短編(現パロ)
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塾帰りだった。
左吉と伝七は手近なコンビニに立ち寄った。
「――あ」
「名前」
名前、と左吉は振り返る。
何故こんなところに彼女がいるのか。
「一組の二人」
名前は、ぱちぱちと目を瞬かせて左吉を見た。
「どうしたの、こんな所で」
「こっちは塾の帰りだ」
「あー、駅前の」
「名前はよくこの辺使うのか?」
「今日はたまたま。駅前の和菓子店に用事があって」
「ふうん…」
「あ」
「どうしたの、左吉」
「あんまん、売り切れだ…」
「それは残念だったな」
「はあ…、甘くて温かいものが食べたかったんだけど」
「じゃあ、これなんかどうだ?ほら、揚げまんじゅう」
伝七がケースの中をさす。
揚げまんじゅうって近頃のコンビニはいろいろ売ってるなあ、と左吉は感心する。
しかし、そういう問題じゃなかった。
「今は揚げ物の気分じゃない」
「脳みそ使うと甘いもの食べたくなるよね」
「仕方ない、お茶だけ買って行くか…」
「左吉」
ちょいちょい、と名前がコンビニの袋を持ち上げる。
「名前?」
「半分こしようか」
「………」
最後の一個だったであろうあんまんが、彼女が手にした袋の中にあった。
そんな名前を横目に、左吉はレジに向かって、
「肉まんひとつ」
という。
「うわ可愛くない」
名前の言葉には眉もひそめず、左吉は店の外に出る。
「…ほら」
肉まんを半分に割った。
「半分こ、だろ?」
「美味しい」
「そうか、良かったな」
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