番外編 一世一代の恋 神楽の恋
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「神楽、もう一度言いますよ?
わたしはこのまま歳を取らない、あなたは私を追い越して行く
辛くなりますよ?
わたしはそれに同じ場所で留まることはできないんです。
わかっていますか?あなたはずっと待つことになりますよ。
私はそんなことはしたくない
だから誰も愛さず私はずっと一人でいたのですよ?」そう言った
「私が蓮を好きで蓮が私を思ってくれてたらそれでいい
先なんてわからない、でも今の気持ちに嘘をつくのは嫌アル」
「私は覚悟なしでは付き合いませんよ?」
「ほらそうやって予防線はって逃げるアル、いっぱいああだこうだ言って、こっちが戸惑うように仕向けてわからないように逃げていくアル、
でも私は逃げたくないアル、蓮にもそうアル」
「・・・神楽。あなたって人は。いつの間にそんなふうに成長したんですか?」
表情を崩した蓮に神楽ははっきりいう
「蓮が変えてくれたアル」
「あなたはあのバカイノシシに似ていますね・・・さすが兄妹だ・・・」
蓮の中で小さな変化が起こり始めていた
神威が凛の心の壁を蹴って壊して入り込んだように神楽も叩き壊して入り込もうとする
私たちはまずしない。
静かに考え静かに悩みお互いを測って、相手に踏み込むような真似はしない
ここでも種の違いは出るのかと思い知らされる
先に眠ってしまった神楽をベッドに寝かせリビングの窓を開ける
「そこにいるんでしょう?もう神楽は寝ましたよ」
そう声をかけると罰の悪そうな銀時と星海坊主が立ち上がった。
「お茶を入れます、体が冷えたのではありませんか?美味しいケーキもありますよ」
そう言って二人を招き入れた
銀時達は神楽の顔を見に行った。
「熟睡してるな」そういう銀時に
「いうだけ言ってさっさと寝ましたよ」笑いながら蓮はお茶を出してくれた
ケーキも添えて。
「で、どうすんだよ?」銀時の問いかけに
「何がですか?」と銀時にはすっとぼけるのが蓮だ。
「あのな〜〜」
「なんですか?」
「だからさ〜」
「・・・・わかってますよ」笑いながら蓮はいう
「彼女の気持ちは十分伝わりました。
直球で驚かされますが・・・・
もう少しだけここにいて考えることにします。ただ・・・」
「ただ?」
「私は気づかなかったことを気づかせてくれましたよ。貴重な意見をもらいました」
「意見て。。お前、告白されて嬉しくないのか?」
ふふと笑う蓮は
「とてもうれしかったですよ・・でもちゃんと答えを出さなければ彼女に失礼だから
断る一択でと簡単には言えなくなりましたね」と答えた
帰り道銀時は星海坊主にいう
「あいつはやっぱり手を出さなかっただろう?自制心の塊みたいなやつだよ」
「あの種の特徴か?あんな風に感情をダサネェのは」
「ああ、凛もそんなにださねぇ・神威はその分わがまま言ってるがな」
「そんな性分を持った種だな」
「平和主義だから仕方ねえ、下手したら自己犠牲精神だけで生きていきそうな種だからな」
「よくそんな種が夜兎とひっついたもんだ」
「神威のしつこさと凛の優しさだろうな。言っとくが蓮と凛は双子だが・・綺麗な純粋な部分は凛。天邪鬼は蓮が受け持ってるんだ。
だから戦う神威をも受け入れられたんだよ、種の違いをわかってるからそれを責めることもしない。」
「その種の違いと観念が・・あの二人の結婚の意思の妨げになってるんだがな、かわいそうな話だ」星海坊主はそう言ってため息をついた
「誰の話だ?」銀時は聞いた
「神威の話さ。いつまでたっても結婚しねぇ、種が邪魔をして。」
「凛は一緒にいるだけで幸せって・・いうからな。でも神威も変わったさ、見てわかるだろ?」
「ああ、変わった。それはわかるさ、彼女が変えたんだろうってことは」
「年頃の子どもを持つと親は大変だな」
「ああ、大変だ」
そう言って夜道を歩いて行った。
蓮は静かな寝息を立てている神楽を見ていた
”凛はこんな気持ちでいたんでしょうか。”
神楽が可愛いと思う気持ちはある
それが一女性であるからなのか生き物だからなのか。ただ私に意見できるのは神楽だけだ。
凛は全くしないから。
神楽の毛布をかけ直して
庭に出た
手を空へのばすと
大地に眠っている魂達が集まってくる・・小さな生き物達の声を拾い上げる
まるで遊ぶように蓮の周りを飛んで自身も笑顔になる。
ーーーー
そして気付く、この愛しさと神楽へのそれは少し違うのかも知れないと。
朝、迎えにきた銀時としっかり朝ごはんを食べてから神楽は帰っていった。