風魔の五年生男子の名前
はちまん
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はちまん
南無、八幡大菩薩。
俺は生物委員会の活動中だった。
裏山で山岳行者に出会った。風魔忍軍。
与一、と気がつく。
風魔の学校の五年生だ。学園に来ていたのか。
南無、八幡大菩薩。
弓をつがえた。引き絞る。
そう、唱えている与一は、いつになく真剣な顔をしている。
意外だった。
案外、真面目な顔をしていると整った顔立ちをしている。
それに。
神仏に祈るような奴じゃないと思っていたからだ。忍者は神仏に頼らない。
「あ」
たんっ、と乾いた音が森の奥からする。矢は木の幹に吸い込まれていった。
「おー、おめー、八左ヱ門?」
「与一、元気か?」
「見てたんか」
「真剣だったから、声をかけられなくてな。風魔のたまごの風たまが、忍術学園に何の用だ?」
「おらは山野金太先生とあいこにとんできただけだ。山野先生はいまごろ学園長先生んとこで、なんかお話してんだろ」
「自主練なんて案外、真面目だな」
「あー、なんか、いさしかぶりだーナー、八左ヱ門。前会った時とあんま変わってねーじゃんかー」
「ああ。なんとかやってるよ。それより、お前、神仏に祈るなんてキャラだったか?」
「あー、おらはいるかいねーかわかんねー神様仏様は、大して信じちゃいねーんだ」
「なら」
――南無八幡大菩薩。
「さっきのは?」
「あー、アレは験担ぎよ。平家物語の。屋島で、那須与一が荒波に浮かぶ平家の船の旗を落としたっつー話、知ってんべー?」
「それでも意外だぜ」
「そっかー? 山伏だかんな、そこそこそーゆーのも覚えてねーとっつー事情があんのよ」
「お前ら風魔は、職業山伏だもんな」
「んなこたねーけんども」
「信心深いようには見えないぜ?」
「そっかー? 腹も減ったし、八左ヱ門も学園に帰んだべ? あるって帰んべ!」
「いや、俺は探し物があって…………。ところで、何を的にしてたんだ?」
「あー、それなー。ほら、火縄銃の練習にゃあ蛍を撃つっていうじゃんか?」
「あ、ああ」
イヤな予感。
「たまたまあっちの木にミイデラゴミムシがいたんで――」
「みなまで言うなっ!!! うちの子に何してくれてんだ、お前ーっ!!!」
「外したわ」
「良かった、八幡様の加護が薄くて」
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