保健委員会の攻防
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「三反田、慌てて床下から出て行ったな」
「僕だって、一応六年生なんだからね」
後輩の気配を察する事くらいは、わけはない。伊作は苦笑して薬を煎じ出した。その様子に、遥は「後で誤解を解いておけよ」と念を押す。
「意外と意地が悪いよ、お前は」
「お互い様だよ。人の腹の内を探ろうなんてらしくない。で、どうしたの、数馬は」
「ああ、うん――くの一教室の生徒から恋愛相談されたんだって」
恋愛のとうの相手が伊作だということは伏せる。
「そのことで、私に相談しにきたんだが。伊作に相談するにも、切り出せなかったようだ」
嘘は言ってない。とりあえず彼は納得したようだ。伊作は、「恋愛相談」と繰り返してから、ああと思いだしたように言う。
「くの一教室で、課題が出されたみたいだよ。一か月で、忍たまと仲良くなることって」
「課題…」
「恋愛相談で近づくのは常套手段じゃないか」
「課題だったのか」
本気で相談に乗っていた数馬の事が、心配になった。
一応、注意を促しに行くとするか。そう言って、遥は腰を上げる。
しかし、課題と気づいても、あの三反田数馬の事だ。きっと引っ掛かってあげるのだろう。
保健室から出て行く遥を見送って、伊作はため息をついた。
――途中で気づいて、本当に良かった…。
【あとがき】
三反田数馬。
忘れられても、頑張っている彼がけなげですね。
数馬は、作兵衛と並んで、超・お人よしのイメージがあるんですけど、どうなのでしょうか。
不運だけど優しいっていうのは、保健委員会の共通項です。
ありがとうございました。
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