第一章 誰が為
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「伊地知、さん…?」
はぁ、と軽くため息をついたその人は、たしかに、あの時私を助けてくれた、伊地知さんだった。
「もう会うことは無いと思っていましたが…。お元気でしたか、桜さん。」
「はい、元気…、というか、なんでここに…?」
「それはこちらのセリフです。というか、桜さん、あなた、やはり見えるのですか。」
「見える…?」
なんの事?もしかしてあの化け物?
「もしそうなら、関わらない方がいい。今回はたまたま私たちが駆けつけることが出来ましたが、毎回そうとはいかない。危険ですから、見えても見えないフリをすることです。」
「え…。」
じゃあ、あの女性は?どうなっていたの?
「ふーっ、終わった終わったぁ。」
「今回の連携は良かったな!」
「まあね、私のリードのおかげよ。」
「そうかぁ?あの時の俺の一撃が効いてたろ!なぁ、伏黒?」
「…知らん。」
「あら、今回は最初しか出番がなかったから拗ねてるのかしら?」
「うっせぇ。」
「まー、まー、伏黒はいつも頑張ってっからさ、こんな時くらい俺たちに祓わせてくれよ!」
「拗ねてねぇよ!…ん? あんた、まだ居たんすか。」
高校生のうち、1人の男の子が私に話しかけてくる。黒髪で、すらっとした男の子。整った顔立ち。
「え、あ…。」
咄嗟のことで何も返せない。
「お姉さん、さっき化け物から、女の人助けようとしてくれてたでしょ。ありがと。あの人に代わって礼を言うわ。」
「俺からも!なかなかできる事じゃないスよ!」
茶髪でボブくらいの髪の長さの女の子と、ピンクの短髪で、いかにも元気そうな男の子も話しかけてくる。
「あ、ありがと…。」
え、この子達、あの店の中から出てきたよね?化け物は?