5億の女
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結局表向きはあの暗殺時の場面で、彼女が襲われ第七師団が助けて春雨に匿ったという嘯いた話を作り上げ、
一応春雨が海賊だあることから身代金が払われることになった
まずそこで金額の話になり
「五千万でいいじゃねえか?」と阿伏兎がいい
神威も同意したのだが、そこでごねたのが花梨だった。
「多すぎるか?じゃあ、1000万で行くか?」そういうとさらに機嫌が悪くなった
「その逆よ、安すぎる」そう言って阿伏兎に文句を言い出す
「じゃあ、一体いくらならいいんだ?」
「5億よ」
「はあ?たかが身代金で5億?こっちはそりゃ金庫が潤うけどそっちは払うかよ?」
「・・払うわよ、だって私の身代金だもの」
「高くねえか?」
「確か前の司令官補は私より階級が下なのに8億払ったわ、それより安いんだからお得でしょ?」
「知らねえぞ」
そう言って阿伏兎が金額を提示したら、あっさり払われることになった。
早くこっちに返してくれというのと5億現金で地球にある木蓮の領事館から
高速艇で運ばれることになり交換する。結論としては身代金=無事に身柄を守ってくれたお礼、みたいなものだった
実際は全く違うのだが花梨もなぜか口裏を合わせてくれた。春雨の中で結構楽しかったらしいのだが。
「本当によくわからない」神威はそういって第七師団を去っていく彼女の乗った高速艇を見送ることになった
領事館に戻されると大騒ぎになっていた。
主星から役人と軍の関係者が詰めていて連絡を入れなったことを叱責され、
無事であったことを喜ばれ、早く戻ろうと急かされて、
その日のうちに宇宙港に迎えに来た母船に乗せられて
休暇は終わってしまった。
木蓮に戻っても、これまた報告書の提出やら挨拶やらで忙殺されていく
いまは昨年の戦争の一時決着の後なので当面戦いはない。。。が私はまた仕事に忙殺されていく
W忙殺ってやつ
こういう戦争時期でない時ほど私の仕事は忙しくなる、次の戦いに備えて新造戦艦に新たな武器の開発を急がなければならない。
最近は流体金属をメインに使う戦艦や旗艦、使うことなく武器のバリエーションを増やす駆逐艦
巡洋艦、設計と開発に携わる花梨の部署は忙しい、しかもそこの第一責任者でもあるから余計に忙しい
造船には乗り込む各提督の希望も入れて各得意分野を鑑みた上で戦艦の武器などの装着は行われる
全て設計からそれらを組み込み、ベストな状態の戦艦で出陣して、勝利を得るための大切な存在が花梨だった。
彼女無くしては新しい武器開発もできない、現存する重粒子砲や電磁砲での改良に加え、
船の新しい電磁シールドも開発し、性能を可能なところまで高めていく
今回も試作艦を3艇仕上げたところで、宇宙に出てもらい試運転を行う前に休暇をもらったらアレになった。
この3艇から大量生産される艦艇のベースが選ばれる、花梨の頭脳はこの部署にななくてはならないものだった
だからこそ、この頭脳に5億は木蓮側にとっては安いものだった。
試作艦の経費としても安すぎる、だから花梨はプライドもあって値段を釣り上げたのだった。
どうでもいいとか適当なことを言うようでこの辺のプライドが高いのだが、花梨のこの頭脳が欲しい、利用したいという輩は周りにあふれていた
ーーーーー敵味方関わらず。
花梨自身は第七師団でもすでに見せていた自分の生と死に対して淡々と考える様はこの辺りから来ているものだった
応じなければ殺される存在であることは分かっているからだ
たとえ就職でここに来たとはいえ、木蓮の人間である以上木蓮に尽くすと決めているから
何がなんでも生きるという執着は持たない
たまに楽しそうなところで働いて見たいというリクルート精神もあるのは確かだが。
「結構それなりに楽しかったのかも」そう呟いて思い出すのは第七師団で過ごした数日
休暇の思い出が拐われて牢獄に入った時間とその後の時間というのも情けない話。
「普通なら殺されるか人身売買だぞ」と領事館でも言われた。
どうせ海賊ってそんなもんじゃないのと思っていたから向こうでも平気だったんだけど。
第七師団では時折花梨の話が持ち上がった
金庫は臨時収入で潤った上に、木蓮と春雨のパイプができ春雨上層部はご機嫌だった
しかも自分を安売りした阿伏兎に怒り,
十倍の金額を母星に払わせるなど想像できなかった
しかし、木蓮とのつながりの中で花梨の情報は調べれば手に入る
あの時は名前と軍人であることぐらいしかわからなかったが
最新鋭の戦艦、武器など彼女の設計開発によるものだと分かった時は驚きを隠せなかった
元々スキップで人よりも5年も早く高校、大学を卒業後就職。専門分野の実力を買われ今の部署に転属になった。
あの妙にキモが座った言動と行動は軍人ゆえか、個人そのものの性格なのか、また会ってみたいと思うほど興味が湧いた