5億の女
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・・・・・・
「おい。団長、春雨の本部から連絡が入ってる」
阿伏兎がそう言って慌てて呼びに来たのはあの花梨とご飯を食べた後のことだった。
もう何度となく一緒に食べているから名前も呼び捨てになった。
急ぎの用事だと言われて通信を繋ぐと
地球で行方不明になった人間がいる、要人にあたる立場で地球の各国政府が探している
各師団に誘拐などで間違って攫っていないかなど確認しているという
モニターに映った写真に神威は唖然とした
“あの女じゃないか“と。そばにいた阿伏兎も唖然とした様子で。
“銀河系から離れた木蓮星域系の主星・木蓮の軍の要人 花梨・シュバイツ
休暇を取り地球に出かけて行方不明、外交公約で要人においてはパスポートなしで星間を移動できる特別待遇。
政府には入電済み・・の、はずなのに行方不明になったら大騒ぎになるはずで。
木蓮星域では2000年にわたる戦争が行われているが
それは星域内のことで内政不干渉という条約のもと他の星系からの干渉は受けていないので、
この戦争においてはなんら他所に迷惑はかけていない。
2000年もの間、時に平和な時代がありまた争うという繰り返しの主星木蓮は他の星系とは和平を結んで来ている
圧倒的な軍の力は長きを戦っても衰えることはない。
夜兎と同じように戦うことを好む人種がそこにはいる。
そこの要人が彼女とは・・・
花梨が第七師団にいることがわかった今はどう彼女を返す
かが問題になった、拐ってしまったことは確かだった。
「いっそ、殺し・・」阿伏兎が言いかけたのを神威は遮った。
「何処かから話が漏れたらただじゃすまなさそうだよ?」
神威がそういって花梨に会いに行くと廊下に出て行った。
神威は花梨にわざと聞いた
「花梨・シュバイツさん、だよね?」と。
花梨という名前は聞いたがシュバイツは言ってなかったから彼女は驚いた様子で神威を見つめていた
「なんで知ってるの?」
「なんか地球の各国政府とかが探してるらしいよ。花梨のこと」
「ああ、やっぱりね〜。めんどくさ。とうとう動いたのねえ。」
ため息をつきながらいう花梨の様子に神威はなぜか笑ってしまった。
「ねえ、なんか花梨ってさすごい軍人さんて言われてるみたいだね、書類に書いてある」
「そんなのいくらでも書けるものよ、私は就職で軍に入っただけで軍人としてみたいな崇高な考えも何も持ち合わせてないわよ、
年金も多いし、給料も多いし借りた奨学金返さなくていい、
こんないい条件ないと思って就職試験受けたら通っちゃっただけの話よ」
「それ何?それだけで選んだの?」
「そうよ、それだけ。で。気がつけば天職だったのよね」
「何やってるの?」
「昔は下士官だったけど、今は兵器開発とか戦艦製造のエンジンとか装甲設計とか・・
最初は内偵だったわ」
「だから死体観ても平気だったんだ?」
「そうね。たくさん見てるからなんとも思わないってか、どうするの?」
「どうするのって・・」
「殺しちゃうのか生かすのか、はっきりして欲しいんだけど?」
普通に自分の生死に関して聞いてくる花梨が不思議でしかたなかった、不安げな顔をするでもなく
怯えることもなく、まるでちょっとその辺に買い物に行くような感覚で語る
多分このままここで殺してしまっても、その表情を変えることもなくその命を終えるんだろう
神威は戦闘種族ではあるけれど、そういうのを対象に殺そうという意識は持っていなかった
まず持って戦っていない上に、死を恐れていないというか
“仕方ないじゃん”程度の感覚しか持ち合わせていなさそうだ。
「死んだら年金でないよ?」そう神威がいうと
「あ、そうだ」と困った顔をした
「ここまで年金かけといて返ってこないのは何か損した気分になるわ、それに退職金も出ないじゃないの」
「花梨、ほんとに金だけで仕事選んだんだ?」
「そうよ。いけない?」
「いや、で、・・どうする?星に帰る?帰してあげるよ、こっちも面倒だし。」
「せっかくだから身代金でも取る?海賊だったら払ってくれるわよ、運転資金いるでしょ?」
あっさりいう花梨に神威は驚いてしまう
「普通さ、そういうこと言わないよ。ってか身代金はやばくない?」
「ああ、そっか。建前以上の身代金でいいんじゃない?世話したから謝礼でもいいし
もしくはもう私をいないものとして殺してしまうか、このまま雇ってくれてもいいけど」
この性格に翻弄されている、何がなんだかわからないこの性格
