5億の女
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遥か宇宙の惑星木蓮、長い航路をワープしながら春雨はその星域にたどり着いた。
地球とどこか似た美しい星。サイズがまるで違うが。
ーーー人口800億人が住む巨星
宇宙港に神威たちは降り立った
ちゃんとした契約を海賊と木蓮で交わすためにここまでやってきた
そう。春雨に敵対する反乱軍側につかれては木蓮としては困るため協定を結ぶことになった
国の中でマフィアが暗躍するように、星としては海賊とうまくやっていくことも必要なことだった。
そして神威たちもそれなりのバックアップを得ることは大事なことだった。
軍統合本部の建物に神威たちは案内され、そこの大会議室で協定を結ぶ条件が話し合われた
もしかして花梨が来るかもと思ったが彼女は部署が違うらしく現れることはなかった
調印は5日後。条件は最初のある程度の骨子が出来上がっていたため、すんなりと事は運んだ。
調印の日まではこの星に滞在することになった。
花梨に会いたいな、と神威は思った
ただどこにいるのかがわからない
「花梨・シュバイツさんは今どうしてるの?」
統合本部内を案内してくれている軍人に聞いた
服装からしてそれなりに地位は上のようだった
「シュバイツさんは、今研究施設の方におられます。お会いになりますか?」
春雨の一件はすでに周知されており、神威たちが花梨のことを尋ねるのは不思議なことではないという認識が彼にはあったようだ。
神威たちはその施設に自動運転の車で案内された
広い施設内には統合本部と違い緑に囲まれた空間も多かった、小さな町もある
建物の受付でIDカードを発行され首にかけ、シースルーのエレベーターを上がっていくと
さらに広いロビーと余計なものが一切置かれていない空間が広がる
「奥の研究室にいらっしゃいます」そう言われ案内された
下手するとそこの自動ドアがあるなんてわからないような透明なドアが開いて
その奥にセキュリティが張り巡らされた空間が現れる
セキュリティの解除に指紋認証と網膜認証の二重のチェックを受けて中に入っていくと
さらに廊下が続きドアが各所にある、
その一つのドアの前でさらに番号を打ち込みカードをもう一度通した彼に続いて中に入った。
「シュバイツさん、お客様です」
「はい〜?」あの腑抜けた声は紛れもない彼女だ
「・・・・・・・・・・・・」無言になること数秒
彼女は変なサングラスに何やら両手に溶接っぽい何かを持つ手袋にヘルメット姿で
何か緑色のエプロンをかけて立っていた
「あれ??お久しぶりです」
サングラスを取ると、花梨が笑っていた。
「なんかすごい格好」神威が思わず言うと
「ああ、ちょっと作業してて、これも目に良くないし。このエプロンも体に悪い影響出さないためだから」
と言ってそれらをとって近づいてきた
あの時は普段着だったけれど今日は下にきちんと軍服を着ていた
「あの時はお世話になりました」
そう言いつつもよくも牢屋に入れやがってなどとちょっと思うのは花梨の性格でもある
差し出された右手を握りかえした神威と阿伏兎はその研究室を見渡す
「ここで仕事してるんだ?」神威は不思議そうであり興味深そうだった。
応接セットが置かれている片隅に神威と阿伏兎は案内されそこに座った
片隅のコーヒーメーカーからカップにコーヒーを注ぎ二人の前に置いて花梨も自分のカップを持って前に座る
「私はこれで失礼いたします」
そう言って案内してくれた男が退室した後神威は花梨に話しかけた
「戻ってから忙しい?なんかさっきの人が言ってたよ」
「休みという休みはことごとく潰れてる、ここで寝起きすることも多いわ。ここほんと超ブラック企業だわ」
国の中枢部とも言える軍部で超ブラック企業と言い切ってしまう花梨がおかしくて笑ってしまう
もしかしたらうちもブラック企業かもしれないそんなことを思った