この宇宙の中で
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「それだけ食べてよく太りませんね?」
マリンは驚いたように聞く
「夜兎はそれだけ動くから、俺たちは戦闘種族なんだよ」
「聞いたことはあります、直接会ったのは初めてですが
遥か遠い星系の話だと思っていたので」
「俺もまさか、全く知らないところへ飛ばされるなんて思ってなかった」
ーーー「マリン様。小さなお客様が」
その声に振り向くと子供たちが一斉に走ってきた
「どうしたの?」
「マリン様が帰ってこられてるって聞いたから」
神威は不思議そうに子供たちを見た
「ああ。この子たちは私の第二艦隊の部だった者の子供たちです
両親とも戦争で亡くなっているので、引き取っています。
とは言え世話をするのは施設員ですが・・
私はほとんど戦場にいるので」
「この人だあれ?」
「お兄ちゃん、だあれ?どこから来たの?」
「お兄ちゃん、髪立ってるよ?どうして?」
子供たちは神威を取り囲んで言う
「失礼ですよ。お客様にちゃんとご挨拶しなさい」
子供たちが一斉に挨拶をする
神威はこれほどの数の子供に滅多に会うことはないから戸惑いつつ
「やあ、今日は」と挨拶をした
「マリン様、いつまでいるの?」
「今日帰るわよ」
「じゃあ、今度はいつ来るの?」
「しばらくは宇宙に出る予定はないからまた来るわ」
「じゃあ、今度は遊べるの?」
「遊べるわよ」
「じゃあ、約束ね」
「約束ね」
子供たちはしばらくそこにいた後施設員に連れられて帰って行った
「ごめんなさいね、バタバタと」
「いや、なんか変わるね、雰囲気」
「子供たちに司令官の顔はできませんから」
「子供を引き取るんだ?」
「ああ、ええ、そうです
私だけではありませんよ、
余力のある提督たちは皆残された子供が露頭に迷うことのないように
引き取ります、施設を建て、そこで育てます
学校に行かせて、成人するまでは面倒を見ます
・・この星のために戦ってくれたものが遺した子供達ですから
それに・・皇帝陛下の指示でもあるのです
・・貴族出身者は滅多に露頭に迷いませんがね、
・・一般市民はたちまち困ります
だから。一兵卒であろうときちんとしなければなりません」
走っている子供達を見てマリンは言う
「運動がてら歩きませんか?」
マリンにそう誘われて葡萄畑に案内された
そこでは手づみでぶどうを獲る女性たちがたくさんいて
「やってみます?」女性たちが神威に籠を渡す
春雨第七師団の団長が葡萄を摘むという、とても珍しい光景がそこにあった
神威にとっては初めての経験
海賊として生きてきた彼がこんな大地に触れるような経験は一度としてない
マリンは至って普通に彼女たちを会話をし葡萄を摘んでいる
籠いっぱいになったところで、神威たちはそこを後にした
「指が紫になった。葡萄の匂いがする」
そう言って指を嗅いでいる神威はどこか楽しそうだった
「あなたは不思議だね、最初にあった時と全然違うね」
神威はマリンに言う
「軍服を着たら最初に戻りますよ、そこは分別をつけてますから」と笑った
その1日は神威にとって・・海賊になって以来初めての穏やかな時間だったかもしれない。
ホテルに戻った神威は阿武兎にどこへ行ってたか聞かれて
マリンに1日案内してもらってことを言った
「飲まされなかったか?」そう聞く阿武兎に
「飯が美味すぎるぐらい美味かった。」そう答えた。