5億の女
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エピローグ
船に戻った神威は花梨の荷物を自分の部屋に運び込んだ。
・・がやっぱり寝袋がある。
よくトランクに詰め込んだものだ
「花梨、これ、いらないと思うよ」
「・・それがないと寝た気がしないの」
「いや、ベッドあるから」
「でもここでも仕事したいから、そのときに使うからいるの」
ーーー花梨は第七師団で船のメンテナンス全般を受け持つことになった。
大きな旗艦戦艦の至るところまで設計してきた花梨には手慣れた仕事だった
修理を始めると寝食を忘れて没頭する、寝袋で寝るはここにきても変わらなかった。
ただ神威は寝袋ごと寝室へ運んでしまう。
朝ベッドの上で寝袋に入ってる状態で花梨は目を覚まし大慌てすることもしばしばある。
隣で神威はちゃんと毛布をかけて眠っている
「寝る時は一緒って約束しただろ?」
そう言われて抱きしめられる
言ってた通り、いろいろ束縛が強い。
それでも花梨はその束縛すらも愛おしく思えるほど、神威を思っている
木蓮は新政府が樹立し、新たな時代へ舵を切り龍翔提督が国家元首となり治めることになった。
そして、花梨は正式に退役が認められ軍人ではなくなった。
花梨が連れて行かれた生態医療研究所は爆破され、機能しないものとなった。
花梨がいた大きな鳥籠と称された研究所は全ての囲いが取り外され、誰もが行き来できる公園や街となり研究所は病院施設や学校施設に仕様変更された。
統合本部も内装などが一新され、周りに研究施設が新たに建てられ、
そこには花梨の後輩たちがチームで兵器開発などを行うことになった。
木蓮が軍事に秀でた星であることは変わりない。闘争心を持ち正々堂々と戦う気質の木蓮人。
これからもこの星では戦争と平和を繰り返していくだろう。
その光景を蓮水は故郷の丘の墓標から見ているだろう
そしてはるか宇宙の果てにいるであろう花梨を見上げているはず。
一緒に収められた遺品の中には、蓮水が大事にしていたあの大学のパンフレットがあることを花梨は知らない。
ーーーそれを蓮水の両親に渡し埋葬するように言ったのが神威だったということも。