この宇宙の中で
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「団長、無事か?」
「ああ、孫楊は死んだが。」
「退却した方がいいな、下手に戦力を削がない方がいい」
「これぐらい倒せるだろ?」
そういう神威を説得し船に戻ろうとハッチから乗り込もうとした瞬間だった
ーーー数発の銃弾が神威を撃ち抜いた
「チッ」
そう言って踵を返す神威はそのまま相手を一撃で倒す
阿伏兎も容赦なかった
船から降りた団員も一斉に戦い出す
「ハッチを守れ、誰一人入れるな」神威はそう言った
中にはマリンがいる、危ない、と。
銃撃が起こったと艦橋で連絡を受けたマリンは
モニター越しに神威が打たれた瞬間を目撃した
ーーー嫌な記憶が一気に蘇った。
忘れようとしていた記憶
そのまま無意識にハッチへ走っていくのを団員が急いで追った。
すでにハッチに到着した時は軽く失神した血だらけの神威が阿伏兎に抱えられて上がってくるところだった
「神威!神威!」床に下ろされた神威を呼ぶ
「落ち着け」
阿伏兎がそう言っても完全に取り乱しているマリンに
「夜兎はこれぐらいじゃ死なない」そう言ってしっかりと肩を抱いた
ーーー「大丈夫だよ。マリン」
気がついた神威は笑っていった
座り込んだマリンを阿伏兎はもう一度落ち着かせる
「取り乱してごめんなさい」そう言って肩で息をした
「たまにはこういう怪我もいいかもしれないね、そんなマリンを見られるなら」
神威は笑っていうけれどマリンはムッとしながら
「いい加減にして、こんな思いはたくさんよ」と怒った口調で返す
「俺だけ?」っていう神威に
「あなたも阿伏兎もよ」
そう言うと背を向けた
阿伏兎は肩を竦めて神威を見た
「もしかして、怒った?」神威は阿伏兎に聞くと
「そうじゃね?」と返した
治療を受けている間マリンは医務室の廊下にいた。
ーーー阿伏兎が大丈夫だと言っても口をつぐんだままで。
「どうした?なんでそんなふうに」阿伏兎がいうと同時に
「あの人もそうやって死んだから」そう答えた
「シオン提督は和平交渉の席で・・殺された
武器を持たず交渉に臨むのは当然だと、
しかし相手はそうではなかった
丸腰の彼を撃った
それでも重傷を負いながら大丈夫だといい
艦に戻りその後昏倒。帰らぬ人となったわ。
私は話を聞いただけで目撃したわけなじゃない」
“しかしそれが神威と重なった。“
阿伏兎はマリンを見つめて
「言ったろ、夜兎はそう簡単には死なない、特にあいつは。安心しろ」
そう言った
少し落ち着いたマリンは「そうね」と言いつつ
だんだんあの場面でおちゃらけた神威に腹が立ってきた。
ーー安心して今度は怒りが沸いたんだろう
会うと文句の一つ二ついいそうな気がして
阿伏兎も部屋に戻れというから言うとおりにした。