第一章 誰が為
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「ね、ねぇ、あの化け物は…?」
「あー、やっぱお姉さん見えてたのね。」
見えてた?
「俺たちが祓ったよ!やっつけた!だからもう大丈夫!心配せんで!」
「やっつけた…?」
高校生が?この子達が?というかあの化け物に対してやっつけるとかそういう概念があるの?
「虎杖、釘崎、帰るぞ。」
黒髪の男の子が言う。
「じゃあね、お姉さん、帰り道気をつけて!」
ピンク髪の男の子がそう言うと、高校生と伊地知さんは去っていこうとする。
「ね、ねえ!」
私は4人の後ろ姿に向かって声をかけていた。
「こ、怖くないの?あの化け物を、あなたたちはやっつけてまわってるの?」
4人は少し顔を見合せたあと、ピンク髪の男の子が答える。
「怖い…けど、やっつけるよ!俺たちにしか出来ねぇかんな!なぁ!伏黒、釘崎!」
そうだな、そうね、と、それぞれ頷く。
俺たちにしか出来ない…、その言葉が、やたらと胸に刺さった。
「桜さん、今日のことは忘れてください。あなたは関わらなくていい世界です。」
伊地知さんが冷たく言う。
さあ、帰りますよ、と伊地知さんはそのまま、高校生立ちに声をかけ、車に乗り込む。
じゃーな!と、ピンク髪の子が手を振ってくれる。女の子も。
つられて何となく手を振り返した私の心の中は、何かに気付かせられたような、もやもやが残っていた。