5億の女
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花梨どうしてるかな。・・神威は最近そんなふうに考えることが増えた気がする
「どうしてだと思う?阿伏兎」
「今回は花梨の抱えてるもんが見えたからじゃねえか?」
「そうだよね。あんなふうに闇を抱えてるって知らなかった」
「だか、組織にいるってそういうもんじゃないか?春雨然り、木蓮然り」
「俺たちに置き換えてもそうかもしれないな」
「問題は、あいつは一人ってことだよ。蓮水ってやつもどこか怪しい気もしたぜ?」
「護衛兼部下の?」
「ああ。逐一花梨の行動を報告してたってよ」
「何で知ってるの?」
「商船の中にちょっと潜り込ませておいたやつから報告がきた、
そもそも部下ってやつは上の行動をさらに上には流さないぜ?
俺はそんなことやらないぜ?他の団員も」
「って考えたら、なんかきな臭いよね」
「ああ。花梨がこのままあそこで大人しく一生いれば問題はないけどな」
「・・してそうな気もするけどな」
「・・・ずっと一人でな」
ーーーー阿伏兎は花梨の孤独をわかっていたのかもしれない。
明るく振る舞い、怠惰に振る舞い・・そういう自分を周りに見せつけて、
その実は自分をそうやって守っているのかもしれない
でも諦めもあって
それが簡単に生きることを諦められることにつながっているのかもしれない
そして花梨はもしかしたら誰よりも孤独の中にいるのかもしれないと思う
神威はあの部屋の前を通りかかった
この前花梨がここに一晩泊まる時嬉しそうにしてたことを思い出した。
花梨はもしかしたら俺や阿伏兎には何一つ警戒心を持たないで心を許していたのかもしれない
子供みたいにはしゃいだり、まな板って言ったら怒って、手で揉んだら大きくなると本気でおもって自分でやろうとしたり・・
反面、死体が平気だったり。死ぬことも怖がらない、
諦める花梨
もっと近くにいたらもっと分かり合える、でも距離は遠い。なぜそんなふうに考えてしまうか
神威自身わからないけれど、ただそう考えたことは事実だった
大きな鳥籠。そう言った花梨を思い出した
あの研究所施設は、花梨が生かされている大きな鳥籠なんだ・・神威は胸のどこかが締め付けられたように痛むのを感じた。