この宇宙の中で 番外編 その後〜阿武兎の受難
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そういえば。マリン宛に通信分がきてたよ、何通もきてるけど開けてないよね?」
引き出しの端に積み上げられている封筒はオフェリアからのもの、もうオフェリアを離れたマリンには関係ないと本人も開けず放置していた。
今日のは封の紋章が・・・
「どうした?」
「皇帝陛下から・・・」
「え?」
急いで封を開けると
”ばかマリン殿
ためている封筒全部開けろ、軍務尚書がとても困っている
きっとあなたのことだ関係ないと放置しているだろう
昔からのばかマリンの性格を考えれば放置してると想像がつく
この星を去ってもあなたは退役軍人だということを忘れるな
たまには戻ってこい。皇帝じゃなく私人として会いに行く
さしあたって恩給がそのままになっている。大至急連絡をするように”
言葉遣いが皇帝じゃなく幼なじみの言葉遣いに笑ってしまった。だって子供のときど同じ”ばか”がついてる
しかも幼年学校時代のばかマリンで書いてる
口が悪いのが戻ってる
ーーー「恩給?」
「忘れてたわ、出るんだった」
マリンはガサガサと他の封筒を開けると軍務尚書からの私信付きの電文がいくつもある
「いらないんだけど・・・使いようもないのに。」
「何が?」
「退役する時の退職金と毎月入る恩給だって・・貨幣価値も調べてどこの通貨でやるか知らせろって」
「別にここにいたら必要ないよね?」神威もいう
「そう。いらない、以前のように贅沢もしないし」
「しかもマリン、軍人時代の給料いらないからって、全部第七師団に入れちゃったじゃないか」
「だっていらないもの、そのかわりずっとここにおいてよって話だけ、また第七師団に入れとけばいいか、神威それでいいよね?」
「あ、でも」
「何?」
「もし、さ。・・その。」
「なんなの?神威?」
「・・子供できたらさ、船降りなきゃいけないだろ?その時のためにおいとけば?俺のと二人分合わせたら生活も安心だろ?」
「降りるの?」
「まだまだ先だと思うけど、ここで産んで育てるわけにはいかない、俺も船を降りるわけにはいかないから、ずっと一緒ってわけにはいかない。
マリンの拠点を決めてそこへは帰ってくるけどさ」
「・・私、一人で生活できるか不安になってきた・・私そういう経験してきてないわ」
プライベートの神威にしか見せない顔でそういう
マリンは一人で暮らしたことはない
兵学校では寮にいて、軍人の時は兵舎か戦艦に乗って宇宙
もしくは使用人がたくさんいる自宅、もしくは婚約者の家、当然使用人がいた。丸ごと全部自分でやっったことがない
しかも今度は第七師団で仕事以外はほとんど人にやってもらってる
「もしかして私、普通に生きることに関しては・・・」
「まあ、何もできないんじゃない?阿武兎のいう不適合だよ」
「神威、そんなあっさりと」
「だから阿武兎はいろいろ教えようとしてるんだと思うけど」
「掃除や洗濯はできてもそれ以外はわからないだろ?」
「・・知らない。いろんな勉強はしてきたけど生活に関しては・・貯金とか株とか税金とか運用とかは領地があったから分かってるけど・・それ以外は知らない」
「マリン、生活の苦労はしてないからなあ。でもあれじゃ仕方ないよね。俺とは全く違うから」
「気が重い」
「。。じゃあ。試しにどこか拠点を決めてみようか?」
話の流れで神威はそう言い出した
ずっと子供を持たないわけにもいかないと考えている神威はマリンの様子を見て、ちょっと前もって体験することも必要だなと考えた