5億の女
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神威が宇宙に出て、同じように高杉も鬼兵隊と共に木蓮を後にした日
花梨はこれまでにない寂しさを感じていた
神威が残した赤い華も徐々に薄くなっていく。
「また空を見てるんですか?」蓮水が穏やかな顔で紅茶を持って立っていた。
「そんなに見てる?」
「ええ。しょっちゅう、神威殿も高杉殿も木蓮を出て行かれて寂しいのはわかりますが、最近は仕事が滞っておりませんか?」
「そうだよね、確かにそう。蓮水がいう通りね。ごめんなさい」
素直に認め謝る花梨に逆に蓮水の方が恐縮する、彼女は上司であり階級も自分よりは上で謝る必要などない立場にいるのに、素直に謝ってくる
紅茶をテーブルの上に置きながら、この人の部下で良かったと思う。
「仕事の前にジェンガやらない?」そう言っていたずらな顔を向けるところも
蓮水にとってはここにいようと思う理由の一つでもあった
それから花梨は仕事に埋没されていった。
あれから1ヶ月が過ぎた頃、神威はお土産を持って研究所へやってきた
「神威、お帰りなさい」思わず出た言葉を蓮水は物陰で聞いて、一瞬顔をしかめその場をさった。
彼の足は統合総本部へ向かっていた。
重厚な扉の前に蓮水は立った。
兵士がドアを開けると総本部の総統が座っていた。
その横に生態医療チームの面々がなぜかいた。
総統は書類を見た後、蓮水に確認するように質問をはじめた
「報告を受けたが、花梨中将のところにたびたび春雨の第七師団長がきているというのか?」
「はい、元々行方不明の時に知り合ったらしく、親交を深めているようです」
「蓮水、お前に勅命で監視をされてることはバレていないな?」
「はい。しかし、龍翔提督はご存知です」
「龍翔は良いのだ、ところでだ、その師団長と花梨中将はどういう関係だ?友人か?それともすでに男女の中か?」
「おそらく、友人以上かと」
「・・・・それはまずいな。」
生態医療チームの一人が目をギラつかせて言った
「特定の人間と親しくなられては困るからお前をつけていたのに、友人どころか既に関係を持っているとは、なんたることか、新しい指示を出す」
蓮水は背筋を伸ばし、再び勅命を受けた。
研究所に戻った蓮水が見たものは、
神威が銀河系惑星を回っているときに見つけた美しい石の標本の石をそれは嬉しそうに見ている花梨の姿だった。
30種類はあるだろう標本を冊子を見てこれはどこの石で、成分はと神威に話しているが
どうやら聞いてる方はチンプンカンプンらしく、とりあえず相槌を打ってるだけのようだった。
その夜、神威はそのまま研究所に滞在することになったというか、神威が勝手に決めていて
蓮水は追い返すことも可能だったが、花梨の顔を見ると何も言えなかった。
ーーー蓮水は自室で自問自答を繰り返していた、先刻の勅命をどうするか。
デスクの引き出しを開けると懐かしい大学のパンフレットがそのまま残してある
18歳の時大学を選ぶときに取り寄せたもの。
花梨が映っている
「・・どうしたらいい」ため息を吐きながら一人考えを張り巡らしながら夜は更けていく。