番外編 一世一代の恋 神楽の恋
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「神楽は夢中で蓮を追ってる」
「蓮はそのうちいなくなるわ、
次はいつ来るかさえわからない。
私ですら想像つかないのに神楽ちゃんだって
いつまでもこない蓮を待てるはずもない」
悲しい顔で凛はそう言った
「神楽ちゃんには蓮じゃなく普通の人と恋をしてほしいわ。
蓮じゃ色々難がありすぎる」
そう言って困った顔で笑う
「珍しい、兄貴に対してそう言う言い方」
「私だってそうだったもの・・神威のことで悩んだもの。
神威が押し切らなかったら諦めてたと思う、
私の生存条件が変わったと言うのもあるけど。
・・知ってる?西洋のお話でピーターパンというのがあるのを」
「ピーターパン?なんだそれ?」
凛はネバーランドにきたウエンディとピーターパンの話をした。
ずっと少年のままの彼と年老いていくウエンディ
楽しい時間を過ごしても別れが来て
現実世界で彼女が老婆になって孫ができても
ピーターパンはそのままで
彼女は懐かしさの中で生きて別の人を愛し子を生んで
それでも彼を思い続けてた
それはそれでいいけれど、
それならば思い出など残さず
最初からそう言う関係にはならないと言うのが蓮の生き方だと言った
・・・・・・・・・・・
「ただいま」ドアを開けると凛に「おかえり」と神威は出迎えてくれた
「遅くなってごめんなさい」そういう凛を軽く抱きしめると神威は不意に真面目な顔で言った
「俺はたとえ凛が歳取らなくても一生愛せる自信はあったよ。今もあるよ。
凛が一生愛してくれるかどうかは別として」
「話、聞いてたの?」
「ああ。神楽のことも気づいてた」
「そう・・でも何もしてあげられないわ。蓮があれですもの」
「神楽が納得できればいいことだよ、どんな結果にしろ」
「そうね」
今度は後ろから抱きしめた神威に体を預けなから凛はいう
「みんな幸せになれればいいのにね」と
頬を合わせ大きく息を吐いた神威は
「しあわせの形は違うから、納得した形で結果が出ればいい
さしあたって、俺は久しぶりにこうして二人きりでいられることが幸せだけど。
・・・蓮がきてから二人きりはなかった」
「そうね」
「お邪魔虫が戻る前にもう少し二人きりで仲良くしたいよ」
「神威?」
ニコッと笑う神威に凛はつられてしまう。この笑顔は罪だと毎回思わされる
「ね」と言う神威に凛も「そうね」とこたえた。