「………カボチャ…」
「あ、そうか、冬至にカボチャを食べると良いらしいからね。夕御飯決まったね」
「カボチャって室町時代にあるのか?」
「………サツマイモがありならカボチャもありかと」
「無病息災を願うんだよな!」
「今日の夕御飯、決定! 歳時記があると、かえって夕御飯が決まりやすくて良いな」
「…………柚子湯」
「柚子か…、用意してないかも…」
「…………健康安寧」
「任せろ! こんなこともあろうかと、私が用意したのだ! これ!!」
「これはカボスだっ!」
「せっかく用意したのに…。細かいことは――」
「――気にしろ! もーこんなにいっぱい貰ってきて……。長次、お風呂に入れるのカボスで良いのかな」
「…………良いんじゃないのか?」
「え、本当に良いのか?」
「長次が言うならいいんだろ! 湯船に浮かべてこよう!」
「………みなさま、良い冬至を」
「いやー、昨日は久しぶりにやらかしたなー」
「…………うつけ」
「そうだよな…、そうだったよ、当たり前だった…」
「原作でもカボチャ出てくるもんな!」
「…………粗忽」
「素泊ってだいたいなんだよって話だよな…。本当に申し訳ない…」
「ツッコミくる前に気付けて良かったな!」
「…………愚か。ちなみに、『カボチャ』は『カンボジア』が訛ったという説があるそうだ」
「へー」
「へー、へー」
「…………日本にカボチャが伝わったのは、室町時代。まさに最先端な野菜」
「へー」
「へー、へー」
「…………かぼちゃトリビアでした」
「というわけで、昨日の対談を反省してカボチャ料理を作ってみた! 小豆とカボチャのいとこ煮、ポタージュ、そぼろあんかけ、素揚げ」
「大味だな!」
「…………煮物の味が濃い」
「文句があるなら食べなくていい!」
「あ、この小豆ご飯は旨いぞ!」
「それはおばちゃんが作ったの!」
「卒業までにおばちゃんにちゃんと習っておけよ! そもそも料理の腕があれば女中に変装して潜入先に忍びこめるだろうし、便利だろうに!」
「く…、小平太のくせにまともな事を――」
「これだけ綺麗に野菜切れるくせにな!」
「いや、斬るのは得意なんだ」
「ああ、それもそうか! さすが刀使い!」
「いやあ」
「………というわけで、訪問者のみなさまには深くお詫びを申し上げます」
2011年12月22日(と、23日)の日記より
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