神威は本音がどこにあるのか理解できないままでいた
「おい。団長、春雨の本部から連絡が入ってる」
阿伏兎がそう言って慌てて呼びに来たのはあの花梨とご飯を食べた後のことだった。
もう何度となく一緒に食べているから名前も呼び捨てになった。
急ぎの用事だと言われて通信を繋ぐと
地球で行方不明になった人間がいる、要人にあたる立場で地球の各国政府が探している
各師団に誘拐などで間違って攫っていないかなど確認しているという
モニターに映った写真に神威は唖然とした
“あの女じゃないか“と。そばにいた阿伏兎も唖然とした様子で。
“銀河系から離れた木蓮星域系の主星・木蓮の軍の要人 花梨・シュバイツ
休暇を取り地球に出かけて行方不明、外交公約で要人においてはパスポートなしで星間を移動できる特別待遇。
政府には入電済み・・の、はずなのに行方不明になったら大騒ぎになるはずで。
木蓮星域では2000年にわたる戦争が行われているが
それは星域内のことで内政不干渉という条約のもと他の星系からの干渉は受けていないので、
この戦争においてはなんら他所に迷惑はかけていない。
2000年もの間、時に平和な時代がありまた争うという繰り返しの主星木蓮は他の星系とは和平を結んで来ている
圧倒的な軍の力は長きを戦っても衰えることはない。
夜兎と同じように戦うことを好む人種がそこにはいる。
そこの要人が彼女とは・・・
花梨が第七師団にいることがわかった今はどう彼女を返す
かが問題になった、拐ってしまったことは確かだった。
「いっそ、殺し・・」阿伏兎が言いかけたのを神威は遮った。
「何処かから話が漏れたらただじゃすまなさそうだよ?」
神威がそういって花梨に会いに行くと廊下に出て行った。
神威は花梨にわざと聞いた
「花梨・シュバイツさん、だよね?」と。
花梨という名前は聞いたがシュバイツは言ってなかったから彼女は驚いた様子で神威を見つめていた
「なんで知ってるの?」
「なんか地球の各国政府とかが探してるらしいよ。花梨のこと」
「ああ、やっぱりね〜。めんどくさ。とうとう動いたのねえ。」
ため息をつきながらいう花梨の様子に神威はなぜか笑ってしまった。
「ねえ、なんか花梨ってさすごい軍人さんて言われてるみたいだね、書類に書いてある」
「そんなのいくらでも書けるものよ、私は就職で軍に入っただけで軍人としてみたいな崇高な考えも何も持ち合わせてないわよ、
年金も多いし、給料も多いし借りた奨学金返さなくていい、
こんないい条件ないと思って就職試験受けたら通っちゃっただけの話よ」
「それ何?それだけで選んだの?」
「そうよ、それだけ。で。気がつけば天職だったのよね」
「何やってるの?」
「昔は下士官だったけど、今は兵器開発とか戦艦製造のエンジンとか装甲設計とか・・
最初は内偵だったわ」
「だから死体観ても平気だったんだ?」
「そうね。たくさん見てるからなんとも思わないってか、どうするの?」
「どうするのって・・」
「殺しちゃうのか生かすのか、はっきりして欲しいんだけど?」
普通に自分の生死に関して聞いてくる花梨が不思議でしかたなかった、不安げな顔をするでもなく
怯えることもなく、まるでちょっとその辺に買い物に行くような感覚で語る
多分このままここで殺してしまっても、その表情を変えることもなくその命を終えるんだろう
神威は戦闘種族ではあるけれど、そういうのを対象に殺そうという意識は持っていなかった
まず持って戦っていない上に、死を恐れていないというか
“仕方ないじゃん”程度の感覚しか持ち合わせていなさそうだ。
「死んだら年金でないよ?」そう神威がいうと
「あ、そうだ」と困った顔をした
「ここまで年金かけといて返ってこないのは何か損した気分になるわ、それに退職金も出ないじゃないの」
「花梨、ほんとに金だけで仕事選んだんだ?」
「そうよ。いけない?」
「いや、で、・・どうする?星に帰る?帰してあげるよ、こっちも面倒だし。」
「せっかくだから身代金でも取る?海賊だったら払ってくれるわよ、運転資金いるでしょ?」
あっさりいう花梨に神威は驚いてしまう
「普通さ、そういうこと言わないよ。ってか身代金はやばくない?」
「ああ、そっか。建前以上の身代金でいいんじゃない?世話したから謝礼でもいいし
もしくはもう私をいないものとして殺してしまうか、このまま雇ってくれてもいいけど」
この性格に翻弄されている、何がなんだかわからないこの性格
神威は本音がどこにあるのか理解できないままでいた