この宇宙の中で
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ーーーそれはいきなりだった
春雨と人狼が同じ場所に会する羽目になったのは。
人工要塞“流香“で人狼が先刻春雨を攻撃したことを深刻に感じた
流香の実質的権力者である孫楊が人狼と春雨に同じテーブルにつくように勧めた
神威は人狼を相手にもしていなかったというのが本音で、
攻められようと勝てる自信があったためか、
今後の孫楊との取引もあるため席につくことにした
マリンも同行していたが、彼女は夜兎ではないということで安全をとって
流香までは一緒にいたが船から下ろすことはしなかった
団員を警備につけることも忘れなかった。
それは孫楊からマリンのことを人狼がしきりに聞いてくると言われていたからだ。
宇宙機雷の一件ですでに春雨第七師団には新しい団員がいて、
人狼から春雨を救ったとまことしやかにささやかれ始めていた。
人狼はそれが誰かを知りたがったが、
マリンが銀河系を含む近隣の星系の人間ではないから
誰もその存在を知り得なかった。
神威もマリンの存在は隠していたため、
それが女性であることも、どこの出身であるかも
突き止められることはなかった。
ーーテーブルに着いたのは3人
孫楊、人狼団長、神威。
孫楊は数少なくなった海賊同士が戦うのを良しとしなかった
春雨とは古くからの取引がある、人狼は新しい組織とはいうものの手放すには惜しい
話し合いは孫楊の助言もあり、神威はその場では孫楊を立てた
これは春雨団長としての立場からしたもので、神威個人ではあり得ないことでもあった。
阿伏兎は人狼を信用していなかったこともあり、動ける様に準備は怠らなかった
マリンがなぜか、心ここに在らずといった状態でいることが不思議で
船を降りる前に「どうかしたか?」と聞いた
「・・絶対に気を抜かないで」そういうマリンに
「大丈夫だ」と答えて神威と共に船を降りた。
事件は孫楊が先に退出した直後に起こった。
外で物音がし、大声で叫ぶ声がする
悲鳴も聞こえた
ドアを開けると孫楊が倒れている
振り返る神威に人狼の団長は笑っていた。
「これでお前を殺して、ついでにこの要塞も人狼がいただく」
だからといって素直にやられる神威ではない。
人狼の団員を次々倒していく中で孫楊の部下が絶命している姿を見た
人狼は団員を忍び込ませ、孫楊、神威、を殺し果ては春雨・も壊滅させ
マリンを手に入れるつもりだった。
協力すれば生かすが逆らえば殺す、なんとか捉えようと画策していた
阿伏兎もマリンの言葉を戯言とは捉えず、配備を済ませていた。