5億の女
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貸してくれたのはジャージ。紺のジャージに紐履
”罰ゲームか”そう言いたくなるような格好
「ますます貧弱感が出てるな」高杉はククッと笑う
まな板だの貧弱だのどいつもこいつも・・・その時神威の顔が浮かんだ
「揉めばいいんだよ」と言われたな、思わず掌見て指を揉むようにし動かしてみる
「何やってんだ?」
「ああ。とある人が私の貧弱な胸も揉めば大きくなるって、やっぱり自分でやって効果が出るのかなと再度思って・・・」
「てめえ、自分で貧弱って言ってるじゃねえか、そいつにも言われたか?」
「まな板って言われましたよ、前も後ろも」
「・・じゃあ、俺がやってやろうか?」花梨の体を引き寄せかける手を払い
「趣味の悪い服、やめてくれたら考えます」そう言った
「お前もだろうが」思わず高杉の顔を見るとニタっとした笑いが返ってきた
ーーーーいや、これ私のじゃないから。
「こいつ俺が預かる」そう言って高杉は花梨を部屋へ連れて行った
「ありがとう、とりあえずあそこから出してくれて感謝してる」
花梨がそう言うと
「案外素直なことも言えるんだな、もっと捻くれてるかと思ったぜ」と紫煙を燻らす。
「なんで鬼兵隊が反政府と関わってるわけ?」そういく花梨に
「たまたまさ。付き合いがあっただけのことだ。
戦争に加担してるわけじゃない。話の中で5億もの金を出しても惜しくない女を拐うってんで、
どんなやつか見に寄っただけだ。それがお前とは思わなかったがな」
「悪かったわね」花梨は視線を宇宙に向けたまま機嫌が悪そうに答える
「なんでこんな目にあってもお前は平気な顔でいる?」
いきなりの質問に花梨は表情を崩さないで振り返って答えた
「別に死ぬ時は死ぬから、生きてたいけど無理なら仕方ないんじゃない?
泣き喚いて足掻いていきたいと思うほど、拘って生きてないから」
「いい答えなんだが、そのジャージでは説得力ないな」
高杉の言葉にガックリしている花梨がなんともおかしい。
花梨の性格からか、例え高杉がいようと寝る時は寝てしまう。
「襲われるとか言う感覚は全くない女だな」
熟睡する顔を見て呆れたように言う高杉は、まあいいかと同じベッドで背を向けて寝た。
夜中何回も蹴られ起こされて最後はソファに移動する羽目になったが。
そして高杉も朝の自堕落な花梨を直接見ることになる
こんな女会ったことがないと再度自分で確認した。
花梨との人質交換の交渉は難航しているようだと高杉は教えてくれた
「そりゃそうだわ、あっちはトップクラス二人だからね。
簡単に渡したりしないわよ、それで戦争起こすのもアレだし・・
私が帰ってきません。人質返しませんの方が統合本部は対応が楽だと思うわ」
「お前は自分がどうなるかわかってるのか?それでも言えるのか?」
「だから死ぬ時は死ぬから仕方ないわよ、夜兎もいるし、殺すのは簡単でしょ?
どうせ殺られるならあんなブサイクで粗野な夜兎より神威ぐらい顔のいい方が・・・」
そう言った時高杉が少し驚いた声でいった
「おい、神威って第七師団の?」
「そうよ、5億払ったのそこよ?知らなかったの?しばらくそこにいたわ。」
「春雨の本部にかと思ったら・・第七師団か」
「結局本部に入ったとは思うけど・・神威のこと知ってるの?」
「ああ。かなりな。」
「・・まな板って言ったのは神威よ、
あなたは貧弱って言うしお友達同士で
よく似たようなこと言ってくれるわ」
「友達じゃねえよ」
「そう?」
また花梨はフイっと窓に映る星に目をやる。
「本当、どう転ぶのかしらね〜これからわからないや、どっちでもいいけど」
まるで他人事のように話す花梨を高杉は黙ってみていた。