番外編 一世一代の恋 神楽の恋
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翌日、
お泊まりデートをしていた凛は神威に少しだけ蓮と二人にして欲しいとお願いした。
「一度、きちんと話してみたいの」という凛は神楽のことを考えていた。
「わかった」そういうと神威は家の前まで凛を送ると阿伏兎のところへ行ってくると船に一度戻った。
「お帰りなさい、凛」蓮はいつもと変わりない。
「昨日は。。」
「いろいろ大変でしたよ、・・あなたも言いたいことがあるって顔をしていますよ?」
「蓮はなんでもわかっちゃうのね」
「ええ。双子ですからね」
蓮が入れてくれた紅茶を一口飲んで話し出そうとしたら、蓮が話を振ってくれた。
「昨夜は大変でしたよ、大虎になった時も大概でしたけれどね」
「最後はテンパー頭にハゲオヤジまで来てました」
「蓮、口が悪い。。。」
「凛ぐらいにしか言わないでしょう?一歩外に出れば丁寧親切な蓮ですよ」
「もう。」
困ったように笑う凛とそんな凛を見て微笑む蓮は本当に仲がいい
「ねえ、蓮は神楽ちゃんのことを本当はどう思ってるの?」
「。。今回ははっきり聞くんですね。・・・そうですね、可愛いと思いました
大虎になって泣いたり怒ったり、私には縁がないじゃないですか。
もちろんあなたも。
気にはなりますよ。でもそれは普段抱くものと変わらない気もするし違う気もする。
あまりに直球で驚きますよ。あんな子は見たこともないし知り合ったこともない」
「それ、神威と同じです、気がついたらどこにでも現れてさっと消えて
また現れて・・言いたいことだけ言って」
「私は、ちゃんと答えは出すつもりでいますよ。
彼女はあそこまで言ってくれた以上返事はきちんとするべきでしょう、
彼女が望む答えかそう出ない答えかは別として。」
「もしかして・・蓮、いいえ。・兄様は私の犠牲になってるの?」
「どうしたんですか?いきなり」
「ずっと気になってました、
だって私がこういう生き方を選んだから種は絶える可能性がより濃くなったから、
兄様はそれを守ろうとする。だから・・・」
「凛、よく聞いてくださいね、私は凛が選んだ生き方を尊敬してます
ちゃんと自分で選び取ったんです。種を守るだけの生き方じゃなく
自分自身のための生き方を選んだんです。
私は。。正直迷っていることも事実です・・・
今。神楽を突き放すことで傷つけるのか、未来でいつか傷つけるのか・・
私は彼女を傷つけたくないんですが、いつかくるものだと思えて仕方ないから消えるつもりでいました。
でも彼女は向かってきてしまう。」
「それは私が神威の前から消えようと思った時と。。同じです」
凛の瞳から涙がこぼれ落ちていく
「長く永遠に生きる私が神威を思ったところでどうしようもないって
神威は私の気持ちをわかってなかったから、
種の生き方を守って一人で生きようって・・
街を出て、でも神威は私を追いかけてきました
この街の人まで追いかけてきて・・ここでずっと生きていいんだと思えました
そして、神威は不死のことも全部知った上で・・・だから、私は神威を選びました
でもそれで蓮が犠牲になってたら・・・」
「凛、私たちはやはり双子ですね。悩むことは一緒ですね
でもね。私はあの時望んだのはあなたの幸せですよ
私の幸せはあなたが幸せになることでしたから。
そしてあなたもそうだ。・・違いますか?」
蓮の指先がその涙を拭って・・顔を見合わせて小さく笑った。
「みんなが幸せになれたらいいのに・・」二人は同時に同じ言葉を発した
蓮は凛の涙で思う
そう、私たちの種が一番願うのは・・
争わず、穏やかに、この地に生きるもの全てが幸せに満ちていること
私たちが生まれた星の人々が願ったことはそれだけだ
滅ぼされても。。願った。命を失う寸前まで願った。
その血は私の中にも生きている
殺されても憎むことも恨むこともできない種だ
------それはあの失われた故郷の星の歴史の中にも刻まれている
そして、残された私のなすべきことは
失われてしまった悲しい命を救い上げてやること・・次に生まれてくるときはどうか幸せであるようにと。
そしてその種が絶えぬように守ること・・人は人として花は花として。
だから自分の感情は出さないように生きることが大事だった
そう、一番欲しいものは欲しがってはいけない・・自分の欲に繋がることは願ってはいけない・・
それなのに、彼女はそんな私の中に一石を投じた
まるで水の波紋のように広がっていくのを分かっているから・・逃げようとしたんだろうか。
私が今まで思ってきた愛しさとはやはり違うんだ・・・
“個“としての感情なのか。
結局は・・・私も凛も・・同じなのか。
答えは出たような気がしていた