この宇宙の中で
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「一人で飲んでるの?」
「ええ」
短い言葉で返事をするとプライベートの笑顔を見せる
「勝手に入るよ」
そう言って神威はマリンの横に腰掛けてテーブルを見ると
すでにワインが一本空いている
彼女はこの程度では酔わないことも知っているから驚きもしないけど
酒豪は相変わらずだなと思う
すでに部屋にいるため彼女はタンクトップ姿だ
この前の銃槍が腕に残っているのを見て
「また傷が増えたね」と神威はそこに触れる
「この程度ならなんともないわ」
「でも足の爪はダメなんだろ?こっちの傷の方がはるかに痛いと思うけど?」
「足の爪は絶対ダメなのよ」
そこだけ必死にいう彼女に笑いが漏れる
これはいつものやり取り
「マリン、俺ももらっていい?」
グラスを指差すと
「珍しい。飲んだことってあったけ?じゃあ秘蔵の一本をお出ししましょう」
そう言ってワインを開け、神威のグラスに注いだ
「マリンはいつから飲んでた?」
「ああ。子供の頃はそれを薄めて飲んでたわ、練習みたいなものじゃないかな?
飲めないと話にならないから。あの星じゃ」
「それで酒豪が育つんだな」
「そうかしら?酒癖は悪くないから安心して」
そう言って笑うマリンを見ながら神威も珍しく二杯目を飲む
マリンは視線を宇宙に移して呟く
「星は綺麗ね、誰にでも平等に輝いて見せてくれる」
どこか遠目をしていうマリンに何か心が締め付けられる思いがする
さっき見た夢が心をざわつかせた
神威はグラスをテーブルにおき
その肩を引き寄せて、そのまま唇を重ねた
「神威?もう酔ってるの?大丈夫?」
唇が離れてマリンが優しく聞いてくる
ーーー「・・酔ってるよ。もう。酔ってる」
そう言って何度も神威は唇を重ねた
ーーその夜、神威はそのままマリンと夜を過ごした
数時間後目を覚ました神威が見たのは背中を向け着替えているマリンの姿だった
その背中にも歴戦の跡がいくつも残っている
夜兎と違い傷跡はそのまま残る、回復だって遅い
この人は長く軍人として生き戦ってきたんだと、それを見ると尚更思う
それは確かに戦ってきた証
マリンが身支度を整えたのを見て、また寝たふりで目を閉じる
気配が近づいてきて、頬に彼女の指先を感じた
そしてほおにかかっていた髪を直して、上掛けをかけ直して部屋を出て行った
完全に気配が消えたことが分かってから神威は起き上がった
「あれは完全に酒の勢いと思われてるな」
そう呟くとため息をついた
彼女は全く酔ってなかったけど・・俺は酔ってるからと思い込んで・・受け入れたんだろうか?
兎にも角にも・・告白する前に関係を持ってしまった
やっちゃったかもな・・そんな気分になる神威だった