5億の女
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「いい加減にしろ、花梨、これ着替えだ、こっちにあったやつだから、チャイナ服だけどなそいつよりマシだろ?」
そう言って阿伏兎が着替えと靴を渡した時
「おい、これ、大丈夫だったか?きつくしめられたろ?」
阿伏兎が首に触れて心配して聞いてきた
首を締められた時の指の後がくっきりと残っていた。
ジャージの襟を開いた時にはっきり見えてしまったようで、神威まで慌ててやってきてそれを見た
「夜兎にやられたな?」その目はなんとも言えない迫力があった
「ああ、すごく怒ったから、私。」
「シンスケ、一体どういうこと?怪我させるなってあれほど」
「自分を殺そうとしてる夜兎に向かって、
神威、お前の方が綺麗な顔してると言った上に
そいつにブサイク。サイテーと言いやがった。」
「はあ?花梨。そんなこと言ったの?」
「だって同じ夜兎にやられるならブサイクより綺麗な方がいいから」
「それ、喜んでいいのかどうかもわからない」
とりあえず着替えてこいと阿伏兎に促されてまた子に付き添ってもらい着替えに向かう後ろ姿を神威たちは見ていた。
「だがな、あいつは俺に斬られる覚悟をしてた。」
高杉はそう言ってあの時のことを神威に話し始めた。
あの部屋で花梨が“じゃあ、あなたが斬ってよ“と言ったこと、
それが嘘の言葉に聞こえず
助けるつもりで動いていたが、刀を花梨に向けた時
“約束は守ってくれるのね“って微かに笑ったこと、振り下ろすときも目を閉じず高杉を見ていたこと
「何も恐れていなかった、あいつは」そしてこう付け加えた
「神威、お前たちがきたとき、・・・あいつは一筋だけ涙を流した。それの意味が俺もわからないが。」
花梨の涙なんか想像つかない。
それは安堵なのか?俺たちに対する信頼なのか?花梨に聞いたところですっとぼけて終わりだろうけど。
花梨にはいろんな顔がありすぎて、混乱する時がある・神威はそんなことを思っていた。
あのジャージ姿からようやく着替えた花梨は鏡を見て「ジャージもこれも一緒じゃん」と呟く
チャイナ服を持ってきた阿伏兎だったが、これはさらに胸がないことを強調する
「わ、私の着るっすか?」
また子がそういうほどでまたこの胸を見てやめた方がいいと思う。
仕方なくそれをきたけど、もともとラインが出る服は着ないからジャージのほうがマシな気がして
足がもろに出ているのはなんとも気恥ずかしくなる。
「見慣れてくればそれなりに・・」
慰めにも何もならない言葉に苦笑いで部屋を出た。
武市だけがお似合いですよと言ってくれるが、また子が「武市先輩は元々ロリコンだからそういう体系が好みなんすよ」というと
「ロリコンではありませんフェミニストです」と彼は否定していた。
着替え終えた花梨を見た面々は「大差ないな」と呟いた。
「ジャージのままで良かった気がする」そういう花梨に
「阿伏兎のセンスも問題だよね」と神威がそういうと
阿伏兎は“それは花梨の体型が問題なんだよ“と言いたかったがあえていうのをやめた。
「足は合格だな」そう言って笑ったのは高杉だけだった
花梨を救出したことはその日のうちに鬼兵隊から木蓮へ伝えられた。
高杉が情報を得て繋がりのあった春雨第七師団も加わり花梨が監禁されている船に突入後
乗組員を殲滅、船を爆破、全員死亡を確認、武市が現場を撮影し証拠として提出した
木蓮側はその報告を聞き、安堵し、花梨の身柄を引き取ることを連絡してきたが
万が一の安全のため。鬼兵隊、第七師団が木蓮まで送ることになり
文書で礼金が贈られることを伝えてきた、もちろん双方に5億。
花梨は私はそれ以上値段が上がらないのかと不満げに言ったが
「2軒分で10億になったじゃん」と神威は笑った。
本部に入れる分を除いてもまた第七師団の分は潤うのだから阿伏兎なんかはほくほくだ。
高杉は花梨を見ていた
戯れて笑っている顔と、あの顔の違い。
「おい。花梨」不意に名前を高杉に呼ばれ花梨はその顔を見た
「このままここにいるか?お前が望むんなら乗せてやるぞ」
空気が変わった、
「シンスケサマ、どういうことですか?」
「シンスケ殿」
「シンスケ、どういうこと?」
神威も疑問の目をなげかけた。