第一章 誰が為
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バシッ、っと、化け物の腕に何かが当たった。鳥?だったような…
「ナイス、伏黒!」
「先行くわよ!」
そんな言葉が聞こえたかと思うと、高校生くらいの男の子と女の子が、化け物に向かっていく。
「危ないので下がっていてください。」
冷静な声が後ろから聞こえる。その声の主もまた、高校生くらいの男の子だった。
そして、その男の子もさっき化け物に体当たりした鳥と共に中に入っていく。
うぅっ…、
思わず抱きかかえていた女性の声でふと我に返る。
「お姉さん!大丈夫ですか?!」
「たっくんが…、いたのに、なんで…」
俯いたまま、女性は応える。
たっくん?と聞き返すと、
「私の彼氏!彼氏と、会えたのに!!なんで!」
私の方を見て、その女性は怒鳴ってくる。
この人、あれが化け物だってわかっていなかったんだ。最後まで彼氏さんに見えていたんだ…。
私や、あの高校生たちがいなかったら、と思うとゾッとする。いや、私になにかできた訳でもないけど。
「お姉さんたち、大丈夫っスか?!」
声が聞こえてきた方を見ると、スーツを来た女性が1人。
「んー、こっちのお姉さんはちょっと気が動転してるっスね…。伊地知さん、私、このお姉さんを車で家まで届けてくるっス。」
「了解しました。よろしくお願いします。」
スーツを着た女性は、化け物に襲われそうになっていた女性を宥めながら、車に連れていく。
「大丈夫ですか?」
その声に振り返ると、見覚えのある顔がそこにはあった。