番外編 一世一代の恋 神楽の恋
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ーーー夕方、神威は家に戻ってきた。
「ちゃんと話せた?」
そう聞いた神威に凛は小さく頷いて笑顔を見せた。
「で、蓮は?」
「銀さんに飲みに連れて行かれたわ、早めの送別会してやるって・・」
「蓮って飲めたっけ??」
「あまり強くはないけど、銀さんよりは飲めると思うわ
ブランデーケーキに大量のブランデー染み込ませて食べてるから」
「そっか。ってことは夜中までは二人きりだ」
そう言ってまた後ろから抱きしめてくるのは神威の癖で
頬を引っ付けて話そうとする。
「・・凛、これあげる」
後ろから伸ばされた掌から凛の掌に乗せられたのはプラチナ色とゴールド色の二連になったリング
「神威、これ」
「一緒に住んでずいぶん経つのに指輪なんてあげたことがなかった」
神威はそのまま凛の左手の薬指にそれをはめた
「凛、このままでいいとか言うなよ。もうはぐらかすなよ、結婚しよう。」
凛が泣いてるのがわかる、合わせた頬に伝う涙が神威の頬にも流れてるから。
「ありがとう、神威」凛はそう言って体の向きを変えると神威を抱きしめた
「凛が悩んでたことはもう気にするな。俺は凛でなきゃダメなんだ
凛だって俺じゃなきゃダメなんだろ?」
その言葉に何度も凛は頷いた
翌朝 その指輪をいち早く発見したのは蓮だった
ご機嫌そうに大量の朝食を平らげる神威をジロリと睨みつけた後、蓮はふいっとまたそっぽを向いた
「ま。いいか」そう小さく呟いた言葉は誰にも聞こえていなかった
昨日二人で話したことが今日の結果を呼んだのならそれはそれでいい
そう思った。
・・・・・
「で。なんで俺にいうわけ?」
ファミレスで銀時はパフェを頬張りながら蓮の顔を見る
すでに2時間位、凛の話を聞かされてる
小さい頃どんなに凛が可愛くて、いつも二人でいて、あんなことがあったとか
こんなことがあったとか言い続けて
凛は自分に対してだけは泣き虫で、神威の前では泣かない、それは自分たちだけの絆があるとか
幾つになっても抱きついて甘えてくることがあるとか
ダラダラ、ダラダラ、延々、延々、とことん、とことん話し続ける、そして。
朝起きたら指輪をしている凛がいて、神威が超ご機嫌でやたら朝から暇さえあれば凛に触ってたと
淡々と冷たく言い放つ
「兄としては複雑だからですよ」その横顔はツンとしたいつもの顔だ。
「ってか、お前すでにあの二人何年一緒にいると思ってんだ?」
「それはわかってますよ、凛が幸せならいいんですよ。ただ、
凛をあそこまで変えたのがあのバカイノシシだってことが嫌なんですよ」
「なあ、蓮」
「なんですか?」
「お前がいうあのバカイノシシも凛がいたおかげで相当変わったんだぞ?
手のつけられない闘争本能の塊だったあいつがそこまで変わった
俺には信じられないさ、あそこまで変われるとは。
二人がお互いいい影響を与えて変わるのはいいことじゃねえか?」
「そんなことあなたに言われなくたってわかってますよ」
肩肘をテーブルにつき,また横を向く蓮に
「お兄ちゃんは複雑ですねぇ。お前にそんな顔をさせる凛はかけがえのない妹なんだな」
「私の半身ですからね。」
「なあ、凛が大事な妹なら、神楽もあいつにとっちゃ大事に妹だってこと忘れるなよ」
「わかってますよ。だからまだ答えに困ってるんですよ」
蓮はそう言って笑った。
“お前、答え出てんじゃないの?”そう銀時は思ったがこいつは絶対言わねえ。と黙っていた。