カリスマ髪結いの参戦
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「滝夜叉丸くん、滝夜叉丸くん」
「なんですか?」
「僕、この前、すごい発見をしちゃったよ」
時はすでに、子の刻に近い。
人気のない食堂で、紫色の制服四人がおにぎりと、お茶をすすっている。深い紫色の、忍び装束は四年生の制服だった。
本日は、四年生三クラスの合同実習だった。い、ろ、はの混合でチームを組んでのサバイバル戦。
最初にチーム分けされたときに顔を合わせた、四年い組の平滝夜叉丸と、ろ組の田村三木ヱ門は、コイツと一緒か、とげんなりしながらも、首をひねった。
四年生のトップ成績を誇る滝夜叉丸。
学科試験はわずかに及ばずとも、実技ならばそれに引けを取らない田村三木ヱ門。
そして、滝夜叉丸の隣でやる気なさげに座り込んでいたのが、成績は「中」でも、鉢屋三郎に次ぐ学園二人目の異能の「天才」。
穴掘り小僧と異名をとる、綾部喜八郎。
四年生の中でも、それなりに実践慣れしている我々が、同じチーム。
今回は好き勝手に組んだわけでもなく、教師陣が実力が拮抗するよう取り計らったはず。
いぶかしんだ滝夜叉丸と三木ヱ門のその疑問は、すぐに氷解した。
「あ、よろしく!」
そう言って、柔和な笑みを浮かべてもう一人のチームメイトがやってきたのだ。
斎藤タカ丸、十五歳。
元・カリスマ髪結い。
現在、忍者の卵中。
彼を見た瞬間、滝夜叉丸と三木ヱ門は、仲良く顔を見合わせた。食堂のおばちゃんにあらかじめ、お弁当を用意していただきに走った。
.
1/3ページ