少年剣士の邂逅
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「遥先輩!!!」
一年は組の長屋だった。
部屋の外から声をかけると、がらっと勢いよく木戸が開いて彼が飛びついてきた。
「会いたかったです!」
遥は、飛びついてきた後輩の勢いを支えきれず、後ろに倒れそうになる。
「おっと」
遥の背後にいた七松小平太は、左手で抱えていたとある「荷物」を俵抱きにして、右手で一年生ごと遥を受け止めた。
「あ、ありがとう、小平太」
「いや、それより、どうした今日は。普段ならこいつを送り届けても、ひと抱えある壺を放さないのにな、山村喜三太」
「あ、七松せんぱい~、今日もこんばんは~」
小平太に子供のように抱えられて、六年生と同じ目線でその一年生は笑う。
こんばんは~、と律儀に頭を下げて挨拶をする後輩に、小平太も「おう」と笑顔をむけた。
「喜三太」
「遥先輩、会いたかったです~」
「うん、私も会えるのを楽しみにしてたよ」
「風魔から帰ってきたって聞いて~、でも補習でお会いできなくて~」
「喜三太、元気だった?」
「はい~」
へにゃへにゃと泣きながら笑う喜三太の頭を、遥はさも愛おしそうに撫でる。
「相変わらずだね」
「はにゃ?」
視界の隅にある、大きな壺は、とりあえずは見なかったことにした。あれに、せめてガマガエルが入っているなら、どんなに良いか…。
「…う」
小平太が肩に担ぎあげた「荷物」がうめいた。
その声に、ようやく喜三太は級友・皆本金吾がいつものように委員会活動ののちに倒れ、委員長である七松小平太先輩に担ぎこまれたのだと悟った。
「はにゃ~、金吾ぉ、大丈夫?」
「喜三太…ああ、そっか…僕はまた委員会の途中で気を失って………」
すぐには戻らない視界だが、同室の友人の顔が間近に見える。不甲斐ない、と歯を食いしばって立ち上がろうとし…。
「うわあ、七松先輩!」
「おお金吾、目が覚めたか?」
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